数学、物理学が恐れるもっとも危険な概念、という副題に惹かれて読んだ。
前半は、西洋がキリスト教の教義から、ゼロや無限の概念を認めようとしなかった、という歴史的な話。こんなところに宗教が関係しているのか、という感じ。
後半は微分や積分、射影幾何学など、「数学を作った人々」で出てきた数学者が出てくる。無限、というものの扱いをここ2000年以上トライし続けてきた、というのが数学、物理学の現状ということか。
分数で表される有理数は何の空間も占めず、無理数は数直線状の空間のすべてを占めている、などのカントールの理屈がやや詳しく紹介されており、数学者の天才をすこし理解することができる。
最後のほうは、量子力学やブラックホール、ビッグバン、インフレーションなどの宇宙に関する話になる。このあたりは何度読んでもよくわからないが、考えている人たちはすごいとは思う。
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