2004年7月31日
この世で一番の奇跡 オグ・マンディーノ PHP文庫
十二番目の天使が面白かったので、文庫になっている作品を探してアマゾンで注文した。

この作品には、作家であるオグ・マンディーノ自身が出てきて、不思議な老人と出会い、この世で一番の奇跡について知る、というストーリー。

不思議な老人との出会いから始まり、老人とオグの語り合いの中に色々な人生の知恵が紹介されるが、その部分は興味深く読める。

十二番目の天使と比べると、「神」の存在が非常に重くなっている。より良い人生を生きていくには、神との関わりが必要、というのが前提という事だと思う。
だからといって、そんなに宗教色が強い本ではない。人生の真理を語るためには、人間を超えた存在を認めなければならない、ということがごく自然に語られ、納得させられる。

現代が人間にとって不幸な時代になったのには原因がある。コペルニクスが地球が宇宙の中心でないことを発見し、ダーウィンが人間は神の特別な創造物ではない事を発見し、フロイトが無意識を発見して、人間が自分の行動を合理的に説明する必要をなくしてしまった、という歴史が話される。
つまりは、神がどうやって人間から去っていったか、という歴史だと思うが、不思議な老人はそれを取り戻すことはできないとはいうものの、次のように語っている。

「ミスター・オグ、どうして世界を変えようとなさらないのです?どうして人生に奇跡をおこすのが可能な事を人びとに教えないのですか?人間が独自の美しい世界を生みだすことができるかぎり、宇宙の中心に住んでいないことになんの問題があるでしょうか?他の動物にはない力をもっていることを知れば、自分が動物の子孫であろうとなかろうと気にする必要はないでしょう。自らの心を制御し、最終的な運命を定める力をもっているなら、自分の行為の一端が無意識に埋め込まれた幼児期の記憶によって引きおこされていることなど、気にならないはずです。人間だけが、それぞれ独自に、どのような人生を送るかを決定する力をもっているのです。」

あとがきによると、オグ・マンディーノは自己啓発や成功哲学の分野では世界を代表する作家とのこと。

成功哲学、という言葉は初めて聞いたがこの人の言うことを聞いて、百日間頑張ってもいいかな、という気になった。
(何を百日間頑張るのかは、本に書いてあります。)

すごく良いことが書いてある、読みやすい本だと思う。
神を信じている人にも、信じていない人にもお勧めします。