2004年12月10日
奇巌城 M.ルブラン 講談社文庫
翻訳が逢坂剛で、新しく出た文庫。あとがきによると、大胆にルブランの原作を修正して書かれた、逢坂ルパンだ、とのこと。

ルパンものは昔読んだことがなかったが、読んでみたらすごく面白く、2日で読了。

解説には、今まで訳されたものとの比較が出ているが、訳者によってこんなに違うのか、とびっくりする。

ホームズはミステリ系で、ルパンは活劇だ、という事も解説に書かれているが、その通り。この本を読んでいると、まさに怪盗、という言葉がぴったりくる活躍である。
物語の中にホームズも出てくるが、ルパンにやられてしまい、最後はほとんど悪役扱いであった。フランス人のイギリス人に対する対抗心がのぞいているのかな、という気になる。

アニメの名探偵コナンに出てくる怪盗キッドのモデルはこのルパンなんだろう。
頭が良く、スマートで、変幻自在。

もう一人の主人公である探偵役の学生も、よくできた登場人物だった。

こういう、ロマンがあってストレートな活劇は、テレビには無い読書の楽しみだと思う。

今日は何もすることがなく、一日本を読んで楽しみたい、という時にはお勧めの一冊です。