2004年3月31日
ビーンズ! レスリー・A・ヤークス&チャールズ・R・デッカー ランダムハウス講談社
実際にシアトルにあるコーヒー店がなぜ流行るのか、という事を物語り仕立てで書いてある、ビジネス本。
副題に、「一杯のコーヒーがおしえてくれる、ビジネスと人生の成功法則」とある。
表紙が面白く、読みやすそうだったので、買ってしまった。

シアトルはスターバックスの本拠地で、アメリカでもコーヒーの本場とのこと。そこには、大手のチェーン店に負けず、雨の日も風の日も行列ができるほどのお客さんが来て、さらに5回も店の場所を変えたのに、お客さんは店を変えず、ついてきた、という一軒のコーヒーハウスがある。
このコーヒーハウスの経営者夫婦と、一人の女性経営コンサルタントがメインの登場人物。

商売の成功のために、必要なものは、情熱(Passion)・人(People)・商売を超えた温もり(Personal)・商品(Product)、それと志(こころざし Intention)。つまり、4つのPと志だ、という。

物語になっているので、読みやすい。基本的に善人しか出てこない。
著者の紹介を見ると、レスリー氏は、「人はみな善意、良心、勇気、学ぶ力をもっている」が信条とのこと − なるほど。
読むと心があたたまる。
「社員の心が会社から離れると、お客様の心まで離れてしまう」という言葉は、なるほど、と思わせる。

この4つのPの中で、どれが一番大切か、というと、情熱ではないか、と思う。これが全ての原点だからなあ。情熱を持って、仕事ができれば、と思う。

それと、やっぱりこころざしは大事だろう。
自分はどこに向かっていくのか、何が目標なのか、何をしたいのか、というところをはっきりと意識し、イメージできることはすごく大事なことだ。

巻末に、ビジネス本らしく、要約が書いてあるが、その中に、「胸をはろう」という言葉が2回も出てきた。
とつは、Peopleのところで、「胸を張ろう −自分を信じ、周囲の人々を信じる」、もう一つは、志のところで、「胸を張って夢や希望を追いかける」とある。

そういえば、最近、胸を張って何かした、という記憶が無い。
胸を張る、という姿勢は、どういう気持ちをあらわすんだろう?
「前向き」という言葉が一番しっくりくるような気がする。
いろんな事があったが、これからも胸を張って、生きていこう、と思う。