やっぱ実演? 〜2004年〜


僕が行った2004年の演奏会です。
★印は、演奏会の批評ではなくて、あくまで僕の満足度を表しています。
もっとも満足した場合は「★5つ」です。「☆」は0.5を表します。
目安は・・・★は行くんやなかった。★★はあまり良くなかった。★★★は普通。★★★★はよかった。★★★★★はめっちゃ感動できた。


<4> 12月29日 大阪フィルハーモニー交響楽団シンフォニーの夕べ

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団
指揮:小林研一郎
ソプラノ:菅英三子、アルト:竹本節子、テノール:錦織健、バリトン:ロバート・ハニーサッカー
合唱:大阪フィルハーモニー合唱団

年末恒例の大フィルの第九公演。朝比奈隆が亡くなってから指揮者も年々代わるようになって今年はコバケンこと小林研一郎。燃えるコバケン炎の第九とはよく言ったのもで、文字通り熱い、冬なのにひたすら熱い第九となりました。まず最初に出てきたコバケンは一旦指揮台に上るとまたすぐに降りて、ホールのエアコンを切るように指示。どうやらエアコンの音が気になったらしい。なかなかはじまらず少々ざわめき始めた聴衆に向かってコバケン自ら「ただいまエアコンを切っております。もう少々待ちください。」・・・って2日目やのにわからんかったんか?そして演奏がはじまると、コバケン独特の「唸り声」もあわせてはじまりました(笑)。僕の座っていた座席は2階の後ろのほう。そこまで唸り声が聴こえるんだから相当な大きさの唸り声を出しているんだろうけど、奏者は気にならないのだろうか?演奏のほうは堪能できましたっ・・・てか、あとでも書くけど、年末の第九に関しては演奏に関してはよっぽど落胆するほどの演奏でない限りは云々かんぬん言わないようにしました。曲が終わって、ソリスト1人1人を一歩前に出させて紹介するとか、合唱団もパート毎に立たせて紹介するなど、さすがコバケンらしい仕草と、朝比奈の思い出を少しだけだが披露するなど、聴衆も割れんばかりの拍手。まさかダニーボーイはやらないだろうと思っていたら、「ベートーヴェン先生に失礼なので、今日はアンコールはなしです。」これには聴衆からも笑いが出たが、終演後の合唱団による、ペンライト、スモークありの「蛍の光」もあわせて、年末の締めくくりにふさわしいすばらしい第九公演になりました。♪フェスティバルホール

さて、上記でもちょこっと触れましたが、年末の第九に関してはよっぽど落胆するほどの演奏でない限りは云々かんぬん言わないことにしました。(年末に第九をやるのは日本だけじゃ!どうして第九なのか?ということは置いといて)それはなぜかと言うと、年末の第九に関しては「第九を聴きに行く」というよりは「【年末の第九】を聴きに行く」というほうがウエイトが大きいからです。僕はあまりベートーヴェンは聴かないほうで、第九なんかは年に2回(【年末の第九】も含めて)聴きに行けばいいほうです。それなのに毎年【年末の第九】を聴きに行くということは、今年もいろいろあったけどなんとか年を越せるなぁと、今年もおわりやなぁと思いながら第九を聴いて感慨にふけるという、ある意味イベント的なもの含まれているんです。だから、終演後の合唱団によるペンライト、スモーク付の「蛍の光」もあわせて【年末の第九】なんです。クラシック好きの中には「蛍の光」が嫌で第九が終わると帰ってしまう人もいるようですが、僕は「蛍の光」があってなんぼなんです。だから、よっぽど落胆するほどの演奏でない限りは云々かんぬん言わないことにしました。演奏に関してあ〜だこ〜だ言うのはちょっと違うんじゃないかなと思うんです。(言いたいこと、うまく伝わっているかな?)というわけで、演奏自体に関する詳しい感想と星印は今回からなしです。でも、今年の【年末の第九】は堪能できましたよ^^

ってか、今年は4回しか演奏会に行ってなかったこと自体にびっくりしました、いやまじで。

※第九公演、今年は1日だけだったようです。毎年2日公演だったのになぁ。訂正してお詫び申し上げます。


<3> 7月9日 大阪フィルハーモニー交響楽団第380回定期演奏会★★★★★

ブルックナー:交響曲第8番
管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団
指揮:大植英次

朝比奈隆の誕生日に朝比奈隆の後継者の大植英次がブルックナーをする、それも8番。大植英次の大阪、大フィルへの意気込みが十分に感じられる。話題性も十分です。
朝比奈隆/大フィルのブルックナーは何度か聴いたことはあります。4番や5番、7番、9番など。それぞれ名演に出会うこともあれば、いまいちだったこともあります。ただ、8番だけは残念なことにいい思い出がない。何度か聴く機会があったのだけど用事が入ったりで8番は1回しか聴いたことがなかった。その1回がいまいちだったので8番に関しては残念ながらいい思い出がない。
ところが今回の大植/大フィルの8番はそうじゃなかった。すべてはテンポだったのではと思う。以前聴いたときは、音楽が止まってしまうのでは?とまで思ってしまう遅いテンポだったが、今回のブルックナーはそうじゃなかった。朝比奈/大フィルとは全然違うブルックナーでした。それにオケのほうも普段以上に力の入りようが違ったのかすばらしかったです。各パートのソロ、コンマスをはじめホルンやオーボエ、フルート、クラリネット等々がすばらしかった。また、あれは3楽章冒頭だったか、バイオリンの音がほんとにいい音してるなぁ、と思った。(まぁ、ここの弦はすばらしい、とは以前から言ってるんだけど改めてそう思った。)相変わらず金管のアインザッツはよくなかったけど、当夜はそれすら感じさせなかったくらいである。新しい大フィルのブルックナーでした。他の番号も聴いてみたいと思った演奏でした。終演後は団員と抱き合う一幕も。何度も何度も呼び出される中、胸ポケットに忍ばせておいた朝比奈隆の写真を会場にかざすパフォーマンスも忘ずにやってました。ほんとすばらしかったと思います。★5つです。欲を言うなら拍手とブラボーがちょっと早かったかな。

あ、そうそう、まだアラームを鳴らしていた人がいました。ありえへん・・・。
♪大阪ザ・シンフォニーホール


<2> 6月4日 ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー大阪公演★★★☆

ワーグナー:歌劇」「タンホイザー」序曲
マーラー:歌曲「亡き子をしのぶ歌」
ブラームス:交響曲第1番
管弦楽:ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー
コントラルト:ナタリー・シュトゥッツマン
指揮:大植英次

アンコール
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」第3幕への前奏曲
エルガー:創作主題のための変奏曲「謎」より第9変奏曲
ブラームス:ハンガリー舞曲第5番

♪演奏会の批評っていうのは大変むずかしいもので(音楽評論家という肩書きを持っている人の中には実際には行ってない演奏会の批評をする方もおられるようですが)、僕は演奏会の「批評」ではなくてあくまでも「自分自身の満足度、感想」という形でこのページを作っていますが(もちろん実際に聴きに行った演奏会の)、それでも難しいもものです。特に「良かった」よりも「良くなかった」というほうが感想が長かったりします。それは「良くなかった」ほうがあそこが良くなかったとか具体的に伝えられるからです。それに比べて「良かった」感想は具体的に欠け何が言いたいのかよくわかんない文章になってしまいます。前回のゲルギエフ&ロッテルダム・フィルの感想なんかはその典型的な例で、はずかしい限りです。といって、「良くなかった」演奏会の感想が上手く書けているかというとほとんどが全然そうでなかったりします^^;

 さて、今回のハノーファー・フィルはどうだったかというと、よくわからん(笑)。尻上がりの演奏とでも言えばわかるかな?でも、これはあくまでも僕が感じたことで、実際良くなかったかというと、ホールの聴衆の反応を見ていると良かったんだろうなぁとも思ってしまいます。ブラームスの第3楽章まではそんなによくは思えませんでした。タンホイザーの出だしのホルンも音は良く鳴ってたのですが、出だしをしくじったりいまいちだったと思います。上手かったのは上手かったんだけどね。そういえばオーボエやコンマスもすばらしかった。指揮は大フィルの音楽監督に就任して大植英次でしょ?その手兵のハノーファー・フィルということで結構期待していたのかも知れません。就任披露のときの「復活」が良かったので(これも演奏自体には賛否両論あったようだけど)もっと重厚なイメージがあったんだけど・・・。なんか物足りなさを感じました。僕は歌曲は全然うといので詳しい感想は書けませんが、それでもシュトゥッツマンはすばらしかったと思います。ただ、やっぱり思うのは拍手をするタイミングが早いんじゃないかな。フライングではないけれどもっとなにか余韻というものをかんじられないのかなぁ。
 で、ブラームスです。3楽章まではなんかいまいちかなぁ、と思っていたのですが、4楽章になって大植英次はすごい動くし、曲もクライマックスになって最後はホールの聴衆と一緒に割れんばかりの拍手を送っていました。あれ?途中まではなんかいまいちだったのになぁ、なんて思いながら。「大阪の人間」(もちろん大阪老舗の大フィル音楽監督)ということも割れんばかりの賞賛の後押しにもなったのでしょうが。
 アンコールは3曲でしたが、結局この3曲が演奏会を通じて一番良かったと思います。本プロを終わってもなんでこんなに音が鳴っているのか、全然バテてない様子はまるでシカゴ響の金管を思い出してしまいました。エルガーははじめて聴きましたがとてもきれいな曲で、日本語での曲紹介(外国のオケでの日本語により曲紹介は本当にホッとします)では大阪を強調してました。ハンガリー舞曲はテンポを思いっきりゆらして抑揚をつけてとても面白い演奏でした。バス・トロンボーンの打ち込みのリズムがとっても印象的でした。本プロのブラームスの4楽章からアンコールにかけてはずっとホールが鳴りきっていました。
 終わりよければすべてよし、そんな演奏会だったと思います。(あくまでも僕個人の感想です。)大阪ザ・シンフォニーホール


<1> 5月22日 ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団京都公演★★★★★

マーラー:交響曲第9番ニ短調
管弦楽:ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ワレリー・ゲルギエフ

♪今年最初の実演です。数年前に大阪国際フェスティバルでこのコンビでを聴いたことがあります。曲は幻想交響曲でした。そのときの演奏もよかったのですが、今回の感想は、ロッテルダム・フィルってこんなに上手かったか?でした。というか、そのときの演奏はあまり覚えてないのすが・・・^^;いまそのときの感想を読み返したんだけど、そのときもかなりよかったんだけど、今回はそれ以上によかったような気がします。予想に反して金管がめっちゃ鳴っていました。金管の音量にはびっくりしてしまいました。最初のほうはホルンがちょっとしくじり気味でしたが、全体的に楽章を重ねるごとによくなっていたような気がします。このオケがここまでよくなってきたのは明らかにゲルギエフの影響が大と思いますが、これからが大変楽しみなオーケストラの1つです。・・・・ってかクーラー効き過ぎ(笑)。
京都コンサートホール。



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