2003年11月13日(木)
数学を作った人々1 E.T.ベル 早川文庫

こないだ読んだフェルマーの最終定理の本が面白かったので、読むことにした。全部で3巻のうちの1巻目。
アルキメデスの時代から、数学の発展を促した天才たちの業績を紹介しつつ、彼らがどう生きたのか、という伝記で構成されている。数学の難しい部分はわからないが、作者の人物評がすごく面白い。
書かれたのは1936年だが、古さは全く感じない。例えばニュートンのところでは、ニュートンの業績に報いるために、ニュートンを造幣局か何かの役職につけたイギリス人を評して、アングロサクソンの政治好きのアホさ加減を嘆いていたりする。出てくるのは紀元前のアルキメデス、ラグランジュ、オイラー、ニュートン、ライプニッツ、デカルト、などなど。
デカルトが今のXY座標を考案し、図形と代数をつなげたとは知らなかった。作者が中で書いているが、数学は今の学問が紀元前からの全ての積み重ねであり、全てが連続している、という珍しい学問とのこと。異論はあるかもしれないが、この本を読むとそう思える。 数学を習うときにこんな話を読んでおけば良かった。