赤毛のカーロッタのシリーズ3作目。
元警官で、タクシーの運転手のバイトをしながら、私立探偵をやっていて、時にブルースギターを弾き、バレーボールのチームに入っている、というのがカーロッタ・カーライルのプロフィール。
今回は、不法移民がテーマ。
突然、自分のグリーンカードを探してくれ、といってカーロッタを訪ねてきたヒスパニックの女性が、死体となって発見される…。
時々、アメリカのテレビ番組でもテーマになるが、不法移民が劣悪な環境で、不当に安い賃金で働かされている、という実体が描かれている。
ミステリとしての面白さもあるが、アメリカに住む南米出身の不法移民のヒスパニックの人たちの生活に心苦しくなる。
前作はアイルランドのテロだったし、今回は不法移民。
今ちょうどアメリカで問題になっているところだ。
この本が書かれたのは1990年だから、不法移民の問題はずっとアメリカでくすぶっている、ということか。
カーロッタのシリーズはこの後も本国では書かれているようだが、もう訳されておらず、日本語では手に入らない。
けっこう面白いのに、残念。
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