会社の帰りに本屋で目について購入。
作者が長きにわたって、成人の日と4月1日の入社式の日に、サントリーで出した新聞広告に書かれた文章や、数多くの作品から、社会人として(サラリーマンとして)生きていく心得のような文章を集めたもの。
そういえば、成人の日や入社式の季節になると、大きな字とちょっとしたイラストを交えたサントリーの新聞広告があったことを思い出す。当時から説教くさいとは思わなかった。年代順に書いてあるが、書き手の勢いや誠意が伝わってくるような気がする。
自分が年をとったから、そう思うだけなのか?青年は礼儀正しさと謙虚さがありさえすれば、ガンガン行けば良いとか、会社に入ったからには三年間だけは黙って働け、とか、今ならそうだなあ、と思えることが書いてある。考える社員、考えて仕事をする社員、自分の方法を発見しようとする社員は伸びる、これもしかり。
「深く生きるための第一の手がかりは、よく見ること、見たものに素朴な疑問を提出することではないか」これなど本当にその通りだと思う。
一番共感したのは、「会社勤めで何がものを言うのかと問われるとき、僕は少しも逡巡することなく「それは誠意です」と答えている。」という言葉である。
作者の息子が最後に親父の事を書いているが、いい親子なんだなあ、と感じさせる文章で、亡くなった父親を思う気持ちが伝わってくる。 |