浪花少年探偵団の続編。副題に浪花少年探偵団・独立編とある。
前作の最後にしのぶセンセが勤めていた小学校を辞め、内地留学をしたが、2年間の留学を経て、新しい小学校に赴任するところまでがこの短編集の時間経過。
前作では小学生であった担任のクラスの悪ガキが中学生になって、センセの助手のような役どころとなって、活躍する。
前作と同じく、全編大阪弁のオンパレードで、大阪弁がわかる強みが堪能できる。
一作目を読んでいるので、二作目は最初から入りこめる。物語の中はすごく心地よい空間であり、主人公や脇役に感情移入している間に、どんどん進んでいってしまう。
あー、面白かった、というすっきりした読後だった。
作者が最後にわざわざページをとって、このシリーズはもう書かない、と断言している。実際には1作目(これは作家デビューして1年後から書き出したらしい)で、終わりにしようと思っていたが、単行本が意外に好評であり、リクエストも多かったので、2作目まで来た、という事らしい。
理由は色々あるが、最大のものは、「作者自身が、この世界に留まっていられなくなったから」とのこと。7年間にわたって書き続け、物語の中でさえ3年の月日が経過し、作者も変わった、とのこと。
わざわざ、作者自身があとがきとして終結宣言を書くくらいだから、きっとこのシリーズを続けてほしい、という声が出ることが分かっていたんだろうと思う。
とはいえ、この作品を書いている間は、作者としてもとても楽しかったとのこと。
そうだろう。楽しんで書かなければ、こんなに面白い作品はできないような気がする。わかりやすい文章で、わかりやすく、なおかつ面白く、スジを運んでいく、という力はたいしたものだと思う。
もうぼちぼち、東野圭吾の本格ミステリにも手をつけないといけないような気になってきた。
それにしても、しのぶセンセの未来はどうなるのか、残念だ。それを書かないところがいいんだろうが。
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