2004年4月18日
仕事の裏切り ジョアン・キウーラ 翔泳社
2800円は高かった。日経の書評を見て、面白そうだと思い、買ったのが間違い。よく見ると、書評を書いた人が監修者になっている。関係者が書評を書いたらあかんわなあ。

1ヶ月以上かかって、やっと読んだ。2800円出してなければ、途中でやめていただろうが、もったいない、という気が先に立って、やめられない。

2000年にAmazon.comで、ベストビジネス書に選ばれているのだから、アメリカではやっぱり良い本として読まれたんだろう。自分には合わなかった、ということか。

まず、仕事というものを(西洋を中心として)人間はどう位置づけたきたのか、という歴史の説明から始まり、アメリカでの経営管理の歴史の説明(これで300ページくらいある)、最後に仕事とは、人生とは、というところの説明がある。

原題は、The Working Lifeだが、邦題は仕事の裏切り、となっている。
予想通り、仕事の意味を十分に考えずに、仕事を人生の中心においてしまうと、失業というような事態になったときに裏切られる、というような運びになっている。

仕事に関する種々の記述の中に、たくさんの過去の知見が書かれており、それはそれで興味深く読める。
たとえば、サービス業で、接客する笑顔を、「商業化された感情」という言葉で表したり、「お金をもらわなくてもやるであろうことを、お金を支払ってやらせた場合、その活動から得る喜びは減る」とか、そのほかにもいろいろある。
仕事全般について、歴史も含め、色んな意見を知りたい、というなら、なかなか良い本だと思う。

本を読む、ということは、作者との対話であり、そういう意味では、どうもこの本には満足できない。色々な資料としてはすばらしいが、作者が仕事に対してどう考えているのか、というところが、自分の読み方も浅いのかもしれないが、今ひとつ伝わってこない。

仕事が楽しい、という側面もあり得るということが載ってないのが、読んでいてストレスになっているのかもしれない。最終的には裏切られるかもしれないけれど、自分で意味を見出して仕事をする、という事はないんだろうか?それが人生に意味を持たせることもあり得るだろうに、と思ってしまう。
作者は、自分の仕事について、どう思っているのかが、よくわからない。
この人は、プロジェクトXを見たら、どう思うんだろう?

日本とアメリカの文化違いなのか、それとも、自分の仕事に対する考え方が、標準的ではないからか、よくわからないが、これは自分にとってはハズレだった。
アマゾンの書評でも、星がたくさんついているので、きっと自分との相性が悪かったんだろう。

それにしても、2800円は高かった・・・。(最初にもどってしまう)