まったく、どいつもこいつも。
なんで俺があの子のこと気になってるのを知ってるんだ?
……女神、か。
そういや、投票とか言ってたな…。
「やあ、クリフ君。」
考え込んでいた俺にいきなり声をかけたのは町長だった。
「あ、町長。どうも。」
「今日は買出しかね?」
俺と町長は少し世間話をして別れた。…あ、そうだ。
「町長、あの、女神様の投票ってどうすればできるんですか?」
「おーい、クリフ!」
「あ、ピート。おっす。」
「なあ、クリフは誰に投票したんだ?女神様。」
正直に言うのは少しためらわれたので、
「え?そりゃ、自分にとって女神様だと思えるような子さ。」
と、言った。
「おー、そっかそっか、ランちゃんな!」
……だから、なんで皆俺の気持ち知ってるんだ。
ピートと話しているとやがて女の子達が現れた。女神の子は――
「あ、ランちゃんじゃん、ほら!」
「…………っ!」
綺麗だ。
女神の衣装を着た彼女は、普段の格好からは想像もつかないほど綺麗だった。
俺は彼女のところへ駆けていった。
「あ、クリフ…。」
「よう。」
「……にあわない…でしょ。」
「そんなことない。…綺麗だ。」
「…ありがと……。」
「それでは、そろそろダンスのパートナーを選んでください」
アナウンスが入る。
「い、一緒に、踊る、か?」
緊張してしどろもどろな言葉になってしまった。
でもきっと彼女は一緒に踊ってくれる――どこかでそう思っていた。が、
「女神様は王様と踊ることになってるんだ。」
俺の頭が一瞬北極になった。
マジか!王様って誰だ……って郵便屋!?お前図書館のメガネの子はどうした!
踊る相手がいなくなった俺は、ひっそりと広場を後にした…。
〜END〜
クリフごめん。近いうち続編を用意するから。
ピートに対するクリフのセリフはうろ覚えです…
花祭り当日――。
あとがきだとよ…