「勝者、挑戦者の!」
「やったあ!」
ここはトウカジム。
は今日、ここのジムリーダーのセンリに挑戦し、勝利をおさめた。
「……驚いたな。この間会った時より数段強くなっている。君もポケモンも、本当に成長が速い。」
ひんしのポケモンをボールに戻し、センリが言った。
「ありがとうございます!」
「ほら、バッジだ。これからも頑張りなさい。」
「はい!」
はバッジを受け取り、トウカジムを後にした。
「えへへ〜っ。これで4つ目、半分まで来たね〜。」
所変わっては今、彼女のポケモン達と町の外にいる。
ポケモン達にポロックを与え、自分も好物のアイスを食べながらゆっくり過ごすのは、ジム制覇後のささやかな楽しみ。
はセンリから受け取ったバッジを眺め、大事にバッグに付けた。
「へえ、もう4つ目をゲットしたんだね。」
「はい…え?」
突如聞こえてきた声に驚き、は振り向く。
「やあ、ちゃん。」
「ダイゴさん!」
そこにいたのは彼女が懐いている青年、ダイゴ。
「びっくりした〜。こんな所でどうしたんですか?ダイゴさん。」
「散歩していたら、ちゃんが見えてね。」
言いながらダイゴは隣に座る。
「センリさん、強かったでしょう。」
「はい、それはもう…!パッチールが思ってたよりも強敵で、苦労しちゃいました。」
「はは、可愛いからって侮ったらいけないって事だね。」
「本当ですよ〜。でも、勝てて良かった。夢に一歩近付きました!」
笑顔では言った。
「夢?」
「はい。私、ポケモンチャンピオンになりたいんです!」
ポケモンチャンピオン。
それは全てのポケモントレーナーの憧れであり目標であると言える究極の地位。
「そうなんだ。」
「はい。出来れば最年少記録を更新したいんです!」
きらきらと目を輝かせながらは話す。
「そうなんだ。……ねえ、今のポケモンチャンピオンがどんな人か知ってる?」
ダイゴが尋ねた。
「え?いえ、分かんないです。」
は首を横に振った。
「そっか。実は僕がチャンピオンなんだ〜。」
「……ええっ!?」
「……って言ったらどうする?」
「…え?」
はしばらく混乱状態になったが、ダイゴはそんな彼女を見てにこにこと笑っている。
(冗談……だよね?)
「僕がチャンピオンだったら、ちゃん、僕と戦うのかな。そうなったらどうする?」
再びダイゴは尋ねた。
は「え〜っと、え〜っと……。」と考え、
「…誰がチャンピオンでも、変わんないですよ。修行を積んで、頑張るのみです!」
真っ直ぐにダイゴを見て、はそう言った。
「………そっか。」
その言葉を聞いたダイゴは笑顔で、彼女の頭をぽふぽふと撫でた。
「僕、応援するね。頑張って。」
「はい!」
――応援してるよ。
「勝者、チャンピオンのダイゴ!」
――だから、早くここまでおいで。僕は君が来るのを、ずっとずっと待っている。
ロリコンだけじゃなかったんですね、ダイゴさん。