四天王ゴヨウとかつての挑戦者、オダマキ

数年のときを経て、再会した二人。

あれから一週間………。


まぶしいくらいの


「ちょっと、ゴヨウ!?」

控え室に入ってくるなり叫んだシロナ。

「うわ、びっくりした!」

「どうしたんですか?シロナさん。」

シロナは入り口近くのオーバとリョウを無視し、奥に座るゴヨウの元へ一直線。

「まったく貴女は……。いきなりなんなんです?」

「聞いたわよ!あれ以来 ちゃんのとこへ行ってないそうじゃないの。」

「え?」

それでなんでシロナがこんなに怒るのか、その訳がゴヨウには理解できない。

「行ってませんが。」

「なんで!?」

「何でって………。」

特に行く理由もないのに………

ゴヨウがそう言いかけたのを素早く見抜いたシロナは、今彼が座っている椅子を力いっぱい蹴り上げた。

当然、ゴヨウは床に倒れる。

「ちょ………!」

普段ポーカーフェイスで通っているゴヨウも、流石に怒りを見せた。

しかし、彼がシロナに文句を言うより速く、シロナは彼の前に一枚の紙を差し出す。

それは、シロナが偽装したと思われるゴヨウの“休暇届”。

一体どうやったのかすでにハンコまで押されている。

「チャンピオン命令。休暇あげるから、とっとと ちゃんのお見舞い行って来なさい。」

「は……。」

面食らうゴヨウに、シロナは続ける。

「あの子の姉のちゃんにも言われてるんでしょ?また来てくださいって。」

「な、何故それを?」

事実だっただけに、ゴヨウの驚きは相当なものだった。

「ダイゴ君とその友達のミクリ君通してこないだ知り合っちゃった。メル友なのよ、私たち。」

「いつの間に……。」

ゴヨウが引き続き面食らっている間に、シロナは勝手にゴヨウのボールからフーディンを出した。

「フーディン、あんたのご主人をホウエンのミシロタウンまで連れて行ってあげて?」

そして、自分のポケモンに連行されるような形で、ゴヨウは再びミシロへと行った。


「まったく、シロナさんは………。」

ミシロタウンで1人ブツブツと文句を言うゴヨウ。

彼はここに来たくないわけじゃなかった。

しかし、きっかけがつかめなかった。

忙しかったというのもあるし、特に理由もないのにしょっちゅう来たら、彼女や彼女の家族に変に思われないかと……そんな心配をしていた。

しかし、様々な意味で今すぐシンオウに帰る訳にも行かない。

「お見舞いでも買ってきましょう……。」

最寄のフレンドりィショップを探そうと、タウンマップを広げるゴヨウ。

しかし、そこに丁度の姉、が通りがかった。

「あれ、ゴヨウさん?」

「…あ!さん……。」

「こんにちは。あ、ひょっとしてに会いに来てくれたんですか?」

「え、ええ、まあ……。」

「どうぞどうぞ!」

ゴヨウの腕を引っ張り、家に連れて行く

ゴヨウはお見舞いを買うことも叶わず、再びオダマキ家へと入っていった。


「こ、こんにちは。」

の部屋の中へ入ったゴヨウ。丁度起きていたリナは、ぱあっと明るい表情になる。

「ゴヨウさん!」

「その……シロナがお見舞いに行ってこいと休暇をくれまして。お土産を買おうと思ったのですが、ちょっと買いにいけなくて。」

決まりが悪そうに小声で「すみません」と言うゴヨウ。

しかし、は首を振り、

「来てくれただけで、すっごく嬉しい。ありがとう、ゴヨウさん。」

そう言った。


それから少し他愛のない話をした後、オダマキ家の夕食の時間が来たので、ゴヨウは帰ることにした。

「今日はありがとう、ゴヨウさん。すっごく楽しかった。」

ゴヨウは彼女を見て、こう言った。

「また今度…お邪魔してもいいですか?」

ゴヨウにとっても、と一緒にいた時間は、“すっごく楽しかった”時間であり、すでに彼もそのことを自覚していた。

は一瞬、驚いたような顔をしたが、

「……うん!絶対、来てね。待ってる。」

と言った。

とても綺麗な、まぶしいくらいの笑顔で。


お待たせしました、(なぜか)一番人気のゴヨウ夢。(これ書いた当時)

かいてて一番楽しかったのは勿論、冒頭のめちゃくちゃなシロナさん。

彼女はこういう人であってほしい。

一番苦労したのは背景。マイドキュメント内にぴったりくるのがなかった。

なんの躊躇もなく“メル友”って単語出しちゃったけど、大目に見てください;

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