拍手ログ(忍たま)


キャラ×ヒロイン キャラとヒロインの友情 その他


○キャラ×ヒロイン○


1 焼き芋の日〜彼女と綾部の場合〜

四年生の従姉妹から焼き芋をもらった。

「これから委員会だし、みんなで分けて食べようかな。」

作法委員の彼女はどう分けたら綺麗に7等分出来るか頭を悩ませながら作法室へと向かった。

「あ、こんにちは。」
「綾部君、こんにちは。」

作法室にいたのは四年生の綾部喜八郎のみ。

「他のみんなは?」
「まだですよ。六年男子は授業長引いてるみたいですし、藤内はさっき屋根瓦壊してましたし、一年はよく分かりません。」
「そうなんだ……じゃあ先に準備しておこうか。」

彼女が部屋の端に置いた風呂敷を喜八郎はじっと見る。

「先輩、これ何ですか? 何やら素敵な匂いが。」
「ああ、焼き芋だよ。さっき従姉妹がくれたの。みんなで食べようかな……って、こら!」

説明を聞きながら、喜八郎は勝手に風呂敷を開けた。

「人の荷物勝手に開けないでよ……。」
「はいすいません。」

一応謝ってはいるが、そんなに申し訳無さそうではない。

「二つなんですね、焼き芋。」
「そうなの。どう分けたら一番いいのか分かんなくて。」
「やだなぁ先輩、答えは簡単ですよ。」
「え、何何?」
「今食べましょう。はい、先輩の分。」

返事を待たずに喜八郎は焼き芋を取り出し、ひとつを彼女に渡し、自分も食べようと口を「あーん」と開けた。

「ちょ…駄目だよ、みんなで食べようと思ってたのに。」
「えー、だって来ませんし人数分きっちり分けられませんし冷めたら嫌ですし食べるしかないじゃないですか。」
「でも……。」
「まあまあいいじゃないですか。二人だけの秘密ってことで。ね?」

至近距離で焼き芋を差し出され、さらに首を傾げられては断れるものも断りにくくなる。

「……じゃあ、食べちゃおうか。」
「やったねー。」

結局焼き芋は二人で食べることになったが、まあいいや、と思うのであった。


2 焼き芋の日〜彼女と伊作の場合〜

四年生の従姉妹から焼き芋をもらった。

「温かくておいしそう。ちょうどおやつ時だし、食べちゃえ。」

彼女がその辺に掛けて食べようとした時、委員会の先輩である善法寺伊作が通りがかった。

「伊作せんぱーい!」

嬉しくて、たっと駆け寄る。

「やあ、こんにちは。」
「こんにちは! あの伊作先輩、焼き芋食べませんか?」
「焼き芋?」
「はい、さっきもらったんですけど、二つあるんで一緒に食べましょ!」
「いいね、秋らしくて。ありがたくいただくよ。」

ふわり、と優しく伊作は微笑む。二人並んで腰掛け、さあ食べようと口を開けたとき。

「いけいけどんどおーん!!」

学園生徒におなじみのちょっと困ったかけ声が聞こえ――

「ぐぇっ!!」
「せ、先輩!」

――不運委員長の名は伊達じゃなく、伊作の右手にバレーボールがクリティカルヒット。
焼き芋は手から落ち、池にとぷんと落ちた。

「ああ〜……。」
「おお、伊作。すまない! んじゃ!」

全く心のこもっていない謝罪をし、七松小平太はバレーボールを持って去った。

「い、伊作先輩……大丈夫ですか?」
「僕は大丈夫だけど……ごめんね、せっかくもらったのに無駄にしちゃった。」

伊作は力無く微笑む。

「あの、先輩。私のまだ口つけてないですから、半分どうぞ。」

自分の焼き芋を手で割ると、ちょうど半分になった。

「はい、どうぞ。」
「……ありがとう。」

焼き芋の大きさは半分になったが、それでも二人は満足だった。


3 焼き芋の日〜彼女(彼)と留三郎の場合〜

四年生の従姉妹から焼き芋をもらった。

「ラッキー。みんなで食べよっと。」

学園で有名な双子の片割れで用具委員の“彼”。みんなとはもちろん、用具委員会のメンバー。
焼き芋は二つなので、食堂で包丁を借り、六等分して持っていった。

「わあ、焼き芋だー!」
「うわぁ、おいしそう〜。」
「いい匂い……。」
「先輩、ありがとうございます。」

後輩達の反応と笑顔に、彼は満足げに頷いた。

「そういやお前ら、留先輩知らねえ?」
「まらひへないれふよ〜。」
「食べながら喋んな、しんべヱ。そっかまだか、冷めないといいけどな。」

そう言って自分の分を食べようとしたその時。

「みんな! 悪い、遅くなった!」
「あー、食満先輩!」
「待たせたな……って、あれ? 何食ってんだ?」
「従姉妹から焼き芋もらったんです。留先輩のもありますよ。」

その言葉を聞いた留三郎は、何故か「マジか……。」とがっくりうなだれた。

「先輩?」

後輩達が心配そうに覗き込む。

「俺もさっき焼き芋もらったんだ、以前バイトで屋根の修繕した家のおかみさんに。」

そう言って留三郎がほどいた風呂敷には焼き芋が三つ。

「まさかかぶるとは……。」

だが、あちゃーという表情の上級生二人と裏腹に、下級生四人は笑顔がいっそう輝いた。

「やったー! 今日は焼き芋いっぱいですね〜!」
「ナメさんたちにもあげられるねぇ〜」
「食満先輩のは三つだから、二分割ずつでちょうどいいですね!」

「「………」」

「留先輩、ぐっじょぶですね。」
「お前もな。」

かわいい後輩たちの笑顔は何よりうれしいご褒美。二人はにへっと笑い、後輩たちの輪に加わっていった。


4 焼き芋の日〜彼女と土井先生の場合〜

「半ちゃん半ちゃん、焼き芋もらったよ。食べるでしょ?」

土井半助の部屋に現れた幼なじみ兼同僚の手には、ほかほかと美味しそうな焼き芋が二つ。

「いいな、ちょうど小腹が減っていたんだ。」

宿題チェックの手を止め、彼女から焼き芋を受け取る。

「いただきます。」

しばらくお互い無言で食べ続ける。

「なんか懐かしいな。」
「ね。私も思った。昔よく食べたよね、委員会で。」
「冬の火薬委員会は寒さ極まりないからって、火薬庫での作業の後先生が作ってくれていたよな。」
「そうそう! 焚き火と焼き芋に飛び付いたよね。“ぬくもりだー!”って。」

懐かしい昔話に花が咲く。

「……またやろうかな。今度は私が作ってやる番か。」
「あ、それいいんじゃない? 甘酒も買わなくて済むし。」

はは、と半助は苦笑し、ごちそうさまと手を合わせた。

「善は急げだ、芋買ってくる。」
「あたしも行きたい。半ちゃんこの時期金欠でしょ?」
「…余計なお世話だ。」

口調と裏腹に半助の表情は穏やかで、二人は町へ向かった。


5 焼き芋の日〜彼女と伊助の場合〜

「う〜、寒。」

校庭の掃き掃除をしているのは一年は組の伊助。

「そういや火薬庫って火気厳禁なんだよね……冬場は寒いんだろうな……。」

寒いのが苦手な彼はため息をつく。

「あ、伊助君!」

そんな伊助に声をかけたのは、彼の委員会の先輩で、唯一の女子。

「先輩。こんにちは!」
「掃除中なんだ。話してても大丈夫かな?」
「はい。なんですか?」
「四年生の姉様達から焼き芋もらったの。二つあるから、一緒に食べようと思って。」
「わあ、いいんですか?」

ぱあっと、伊助が笑顔になった。

「待っててください、すぐに掃除を終わらせます!」

さすが伊助と言うべきか、本当にあっという間に掃除を終わらせた。

「いただきまーす!」

一口かじるとたちまち体と心がほんわか暖かくなる。

「おいしいね。」
「はい、それにとってもあったかいです!」
「やっぱり秋冬はあったかい物食べるのが一番だよね……あ、そうだ。」
「どうしたんですか?」
「今度委員会のみんなで焼き芋大会しない? 火薬庫は寒いけど、焼き芋食べたらきっと頑張れるよ。」
「わぁ、いいですね! 今度先生や先輩方に言ってみましょうよ!」
「うん。一緒に言いに行こう!」

姉妹で同じことを思いついたのだと知るのは、もう少し先。


※姉妹=土井ヒロインと伊助ヒロイン


6 焼き芋の日〜彼女とタカ丸の場合〜

「おーい、先輩〜!」
「あら。こんにちは、斉藤君。」

同い年の編入生斉藤タカ丸と彼女は顔見知り。

「ねえねぇ先輩、僕いいもの持ってるんだ。手出して〜。」
「?」

言われるままに手を出した。

「はいっ。」

手のひらに転がったのは、綺麗な飴玉。

「昨日僕帰省したんだ。そしたらちょうど馴染みのお客さんが来てて、飴玉くれたの。」

そう言ってタカ丸が見せた箱からはカラカラと音がする。

「先輩には何かとお世話になってるから、お礼だよ!」

えへへ、と屈託ない笑顔でタカ丸は言う。

「……ありがとう。私も今日はいいもの持ってるの。手を出して。」
「え〜、何々?」

彼女はタカ丸の手のひらにさっきの焼き芋を乗せた。

「従姉妹にもらったけど、二つあるの。斉藤君この間の実技試験、自己最高点更新したんでしょ? だからご褒美。」

たちまちぱあああ、という擬音がよく似合う笑顔になったタカ丸。

「ありがとう! 今食べていい?」
「どうぞ。私も飴玉舐めようかしら。」

そして二人並んで焼き芋と飴玉を口に入れ、同時に言った。

「おいしい!」
「おいしいわね。」

「「ありがとう。」」


7 アニメの僕と私と先輩

アニメ忍たま乱太郎18期収録後――

「お疲れ様でーす。」
(はあ、やっと終わった。)

綾部喜八郎は疲れきっていた。

「随分と疲れているな、喜八郎。やはり無理なキャラ付けはよくないな!」
「煩い黙って。」

対照的に元気な滝夜叉丸に声をかけられ、イライラが更に募る。

(気晴らしに穴掘ってやろう、N○Kに。)

そんな考えまで起こしたが。

「あ、綾部くんお疲れー。」
「先輩。」
「今日いっぱいしゃべってたね。」
「はあ……。」
「アニメの綾部くんって普段と違うから最初の頃はびっくりしたけど、たくさんしゃべって動く綾部くんも面白くて可愛くていいと思うよ。」

「先輩……。」

彼女の何気ない一言に喜八郎は感動する。何しろ好きな相手なのだ。

「……先輩、私頑張ります。」
「うん。」
「だから結婚してください。」
「え、ちょっと待ってどこからそんな話に?」
「綾部、てめえ人の妹に近付くんじゃねえ!」
「おや、お義兄さん。」
「ど、どこから……。」
「だれが義兄さんだ!」


○キャラとヒロインの友情○


1 メンタルケア

保健室の襖がすっと開いた。

「はーい……あ、さっくん。」
「よお、美琴。」

当番の三年生、常葉美琴は訪れた友人、同じく三年生の富松作兵衛と挨拶を交わす。

「休憩してても大丈夫かな?」
「うん、大丈夫だよ。ね、数馬くん。」

美琴は衝立の奥で薬を作っている三反田数馬に声をかけた。

「いいよー、今は誰もいないし。」
「サンキュー、数馬に美琴。」

作兵衛はそう言い、壁際にどかっと腰を下ろした。

「はー、疲れた。」
「お茶飲む? さっくん。」
「サンキュー。」

保健室に来た作兵衛だが、特に熱や怪我があるというわけではなく、少し疲れている程度だ。

「今日も左門と三之助が同時に右と左に走り出してさー……。」
「うわぁ、大変だったね。」
「そうなんだ、しかも――「すみませーん。」

作兵衛の声に重なって、別の声がした。

「あ、作も来てたんだ。」
「よう、藤内。」
「いらっしゃい、藤内君。」

藤内は作兵衛の隣に座った。やはり病人にも怪我人にも見えない。

「聞いてくれ〜。今日の委員会大変だったんだ。」
「ふんふん。」
「綾部先輩が“京先輩は私の嫁”って言い出して、何故か来てた雅先輩が怒って漆喰砲持ち出して……。」
「そっか……。」

美琴と数馬が当番の日、作兵衛と藤内はこんな風によく保健室へ来る。
気苦労の多い2人はここで休憩し、普段の愚痴を話す。そして、すっきりした表情で出て行く。
ただし、病人や怪我人がいなくて美琴と数馬が暇な時に限るが。

「悪いな、いつも愚痴聞いてもらって。」

一通り話した後で作兵衛が言った。

「何言ってんの、保健委員の役目はみんなを元気にする事なんだから、全然悪くないよ。」
「そうそう。2人の役にたてるんだもん、私も数馬くんも嬉しいよ〜。」
「……ありがとう、数馬、美琴。」

その後は愚痴こぼしから世間話になり、やがてやはりすっきりした表情で2人は保健室を後にした。


2 怖いよ先輩

「庄左衛門、美並先輩と一緒にいるの誰?」
「彦四郎。」

ある日の学級委員長委員会の活動日。
六年生常葉美並の隣には、一年今福彦四郎の知らない美人がいる。

「美並先輩のご親戚、常葉美鈴先輩だって。去年まで学級委員長委員会にいたらしいよ。」
「へえ……。」

と、その時。

「すみません、あの……鉢屋三郎先輩はいらっしゃいますか?」

見知らぬくの一教室の少女が現れた……が。

「鉢屋先輩、こんにちは。」

慣れたもので、一年二人はすぐに彼――三郎の変装を見破った。

「はは、バレたか――あああ!!??」

にやっと笑って普段の姿に戻った三郎は、次の瞬間青ざめ、異様な叫び声を上げた。

「み…みみみみ……」
「耳耳?」
「美鈴先輩!?」

呆れている美並の隣で、美鈴はとてもいい笑顔で「三郎ったら、相変わらずね。」と笑った。

「こ……こんにちは、今日はい、いかなるご用件で?」
「仕事が片付いたから、遊びに来たのよ。」
「へえ〜………。」

引きつった笑顔のまま、三郎は後ずさる。

「あら、どうしたの?三郎。」
「急用を……。」
「逃げる気?」

三郎の顔がどんどん青く、美鈴の笑顔がどんどん黒くなっていく。

「……ごめんなさーい!!」
「あら、三郎ってばどこに行くの〜?」
「助けてー!!!」

「み、美並先輩。鉢屋先輩たちが行ってしまいましたが…。」
「あれねー、美鈴姉が五年生の時に三郎が調子に乗って、美鈴姉の顔で学園内で散々悪戯したのよ。
それ以来、ああやって“仕返し”と称して三郎で遊んでるって訳。」
「はあ……。」

3人がのんきに見物する中、三郎は「誰か助けろ!」とひたすら心の中で叫んでいた。


3 尾浜勘右衛門の居場所※47巻ネタ

「勘ー。」

文化祭を楽しんでいる尾浜勘右衛門に声をかけたのは、同じ五年でくの一教室の友人。

「すごい楽しんでるね、文化祭。飴いいなー。」
「まあ、せっかくだしね。あ、一本食べる?」
「ありがとう。どこの委員会に入るかは決めたの?」
「いや、それはまだ……。」
「ふうん。」

普段とは違った活気のある学園内を、二人は飴を舐めながら歩く。敵が潜んでいるという緊張はあっても、やはり文化祭は楽しい。

「あ、尾浜先輩ー!」
「おー!」

1年は組のよい子たちに呼ばれ、勘右衛門は手をふる。

「すっかり馴染んだね、勘。」
「うん…16年間出れなかったし委員会とか学年とかでみんな凄く仲がいいから、初めは怖かった。」
「勘……。」
「受け入れられるか、仲間に入れるか。でも……余計な心配だったな。」
「……そうね。」
「俺、は組のやつらと回る約束してたんだ。お前も行く?」
「ううん、私は作法委員の方行かないと。」
「そっか、またな!」
「うん!」

懐いてくれる後輩。指導してくれる先輩や先生。気にかけてくれ、一緒にいると楽しい五年の仲間。
16年間待ったかいがあった、と勘右衛門は感じていた。


4 伊賀崎君と私の小松田さん問題

「サインくださーーい!」

また小松田さんだ。怖いくらいのサインへの執着。今回は誰なんだろう。私はふっとそんな事を思った程度で、完璧に人事扱いだった。……なのに。

「先輩、聞いてくださいよ。小松田さんがまた僕のジュンコに“サインください!”って追いかけ回して、怖い思いさせていたんですよ。」

三年の伊賀崎孫兵君、なんでそれを私に言うの? ……と思ったけど、言葉にはしないでおく。

「そう、大変だったのね。」
「あの人、何度ヘビにサインは出来ないって言っても分かってくれないんです。」
「まあ、小松田さんだからね……。」
「だから、先輩からも小松田さんに言ってもらえませんか? 僕とジュンコが困っていること!」
「はあ!?」

ちょっと待って。なんでそこで私が出て来るの?

「先輩、小松田さんと仲いいじゃないですか!」
「いやいや、そんな事無いって!」
「懐かれているんでしょう!?」
「懐かれっ……て…。」

私の方が年下なのに懐かれるって……でもあまり否定出来ない。

「お願いします!!」

――これを理不尽って言うんだ、きっと。
だけどそれに気付いていながら、私は事務室へ行ってしまうのだった……。


○その他○

1 兵太夫の素朴な疑問

「なあ伝七、質問していい?」
「兵太夫。」

委員会があるので作法室に来たものの、上級生がいまだ1人も来ていない。
時間つぶしも兼ねて1年生二人はそれぞれの宿題をしていた。

「どこ分かんないんだ、アホのは組?」
「アホって言うな!それに宿題のことじゃないんだよ。」
「へ?なんだ?」
「あのさ、い組も授業とかで女装する機会あるよな?」
「え?そりゃあるさ、この間も女装の授業があったし。」

伝七が答えると、兵太夫はますます真剣な顔になった。伝七は兵太夫がそうなる理由がわからない。

「……なんだよ、何か文句でもあるのか?」
「文句じゃなくて、質問だってば。……女装中の名前、どうしてる?」
「は?」

化粧や髪型ではなく、名前? と、伝七は首をかしげる。

「名前なんてまだ使ってないし、考えてないぞ……普通は自分の名前に“子”をつける人が多いみたいだけど。」
「そう、それだ。伝七だと“伝子”になるんだろ?」
「……あ!」

――山田先生と同じ――

「いやいや。」

伝七は首を振った。

「何も“子”だけが女装用の名前じゃないよな。2年くのたまの大川さんみたいに名前の最初に“お”がつくのも有りだし。」
「お前、それだと“おでん”になるぞ。」


2 田村三木ヱ門の憂鬱

※夢ヒロインのデフォ名出てきます。

ある日の午後。会計委員の田村三木ヱ門は考え事をしていた。

「会計委員には5年生がいないから、私が来年委員長になるのだろうな…。委員長か…いい響きだなあ。………あれ、ちょっと待て。」

三木ヱ門は自分が委員長になったときの予算会議の様子を想像してみた。


『三木ヱ門、お前、私が何回も留先輩とお前んとこの潮江先輩の喧嘩止めてやった恩、忘れてないよな?』
(用具委員の雅先輩は普段は優しいが、本気になったら何でもやる…)

『三木ヱ門君、あのね、作法委員の予算少ないと思うんだ。増やしてくれるよね?ね、予算ちょうだい。』
(何故だろう、作法委員の京先輩は優しい言い方なのに、逆らえる気がしない!)

『田村三木ヱ門、ユリコに豆腐を食べさせていいのか?』

『田村三木ヱ門、サチコ3世に毒虫を散歩させていいか?』

(久々知平助先輩、竹谷八佐ェ門先輩、それだけはやめて!!)


「……ダメだ、勝てない……。」

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