やっぱ実演? 〜2013年〜


僕が行った2013年の演奏会の感想です。


<10>12月30日 第九シンフォニーの夕べ 

曲目
 L.ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
指揮
 井上道義
管弦楽
 大阪フィルハーモニー交響楽団
ソリスト
 ソプラノ:小林沙羅 アルト:小川明子 テノル:福井 敬 バリトン:青山 貴
合唱
 大阪フィルハーモニー合唱団
場所
 フェスティバルホール

♪今年も行ってきました。大阪クラシック界の年末恒例、大フィルの「第九」。今年は、リニューアルした古巣フェスティバルホールでの最初の年末の「第九」。おまけに来期より首席指揮者に就任するミッキーこと井上道義との年末の「第九」。さらに大阪フィルハーモニー合唱団創立40周年ということである。しかし、僕の最大の感心は、合唱団の「蛍の光」が復活するかにあった。フェスティバルホールが改装する前の年末の第九は、第九終演後に合唱団だけで、1人1人が緑色のペンライトを灯しながら「蛍の光」を合唱して、スモークも焚いて、それはそれは幻想的で1年の締めくくりにぴったりな演出だった。しかし、フェスティバルホールが改装中は、会場がザ・シンフォニーホールに変わり、それとともに「蛍の光」自体もなくなってしまった。しかし、フェスティバルホールがリニューアルして会場が戻るとともに「蛍の光」もあの演出とともに復活した。涙ちょちょ切れもんだ。ただ緞帳はなかったけど。第九のほうも満足でした。やっぱりミッキークラスの指揮者がタクトを振ると、同じ曲とは思えないくらいの仕上がりになる。ミッキーの下で大フィルがどう化けるか楽しみだ。


<9>11月10日 チェコ国立ブルノ・フィルハーモニー管弦楽団 2013日本公演 

曲目
 B.スメタナ:「連作交響詩「わが祖国」より「モルダウ」
 A.ドヴォルザーク:チェロ協奏曲
 A.ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
指揮
 レオシュ・スワロフスキー
管弦楽
 チェコ国立ブルノ・フィルハーモニー管弦楽団
ソリスト
 トマーシュ・ヤムニーク(チェロ)
アンコール
 A.ドヴォルザーク:スラブ舞曲第15番
ソリスト・アンコール
 パブロ・カザルス:鳥の歌
場所
 ザ・シンフォニーホール

♪同じ国のメジャーオケに隠れてるけど、同じ国のオケなんだからきっと上手いはず、と思って聴き始めたのが、プラハ放送響、ドレスデン・フィル。まさにそのとおりだった。このブルノ・フィル、チェコ・フィルがやたら有名で、それに隠れた存在になってるけど実は上手い。チェコ・フィルが静のオケとしたらこのブルノ・フィルは動のオケ。6月に聴いたプラハ放送響もそう。なんともパワフル。で、やった曲も似ているところはさすがチェコのオケ(笑)。いやぁ上手いところを聴かしてくれました。チェコのオケはチェコ・フィルだけじゃない!


<8>9月25日 ミラノ・スカラ座管弦楽団 ヴェルディ生誕200年祭 大阪特別公演 【ヴェルディ ガラ・コンサート】 

曲目
 歌劇「ナブッコ」序曲
 歌劇「アイーダ」〜“清きアイーダ”、“勝ちて帰れ!”
 歌劇「椿姫」第1幕への前奏曲
 歌劇「アイーダ」〜“死の運命の石が私の上に閉ざされた〜さようなら、大地、涙の谷よ”
 歌劇「ルイザ・ミラー」〜序曲
 歌劇「イル・トロヴァトーレ」〜“ああ、美しい人〜見よ、恐ろしい炎を”
 歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲
 歌劇「イル・トロヴァトーレ」〜“穏やかな夜〜この恋を語るすべもなく”
 歌劇「運命の力」序曲
  以上、ヴェルディ作曲
指揮
 グスターボ・ドゥダメル
管弦楽
 ミラノ・スカラ座管弦楽団
 マリア・ホセ・シーリ(ソプラノ)
 スチュアート・ニール(テノール)
アンコール
 マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より「交響的間奏曲」
場所
 大阪 フェスティバルホール

♪下の京響の演奏が「今年行ったコンサートの中で一番になるかも知れない」と書いたばかりなのに、もうそれ以上の演奏を聴くことが出来た。まったく不安さを感じさせない安心して聴くことが出来る演奏だった。僕は知ってのとおり、オペラを聴かないクラシック音楽愛好家だから声楽には明るくない。しかし、その僕がすごいと感じることが出来たソプラノとテノールの各ソリストだった。すごくパワフルかつ繊細な歌声を披露して、聴衆もブラヴォーの連発だった。いやいやすごかった。
それにしても、改修後のフェスティバルホールははじめて行ったけど、きれいになったなぁ。


<7>9月21日 京都市交響楽団 大阪特別公演 

曲目
 デュカス:交響詩「魔法使いの弟子」
 ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲
 R=コルサコフ:スペイン奇想曲
 ラヴェル:ボレロ
指揮
 広上淳一
管弦楽
 京都市交響楽団
 ピアノ:山本貴志
アンコール
 J.ブラームス:ハンガリー舞曲第6番
場所
 ザ・シンフォニーホール

♪山本貴志のピアノも上手かったが、スペイン奇想曲とボレロが素晴らしかった。今年行ったコンサートの中で一番になるかも知れない。広上淳一とのコンビがよかったので大阪に来る時は行くようにはしているけど(曲目がよっぽど良ければ京都まで足を運ぶけど)、またまた上手い所を聴かせてもらった。残念なのは座席が一番端だったこと。シンフォニーホールだから一番端でも音に損傷はないけど、やっぱりね・・・。
広上淳一はやっぱり今回も指揮台の上で踊ってました(笑)。


<6>6月29日 ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団 2013日本公演 

曲目
 L.ベートーヴェン:交響曲第7番
 J.ブラームス:交響曲第1番
指揮
 ミヒャエル・ザンデルリンク
管弦楽
 ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
アンコール
 J.ブラームス:ハンガリー舞曲第5番
場所
 ザ・シンフォニーホール

♪ミヒャエル・ザンデルリンクの兄はシュテファン・ザンデルリンクで指揮者である。腹違いではあるが、長兄のトーマス・ザンデルリンクも指揮者である。父のクルト・ザンデルリンクは言わずも知れた誰もが知っている大指揮者である。何年か前、大阪シンフォニカー(現 大阪交響楽団)の演奏会に足しげく通っていたころは、トーマスは大阪シンフォニカーの音楽監督で、その頃はシンフォニカーの黄金期だった。すごい音楽一家だった。ヤルヴィ一家もすごいが。
さて、演奏のほうだが、ブラームスがすばらしかった。ベートーヴェンも上手かったがいまいち来るものがなかった。アンコールのハンガリー舞曲がまたよかった。冒頭のちょっと暗めのフレーズの弦の響きが最高だった。ミヒャエルのきびきびとした棒にオケが応えているのが一番わかったのがハンガリー舞曲だったと思う。
このオケも、有名なシュターツカペレ・ドレスデンの陰に隠れたダークホース的なオケだと思う。


<5>6月23日 プラハ放送交響楽団 2013日本公演 

曲目
 B.スメタナ:「連作交響詩「わが祖国」より「モルダウ」
 L.ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」
 A.ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
指揮
 オンドレイ・レナルト
管弦楽
 プラハ放送交響楽団
アンコール
 A.ドヴォルザーク:スラブ舞曲第10番、第15番
場所
 ザ・シンフォニーホール

♪最近、このオケ、こんなに上手かったかぁ?みたいな感想を書いてるけど、このオケもそう。このオケ、こんなに上手かったかぁ?チェコ・フィルに隠れて地味な存在だったけど、今度また来日したら是非とも聴きに行かなければ。ベートーヴェンとアンコールが秀逸でした。ベートーヴェンなんか、やっぱりベートーヴェンはすごいと改めて思ったぐらい。プラハ放送響恐るべしである。


<4>5月19日 ウィーン交響楽団 2013日本公演 

曲目
 L.ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番
 G.マーラー:交響曲第5番
指揮
 大野和士
管弦楽
 ウィーン交響楽団
ソリスト
 ピアノ:インゴルフ・ヴンダー
ソリストアンコール
 ドビュッシー:「月の光」
オーケストラアンコール
 J.シュトラウスU:ワルツ「春の声」、「トラッチトリッチ・ポルカ」、「電光と雷鳴」
場所
 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール

♪うまいところを聴かせてもらいました。演奏は文句なし。すばらしかったです。会場もブラヴォーの嵐で、去年のドレスデン国立歌劇場管弦楽団の「リエンツィ」序曲もすごかったけど、今回のウィーン交響楽団もすごい演奏になりました。ただ、ちょっと熱すぎた^^;大野はマーラーに思い入れが強いので、バーンスタインばりに感情的になって熱い演奏となった。冒頭のトランペットも文句なしのできだったし、トロンボーン(バストロ含む)やチューバなんかバシバシ音が飛んできてたし、ホルンやヴァイオリンもうまかったし、このオケ、こんなにうまかったかぁ?アンコールもまさかの3曲だったけど、3曲ともすばらしかった。ヴンダーもうまかったし、特に「月の光」はすばらしかった。熱かったけど、オケを鳴らしきっていた大野はすごかった。


<3>3月16日 兵庫県立芸術文化センター管弦楽団 第59回定期演奏会 

曲目
 ヴォーン・ウィリアムズオーボエと弦楽のための協奏曲
 A.ブルックナー:交響曲第9番
指揮
 下野竜也
管弦楽
 兵庫県立芸術文化センター管弦楽団
ソリスト
 オーボエ:セリーヌ・モワネ
ソリストアンコール
 J.S.バッハ:無伴奏フルートのためのパルティータより第3楽章「サラバント」BWV1013
場所
 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール

♪PACオケにはさほど興味はないが、下野竜也がブルックナーを振るというので聴きに行った。テンポは遅かった。ブルックナーは敬虔なカトリック信者で、この曲は神にささげた最後の交響曲で、ブルックナーが作った曲の中で最も荘厳で重厚だと思う。それを考慮してのテンポ設定だと思うが、それにしても遅かった、バーンスタインが晩年にウィーン・フィルと録音したブル9を彷彿とさせた。ただ、重厚な割にはいまいち迫力に欠けていたのではないか。各パートはミスも少なくそれなりに曲をこなしていたのだけど、なんと言うか・・・ひとつになっていなかったと言うか、ホールを鳴らしきれてなかったと言うか、テンポのせいだったかも知れないが、なんか不完全燃焼だった。
ヴォーン・ウィリアムズは・・・爆睡してました、すいません^^;最近寝ても寝ても足りないような気がして・・・。


<2>3月3日 ロンドン交響楽団 大阪公演 

曲目
 B.ブリテン:オペラ「ピータークライムズ」より「4つの海の間奏曲」
 W.モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番k.453
 L.ベートーヴェン:交響曲第7番
指揮
 ベルナルト・ハイティンク
管弦楽
 ロンドン交響楽団
ソリスト
 ピアノ:マリア・ジョアン・ピリス
アンコール
 メンデルスゾーン:「真夏の夜の夢」よりスケルツォ
場所
 大阪ザ・シンフォニーホール

♪ソリストともなると、ドレスを身にまとい登場するけど、ピリスはドレスを着ることもなく(ドレスだとしてもめっちゃ地味)、いかにも台所で料理の途中で「あ?LSOの日本公演?行く行く、ちょっと待ってて」と言って来た、ピアノの上手い普通のおばちゃんみたいな感じでした。でもピアノはめっちゃ上手くてブラヴォーが飛び交っていました。何回もカーテンコールされていたけどでもなぜかソリストアンコールはありませんでした。
ハイティンクを批評するときに、よく正統派とか言われるけど、なるほど小細工とかなしのそのハイティンクの音楽性とLSOの上手さがプラスされて、すごいしっかりした音楽を楽しめました。終演後はブラヴォーの嵐でした。アンコールのメンデルスゾーンのスケルツォも、細かい動きが多いのにそつなくこなし、このオケ上手いですね。
しかし1つ疑問が・・・。
最初のブリテンの時は、第2コンサートマスター(と思わしき人)が演奏前の音合わせをして、第1コンサートマスター(と思わしき人)はあとから舞台に入ってきてそのまま座るだけ。あとの2曲は第1コンサートマスター(と思わしき人)が音合わせをしていました。
???でした。


<1>2月3日 フィルハーモニア管弦楽団 2013年 西宮公演 

曲目
 L.ベートーヴェン:劇付随音楽「シュテファン王」序曲
             ピアノ協奏曲第4番ト長調
 G.マーラー:交響曲第1番「巨人」
指揮
 エサ=ペッカ・サロネン
管弦楽
 フィルハーモニア管弦楽団
ソリスト
 ピアノ:レイフ・オヴェ・アンスネス
アンコール
 ソリストアンコール
  L.ベートーヴェン:ピアノソナタ第22番から第2楽章
              ピアノ協奏曲のカデンツァ
 オーケストラアンコール
  ボッケリーニ:マドリッドの夜警隊の行進曲(ベリオ編曲)
場所
 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール


♪ひさしぶりに胸のすくような「巨人」を聴いたような気がする。サロネンの実演に接するのは実に今回がはじめてだけど、イメージとは違い結構アグレシッブな指揮で、指揮台の上で跳んだりしてました。でも、バーンスタインとはまた違い、熱い感情の塊をぶつけるといったわけではなく、まだ若さゆえの元気らしさ、さわやかさすら感じられた。それでいて、明確でわかりやすく的確に指示を出す棒さばきだった。オケには傷もいくつかあったけど、特にサロネンらしさを感じることができたのは、「巨人」の第2楽章の冒頭。あそこまで?と思うほどの気合の入ったはげしい棒の振りおろし。それと、第4楽章ラストのホルンのスタンドアップの箇所の前のフレーズ。急ブレーキをかけてテンポを落とした。ここで急ブレーキをかける指揮者を見るのははじめて。ホルンのスタンドアップはちょっと早かったけど、サロネンらしさを感じることができました。アンスネスのピアノも上手かったし^^



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