2004年9月29日
私が愛したリボルバー ジャネット・イヴァノビッチ 扶桑社ミステリー
本屋で何となくミステリーのコーナーを歩いていて、面白そうだったのでつい手が出た。
アメリカのミステリーは女性作家ばかり読んでいる。
サラ・パレツキー、スー・グラフトン、パトリシア・コーンウェルなど。

作者のジャネット・イヴァノビッチはこれを書くまではロマンス作家だったらしい。

これは、アメリカの下町の女性ハードボイルド、という感じ。
下品なところもあり、笑わせるところもある。

主人公は会社が売られ、仕事をなくし、仕方なくバウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)になった30歳のバツイチ、独身という筋立て。アメリカには、保釈金をふみたおして逃げた容疑者を捕まえて、返ってきた金を歩合でもらう、という商売が実際に今でもあるらしい。

イタリア系のアメリカ人で、ファミリーの意識が強い(というか、30になっても、両親からは子ども扱いされている)。イタリア料理もたくさん出てくる。

主人公が相手に対して毒づいたり、色々な汚いセリフを頭の中で考えるところは素直に面白い。
また、ニュージャージーの下町の汚れた感じが出ていて、光景が目に浮かぶように書いてある。
翻訳もうまいと思う。主人公は、私ではなく、あたし、である。
この本を読むと、この主人公はやっぱり、あたし、と言わないと・・・と思うハズ。
主人公の一人称に、あたし、を選んだ訳者はエライ!英語では、ただの"I"やからな〜。
ストーリーのテンポも良く、最後まで息をつかせず読ませる。適度な厚さも良い。

サラ・パレツキーの新作をずっと待っていたが出ず、このシリーズを読もう。
日本でも既に5冊出ているようだ。(アメリカでは10冊。)

女性のハードボイルドが好きな人にはお勧めします。