【お天道様の下へ】


一掛け二掛け三掛けて仕掛けて殺して 日が暮れる 

必殺シリーズの間

                     のさばる悪を何とする 闇に裁いて仕置きする


 ここは、必殺シリーズのページです。

素人さんは、入ってきてはいけません。

ここの閲覧を許されるのは、裏の稼業に関心のある方のみ。

悪いことは言いません。

日の当たる世界へ抜け出したいなら、上に抜け穴を用意してあります。

それでも入りたいとおっしゃる?

よござんすか? よござんすね。

一度入ったら抜け出せない、闇の世界へようこそ。

まずは、過去の殺し屋たちの生き様、死に様を描いた「作品リスト」と解説をどうぞ。

必殺仕掛人 72年9月
〜73年4月
 原作は池波正太郎の「仕掛人・藤枝梅安」
シリーズ。
「木枯らし紋次郎」に対抗するリアル時代劇
として作られた。
 梅安の針による殺しや、屋根から屋根へ
飛び移るなど、格好いい描写の見られる回も
あるが、毎回のアクションに見せ場がある
わけではなく、リアルなドラマ主導といえる。
必殺仕置人 73年4月
 〜10月
 中村主水初出演作
 前作の設定「殺しという裏稼業」を継承
しつつ、掟に縛られたクールな組織ではなく、
仲間同士の合議制を重視したドラマ作り。
その過程で熱い感情のぶつかり合いが
描かれる回もある。
 必殺の基本フォーマットを確立させた作品
といえる。
助け人走る 73年10月
〜74年6月
 元締めの山村聡の出演が、
「仕掛人」との共通項

 でも、掟に縛られる組織ではなく、
かなり陽性の、人情に縛られた組織。
 だが、番組の途中で、ハードな描写も
増えてくる。
 その最たるものが、仲間の密偵役の殉職
 これ以降、必殺シリーズではしばらく
終盤で命を落とす殺し屋が続出する。
暗闇仕留人 74年6月
〜74年12月
 舞台は幕末。黒船来航期のお話。
 主人公は、中村主水……ではなく、
石坂浩二演じる蘭学者の糸井貢
 彼が、殺しの世界に入ったものの、
ライバル組織との抗争で愛する妻を失い、
すべてがむなしくなって、悩み切ったあげく、
最終回において殺しに失敗し命を落とす。
 主水の仲間が初めて死んだ作品
 メインキャラクターが悩み多い
インテリ学者だから、仕置人の陽性な
描写が影をひそめ、雰囲気は静かなもの。
 でも、石屋の大吉の必殺技・心臓つかみ
(レントゲンと心電図使用)
は楽しいぞ。
必殺必中
  仕事屋稼業
75年1月
  〜6月
 賭博好きの男2人が、殺しの世界に足を
踏み入れ、素人からプロに成長する話。
 最終回では、1人は仲間をかばって死亡。
もう1人はプロの殺し屋として生きるべく、
全てを捨てた逃避行……と、壮絶な展開。
 非主水シリーズ最高傑作と言われる作品。
必殺仕置屋稼業 75年7月
〜76年1月
 中村主水3度目の復活。
 時代を幕末から巻き戻し、殺しのプロとして
成長する八丁堀の姿を描く。
 また、仕置人の「棺桶の錠」役だった
沖雅也がクールな殺し屋・市松として
主水と対立

映像面から、殺しの美学を示すとともに、
なれ合い仲間ではないシビアな裏稼業の
姿を描く。
必殺仕業人 76年1月
  〜7月
 主水は前作から続投。
 今度の仲間は、木枯し紋次郎の
中村敦夫演じる侍くずれの大道芸人・
赤井剣之介。
 前作以上に、仲間意識を廃したドライで
クールな「金」のみでつながった裏稼業。
だが、最後は剣之介の仇を討つため、
「金にならない一騎打ち」に挑む主水
を描き、
情に走る素人でも、金だけにこだわるただの
殺し屋でもない、真の裏稼業の達人ぶりを
見せてくれます。
必殺からくり人 76年7月
  〜10月
 2000年の秋、TV大阪で再放送され、
ようやく全話視聴がかないました。
 とにかく仲間の絆の強い「からくり人」。
でも、最終話の1つ前から、敵組織との
抗争で、次々倒れていき、最後に全滅する
様はすさまじいです。
必殺からくり人
   血風編
76年10月
〜77年1月
 幕末、明治維新の時代の話。
 前作とはBGM以外、まったく関係ない。
 山崎努演じる土左ヱ門が官軍の密偵の
立場から、権力者の掲げる正義の旗印に
疑問を抱き、殺し屋としての自分の正義を
見出す。
 幕末の混乱期に、昨日までの正義が
当てにならない世相を描いた作品といえます。
10 新必殺仕置人 77年1月
  〜11月
 主水の名パートナーの仕置人・念仏の鉄の
復活

 必殺シリーズ最高傑作との評価も高い。
 阪神ファンには、伝説の名バッターであった、
故・藤村富美男が元締め・虎役で出ている
いう点で、必見の作。
 最終回の一人敵陣に切り込む主水
最高に格好いい一作です。
 もちろん、鉄の死に様もね。
11 新必殺からくり人
 東海道五十三次殺し旅
77年11月
〜78年2月
 唯一、見ていない作品だったけど、
2001年冬に再放送されたので、
非常に嬉しいです(^0^)。
 年末の現在、喜んで視聴中。
「からくり人」がもし、全滅せずに生き残って
いたら……的な、キャラクター配置。
 そして、必殺シリーズ初の旅物です。
 見どころは、芦屋雁之助の火吹き殺し
でしょう。近藤正臣の剣術もいいよ。
でも、一番見たかったのは、古今亭志ん朝の
催眠術殺し
だ。
12 江戸プロフェッショナル 
   必殺商売人
78年2月
  〜8月
 仲間を次々と失ったあげく、ついにプロの
頂点に達した中村主水の物語。
 とにかく、シリーズ最高の主水の剣術
見られます。
13 必殺からくり人 
   富嶽百景殺し旅
78年8月
  〜11月
 「新必殺からくり人」の設定を受け継ぐ
旅シリーズ。
 沖雅也演じる唐十郎の武器・仕込み釣竿
格好いい。芦屋雁之助のドジョウ捕り用ビクに
よる頭蓋骨砕き
も笑える。
14 翔べ! 必殺うらごろし 78年12月
〜79年5月
 中村敦夫主演(役名は「先生」。旅の行者)
オカルト時代劇
 この作品を高校時代にサンテレビの
再放送で、見ることができた自分は、
結構、幸せだと思います。必殺マニアの間で、
ずいぶんと評判みたいですから。
 朝日が昇るとともに、殺しの的に向けて
走り出す「先生」の姿は、必殺シリーズには
珍しく、さわやかで、格好いいぞ。
 和田アキ子の拳骨殺しや、
市原悦子の「普通のおばさんのように
話し掛けて、油断しているところを短刀で
刺す」攻撃
も楽しいし。
15 必殺仕事人 79年5月
〜81年1月
 前作がきわもの過ぎて、視聴率低下。
で、原点に戻したところ、三田村邦彦演ずる
「かざりの秀」が人気爆発

シリーズ最長作となりました。
 この作品が、その後の必殺の路線変更の
きっかけと言えますね。
 一つの作品で、これだけ前半と後半がちがう
作風を持っているのもないんじゃないかな。
16 必殺仕舞人 81年2月
  〜5月
 割と地味な旅物。
 でも、実は西崎みどり初レギュラーという
トピックが。彼女は、後期必殺の
非主水シリーズの顔として出続けます。
 京マチ子や高橋悦史もシリーズ重鎮だし、
新人の本田博太郎もスペシャル版で
おなじみの役者に成長しました。
17 新必殺仕事人 81年5月
〜82年6月
 三味線屋の勇次が登場。
これで、仕事人最盛期(=必殺最盛期)の
顔ぶれがそろいました。
でも、当初の関西弁で話す勇次には、
今聞くと違和感ありまくり。
18 新必殺仕舞人 82年7月
  〜9月
 地味な旅物にも続編が。
 高橋悦史が拍子木で殺す際、
口にする「お命ご用心!」は傑作セリフ。
19 必殺仕事人V 82年10月
〜83年7月
 西順之助登場
受験生の殺し屋ってのは、結構いい設定だと
思うんだけど、なぜかマニア受けしない。
その原因は、この作品よりもむしろ、その後に
あると思うんだけどなあ。
 NOVAが初めて見た必殺で、愛着ある作品。
20 必殺渡し人 83年7月
  〜10月
 中村雅俊が登場した作品。
 しかし、やはり渡辺篤史の大吉には
かなわない。「力仕事何でも屋」なだけあって、
怪力で、相手の腸をつかむ必殺技。
NOVAが初めて見たレントゲン殺し
インパクトが大きかった。
ついでに、NOVAが初めて必殺のテーマ曲
(仕掛人の主題歌BGM)を聞いた作品でもある。
21 必殺仕事人W 83年10月
〜84年8月
 「渡し人」が物語としては地味な話なので、
仕事人のカムバックには期待していました。
結果、中学時代には楽しめました。
 「仕事人のヒーロー路線」は素直に
受け止められたもん。
 前期の作品の良さが分かるようになったのは、
高校になってから。
 でも、おかまの玉助が順之助を追いかける
定番シーン
は、放送当時は楽しめたけど、
ドラマを追いかけたい人には邪魔だったろうな。
22 必殺仕切人 84年8月
  〜12月
 これは、殺しのシーンだけ見ると、楽しめます。
何しろ、殺し屋の総数が7人。
うち2人は、火薬を使った陽動役だけど、
それを除いても、最大で5つの技が見られる
わけですから。絞殺、首刺し、格闘技、刀刺し、
撲殺と、なんでもありです。
 最終回の同じ技を持つ「偽者との対決」
最高傑作ですね。相手の技をいかにかわしつつ、
自分の技を出すかといった駆け引き面が楽しかった。
23 必殺仕事人X 85年1月
  〜7月
 必殺のヒーロー路線を拡大し、
NOVAのツボをまたも刺激した作品です。
 スカイライダーの村上弘明と、
ヒーローバカ(ほめ言葉です^^;)の京本政樹が、
秀と勇次に代わって参加。
でも、技の系統はまったく同じなんだよなあ。
マニアだったら、飽きるよなあ。
 この当時のNOVAはまだ必殺マニアじゃ
なかったから、純粋に楽しみましたが。
24 必殺橋掛人 85年8月
  〜11月
 この作品のポイントは、マニアには
津川雅彦の主演
でしょうが、
NOVAには、「ゴジラ(新作)」に出てた
宅麻伸の登場
(武器は吹き矢)がトピック。
 でも、音楽面から見ると、
まったく手抜き作品だよなあ。
殺しのテーマや主題歌は前作と同じだし、
トリのバラードは仕業人出陣のテーマだし。
新曲といえば、西崎みどりの歌う挿入歌ぐらい。
まあ、わずか13回で終わると分かってる
作品のために、新曲は作らないわな。
 もう、第1話から仕事の数が13個と
決まっていて、最終回では大した事件もなく
終了した作品です。
25 必殺仕事人X
     激闘編
85年11月
〜86年7月
 順之助が消えた。
 おかげで定番のギャグシーンがなくなり、
代わって、ハード路線復活の作品となりました。
柴俊夫の演じる壱の評価が高いです。
 音楽面でも主水の殺しが他の殺し屋と
同様のアクション曲だったり、いろいろ冒険を
していたんですが、いつの間にか
従来のパターンに戻ってしまいました。
 でも、好きな作品です。
 最終回を見た後、劇場版「必殺V」を見て、
組紐屋の竜や壱、参の死を見取るのが、
必殺通の見方でしょう。
26 必殺まっしぐら! 86年8月
  〜10月
 「かんざしの秀」の主演作。
でも、相変わらず、音楽面では手抜きが明らか。
せっかく三田村邦彦の歌う主題歌があるのに、

それを秀の殺しのシーンで使わない
とは何事か。
秀が似合わないバラードで殺すあたり、
選曲センスを疑うぞ、ホント。
秀に似合うのは、躍動感ある曲なんだけどな。
 内容は、秀が女郎の若紫に貢ぐ金欲しさに
仕事を続ける話……って、仕事人時代から
育ってきた秀のキャラクターじゃないし……。
最終回で、いきなり殺し屋仲間の友情を描くし、
おまえら、そんな深い付き合いしてないだろう! 
ってな感じで、NOVAの評価は高くない作品。
 時々、高校野球が雨のときに見られるんだけどね。
27 必殺仕事人X
     旋風編
86年11月
〜87年3月
 主水シリーズ一の駄作と言われる作品。
視聴率不振で突然、打ち切られるし。
これじゃ、故・出門英も、彼の演じた夜鶴の銀平も
浮かばれないよ。
 西順之助が歯医者に成長して復活するも、
相変わらずサポートなしじゃ殺しができないし、
スタッフもつくづく順之助を一人前にしたくは
なかったらしい。
 最終回は、銀平を巻き込んで、突然の爆死。
鍛冶屋の政に偲んでもらえた銀平はともかく、
誰からも忘れ去られた順之助が哀れです。
28 必殺仕事人X
   風雲竜虎編
87年3月
  〜7月
 前作の最終回を受けて、突然の新番組。
銀平に代わって登場したのは、三浦友和の
演ずる「かげろうの影太郎」。武器は、伸縮自在の
「南京玉すだれ」。
結構、カッコいい役でした。
 でも、必殺シリーズは打ち切り決定。
29 必殺剣劇人 87年8月
  〜9月
 必殺シリーズTV最終作……だった作品。
突然、チャンバラ時代劇になりました。
 剣客の近藤正臣の仲間は、火消しと忍者。
「寄らば切るぞ!」「おととい来やがれ!」
「ムフフ……あっぶぁあかぁめえ!(馬鹿め)」
の名セリフとともに、必殺技で悪人退治。
そして、最後はドロンと巨大ガマの登場とともに、
消え去るパロディ時代劇です。
 で、最終回は中村主水をゲストに、
「必殺」のパロディまで見せて、
大団円を飾ってくれました。
30 必殺仕事人 激突! 91年10月
〜92年3月
 剣劇人以降、主水はスペシャル版で活躍。
秀も復活しました。
 そして、時を経てレギュラー番組の一時復活です。
 今度のトピックは、奉行所内の謎の組織「仕事人狩り」
でも、途中でその設定も消え、最終回も盛り上がらずに
終了しました。
 この番組の功績といえば、鍛冶屋の政が死んだ
劇場版「必殺X」のきっかけになったことぐらい。
 一応、中村橋之助の必殺出演というトピックは
あるんですがね。
31
必殺仕事人2009
2009年1月
〜現在放送中
スペシャル版の「2007」そして新春スペシャルに次いで、
とうとう17年ぶりのテレビ連続放送スタートです。
おかげさまで、リアルタイムに必殺話ができるのは、
うちのサイト始まって、初めての快挙となりました。

劇場版で死んでいた中村主水も、
「2007」で何もなかったように復活。
本作でも、引き続きレギュラー出演。

何せ久々の新作なので、キャラ描写などの不満要素とか
いつまで続くの? 次作はあるの? などの不安要素とか、
いろいろあるのですが、
とにかく、「新作が作られて、旬な話題にできる」だけで
楽しんでいますので、過剰なぜいたくは言うまい。
愛情たっぷりの批評感想は、口にしますがね(^^;)。


 なお、作品リスト中、
  黄色表示
しているのは、
   必殺の顔たる八丁堀同心・中村主水(もんど)がレギュラー出演している、
     いわゆる「主水シリーズ(後期は仕事人シリーズともいう)」
  柿色表示しているのは、
   主水がレギュラー登場していない「
非主水シリーズ」を意味します。

 ただし、「非主水シリーズ」の中でも、「助け人」12話、および「剣劇人」8話(最終話)において、中村主水はゲスト出演しています。