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ウルトラユニバース


ウルトラシリーズの元祖は「ウルトラQ」です。

この作品は、秩序だった世界に突然、発生する
混沌のアンバランスゾーンを描いたものでした。

混沌に対抗する人間の知恵が1つのテーマでした。

続くウルトラマンは、「光の戦士」でした

マグマ大使に続く、巨大ヒーロー物の先駆者と言えます。

基本的に、ウルトラシリーズは、人間以上の超越者が、
弱い人間を助ける物語と思われがちですが、

そんなことはありません。

作品を重ねるごとに、
ウルトラマン自身が神から人間に近い存在となり、

人間の善性こそがウルトラマンに力を与える、
ウルトラマンの光はぼくたち人間の中にある
ことを
訴えています。

これはある意味、ぼくの信じる仏教思想にも近いので、
ウルトラマンは好きなヒーローの一つです。
(ウルトラマンの顔のデザインが、
仏像を元にしているのは有名な話)

さて、2002年に「ウルトラマン コスモス」が終了してから、
ここもしばし、更新せずに来たわけですが、

ダークな作風ながら、
斬新な設定のNプロジェクトを完結させた「ウルトラマン ネクサス」

原点回帰の明るいSFファンタジー傑作「ウルトラマン マックス」

続いて、新マン以降の第2期ウルトラ(すなわちウルトラファミリー)路線を
25年ぶりに復活させることが話題の
「ウルトラマン メビウス」に至って、
久々に更新してみる気になった次第です。

というわけで、未完成なページながら、今はただ勢いづくことを願うとして。


目次

●作品リスト:この後すぐ

●歴代ウルトラマン列伝   

●防衛チーム一覧   


作品名 放送年月日
公開年月
登場ヒーロー
(変身前の名)
コメント
ウルトラQ 1966年1月〜
      7月
なし 日本のTV界最初の
本格的特撮怪獣物。
怪獣以外のSF話もあるが、
後に受け継がれたメインは、
やはり怪獣だね。
ウルトラマン 1966年7月〜
1967年4月
初代ウルトラマン
(ハヤタ・シン)
※ゾフィ
前作の設定を受け継ぐものの、
主役は民間人から、怪獣対策専門の
防衛チームに変わる。
実は、ウルトラマン自身は、
ドラマ上の主役とはいえない。
ハヤタ「シン」の名は、近年、
設定されたもの。
ゾフィは、最終回に登場。
ウルトラセブン 1967年10月〜
1968年9月
ウルトラセブン
(モロボシ・ダン)
前作との間に東映の宇宙SF作品
「キャプテンウルトラ」をはさんだ、
ウルトラシリーズ4作目。
ウルトラマンシリーズだと
2作目になるが、前作との接点は、
「M78星雲」という出身地のみ。
後は、アラシ隊員がフルハシと
変名して、再登場したぐらいか(笑)。
メインの敵が怪獣から宇宙人に変わり、
本格的なSF物語やメカニック描写が
魅力。
※ウルトラファイト 1970年9月〜
1972年3月
初代ウルトラマン
ウルトラセブン
月〜金の帯番組で、
過去作品の編集および
新作ぬいぐるみアクションを展開。
「帰ってきたウルトラマン」を生む
第2次怪獣ブームの立役者として
知られるカルト的作品。

似たような作品に「ミラーファイト」
「レッドマン」がある。

帰ってきた
 ウルトラマン
1971年4月〜
1972年3月
ウルトラマン・ジャック
(郷秀樹)
※初代ウルトラマン
※ウルトラセブン
2年半ぶりに帰ってきた「ウルトラマン」。
当初、ジャックは初代ウルトラマンその人
だという設定もあったらしいが、
初代ウルトラマンのゲスト出演を経て、
別人だと認識される。
この作品で、初めて「ウルトラ兄弟」の
設定が明かされる。
また、世界観的にも、近未来世界だった
前2作に比べ、公害などの時代性を
取り入れ、現代であることをアピール。
(そのことは、登場人物の名を見ても
明らか。カタカナ表記は近未来の象徴)

ジャックの名は後に設定されたもので、
NOVAにとっては、「新マン」の名が
通りがよい。
防衛チームの名や、BGMの使い方など、
ウルトラマンシリーズの基本フォーマットを
築き上げた作品と言える。
そして、この作品から
「第2次ウルトラ世代」と呼ばれている。

ウルトラマン
A(エース)
1972年4月〜
1973年3月     
ウルトラマンA
(北斗星司&南夕子、
後に星司1人で変身)
*ウルトラ4兄弟
*ウルトラの父
「新マン」で生まれた設定をさらに広げ、
第1話から「ウルトラ5兄弟」を確立。
ゾフィの本格的なデビューにもなった作品。
また、「ウルトラの父」の登場により、
「ウルトラファミリー」の設定の礎ともなる。

ドラマの骨子は、異次元人ヤプールの
侵略兵器・超獣との戦いを描いたもの。

ウルトラマン
T(タロウ)
1973年4月〜
1974年4月
ウルトラマンタロウ
(東光太郎)
*ウルトラ5兄弟
*ウルトラの父
*ウルトラの母
この作品で、「ウルトラファミリー」の
設定が固まる。
劇中で「ウルトラの星」が初公開された
作品でもある。
ある意味、ウルトラシリーズの集大成と
言える。
ただし、娯楽に徹した作品内容のため、
マニアにはウケが悪い。要するに、
「お子様向け」なんだよね。
もっとも作品本来の方向性としては、
決して間違っていない。
「子供対象」の作品を「お子様向け」と
非難するのは、おかしいでしょう。
まあ、「ウルトラシリーズ」には、
「本格SF設定」を投入する余地も
あるんだけど。「セブン」はSF作品として、
「タロウ」はおとぎ話として評価するのが
妥当なところかな。
ウルトラマン
L(レオ)
1974年4月〜
1975年3月
ウルトラマンレオ
(おおとりゲン)
ウルトラセブン
(モロボシ・ダン)
*ウルトラ兄弟
*アストラ
*ウルトラマンキング
「レオ」は、当初、ウルトラ兄弟ではない。
(しし座L77星の出身)
前作からの設定でつなぐなら、
「セブンの弟子」になる。
悪党の攻撃により戦えなくなった
師匠に代わって、正義を守る
空手アクションヒーローと言える。
キーワードは「努力と根性の特訓で、
敵を倒せ!」 ある意味、仮面ライダーにも
通じる世界である。
ちなみに、必殺技も飛び蹴りのレオキック。
これで、マグマ星人がレギュラー悪で
あったなら、もっと高い評価も得られたかも。

まあ、その後、どんどん設定が変わっていき、
防衛チーム全滅後の孤軍奮闘まで描いた、
唯一の作品でもある。
終盤の円盤生物編は、ある意味、
個人対悪の組織のライダーワールドを
髣髴とさせる。

レオ兄弟VSウルトラ兄弟といった
イベント編もあり、内容的にも
バラエティ豊かな作品と言える。
しかし、オイルショックによる予算高騰や、
アニメ人気に負けて、
「第2次ウルトラブーム」は幕を閉じる。

ザ☆ウルトラマン 1979年4月〜
1980年3月
ウルトラマンジョーニアス
(ヒカリ超一郎)

*アミア
*エレク
*ロト
間に「ボーンフリー」や
「アステカイザー」、
「アイゼンボーグ」といった
実写とアニメの融合番組を経て、
そして、怪獣消しゴム人気などで、
第3次ウルトラブームを盛り上げて
(NOVAは第3次世代になる)
遂にアニメで復活したウルトラマン。

 設定は、U40(ユーフォーティー)と
いう星から来たウルトラマンで、
他の作品との関連性はイベントでの
共演以外、一切ない。
 ヒカリの声は故・富山敬で、
「宇宙戦艦ヤマト」の古代進を
思わせるし、中盤から終盤にかけて、
ウルトラの星を舞台にした、
敵民族との一大宇宙戦争が
展開するし
(ウルトラ族の操る巨大戦闘艦
ウルトリアなんてものまで登場)、
ただの怪獣バトル物ではない、
アニメの良さを結集した番組だった
と思う。

 でも、「宇宙戦艦に乗って戦う
ウルトラ族」って設定は、レオの終盤、
MAC全滅後の円盤生物編で、
企画されたことがあったらしいことを、
最近知って、それが昇華されたのが、
「ザ☆ウルトラマン」だと納得。

 個人的にお気に入りの設定は、
「ヒカリ」と「ジョーニアス」の人格が
融合しておらず、劇中で両者が
分離したこともある点。
 おまけに「ヒカリ」って、
「ジョーニアス」の妹「アミア」
(女ウルトラマンにも変身可能)と
恋に落ちるし。
 今なら、同人誌向けの良い素材に
なったと思う。

 アニメということで、再評価の機会の少ない
本作ですが、今後のDVD化を希望します.

ウルトラマン
80(エイティ)
1980年4月〜
1981年3月
ウルトラマン80
(矢的猛)
*ユリアン
(星涼子)
前作の好評により、復活した
実写特撮のウルトラマン。

 設定は、M78星雲・光の国の
ウルトラマンだが、
先輩ウルトラマンの客演は皆無。
強いて言えば、「ウルトラの父」が
応援してくれたのと、子供の人形が
巨大化して暴れる「妄想ウルトラ
セブン」が登場したぐらい。
後は、「ゴモラ」「バルタン星人」
「レッドキング」といった初代マンの
人気怪獣が復活したぐらいか。
 でも、そんなことを言うなら、
「ザ☆ウルトラマン」の方だって、
8話で「バルタン星人」が出ているし、
27話に至っては、「レッドキング」
「ゴキネズラ」「アーストロン」
「ゴーストロン」「アボラス」「バニラ」
といった6大怪獣の復活編だ。

話を戻そう。
「80」は「ウルトラマン先生」である。
彼の目的は、子供たちに「愛と勇気」
を教えることである。
「80」の基本設定は、人間の邪心が
怪獣を生み出すというものだ。
 後の作品でも、「人間の心の中の
光」がウルトラマンに力を与える
というものがあり、ウルトラマンが
ただの異星人ヒーローでないことを
示してくれている。

 でも、その設定が必ずしも一貫して
いないのが、「80」の欠点かな。
 あと、客演ウルトラマンによる
イベント編がないのも、「80」を
地味な存在にした理由だったりして。
 初の「変身して共に戦う女性
ウルトラマン」である「ユリアン」は
良かったんだけどね。でも、あまり
後に続かない設定だなあ、
女性ウルトラマンって。

※アンドロメロス 1983年2月〜4月 アンドロメロス
アンドロウルフ
アンドロマルス
アンドロフロル
この作品の設定はややこしい。
当初は、雑誌展開で、
メロスの正体はゾフィ、
ウルフの正体はセブンとされて
いたが、次第に設定変質。
独自のアンドロ族という設定で、
TVシリーズが展開された。
(月〜金の10分ずつ。全45話)

円谷プロがビデオ合成を採用した
一種の実験作とも言える。
円谷プロのビデオ合成は、その後、
88年の「サイバーコップ」に
受け継がれる。

宇宙征服を企むグア軍団と、
アンドロ警備隊の戦いの物語。
マグマ星人やメカバルタン、
怪獣戦艦(キングジョーグ、
ギエロニア、ベムズン)などの
過去作品へのオマージュも
多く見られる。

ウルトラマン
USA
1989年劇場公開 ウルトラマン スコット
(スコット・マスターソン)
ウルトラマン チャック
(チャック・ギャビン)
ウルトラウーマン ベス
(ベス・オブライエン)
NOVA未視聴のアメリカ製
ウルトラマン(アニメ版)。
原題は、「Ultaraman the
Adventure Begins」。
この作品以降、ウルトラマンの
海外進出が盛んになる。
また、アニメ作品としては、
「ザ☆ウルトラマン」やSD物の
「ウルトラマンキッズ」に続く作品。

原題どおり、円谷プロの
新たな「冒険が始まった」作品と
言えるだろう。

ウルトラマン
G(グレート)
1990年より
ビデオレンタル開始
全13話。
ウルトラマングレート
(ジャック・シンドー)
オーストラリア製ウルトラマン。
生命を蝕む邪悪の化身ゴーデス
との戦いをストーリーの縦軸に、
オーストラリアの雄大な自然や
民俗文化を背景に持つ作品。
個人的には、作品そのものより、
この作品を撮る際、現地の人に
日本の特撮技術を理解させる
ための、日本スタッフの苦労譚が
印象深かった。
(普通に撮影すると、どうしても
大きく見えないウルトラマンや怪獣を
巨大に見せるテクニックとか)

やはり、巨大ヒーローや怪獣は、
日本独自の映像文化なんだ、と
実感しました。

ウルトラマン
パワード
1994年より
ビデオレンタル開始
全13話。
ウルトラマンパワード
(ケンイチ・カイ)
アメリカのハリウッド製ウルトラマン。
怪獣は、初代マンのリメイク。
(旧作の要素を受け継いだ
新デザインの怪獣が話題を呼んだ)
実は、まだ視聴していないので、
作品の評価は控えるけど。

ケイン・コスギが主人公役。
ケインは「戦隊シリーズ」の
「カクレンジャー」にも出ているので、
後は「仮面ライダー」への出演を
達成すれば、三冠王と言うべき。

ウルトラマン
ゼアス
1996年劇場公開
1997年「2」公開
ウルトラマンゼアス
(朝日勝人)
「とんねるず」や「出光石油」との
タイアップを前面に押し出した、
パロディ風味の作品。

雰囲気としては、
努力と根性路線のレオと、
コミカル路線のタロウを融合。
「ダイナ」と似たようなセンス。
悩みを明るく乗り越える感じだ。

潔癖症のゼアスが、
天敵のベンゼン星人の不潔攻撃を
乗り越える第1作と、
強敵ウルトラマンシャドーとの
戦いを描いた第2作が公開。

しかし、そんなストーリーよりも、
「ムラマツ隊長」とか「アラシ隊員」
とか懐かしい顔ぶれが友情出演
している点が、うれしい。
(とりわけ、2で、「キャップ」が
故人として大事に扱われている
のが、泣けた;;)

平成
ウルトラ
セブン
1994年TV特番2本
1998年ビデオシリーズ
  (3本)
1999年ビデオシリーズ
  (6本)
ウルトラセブン
(モロボシ・ダン
→カザモリ・マサキ)
ウルトラセブンの続編をリアルに
描いたシリーズ。
あくまで、セブンの続編なので、
「帰ってきたウルトラマン」以降の
設定(とりわけレオ)が白紙に
戻された状態で始まる。
(何しろ、「ウルトラセブン」の世界
設定は、元々、「帰ってきた」よりも
未来とされているのだ)

とにかく、シリアスな大人風の
世界観が特徴のセブンの
続編なので、大人のための
特撮ドラマと言える。

ウルトラマン
ナイス
2000年CM企画。 ウルトラマンナイス
(夢星銀河)
CM設定のみのヒーローで、
後の歴史では、超マイナー作品として封印されていそう。

「ガイア」終了後、わずかに玩具業界を
盛り上げた? 
黒部進(ハヤタ)率いるゴカゾク隊と
いう設定が、おもしろい。

ウルトラマン
ティガ
1996年9月〜
1997年8月

2000年3月劇場版
「THE FINAL ODYSSEY」

2001年1月OVA
「古代に蘇る巨人」
ウルトラマンティガ
(マドカ・ダイゴ)

(OVA版)

(マドカ・ツバサ)
16年ぶりにTV新作として、
ブラウン管に戻ってきた
平成ウルトラ3部作の元祖。

現在のウルトラブームの起爆剤と
言える。
V6の永野博を主人公に(主題歌もV6)、
黒部進の娘・吉本多香美をヒロイン・
レナ隊員に配し、
ウルトラセブンを髣髴とさせるリアルな
世界観を前面に押し出した作り。

長らく「地球人を助ける宇宙人」という
設定に縛られていたウルトラマン像を
くつがえし、「人間の心の光」から
ウルトラマンが生まれるという設定を
披露。過去のウルトラに、新しい視点を
加味した。

劇場版のゼアスに引き継ぎ、
本格的なCGを投入した作品でもある。

なお、「ティガ」は「インドネシア語」で、
「数字の3」を意味する。
ティガは、マルチ・パワー・スカイの
3タイプに変身するし、何よりも
「ウルトラシリーズ30周年記念作品」
でもあるのだ。

2000年春には、劇場版「THE FINAL 
ODYSSEY」まで製作されるほどの人気を誇り、
ダイナ・ガイアを牽引するほどの成功作。

ウルトラマン
ダイナ
1997年9月〜
1998年8月

1998年3月劇場版
「ティガ&ダイナ 
 光の星の戦士たち」

2001年2月OVA
「帰ってきたハネジロー」
ウルトラマンダイナ
(アスカ・シン)
ティガの続編。
ティガの防衛組織GUTSを受け継ぐ、
「スーパーGUTS」を軸に、ティガの
世界観をほぼ引き継いだ。
ただし、ティガの登場人物はTV本編に
ゲスト出演するが、
ティガ自身は、劇場版に出るのみ。
この辺、むやみにウルトラ兄弟化を避ける
スタッフの意志の現われとも言える。
(客演ヒーローの存在が、ドラマ部分を
台無しにしないような気遣い)

ダイナは、3タイプへの変化(フラッシュ、
ミラクル、ストロング)などティガの設定を
多く受け継いでいるが、世界観は、
クールなティガに比べて、努力と熱血の
主人公アスカを中心としたものに
変わっており、コミカル要素も増している。
ティガを平成セブン的というなら、ダイナは、
平成の新マン的と称したい。
その象徴は、復活したワンダバマーチ
「スーパーGUTSのテーマ」と言える。

でも、最終回の「未来に向かう光となった」
アスカの姿は、ティガのハッピーエンドと
比べて、何となく寂しさを覚えた。

ウルトラマン
ガイア
1998年9月〜
1999年8月

1999年3月劇場版
「ティガ・ダイナ&ガイア 
 超時空の大決戦」

2001年3月OVA
「ガイアよ再び」
ウルトラマンガイア
(高山我夢)
*ウルトラマンアグル
(藤宮博也)
平成3部作のトリを飾る作品。
ティガやダイナとは異なる世界観を持つが、
その2作のテーマ(「人の心の光」がウルトラ
の力となり、奇跡の源となる)を発展・継承し、
「ウルトラの光は、地球の全生命に宿る」と
いう結論を堂々と描いた。

根源的破滅招来体の危機に立ち向かう
防衛チーム「XIG」を軸に、
2人のウルトラマンの葛藤と対立、和解と
共闘がドラマの中心となる。

時間軸で論じるなら、
「古代→現代に甦った新たな光」(ティガ)
「未来→その先のフロンティアを目指す光」
(ダイナ)を受け継ぎ、
「現在(1999年)の破滅に瀕した世界に、
希望をもたらす光」と見ることもできる。

そして終盤、地球の危機に際し、
ともに立ち向かう地球怪獣の姿は、
新世紀のテーマ(怪獣との共生)への
架け橋になったと考える。

ウルトラマン
ネオス
2000年11月〜
2001年5月。
ビデオ作品全12話
ウルトラマンネオス
(カグラ・ゲンキ)
*ウルトラセブン21
新たなウルトラ像を描いた平成3部作の後、
再び原点の「光の国のウルトラマン」を
描いた作品。

本来、ネオスとセブン21は、ティガ以前に
設定が作られていたが、ようやく映像作品と
して日の目を見たといえる。
2002年、一時休止していたコスモスの
ピンチヒッターとして放送されたりも.

アンバランスゾーンを生み出す
ダークマターの存在は、
コスモスのカオスヘッダーに
受け継がれている、と考えていたが、
意志を持たないという点が異なる。

が、生物の進化というテーマは、
後のコスモスセブンEVOLUTION
影響を与えている。


ウルトラマン
コスモス
2001年7月〜
 2002年9月。
(一部の話は未放送ながら、
 DVDでサポート)

2001年7月劇場版
「THE FIRST CONTACT」

2002年8月劇場版2
「THE BLUE PLANET」

2003年8月劇場版3
「コスモスVSジャスティス
 THE FINAL BATTLE」
ウルトラマンコスモス
(春野ムサシ)

(劇場版2、3)
ウルトラマンジャスティス
ウルトラマンレジェンド

新世紀のウルトラマンは、
「優しさと強さの使い分け」がテーマ。
怪獣を倒すだけでなく、保護することも
重視する。

途中、主人公俳優の誤認逮捕という事件を経て、
放送中止の憂き目を見るが、その後、華々しく
復活。無事に最終回を迎える。

ラストは、絶対悪であったカオスヘッダーが
心を持ち、人間の主人公がウルトラマンを凌ぐ
慈愛の精神で、カオスヘッダーとの和解を模索。
「力の競争」から「対話と協調の心」に重点を
置くことで、未来を示し得た。

また、コスモスはTVシリーズ以外にも、
3作の劇場版が作られている。

主人公・春野ムサシが少年時代にコスモスと
初めて遭遇した事件を描く第1作。

TVの最終回の後日譚を描き、新たな超人
ジャスティスのデビュー作ともなった第2作。

さらに、そのジャスティスコスモスの対立と和解、
共闘((両者合体による最強超人レジェンド登場)を
描いて、シリーズを締めくくった第3作。

いずれも、新世紀のウルトラマンの流れを
盛り上げる作品となった。

ウルトラセブン
EVOLUTION
2002年5月〜9月。
ビデオ作品。
全5部作。
ウルトラセブン
(カザモリ・マサキ)
平成ウルトラセブンの続編。

目玉は、やはりタイムピンクこと勝村美香演じる
ユキ隊員かと。
あとは、「パンドン」とか「ペガッサ星人」とか
「ゴドラ星人」の復活も挙げられるかな。

でも、実は見ていないので、詳しくは書けない(苦笑)。
小説版は読んだんだけどね。いずれ、機会を見て。

※ウルトラマン
ボーイのウルころ
2003年9月〜
2004年10月。
ウルトラマンボーイ 月〜金の帯番組で、過去作品の紹介を行う。
平成の「ウルトラファイト」とも言えるのだろうけど、
NOVAは見ていない。

なお、この手の帯番組の系譜も数々、あるのだが、
「ウルころ」だけ書くのは、一応、「ウルトラマンボーイ」
いうヒーローが登場するから。
他に、「ウルトラマンピクト」の登場する「ウルバラM78」
いう作品があるそうだが、かなりマイナーな存在かと。

※ウルトラQ
 dark fantasy
2004年4月〜9月。 なし ウルトラQのリメイク企画として、深夜に放送。
当初は期待したが、あまり好みの作品ではないと
判断して、途中で見なくなってしまった。
いずれ、また見る機会があれば。

ウルトラマン
ネクサス
2004年10月〜
2005年6月。

2004年12月劇場版
「ULTRAMAN」
ウルトラマンネクサス
 アンファンス→ジュネッス
(姫矢准 24話まで)

ウルトラマンネクサス
 ジュネッスブルー
(千樹憐 25話〜36話)

ウルトラマンノア
(孤門一輝 37話)

※孤門は、ジュネッスやジュネッス
ブルーにも変身した。
また、西条凪副隊長も、孤門の前の
デュナミストとして変身している。

(劇場版)
ウルトラマン・ザ・ネクスト
(真木舜一)

(敵役ウルトラマン)
ダークファウスト
(斎田リコ)
ダークメフィスト
(溝呂木眞也)
ダークメフィスト ツヴァイ
(三沢広之)
ダークザギ
(石堀光彦)

新世紀のNプロジェクトの中核として、
製作されたTV版ウルトラマン。

Nプロジェクトは、ネクサス以前に児童誌連載や、
イベントなどで先行紹介されたウルトラマンノア。
劇場版で登場したザ・ネクスト。
そして、本作登場のネクサスの3つの
ウルトラマンから成る壮大な計画(のはずだった)。

しかし、肝心のネクサスの作風が暗く、難解なドラマ、
展開の遅さなどのため、特撮ヒーロー作品に
カタルシスを求める視聴者の離反を招き、
意欲的な設定も、十分な成果を得ずに終わった。

本作の最大の特徴は、ウルトラマンの光が
継承されていくデュナミストの設定である。
その設定に基づき、主人公の孤門一輝は、
ウルトラマンではない防衛チームの一隊員として、
ウルトラマン姫矢准と出会い、その秘密を追求、
また恋人・斎田リコとの悲恋や、
ビーストに過剰な敵意を持つ副隊長との意見対立、
新たにデュナミストとなった千樹憐との交流などを経験、
その上で、最終的にウルトラの光を受け継ぐという流れ。

こう書くと、非常に壮大な大河ストーリーなのだが、
一話一話が非常に重く、のしかかってくる作風は、
よほどのウルトラ好きでないと、いや、ウルトラ好き
だからこそ、視聴し続けるのが困難であり、
これを見続けるのは、一種の苦行と言えよう(笑)。

なお、デュナミストが交代した25話以降は、
作風も比較的明るくなり、打ち切りが決まったため、
テンポが早くなった。この時期から、劇場版との関連性が
示唆され、壮大な設定が徐々に明かされるのは、
苦行に耐えた者だけが味わえる、本作ならではの
醍醐味である。

最終的には、
デュナミスト1号:真木舜一(ザ・ネクスト)
デュナミスト2号:姫矢准(ネクサス)
デュナミスト3号:千樹憐(ジュネッスブルー)
デュナミスト4号:西条凪(アンファンスのみ)
デュナミスト5号:孤門一輝(ノア)
 という一連の継承が明かされる。

しかし、それよりも驚いたのは、目立たない石堀隊員が
ラスボス・ダークザギだったこと。
どう考えても、「ナギ副隊長がラスボス・ダークナギ」
だった方が納得できたんだけどなあ(笑)。

ウルトラマン
マックス
2005年7月〜
2006年4月。
ウルトラマンマックス
(トウマ・カイト)

ウルトラマンゼノン
壮大かつ数々の斬新な設定が上滑りした感のある
ネクサスが惜しくも打ち切られた後、改めて原点回帰を
模索したウルトラマン。
(何だか、Zガンダムの後のZZを思い出すなあ^^;)

マックスは「明るい作風」と「過去の怪獣のリメイク」を
売りに、初代ウルトラマンの科特隊から、ハヤタ隊員や、
フジ隊員を防衛チームの重鎮にすえるなど、
とにかく、旧作ファンと幼児層の取り込みを図った。

NOVAにとっては、それは嬉しい変化だったんだけど、
マックス一番の注目は、アンドロイド少女エリー
尽きる、と考える。

なお、マックスには「M78星雲出身」という設定があるが、
旧作との関連は、特に描かれずに終わった。
その流れは、次作に委ねられることになる。

ウルトラマン
メビウス
2006年4月〜 ウルトラマンメビウス
(ヒビノ・ミライ)

*ハンターナイト ツルギ
マックスで一応の成功を収めた「原点回帰」路線を、
さらに発展し、「ウルトラファミリーの復活」という
旧作ファンを狙い撃ちにした新作。
ただし、第1次(マン〜セブン)のウルトラファンは、
少々難色を示しているみたいだけど。

ともあれ、「新マン〜80」と同一世界観にあり、
「25年ぶりに現われたウルトラマン」という設定で
始まった今作が、今後どう展開するかは
楽しみに待つばかりだが、

「レオ&アストラ」「80&ユリアン」が助けに
来る展開は、レアなので是非見たい。
あるいは、黒部進氏がそのまま「ハヤタ」として登場する、
といった話でもOK。