オイラーが最初に考えたグラフの理論から始まり、世界がネットワークでつながっているありさまを興味深く解説してくれる。世界の誰とでも、たった6人でつながっている、という事には本当にびっくりさせられた。実験社会学者が、ランダムに選んだ人たちにハガキを送り、全く別人のところまで、何人を介して届くのか、という実験を行い、その平均が5.5人だった、とのこと。WEBのドキュメント数が1998年末で8億程度であり、その中では、任意の2つのドキュメントは平均して19クリックしか離れていないという「小さな世界」らしい。それを計算で出すなどということは、すごい発見だ。
興味深い事を、上手に解説してくれているが、結構内容は難しい。ランダムネットワークと、スケールフリーネットワークの違いだとか、ネットワークの理論が遺伝やビジネスの分野で重要であるとか、読んだときはすごく面白くて時間を忘れるのだが、内容を忘れるのも早い。書いてあることが高度だからかもしれない。それを上手に読ませる作者はすばらしいと思う。それにしても、世の中にはかしこい人がいるものだ。
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