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スーパーロボット大戦EX
作品解説
(その4・シュウの章)

【その1・システム編はこちら】 
【その2・マサキの章はこちら】 
【その3・リューネの章はこちら】


●ダークプリズン

 「自由であるとは、自由であるように呪われている事である。  J・P・サルトル」

 破壊神ヴォルクルスの使徒として、ラングランや地上に戦乱をもたらすべく暗躍したシュウ・シラカワ

 DC戦争(第2次SR大戦)に続くインスペクター戦争(第3次SR大戦)の終盤で、ロンド・ベル隊に協力したシュウは、邪魔な異星人を退けた後、ネオグランゾンの力を解放し、ロンド・ベルに牙をむく。しかし、幾度もの戦いで成長したロンド・ベルのスーパーロボットたちは、強力無比なネオグランゾンをもかろうじて撃退するのだった。

 シュウは死んだ、一度。

 その彼が、邪神官ルオゾールの蘇生の儀式で復活するところから、「EXシュウの章」の物語は始まる。記憶もまだ不完全ながら、シュウは破壊神ヴォルクルスを復活させるため、忠実な僕「紅蓮のサフィーネ」とともに行動を開始する。

 ラングラン周辺の混乱した状況の中で、シュウは地上人のジェリドライラカクリコン、そしてクワトロ・バジーナやバイストン・ウェルのバーン・バニングスを仲間に引き込んでいく。
 その一方で、権力を求める者に捕らわれていたラングランの
モニカ王女テリウス王子を解放し、自陣に誘い込むのだった。

 そして、ラングランの戦乱の陰で暗躍し、マサキリューネたちが戦っている状況で、不確定要素として行動したシュウは、ついにヴォルクルスの復活に漕ぎ着けるのだった。

 しかし、シュウの真意は「復活したヴォルクルスの破壊」にあった。自由を何よりも求めるシュウは、自分の自由を封じ、利用したヴォルクルスが許せないのだった。ルオゾールの蘇生の儀式の際、一部の記憶が失われたことで、ヴォルクルスに忠誠を誓う契約も無効になっていた。
 
ルオゾールをいけにえとして抹殺し、ヴォルクルスを復活させたシュウ。邪神に対する最後の戦い、それこそがシュウの望む「真の自由のための戦い」なのだ。

●隠されたルート

 「シュウの章」は、いわゆる隠しルートになります。
 元祖EX(SFC版)では、
「マサキの章」「リューネの章」のどちらかをクリアして、初めて選択できます。リメイクされたCB版EX(PS版)では、その両方をクリアしないとプレイできません。

 そして、隠しルートの章の中でも、さらに究極のルートは、「ネオグランゾン」使用ルート。数多いスパロボのメカの中でも最強と名高い「ネオグランゾン」を自機として自在に使えるのは、このEXだけです(SFC版魔装機神でも、ラストのシナリオのみ使用可能だが、基本的には敵キャラ)。
 その出し方は以下のとおり。

1.まず、ISSを使ってマサキの章リューネの章をクリア。
2.EXのタイトル画面で、
「下、上、左、右、L1、R1」と入力。
3.タイトルバックに稲妻が出たら成功。
4.
シュウの章をISSを使わずに始めると、
  自機がネオグランゾンになっている。

●ユニット&キャラクター解説

 シュウの章では、味方になるキャラが少ないので、魔装機もその他も一緒にして解説していきます。
 なお、話数は、3話の「バゴニアの傭兵」を通り、11話の「特訓」を繰り返さないものとして計上。
 

番号
(初登場話)
ロボット名 ロボットコメント
パイロット名 パイロットコメント
武装機甲士
グランゾン
第1話「シュウ、目覚める」から使用できる主役メカ。
ただし、第9話「闇のささやき」や11話「特訓」では、
使用不可。

異星人ゲストの技術を元に、国連が開発した機体。
開発には、シュウも携わっているため、
ラングランの錬金学の技術も用いられていると
考えられる。

動力部分の「ブラックホール機関」を利用して、
重力をコントロールする能力と武装を持つ。
マップ兵器「グラビトロンカノン」と
通常兵器「ワームスマッシャー」、
必殺武器「ブラックホールクラスター」と、
各種の武器を駆使して、暴れ回る。

このままでも強力だが、
封印を解いてネオグランゾンになれば、
向かうところ敵なしの猛威を振るう。
マップ兵器「ビッグバンウェーブ」と、
超必殺武器「縮退砲」が追加される。
なお、攻撃力がインフレ状態の元祖EXでは、
「縮退砲」は「18000」という強烈な数値を
誇る。

シュウ・シラカワ
(CV子安武人)
この作品で、初めてシュウの真意が分かります。
ヴォルクルスの使徒として、破壊と混乱のために
行動していたのが、死からの復活により解放され、
以降は、自分の自由を束縛した者への復讐に
基づいた行動を行う。

後の作品でも、敵か味方か分からない微妙な
ポジションを築きますが、味方に付けると頼もしく、
敵に回すとこれほど恐ろしい存在はない、と
思われます。

もっとも、EXでは、単独行動が多いため、
苦戦することも多い。
まずは「気合」をかけないと飛び道具が
使えないのも、厳しいんだよなあ。
その後は、回復用の「根性」に使用。
余裕があれば「幸運」も使いたいが。

妖装機
ウィーゾル
第2話「戦国魔神ゴーショーグン」から参戦する
「紅蓮のサフィーネ」の愛機。

赤い女性型ロボット……と書くと、
アフロダイAを連想するが、
デザイン・コンセプトは「仮面の女王様」である。
後の作品では、「ウィーゾル改」になるので、
結構、レアメカといえる。
武器は「ドライシュトラール」が使いやすい。
気力が120必要な、「アストラルバスター」や
「エレメントフュージョン」は改造しても、
操縦者に気合がないのであまり使えない。

なお、この回に登場するゴーショーグンは、
サフィーネが修理した後、シュウの依頼で、
マサキリューネを援護しに行くので、
仲間にならないのが残念なところ。
どうせなら、シュウの章でも何話か
戦ってくれたらいいのに。

サフィーネ・ヴォルクルス
(CV深見梨加)
シュウの部下のお姉ちゃんで、
エッチで過激な言動が特徴。
声は、セーラービーナスの人。
最初に声が出た「第4次S」では、
CV小山茉美だったりもした。

性格は危ないが、シュウに忠誠を尽くし、
メカニックとしても優秀な腕を持つ。
何しろ、ゴーショーグンのビムラーの
瞬間移動装置を制御できるようにし、
オーラバトラーのズワァースを改造したり
するほど。

レベルが30未満なら、最終話で非業の死を
遂げるが、その後の歴史ではきちんと
登場している。
精神コマンドは、「愛」か「幸運」に使用。

バウンドドッグ 第2話終了後、「遠回りする」を選択すれば、
第3話が「バゴニアの傭兵」になり、
そこでティターンズ3人衆が説得できます。
「バゴニアの傭兵」を通らなければ、
直接、次のシナリオの「ヌエット海」に
行くことに。

ティターンズ3人衆の機体は、3機とも同じ
バウンドドッグ
移動力と頑丈さに秀でた可変MSで、
敵の目をひきつける囮として活躍。
味方として使えるのは、この作品のみという
レアさも特徴。
欠点は、攻撃力不足なところ。
ビーム兵器主体なので、
敵によってはまったくの無力に。

ジェリド・メサ
ライラ・ミラ・ライラ
カクリコン・カクーラー
カミーユのライバルとして名をはせた3人衆。
この作品での活躍が認められ、続く「第4次」では、
わずかながら味方として使えるシナリオもある。
もっとも、基本的には敵の人たち。
敵役キャラを味方として使えるのが、
シュウの章の魅力と言える。

ジェリドの武器は、「加速」と「挑発」。
敵の目をひきつけて逃げ回るのが得意。
ライラは最初から「熱血」が使えるので、
攻撃力が高い。
二人とも、イザというときは「ド根性」で全快だ。
カクリコンは「ひらめき」と「根性」で小マメに
敵のHPを削る役どころに最適。
何だかんだ言って、地味な彼らをうまく使えるかが、
シュウの章攻略の鍵となる。

百式 第4話「ヌエット海」で説得可能な
クワトロ大尉の愛機。
マップ兵器の「メガバズーカランチャー」は、
シナリオ攻略の鍵となることも多い。
「覚醒」を持つ
クワトロを乗せれば、
十分使いこなせるだろう。
他の者を乗せても、使いにくい。
クワトロ・バジーナ シュウの章のエース。クワトロとしては
一度も敵になったことがないのに、
敵キャラ軍団にスカウトされたのは、
やはり「赤い彗星」の過去が災いしているの
だろう。
ISSを駆使すれば、リューネの味方の
アムロと戦うこともできる。
ただし、百式でνガンダムに挑むのは、
不利なような気がする……。
スパロボで、彼がサザビーを駆って、
アムロと対立するのは、「新」や「64」を
待たなければならない。

CB版になって、2回行動が遅くなったが、
「覚醒」でフォローできるだろう。

ズワァース(改) 第4話終了後「西へ向かう」を選べば、
第5話「復讐の騎士」で説得可能な
オーラバトラー。
ちなみに「そのまま進む」を選べば、
第5話が「リューネ・ゾルダーク」になり、
ISSを活用できる。

でも、回避力の高いオーラバトラーって、
仲間の少ないシュウの章では貴重な
戦力なんだよなあ。
楽をしたければ、絶対に仲間にすべし。

サフィーネに改造されたこいつは、
ビルバインに対抗できるよう、
同じ飛び道具のオーラキャノンを
装備した特別仕様機です。

バーン・バニングス シュウの章のエース2号。
とにかく突撃切り込み役として
最適な素材。
「魂」も覚えるので、攻撃力も激強。
そして何よりも、彼を仲間として使えるのが、
この作品だけというのは見逃せないポイント。
スパロボでは、「速水奨」って敵役が多いからなあ。

勇者シリーズのファンは、
バーンシュウの会話から、
「ダ・ガーン」と「セブンチェンジャー」を
思い出すべし。

ノルス マサキの章で手に入る機体と同じメカで、
モニカ王女のために、
シュウ
が敵の移動要塞から奪取を試みる。

どうやら、王女専用機として
2機が製作されたようだが、
CB版ではカラーリングが異なり、
モニカ機のグリーンに対し、
セニア機は紺になっていた。
考えてみれば、この機体も後に、
改良型の「ノルス・レイ」になるので、
これ一作限りのレアメカだなあ。

シュウの章では唯一の修理機能を持つので、
何としても8話「ノルス奪取」で入手すべし。
入手できなかった場合、9話でギルドーラが
手に入るが、あまり役に立たないので、
その後の戦いで苦戦は免れないだろう。

モニカ・ビルセイア
(CV皆口裕子)
ラングラン王家の双子姉妹の妹のほう。
ちなみに、声優は同じだ。
姉のセニアとちがって、魔力が高く、
王位継承権を持っている。
シュテドニアス軍に捕らえられていたが、
第6話「モニカ、その愛」で愛するシュウ
助けられ、以降は同行することに。
おっとりした性格だが、恋敵のサフィーネとは
激しい三角関係の口論を
繰り広げたりもする。
三角関係は、アムロや甲児を初め、
スパロボ名物ともいえる。
これで、シュウもスパロボのキャラとして
一人前ってところか。
「F」では登場せずに、サフィーネに一歩
先んじられていたけれど
「α外伝」で無事、復活を果たして
何よりでした。

彼女の特徴の一つに、「おかしな文法」があるが、
EXの段階では「妙に丁寧すぎる」程度だったのに
対し、後の作品でどんどんひどくなっていくのが
ご愛嬌。

パイロットとしては、「愛」や「補給」「信頼」で、
支援役として重宝な存在。

ドーベンウルフ
サザビー
第9話「闇のささやき」で、
敵を7ターン以内に全滅させるともらえるMS。
ドーベンウルフは、リューネの章でも入手可能だけど、
強力なので、嬉しいです。

サザビーも、もちろん使える。
惜しむらくは、元祖EXと違って、
ファンネルを使えるのがクワトロだけってこと。
元祖では、ジェリドライラを乗せていたんだけど。

10 ガディフォール リューネの章でも入手可能
遠距離支援型魔装機。
第11話の「特訓」では、こいつ1機で
3体のデモンゴーレムを撃破しないといけない。
リニアレールガンを活用しよう。
テリウス・ビルセイア
(CV石田彰)
気の弱い王子様。
第10話「テリウスの決意」で、
シュウと同行するようになる。
2回行動が早く、優秀な支援役となる。
「特訓」で、秘めた才能が目覚めたらしい。
12 ソルガディ ガディフォールの原型機。
守護精霊は風系低位の
「砂嵐ソレイド」
射程9の「ハイパーレールガン」が強力だが、
弾数が2発しかないのが痛い。
2発を「熱血」かけて撃てば、お仕事終わりか。
アハマド・ハムディ
(CV玄田哲章)
第12話「ジハード」で、シュウにスカウトされる
ソルガディ
のパイロットのイスラム人。
好戦的な性格で、強さが正義と信じている。
また、強い者と戦えることに生き甲斐を覚える。
一度、「Wガンダム」の「張五飛」と
会わせてみたい物だ。
14 ナグツァート 第14話「邪神解放」のみ使用可能な呪霊機。
マサキの章リューネの章で暗躍する陰の悪役。
半分がアストラル世界(精霊界)に所属しているため、
幽霊みたいな存在で、通常武器では倒せない。

霊魂がフヨフヨ飛んで来る「ファントムビュレット」が
主な武器。

ルオゾール・ロイエル
(CV青野武)
呪霊機ナグツァートを駆る邪神官。
14話で仲間になるが、15話「反逆」で
シュウに裏切られ、ヴォルクルスの生贄として
あっさり殺される。
その後、「魔装機神」では復活を遂げ、
シュウの潜在意識にはたらきかけて操る。
ヴォルクルスと融合した真ナグツァートで、
マサキたちの前に立ちはだかるが、
マサキと、彼の説得で正気に戻ったシュウ
強力タッグの前に敗れる。
15 ヴォルクルス 邪神。
シヴァ神の化身とも言われるが、その実態は、
古代の巨人族の末裔の霊魂らしい。
ということは、インド・ヨーロッパ圏の神話を
形作るようになった一族と見なすべきか。

分身は、他の2章にも登場するが、
本体は
シュウの章のラスボスとして登場。
射程8のハイパーソニックウェーブの射程外から、
あるいはしっかり装甲を鍛えたメカで、
回復手段を確保しながら戦うべし。

「魔装機神」の最終話では、こいつが大量出現する。

「シュウの章」総括

 「シュウの章」は、EXにおいて、上級者用に分類されます。
 その原因は、
「味方の数の少なさ」もありますが、他に、「母艦が存在しないこと(よって補給や回復が困難)」「パズルのように理詰めで考えないと目的達成できないシナリオ」にもあります。
 第8話「ノルス奪取」でのノルス、第9話「闇のささやき」でのサザビーなどは、きちんと考えないと入手することはできません。で、ここでノルスやサザビーを入手しておかないと、後のシナリオがもっと大変になる、と。

 ストーリー面では、邪神復活のために暗躍する悪役を主役に据えた珍しいもの。
 ただし、最後には「自由を求めて」、邪神官と邪神を抹殺するのが目的だった、という大ドンデン返しが行われます。
 その過程で、ガンダムやダンバインの敵キャラを言葉巧みに説得する様子が、
シュウならではの物。「私についてくれば、あなたの望みをかなえてあげましょう」みたいな説得ができるのは、このシナリオだけでしょう。

 で、このストーリー以前のシュウは「破壊」を求め、これ以降のシュウは「自由」と「自分を利用した者への復讐」を求めるように変わります。
 どちらにせよ、自ら手を下すことは少なく、いろいろと暗躍して、お膳立てを整えてから、目的を果たすのが
シュウの変わらない本質ですね。
 同じ自陣を裏切るにしても、
マサキリューネは「暴走した力の持ち主」をやむなく成敗し、そこには悲劇的な色合いさえあるのに、シュウの場合は、ギリギリまで悪事に荷担するように見せかけて、最後に一気に覆す、プレイヤーにも予測できない展開で、爽快なラストを迎えてくれた、と。

 最後に、シュウの章には、「第〇次シリーズ」最大の謎を解く伏線が隠されていました。
 それが、「戦国魔神ゴーショーグン」との接触です。「ビムラーの力を利用して、
グランゾンに仕掛けられたいた幾多の偶然を引き起こす特異点を崩壊させる」。これが続く「第4次」で明かされた際は、スパロボワールドが一気に完結した感動を覚えたりしました。

 「第4次」そして「魔装機神」をもって、最初のスパロボサーガが幕を閉じ、以降、新展開を模索する時代に入っていくわけです。


                                           「第4次SR大戦」へつづく