最近読んだルパンが面白かったので、もう一冊文庫を買った。
ルパンというと、泥棒だと思っていたが、この作品では盗まない。これこそ活劇だ。八つの短編が一つの物語になっている。ルパンが恋した相手と一緒に八つの冒険をして、最後には結ばれる、という短編集。
いずれの短編も、レニーヌ公爵(ルパン)が天才的な頭脳と鋭い洞察力で事件を解決していく。
時代は古いが、古さを感じさせず、面白い。現代のミステリとはひと味違った、古き良き時代のアドベンチャーロマンという感じ。
生活臭もなく、ドロドロした人間関係もなく、純粋に冒険譚を楽しめる。困っている人を助け、犯罪をあばく、盗みをしない鼠小僧。こんなヤツになれたらええなあ、と単純に思えるおはなし。こんな小説は久しぶりだ。もっと若いときに読んでおけばよかった。
ルパンは、大胆かつ細心で、ホームズに比べると神経質さがなく、おおらかな気がする。(ホームズファンに怒られるかも?)作者がフランス人だから、大陸的なんだろうか。
しかし、ホームズを読んだのはだいぶ前だから、もう一度読み直して比較してみないといけない。
日常を忘れ、純粋な物語で、つかの間の冒険の世界に入りたい方、読んでみては?
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