孤 唄



− 4 −

ドアから滑り出た笹塚が足を向けたのは、喫煙スペ−スではなかった。
目についた手洗いに駆け込み、洗面台に両手をつく。
昼メシから7時間以上が経過し、腹にあるのは胃液だけだったが
身体を二つに折ったまま咽喉に指を突っ込んだ。

酒に悪酔いした時に、似ている。
思いながら、臓腑で蠢く“何か”を胃液と共に吐き尽くすと、ようやく落ち着いた。
水で口をすすいで顔を上げれば、鏡に映ったそれは普段にも増して血の気を失っている。


……まるで死人だな。


他人事のように感じながら、普段の倍はダルい身体を2階へ運ぶ。
どうにか喫煙スペ−スまでたどり着くと、ソファ−にもたれて立て続けに煙草を吸った。
3本を灰にして、やっと胃液の味が口から消える。
今度はゆっくり味わうために4本目に火を点けたところで、彼のストレス要因の一つが
飛び跳ねながらやってきた。
どうやら即席ライブは終わったらしい。

「ああ〜、生アヤはサイコ−っスよ−!!先輩も最後まで聴けば良かったのにぃ〜!!」
「………あ、そう」

ただでさえ鈍いのに、テンションが上がると更に空気が読めなくなる石垣は、
笹塚の機嫌の悪さに気づく筈も無い。

「も−ッ、先輩ったらこんな時でもテンション低いんだから−!!!
 あ、今夜仕事が終わったらカラオケ行きましょう!!アヤメドレ−っスよ〜♪」
「行かね−よ。…いいから、さっさと車取って来い」

追い払うように石垣を地下駐車場へ行かせると、笹塚は溜息と共に煙草を灰皿に押し付け
喫煙スペ−スを出る。
そこには、慣れない高さのウエッジソ−ルに覚束なげな足取りの弥子が待っていた。
薄い褐色のウイッグの下で、大きな眸がこちらを向く。

「笹塚さん、どこか具合悪いんですか?顔色、良くないですけど…」

顔を合わすなり指摘され、笹塚は内心で驚いた。さすがは探偵…、というところか。
しかし刑事の顔色を観察したって、事件は解決しないだろうとも思う。

「いや…、ちょっと疲れてるだけ。色々と手がかかるからさ」
「すすすす、すいません〜。ホント、もう笹塚さんには色々と…」

自分達のことを言われたと思ったらしく、弥子は慌てて頭を下げる。
この態度と、ズカズカ現場に入って来ては捜査に首を突っ込む現実が、噛み合わない。
深くなる一方の違和感に、笹塚は敢えて目を背けた。

「別に、弥子ちゃんのことじゃね−から。
 ……つか、借りっぱなしだってのに、危ないマネさせて悪ぃ。
 ヤバイと思ったら、犯人は良いから逃げなよ?」
「あ、はい。よろしくお願いします!!」

これから自分が囮になることを思い出したのだろう。
表情を強張らせて、もう一度頭を下げる。
いつもより位置の高い、色の違う髪を眺めながら、笹塚はさっき言い損ねた言葉を思い出した。

「…あと、その格好。彼女に似てるかどうかは別として、似合わないとは言ってね−から」
「あ…、りがとう、ございます」

えへへへ〜と、照れたように笑うのは、大人びた服を着て、長い髪のウイッグをつけて
いつもと雰囲気は違っていても、やはり16歳の少女だ。
血なまぐさい事件の現場に居るような子ではない。

「さあ先生、いつものように目にも止まらぬ早業で事件を解決なさらないと!!
 急がなければ、日課の生ゴミ漁りに遅れてしまいますよ〜?」

いつの間に近づいたのか、満面の笑顔を浮かべた助手が明るく言った。

「誰がッ、生…ッツ!!……う、うん。生ゴミは、鮮度が命…」

例によって意味不明なやり取りの後、弥子は助手に頭を掴まれ引き摺られていく。
その後を追うように歩きながら、笹塚は今日、何度目かわからない溜息を吐いた。



− 5 −

その夜の内に、スト−カ−犯は確保された。
女子高生探偵(の助手)が示した死角に、初日から姿を現わしたのだ。
スト−カ−の、それも相当悪質なタイプの典型のような男で、偏執的な妄想は被害者にも
捜査に協力してくれた女子高生にも聞かせるべきではないと判断し、早々に蹴り倒した。

“締めつけ”ることに異常にこだわる男の言葉から、2件の自殺への関与も疑われたが
取調べでの様子を見る限り、その線は薄い。
そもそも助手曰く『アヤを見て感極まった』男は、まともな会話ができる状態ではなかった。

「なんか、進みませんね取調べ…。」

確保から24時間後。
支離滅裂な自供の聞き取りにうんざりした顔で、石垣が言う。

「ああ、あれじゃ起訴には持ち込めそうにね−な」

警視庁の一角に設けられた喫煙兼休憩室で、笹塚は自販機のボタンを押した。
ゴトンと、音を立ててブラックのコ−ヒ−缶が落ちる。

スト−カ−行為、動物虐待、脅迫に加えて誘拐未遂。予想どおり前科もある。
殺人の件がシロだとしても、普通なら実刑は免れない筈だが、男の行き先は
高い塀の向こうではなく白い壁の中になるだろう。
むろん、それを判断するのは警察の仕事ではないが…。

コ−ヒ−を手にソファ−に腰を下ろした笹塚の向かいで、石垣がいきなり飛び上がった。

「あ−!!今日のNステ、アヤが生出演するんスよ−!!!
 録画予約はバッチリだけど、やっぱ生放送はナマでないと」

言うが早いか休憩室に置かれたTVに飛びつき、国営放送のニュ−ス番組を
民放の歌番組に変える。
タイミングが良いのか悪いのか、切り替わった画面の中では司会の女子アナが
早口で喋り始めていた。


 『最後(メイン)は、いよいよこの方!!この番組にも、ひさびさに来てくれました。
  世界を酔わせる歌姫…、“アヤ・エイジア”の登場です!!』


「…………。」

昨夜のことを思い出す笹塚だったが、動こうとはしなかった。
分煙が進められた今は警視庁内でも煙草を吸える場所は限られているし、
コ−ヒ−もまだ飲んでいない。

TVの中に“アヤ・エイジア”が現われると、凄まじい歓声が上がる。
しかし彼女がマイクの前に立つと、観客は水を打ったように静まり返った。
沈黙の中、歌姫は深く息を吸う。


  ♪♪♯−♪♪〜♪


叩きつけるように、アヤは歌い始めた。
昨日の即席ライブは彼女にとってリハ−サルだったのか、聞き覚えがある曲だ。
バックバンドの演奏と観客の熱狂に合わせて、石垣がTVの前で身体を揺らしている。

笹塚は、初めてまともに“アヤ・エイジア”の歌を聴いた。
もし、自分が高校生なら。CDを買い揃え、受験勉強のBGMにしていただろう。
そういう曲だ。


  ♪♭〜♪−−♪♯♪〜♪


やがて曲調が変わり、サビに入った。
高く、低く。激しく、緩やかに。響く歌声は、聴く者に“何か”を訴えている。
もし、自分が大学生なら。妹にライブのチケットをねだられて、困ったかもしれない。
そういう曲だと、思った。


  ♪♯−♪♭♪〜〜♪


だが、今の自分は高校生でも大学生でもなく、刑事としてTVの中にいる歌姫を認識する。
彼女の歌も、捜査に関係する人物の情報の一つでしかない。
それだけのことなのだ。

スタジオ内の大勢の人間を失神させ、“アヤ・エイジア”の歌は終わった。
それなりに緊張していたらしく、笹塚は肩に入っていた力を溜息と共に抜いた。
握りしめたままだった缶コ−ヒ−のプルトップに指をかける。


……スト−カ−犯は自殺の件には無関係らしいこと、後で弥子ちゃんに伝えとくか…。


それで借りが一つでも減らせるのなら、多少のことには目をつぶろう。
ぬるくなったコ−ヒ−を飲みながら、思った。

石垣は、まだTVに齧りついている。
アヤの出番が終わったなら、そろそろチャンネルをニュ−スに戻させようと、
笹塚は缶コ−ヒ−に口をつけながらTVに顔を向けた。

「あぁ〜、もう。カメラ彼女映せよ!もう番組終わっちゃう…。あ、よし映っ…」

次の瞬間、画面は見覚えのある少女の大アップとなった。
しかも、なぜか逆さまで。


 『ドガシャ−ン!!!』


マイクが倒れる大音響と同時に、笹塚はコ−ヒ−を派手に吹き出した。
石垣もまた、外れそうなほどアゴを落としている。
刑事達と同様、おそらく何百、いや何千万もの人間が唖然と見守る中、
ステ−ジに座り込んだ女子高生の腕が上がった。
わずかに震える人差し指が、間違いなく“アヤ・エイジア”を示す。


 『…は、は、犯人は……、おまえだっ…』


毅然、とは言いがたい掠れた声を倒れたマイクがハッキリと拾う。
間の抜けたことに、そこで番組スポンサ−の紹介とテロップが入った。


 『……ご覧のスポンサ−の提供でお送りしました。』


「え…、ええぇぇ〜〜〜〜〜っ…!?」

石垣の絶叫が、休憩室に響き渡る。

「ちょ、ちょっと待て!?何だよ今の−!!
 アヤが犯人って、フザケてんのか探偵〜ッ!!?」

CMに切り替わったTVを揺する石垣を横目に、笹塚はアヤのマネ−ジャ−、三木の
携帯番号を押す。
だが、相手が出る気配はない。恐らくそれどころでは無いのだろう。

溜息を吐きながらポケットを探り、いつ洗濯したか定かでないハンカチを取り出すと
床に吹きこぼしたコ−ヒ−を無造作に拭き取った。


……いつものパタ−ンなら、今頃は助手の“代弁”で事件の謎解きが始まっている筈だ。
   それから…


今、取調中の男の、焦点の合わない怯えた目を思い出した。
恐怖に自我を崩壊させた犯人を見るのは、この数ヶ月で3人目だ。
その3人に共通することといえば。

汚れたハンカチをゴミ箱に放り込むと、携帯でTV局へ問い合わせをしようとしている石垣の
襟首を掴む。

「局の場所はわかるな。…行くぞ」
「え…って、ああ!!あの探偵ですね!!!今度という今度はガツンとシメてやらね−と。
 ホントにもう、警察ナメんなってカンジですよね〜〜ッ」

意気揚々と言う石垣に、笹塚は何も答えなかった。
あの子と助手に説教をして、済む話ならそれでいい。


……たぶん、それじゃ済まね−だろうな。


確信に似た予感があった。


   * * *


笹塚の携帯に、マネ−ジャ−の三木から連絡が入ったのは、野次馬の数が増え始めた
あけぼのTVの前に到着した時だった。
アヤ・エイジア…逢沢 綾が、自首を希望していると。
警察手帳を掲げて混乱の中を突っ切り、歌姫の前に立った時、女子高生探偵と助手の姿は
既に無かった。



− 6 −

「プロデュ−サ−台島拓郎とマネ−ジャ−大泉ひばりを殺したのは、私です」

ついさっき、TVで見た舞台衣装の上に薄いコ−トを羽織っただけの格好で、
逢沢 綾は刑事達を待っていた。
聞き違いようのない自白に、石垣が咽喉の奥でぐぅと息を呑む。
笹塚は淡々と確認を取った。

「今の発言は、記録に残ります。間違いは、ない?」
「はい。ご迷惑をおかけしました」

頭を下げると、セットされた長い髪がサラリと音を立てる。

「石垣、手錠」

笹塚の声に、石垣は小さく肩を震わせるだけで動こうとしない。


……一生、自慢にできんじゃね−のかよ…。


そう思ったが、自ら手錠を取り出した笹塚が口にしたのは、事務的な言葉だけだった。

「逢沢 綾、殺人容疑で身柄を拘束する」

カシャリ と、歌姫の両手首を銀色の輪が飾る。
その音に反応したのは、手錠をかけられた者でもかけた者でもない。
顔を歪めた石垣が、掠れた声を漏らす。

「な、んで……」

皆まで言わせず、笹塚は指示を出した。

「石垣、局の警備と連絡を取って車を裏に回せ。
 サイレンは鳴らさず、できるだけ目立たないように注意しろ。
 ……わかったら、早く行け!」
「は……、はいっ」

何時にない厳しい口調に、石垣は何度もアヤを振り返りながら、その場を離れた。
頼りない後ろ姿が見えなくなると、笹塚は溜息と共にぼそりと言う。

「悪いね、アイツはあんたのファンなもんで。相当、動揺してる」
「……私には、そういう責任もあったのね。私の歌を好きになってくれた人達への」

落ち着いた様子だが、罪の意識が無いわけではないらしい。
彼女がまともそうなのに、笹塚は正直、ほっとしていた。
考えたくはないが、女子高生探偵が解決した事件の犯人は、どこか壊れてしまうことが多い。
それを“偶然”で済ませられなくなる事態は、出来れば避けたかった。

マネ−ジャ−の案内で、彼等は業務用の裏口に回った。
しかし三木は局や事務所への事情説明のためその場を離れ、石垣の車を待つ笹塚は
手錠を掛けたアヤと二人だけになった。
コンクリ−トに囲まれた空間は、靴音ですら何倍にも響く。

まずいな、と。笹塚は思った。
自首したからといって、逃亡の可能性はゼロではない。
そして彼女が持つ武器は、手錠による拘束を受けないのだ。
だからといって、マスコミが待ち受ける中、口を塞いで連行するわけにもいかないが…。

ふっと、アヤの口元が緩んだ。

「…大丈夫、警戒しないで。今更、逃げようとしたりしないわ。
 それに、こんなところでいきなり歌ったりもしないから」
「そりゃ、助かる」

淡々とした声に、淡々とした返事を返す。
むろん、それで彼女に対する警戒を解くつもりはない。
更に口元を柔らかくして、アヤは言った。

「刑事さん、貴方は昨日、事務所で私の歌を聞いて気分が悪くなったでしょう?」

問われた笹塚は、日本が世界に誇る歌姫に対して率直に事実を述べる。

「あ−。さっきの生放送をTVで見た時は、別に何とも無かったけど。
 昨日、生で聴いた時は吐いたな」
「じゃあ、やっぱり貴方にお願いするのが一番ね。探偵さんとも親しいようだし」

探偵とは、あの子のことだろう。
最初は殺人事件の被害者遺族と担当刑事だった。
彼にとっては悔いを残す形で事件が解決した後も、不思議と何度も顔を合わせているが
だからといって別段、親しいわけではない。
…と、説明するのも面倒で黙ったままでいる笹塚に、アヤは言葉を続けた。

「刑事さん、探偵さんに気をつけてあげて。
 私の罪を暴いたせいで、私のファンに逆恨みされて危険な目に遭うかもしれない。
 昨日、貴方が蹴り倒したような連中が、私の周りにはたくさんいるから…。
 それに私とは何の関係もなくても、きっと彼女は危険に巻き込まれるわ。
 探偵として、犯罪者に関わろうとする限り、必ず」

彼女の言わんとする意味は、笹塚にも理解できる。
だが問題と原因は、あの子が“探偵”で“犯罪者に関わろうとする”ことにあるのだ。
本当に心配なら、探偵を辞めろと言えばいい。
しかし彼女にその気が無いことは明らかだった。
逢沢 綾にとっての桂木 弥子は、自分を理解し救ってくれた“名探偵さん”なのだから。

「……警察だし。言われなくても一般市民を守るのが仕事だけど。
 あの子には、助手の人もついてるから」

面倒事には関わりたくないし、関わる権利もない。
暗に匂わせた返答に、アヤは首を横に振った。

「アレだけでは、駄目なの」

朗々とした声は、静かな確信を響かせている。

「完全に“孤独”な存在なのに、そのことを理解できない生き物だから」

まるで、あの助手が人間ではないもののような口ぶりだ。
言いかけて、笹塚は口を噤んだ。余りにも、馬鹿げている。
…そう、思うことにする。

「なんか、面倒臭いこと頼まれてる気がすんな…。
 これって、あんたの歌を最後まで聞かなかったことへの嫌がらせ?」
「いいえ、違うわ」

幾分かの皮肉を込めた笹塚の言葉を、キッパリと否定する。
見上げる切れ長の眸が、無気力と無関心を装う視線を捕らえた。

「貴方は“孤独”だけど、今のままで居ようとしていない。
 “ひとりきり”が心地良いとは思っていない。
 だから、私の“孤独(うた)”を拒否できたの。
 多分、貴方はもう二度と私の歌に揺らされることはないわ」

鈍く澱んだ眸を、静かに透き通った眸が映す。
当惑と躊躇、そして逡巡が僅かに揺らめいた後、諦めがその表面を覆うのを
笹塚は溜息と共に確認した。

「よく、わかんね−けど。弥子ちゃんには結局、また借りを作っちまったからな。
 ……気をつけとこう」

歌姫は安心したように微笑んだ。
二人の会話が終わる頃、ようやく石垣が覆面パトカ−を回してくる。
アヤを伴った笹塚が後部座席に滑り込むと、少しは落ち着いたのか、しっかりした声で言う。

「先輩、表ほどじゃありませんが、裏口にもかなりのマスコミが集まってるようです。
 局の職員を動員して、今、整理に当たらせてます」

「わかった。……あと石垣、上着貸せ」
「……へ?」
「いいから、早く」

首を傾げながら運転席で背広を脱いだ石垣が、シ−ト越しにそれを渡す。
笹塚は、石垣の背広を隣に座るアヤの手錠を掛けた手の上に被せた。

「俺のだと、煙草の匂いが染み付いてっからな」
「あ…、はい!」

くしゃっと歪んだ石垣の顔を見て、この背広は二度とクリ−ニングされることはないだろうと
笹塚は思った。
だが、部下が自分の服をどうしようと、それは持ち主の勝手だ。

「まともにフラッシュ喰らわね−ように、気をつけろ。
 正面に飛び出して来るヤツもいるだろうから、あまりスピ−ドは上げるな」
「ハイッ!!」

元気よく答えて、石垣は車を発進させた。

待ち構える報道陣のカメラ、野次馬の携帯。
無数のフラッシュの中を、覆面パトカ−は通り抜けていく。
今は表情を消して静かに佇む歌姫の隣で、笹塚は小さく溜息を吐いた。


………煙草が吸いて−な。


心から、思った。



                                   − 終 −


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(以下、下の方でつぶやいております。)












原作では、ほとんど会話らしい会話をしていない笹塚さんとアヤさん。
年齢的に釣り合いの取れる美男美女ですが、結局、拙作捏造上でも弥子ちゃんの
ことばかり。
今更ですが、拙宅の傾向って弥子ちゃん総愛かも…。

それはさておき、“孤独(ひとりきり)”な人間の脳を揺さぶる力を持つアヤ・エイジア。
彼女の言う“ある構造の脳”というのが先天的なものなのか、後天的なものなのか
よくわからないのですが、愛されて育った弥子ちゃんのような人は彼女の歌に影響を
受けないらしいので、多分、後天的なのかな…と。
では、家族や友人に囲まれていた過去を持ち、現在は希薄な人間関係の中に自分を
置いている笹塚さんは、アヤ・エイジアの歌を聴いてどう反応するのだろう…?
全く影響されない(感受性系の伝達神経が麻痺しているから←汗)気もしますが、
それだと話になりませんので、こんな解釈はいかがなものかと。

なお、タイトルの「孤唄」は「小唄(こうた)」と「孤独」とをまぜこぜた適当造語なので、
正しい日本語ではありません。