題名がおもしろそうだったので購入。
序章:勉強は40歳からが面白い、第1章:40歳からは実社会で役立つ勉強力がついてくる、・・・というはじまり。
中年になっても進歩しよう、と思って章立てを見ると魅力的に見えて、ついつい買ってしまった。
昔からそういうところがあって、本屋で参考書を買ったら、もう勉強できたつもりになるとか、計画を立てたらそれで満足して、結局何もしなかった、という性格なので結局は進歩はしないのだが、こういうタイトルには自慢ではないが極端に弱い。
最近の研究結果として、「人間は年をとっても神経細胞の成長がつづくことがあること、そのためには絶えずものを考え、記憶する習慣をつける必要があること、・・・」という事があるらしい。つまり、頭を使っていれば、記憶も衰えず、脳の神経細胞も成長し続ける、ということになる。
また、記憶には2種類あり、ことばとその意味が対応するような記憶である"意味記憶"と、自分の体験にまつわる記憶である"エピソード記憶"がある。
この2種類のうち、エピソード記憶の方が実社会では役に立ち、忘れにくい記憶形態であり、また、エピソード記憶は中高年になればなるほど、意味記憶よりも優位になってくるらしい。
確かに、何らかの経験を伴う記憶(あの時、XXはこんな失敗しよった、というような記憶・・・例は悪いが、こういう事は忘れないのも事実)は歳をとっても衰えないような気がする。
さらに、インターネットの普及などで意味記憶の価値が相対的に落ちてきており(何でもすぐに調べられるから)、エピソード記憶をたくさん持っている事が実社会で強いという事になる。なぜなら、エピソード記憶は辞書では代替できないし、理解を伴った知識を持つ、という事は強みだから・・・という展開。
また、感情の老化は早い人は30代から始まっているようであり、これは知的機能や運動機能の老化も進めてしまうので、要注意とのこと。そのためには、良好な人間関係を保って話をする、親友を持つ、適度なギャンブル、若返るように外見に気をつかう、などの手は有効らしい。
逆に、「もったいない」と思うのは要注意であり感情の老化の表れである可能性が大きい。
そういえば、最近はもったいないから・・・と思うことが増えてきた。僕も危ないかもしれない。
ここから先は、メタ認知とか、自分の感情状態とその時に自分の考えたことを紙に書く、というDTR(非適応な思考の記録)という方法などが紹介され、さらにどこで、何を勉強すべきかなどが書かれている。(このへんは内容が難しかったり、そこまではでけへんやろ、と思ってしまったりする。)
共感したのは、「何のために学ぶか」ということが40歳からは最も大切、という事である。脳の老化予防のためなのか、職業につきたいのか、教養を身につけたいのかなど、色々な目的があるが、40歳以降は、目的をはっきり持つことが大事とのこと。
その通りだとは思う。でも、易きに流れるのが人の常であり、ついつい固定化した流れに任せて毎日を過ごしてしまう方が楽、というのも真実。実際にはよほど覚悟を決めないと。
時にはこういう本も読んで、やる気を出さないといけないか。
とはいうものの、今の自分には目的が見あたらず、アクセルを踏んでエンジンを回しても、ギアが入ってなかったりするという状態。
なかなか前には進めないが、この本を読んで少しガソリンが入ったので、長い目で見て続けられるような、楽しみを兼ねた、それでいて収入も期待でき、その道の大家になることも夢ではないような事を考えてみようと思う。(そんなもん、ないわなあ)
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