やっぱ実演? 〜2000年〜
僕が行った2000年のクラシック・コンサート(赤色)です。
★印は、コンサートの批評というよりも、あくまで僕の満足度を「★」で表しています。
もっとも満足した場合は「★5つ」です。「☆」は0.5を表します。
<1> 1月4日 第11回フェスティバル名曲コンサート ★★★
チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
〃 大序曲「1812」
小林研一郎 パッサカリア 〜日蘭国交400年のための〜
ピアノ:大川内玲子
管弦楽:大阪シンフォニカー
指揮:小林研一郎
♪年明け最初のコンサートはシンフォニカーで。朝日名曲コンサートが今年から名称を変えました。ピアノ協奏曲はかなりいまいちでした。ミスタッチも多く、オケとも全然絡み合っていませんでした。「1812」はもっとねちっこいかな?とも思っていたのですが、よかったです。パッサカリアは冒頭から、素晴らしい野村さんのソロも聴けたし、途中の夏祭りのイメージのパーカッション隊もすばらしかったです。ただ、曲中のブラヴォーも意図があったらしいのですが、僕としては非常に残念です。フェスティバルホール。
<2> 1月12日 京都大学交響楽団 第166回定期演奏会 ★★★
シュレーカー あるドラマへの前奏曲
ブルックナー交響曲第5番変ロ長調(原典版)
指揮:本名徹次
♪シュレーカーははじめて聴いたのですが、なかなかきれいな曲でした。なんだか「波の満ち引き」、「海」のような印象を持ちました。だんだん盛り上がってきて、じゃあぁぁん、って来るかと思うと、ふわ〜っと波のように引いていくところが何カ所かあって、面白かったです。本名さんの指揮も面白く指揮台で踊ってました(笑)。
ブルックナーは最初は少し遅めのテンポでした。細かい所で気になることはあったのですが、やっぱりフィナーレはよかったです。まぁ、この曲は(この曲に限りませんが)フィナーレがよかったら「終わりよければ・・・」で、ある程度は満足行きますから(^^ゞ。ただ、ホルンがラストでがんばりすぎて音がちょっと濁っちゃいましたね(^^ゞ。強いて言えば、もう少し低音が欲しかったです。ザ・シンフォニーホール。
<3> 1月15日 ザ・シンフォニー名曲コンサートNo.41 ★★☆
グリンカ 歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番ニ短調 作品30
ドヴォルザーク 交響曲第9番ホ短調 作品95 「新世界より」
アンコール:ドヴォルザーク スラブ舞曲第10番
ピアノ:及川浩治
管弦楽:大阪センチュリー交響楽団
指揮:山下一史
♪ルスランはなかなかよかったです。さすがセンチュリー、と言いたいです。2曲目のラフマニフに関しては、まだあまり曲を聞き込んでいないため特にコメントは控えますが、及川浩治の熱演がすごかったです。しかし3曲目の「新世界より」は僕にはピンと来ませんでした。テンポですかね?1楽章の序章のところは早いテンポで始まって、序奏が終わると遅くなったのですが、それでも全楽章を通じてテンポは早かったです。特に2楽章はもっとゆっくりにしてもっと歌わせて聴かせてほしかったです。なぜか「新世界より」は僕は集中して聴くことが出来ませんでした。山下一史の指揮ははじめて見ましたが、佐渡裕やMTTほど動きはないものの、やたらと腕の振りが大きかったです。体全体ではなく主に上半身がよく動いてました。4楽章ではあまりの腕の動きのため、胸ポケットのスカーフが落ちてました(^^ゞ上手い楽団とわかっているだけ、今回の演奏は余計に残念に感じました。当日は聴衆の入りはいまひとつで、いつもよく聴くブラヴォーもありませんでした。ザ・シンフォニーホール。
<4> 1月20日 大阪シンフォニカー 第66回定期演奏会 ★★★★☆
モーツァルト 歌劇「フィガロの結婚」序曲
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73 「皇帝」
アンコール:バッハ シチリアーノ
ドヴォルザーク 交響曲第8番ト長調 作品88
アンコール:ドヴォルザーク 交響曲第8番ト長調 作品88より3楽章
ピアノ:近藤嘉宏
指揮:トーマス・ザンデルリング
♪当夜の演奏は最高でした。特にドヴォルザークがよかったです。この演奏会のチケットは大阪シンフォニカーのHPで入手したのですが、「ファンであるチェロの野村さんがよく見える席をお願いします」とお願いしたら、なんと最前列のA列でした。それも野村さんのど真ん前です(笑)。
演奏ですが、「フィガロの結婚」序曲は正直言って少々物足りないと言うか、少しインパクトにかけていたと思います。これは席のせいか?とも思ったのですが、2Fで聴いていた、もりもりさんも少し物足りなかったと言っていたので、やはり若干スケールが小さかったのかもわかりません。「皇帝」もピアノでオケの音が分断されてしまい(これは最前列で聴いていたのだから仕方ない(^^ゞ)いまひとつだったのですが、ドヴォルザークは違いました。とってもクオリティがあり申し分のない演奏だったと思います。それまでの音と変わってましたね。
特に野村さんは冒頭から目をつむっていきなりドップリはまっておられました(笑)。あいかわらず気の入りようはすごくて、たいてい隣の奏者とあわせるときでも、目配せするくらいなのに、野村さんは隣のチェロ奏者ケオシビリさんと見つめ合い「はぁっ」っと息を飲むように・・・。演奏が終わってからのすがすがしい表情に加え、いつものように2人での固い握手。いやぁもうたまんないっす。曲が終わると野村さんの弓は、まるでとうもろこしの先みたいになってました(笑)。それにしてもコンマスのバブアゼさんがいつもにも増してニヤニヤしながら弾いてました(笑)。
ニコニコと言えば終演後のバブアゼさんと野村さん。演奏後何度も拍手に応えて登場したザンデルリング。そろそろ散会か?と思わせるのですが、何度も座り直してザンデルリングを登場させるバブアゼさんに「まだやるの?」みたいな感じで笑う野村さんと、それに応えるかのようにニンマリと笑うバブアゼさんがとても印象的でした。でも、ようやく5回目(!)だったかな?もう一度ドヴォルザークをやりました。あれは最初はからやる予定だったのでしょうか。ザンデルリングが3本指を出して3楽章って言ってましたから、急遽やることになったのかもわかりません。最後にはザンデルリングのおやすみなさいのポーズと投げキッスもありました。
A列という席に少しとまどいがあったのですが、特に音響が悪いでもなし、野村さんをはじめ楽団員のみなさんの表情は手に取るようにわかるし、また、チェロをはじめとする弦楽器が活躍する曲で、ましてや素晴らしい演奏で大変よかったです。
23日にはすみだトリフォニーの地方オケフェスティバルで同一プロを演奏します。時間がある方はぜひどうですか?サ・シンフォニーホール。
<5> 1月25日 朝比奈隆のブラームス ★★★
メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲
ブラームス 交響曲第1番ハ短調 作品69
ヴァイオリン:加藤知子
指揮:朝比奈隆
♪加藤知子さんは、きれいな音で、なめらかで、とても上手い、という印象を持ちました。オケの伴奏も抑制して、知子さんを際だてようとしていたみたいで、朝比奈さんも知子さんを気に入っていたみたいです。メンデルスゾーンはよかったです。
しかし、今日は言わせて貰います。やっぱだめですね、大フィル。なんとかなりませんかね。特にペット。僕が望んでる音色と違うからかも知れませんが、弱音になると音が薄っぺらくなるし、アインザッツは汚いし・・・。ホルンもむらがあったし。で、いつもは定評のある弦までも・・・。まぁそれなりにきれかったのですが、ブラームスの1楽章のラストのピッチカートの音。あれだけコンマスが大きい振りをして合わせようとしているのに、なんで音が2つに分れるんだ?(コンマスが半拍はやかったという話もありますが(^^ゞ)
演奏としてはよくなかったと思います。なのになんでブラヴォーが飛び交うんだ?なんで一般参賀があるんだ(僕は今日ばかりはそそくさとホールを出ましたが・・・)?おまけに後ろのおばちゃんは4楽章で歌い出すわ・・・(あ、これはオケが悪いんじゃないですが)。たしかに「当たり」のときもありますが、当たりはずれが大きいし「はずれ」のほうが多い(^^ゞ。本当は★★でもつけようと思ったんですが、知子さんがよかったので、★加えました。大フィルのチケットたくさん買ってあるのに、あんなまた演奏されたらどうしよう・・・・。フェスティバルホール。
<6> 2月4日 フィルハーモニア管弦楽団 ★★★★
モーツァルト ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
チャイコフスキー 交響曲第5番ホ短調 作品64
ピアノ:ウラディミール・アシュケナージ
指揮:ウラディミール・アシュケナージ
♪チャイコフスキーはすごいよかったです。どちらかと言えばすっきり系?の演奏だったような印象がありましたが、特にホルンがすごかったです。「ちょっと出しすぎちゃうのん?」なんてところもあったのですが、聴いてて気持ちよかったです。ホルンの末席の人なんかは(デヴィッド・ジンマンみたいな顔だったのですが)、ゆでたこのように真っ赤になって吹いてました。オーボエもきれかったです。生では初めて見る「弾き振り」に十分楽しめました。アシュケナージは背が低いんですが、ピアノから乗り出すようにして、手を伸ばして指揮する姿は、「とらえられた宇宙人」みたいな感じでした(笑)。仕草もなんかかわいくてちゃっぷりんいたいにヘコヘコ歩く仕草や、ペコっとお辞儀する仕草も非常に楽しめました。アンコールは僕にとっては、すでにアンコール今年2回目となった「スラブ舞曲第1集より第10番」でした。この曲はアンコールには持ってこいですよね?特にロシアものとかチェコものとかの後は。最近この曲にはまっています。フェスティバルホール。
<7> 2月14日 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 ★★★☆
モーツァルト ピアノ協奏曲第23番
ブルックナー 交響曲第7番変ホ長調
ピアノ:シュテファン・ヴラダー
指揮:リッカッルド・シャイー
♪演奏自体はよかったと思います。やはり名門オと言われるだけあって音はきれかったです。ヴラダーのピアノもよかったです。やわらかくてきれいな音でした。曲はわからなかったのですが、アンコールにやった曲のほうがよかったのではないか?と思います。ただ、後ろから見ていると、丸虫のように鍵盤に覆い被さって弾いてるようで、目が悪くならないかといらぬ心配をしてしまいました(笑)。シャイーのブルックナーは何枚かCDが出ていますが、実はまだ聞いたことがなかったのです。印象としてはテンポや強弱なんかがシャイーならではと思える小細工(笑)がちょこちょこあったような気がします(説明しにくいのですが、特にスケルツォでの第一主題のブロックの真ん中辺りの「fp<」の処理など)。それがかえって功を奏したのか、裏目に出たのかはわかりませんが、僕としては前者の結果にはなりませんでした。あやしいなぁ?と言うところもちょこちょこあったし。しかし、会場は空席が目立ったのですが、それでも拍手喝采でシャイーは、一般参賀(笑)にまで呼び出されていました。ワーグナーチューバがきれいだったのですが、その反面ぶれた?音も聴くこえていました。いい演奏だったとは思いますが、19,000円の割には・・・という印象でした。ザ・シンフォニーホール。
<8> 2月20日 芦屋交響楽団 第52回定期演奏会 ★★★★★
モーツァルト ピアノ協奏曲第13番 K.415
マーラー 交響曲第9番
ピアノ:東 誠三
指揮:黒岩英臣
♪上手い上手いとは聞いてましたが、正直こんなに上手いとは思ってませんでした。アマオケとは思えないくらいで、アマにしておくのはもったいないとさえ思ってしまいました。弦も良かったのですが、コンミスをはじめ、ペットやトロンボーン(要するにみんな良かったのですが)特にホルンはすばらしいものがありました!どうしても音の出だしが悪い(特に金管)○フィルと比べてしまいますが(比べるなよ!)、音の出だしが落ちたりしたのは確認出来ただけでも、1〜2回、要は完璧でした。管も最後まで全然ばてることなく、よく(めっちゃ)鳴ってました。マーラーです。○フィルでは考えられないのではないでしょうか(マーラーに限りませんが)。マーラー9番ははじめて実演を聴いたのですが、冒頭の所は各パートが順番に「きちっきちっ」と合わせるように演奏され、正確なんだけどもいささか面白みに欠けるかなと、あと一歩踏み込んだ演奏をと、思ったのですが、それを上回るテクニックのすごさに驚いてしまいました。しかし、時間が経つにつれそんなこともなくなり、終演後の拍手はかなりの「間」があって、そちらも満足出来ました。うまく言えませんが、多分今年のコンサートでは5本の指に入るくらいの名演になるのではないかと思います。また、1つ上手いオケを見つけた、って感じです。行ってよかったです。
疑問が残ったのですが、アマオケでみんな仕事を持っているのですが、どういう経歴の人が、いつ練習してあんなすごい演奏が出来るのでしょうか?ザ・シンフォニーホール。
<9> 2月27日 ウィーン交響楽団 ★★★★・・・★
ベートーヴェン 「エグモンド」序曲
チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品35
ブラームス 交響曲第4番ホ長調 作品98
アンコール ハンガリー舞曲第5番
アンネン・ポルカ
ヴァイオリン:ジュリアン・ラクリン
指揮:ウラディミール・フェドセーエフ
♪よかったです。配置は両翼配置で中央真ん中にコントラバスが陣取っていました。ホルンはウィンナホルンでした。いままでCDなどで聴いていたのですが、今日こそウィンナホルンの音色を堪能出来たことはなかったように思います。やはりウィンナホルンの音色は違いますね。トゥッティやfのところはもちろん、pのところでもウィンナホルンの音色がちゃんと出ていたのはさすが!ですね。最初の「エグモント」はまだ慣れてなかったのかオーボエがミスしたり、個人的にはもう少し重厚な方がよかったです。2曲目のチャイコフスキーはソリストのラクリンの熱演でした。まだ若いようですが、そのテクニックは特筆するものがあったと思います。なにより、自身が楽しんで弾いてるようで、とても好感が持てました。お客さんは満員だったのですが、いつもは協奏曲なんかは寝てしまう人(僕も含めて)がちらほらですが、今日はオルガン席を見ても、だれ一人うとうとする人はなかったです。それだけいい演奏だったのでしょう。もちろん僕も寝ていません(笑)。後になるほど調子が乗ってきたのか、ブラームスは最高だったと思います。やや遅めのテンポで歌わせるように始まり、2楽章でやや荒削りか?とも思ったのですが、相変わらずウィンナホルンの音色はすごくて堪能出来ました。特に4楽章の後半で思いっきりテンポを落として1音1音弾かせるところがあったのですが、「残響3秒」のシンフォニーホールの音響を最大限引きだした響きに感動してしまいました。実はいままで、フェドセーエフは単なロシアの一指揮者としか思ってなかったのですが、ウィーン響の魅力を最大限に引き出すことが出来たのでは?と思います。いやぁ、すごい指揮者です。アンコールもすばらしく、ハンガリー舞曲は強弱の付け方が見事だったし、アンネン・ポルカはこの指揮者はウィンナワルツ、ポルカをわかっている!(お前が言うな!)てな具合で素晴らしかったです。後ろからフェドセーエフっを見ていると、なんだかその動きは日本の侍というか、歌舞伎役者の「見栄」を思わせるところもあって、非常によかったし、楽しめました。曲が終わってのキメ!のポーズもすごく印象的でした。今日は行ってよかった素晴らしい演奏でした。★の数は、「エグモンド」が個人的にいまいちだったので、★4つにしようか迷ったんですが、・・・え〜い、5つつけちゃえ!ザ・シンフォニーホール。
<10> 3月4日 イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団 ★★★★★
リムスキー・コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」 作品35
ショスタコーヴィッチ 交響曲第5番ニ短調 作品47
アンコール リムスキー・コルサコフ 歌劇「ホヴァンシチナ」より前奏曲
チャイコフスキー 「白鳥の湖」よりワルツ
プロコフィエフ 「ロメオとシュリエット」よりディスポスの死
指揮:ズービン・メータ
♪もう文句なしの5つ★です。なんであんなに音の厚みがあるのか?なんであんなに弦が揃っているのか?と思わせる演奏でした。ショスタコーヴィッチもよかったのですが、どちらか選べと言うのならば、シェエラザードの方を選びます。ここのオケは相対的に各人のレベルが高いと思います。それは、シェエラザードにおける各ソロを聴いてもすぐにわかりました。特にコンマスのソロが良かったのですが、各ソロがとても素晴らしかったように思います。特に冒頭のコンマスのソロはたっぷりテンポをとって聴かせてくれました。ショスタコーヴィッチも完璧と思わせるほどの出来で、とっても迫力があって満足がいきました。ディスクでは聴いたことがない(もともとあんまり持ってないのですが(^^ゞ)このオケの素晴らしさ(ディスクがいまいちと言っているのではありません)を堪能出来たと思います。また、アンコールは3曲もやってくれました。さすがにプロコフィエフはペットがばててましたが(^^ゞ、それでも素晴らしかったと思います。「白鳥の湖」はメータ自身の日本語での紹介もありました。会場も拍手喝采、ブラボーの嵐でスタンディングオベーションもあり、2回のメータの一般参賀(朝比奈隆用語?)もあり、会場ではイスラエル国旗も揺れていました(どこで手に入れて持って来たんだろうか?)。とってもよかった演奏でした。ザ・シンフォニーホール。
<11> 3月9日 大阪シンフォニカー 第67回定期演奏会 ★★★
芥川也寸志 舞曲組曲「蜘蛛の糸」
一柳 彗 ピアノ協奏曲 第2番「冬の肖像」
ペーター・スハット 「天国」〜オーケストラのための12の交響的変奏曲 作品37(日本初演)
アンコール ジュリアス・レントゲン 古いオランダ舞曲集より、第1曲「サルテレッレ」
ピアノ:向井山朋子
指揮:本名徹次
♪日本/オランダ交流400年記念シリーズVです。今回は本名徹次も力を入れている現代音楽ばかりです。僕は現代音楽はまだテリトリーに入っていないので、今回は良い悪いの前に心から楽しめた演奏会ではなかったように思います。どうも現代音楽はまだまだ苦手であります。それでもピアノの向井山さんやオケの良さはわかったつもりです。向井山さんは声や体の動きを使ったピアノへのアプローチが作曲家達を大いに刺激し、彼女のために新しい曲が製作されているそうです。芥川也寸志の「蜘蛛の糸」は父、芥川竜之介の有名な小説「蜘蛛の糸」を題材にした曲です。また、作曲家本人のペータ・スハットさんも舞台に上がられその日本初演の成功に喜んでおられました。現代音楽ばかりでしたが、アンコールの曲を聴いて僕はホッとしたような気がします(笑)。今回は終演後に有志で「シンフォニカーオフ会」もありました。ザ・シンフォニーホール。
<12> 3月10日 大阪フィルハーモニー交響楽団 第336回定期演奏会 ★★★★
ベートーヴェン 交響曲第2番ニ短調 作品36
〃 交響曲第6番ヘ長調 作品68 「田園」
指揮:朝比奈隆
♪後述の朝比奈隆の軌跡のベートヴェン・チクルスでやらないプログラムです。最近の大フィルではあまりいい演奏の印象がなかったのですが、当夜の大フィルは違いました。朝比奈お得意のブルックナーなどよりも、こういうベートーヴェンなどのほうが(金管があまりでしゃばらない曲)大フィルには合っているのかな?と思わせるような演奏でした。「田園」でホルンが少し手こずってましたが、まぁ、それはご愛敬ということで(笑)。もともと大フィルは弦はきれいだと思っていますから、当夜の演奏もまず満足出来るものだったような気がします。特に「田園」では朝比奈の気合いの入った指揮が印象的でした。ただ、朝比奈の顔色が良くなかった、という話も聞きましたし、TVカメラが入っていたのに、一般参賀もなかったのが、気になるところです。しかし、4/20のいずみホールでの、ドヴォ8、チャイコフスキーの弦セレ(指揮は朝比奈)が楽しみです。ザ・シンフォニーホール。
<13> 4月8日 宝塚交響楽団 第30回定期演奏会 ★★★★
モーツァルト 交響曲第39番変ホ長調 K.543
マーラー 交響曲第1番 「巨人」
指揮:黒岩英臣
♪2月のの芦屋交響楽団のマーラー9番(指揮は黒岩英臣)がよかったので、行きたいなぁと思っていたらタイミングよくタダ券が手に入りました。演奏の方はなかなかおもしろかったです。おもしろかったと言うのは、ピッチが?とか妙にテンポを変えたりと言う場面も含んでです。しかし、それを上回るかのような圧巻させられる演奏だったと思います。例えば、途中でゲシュトプクトでもってホルンが目立つ所など、途中にいろんな楽器によるパッセージが出てきますが、それらがみんな概して大きい。やはり「巨人はこうでなくっちゃ!なんて思わせる演奏だったと思います。聴いてるうちに思い出したのが、2月の芦屋交響楽団のマーラー9番の演奏です。この2つの演奏は非常に似ていると思いました。金管をはじめ絶大なる圧倒感がそっくりだったのではないかと思います。まぁ、指揮者が一緒なのだから当たり前と言えばそれまでなのですが。たしかに今回の演奏は???と首を傾げたくなるところもあったのですが、オケに音量を要求し圧倒感を感じさせる演奏、それが黒岩英臣の指揮ではないかと思いました。たしかに素晴らしいものはあったのですが、そう言えば静かなところや繊細なところはいまいちだったかな、と思いました(^^ゞ そう思っていると2月のマーラー9番もその壮大さに圧倒されて、文句なしで5つ★をつけましたが、そう言えば圧倒感ばかりが印象に残って(たしかにオケのテクニックは抜群だったのですが)、それ以外の繊細さなどは少しかけるところがあったな、と思いました。でも、2月のマーラーも今回のマーラーも満足出来たには違いないです。う〜ん、とりとめのない文章になってしまった(^^ゞ・・・っていゆもやないかいっ!と言うようなツッコミはやめましょう(笑)。ザ・シンフォニーホール。
<14> 4月16日 ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団 ★★★★★
プロコフィエフ 交響曲第5番
ベルリオーズ 幻想交響曲
アンコール:ベルリオーズ ラコッツィ行進曲
シュトラウス 雷鳴と電光
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
♪素晴らしかったです。さすがは今をときめくゲルギエフってとこでしょうか。噂にはプロコフィエフが爆演だったと聞いていましたが、今日は、それほどでもないな、と言う印象。この演奏会のチケットを入手するまでは、プロコフィエフの交響曲は聴いたことがなかったので、カラヤン/BPOでいわゆる「予習」していたのですが、それに比べると幾分テンポ早かったです。この曲は特に2楽章の疾走感が好きだったのですが、僕はとても満足出来ました。で、案外大人しいな?と思っていたゲルギエフですが、幻想交響曲になると人が変わったように動き出しました(笑)。 4楽章のクラリネットのソロは見事に「悪魔」のハリエットだったし、4楽章から5楽章にかけてのテンポの目まぐるしい変化に感動して、コンサートでは感動しても泣いたことがなかったのに、今回は少しうるうるしてしまいました(泣くのは「ラフ2」と決めていたのに(笑))(^^ゞそれくらい最初から最後まで満足出来ました。
少し気になったのは、幻想交響曲の3楽章で、<>を繰り返すティンパニはいままで1人かと思っていたのですが、4人で叩いていたということ。5楽章のチャイムは舞台裏で叩いていたこと(本当は舞台裏?)。雷鳴と電光の金管の下降フレーズにトロンボーンがなかったこと(吹奏楽では、トロンボーンはあったので、原曲もそうだと思っていたのですが本当は?)。それと各楽章をほとんど休みなしで演奏してました。さすがゲルギエフ、だと思ったのですが、かえって聴衆の咳などが曲の頭にかぶってしまい、それが残念でした。
<15> 4月20日 いずみホール10周年記念コンサート 「朝比奈隆〜入魂のドヴォルザーク」 ★★★★
ドヴォルザーク 交響曲第8番ト長調op.88
チャイコフスキー 弦楽セレナーデ
管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団
指揮:朝比奈隆
♪当夜は「当たりはずれ」の大きい大フィルの演奏の中でも「当たり」の演奏だったと思います。大フィルは弦がきれいですから、当夜のような弦がメインできれいな曲にはぴったりだったのではないでしょうか?「いずみホール」と言う、やや小規模ですが音響のいいきれいなホールだったのも、いい要因になったのではないかと思います。なんせ小さなムジークフェラインですから(笑)。(ムジークフェラインには行ったことはありませんが(^^ゞ)
演奏はとてもよかったと思います。ただ、すぐ上のバルコニー席で奏者と近かったため、ミスも聞こえましたし、フルートとオーボエ(多分)の人の「スースー」という息漏れまでやたらと気になりましたが、そこはご愛敬と言うことで。(隣のおばちゃんの「スースー」という息漏れも聞こえましたが(^^ゞ)
両方ともややゆっくり目のテンポでしっかりとしていたように感じました。ただ、特に「弦セレ」の途中に出てくる3拍子などは自然に体が動いてしまう、ということはなかったです(^^ゞ。でも、そこにあったのは明らかに「朝比奈の弦セレ」であったし、また「朝比奈のドヴォ8」だったような気がします。朝比奈の場合はそれで十分だと思っています。まぁ、その辺は個人の好き好きなのでしょうが。金管のミスもとりたてて、ダメだ!なんてことはなかったし。この前のベートーヴェンの2番6番もよかったし、5月のシンフォニーホールでの朝比奈隆の軌跡2000、1回目(ベートーヴェンの4番、5番「運命」)も期待出来るのではないでしょうか?しかし、上から見てて思ったのですが、91歳ですよ、91。それでも足取りは重いということはなかったし、まだまだ当分は大丈夫だと思いました。いずみホール。
<16> 4月23日 第12回フェスティバル名曲コンサート ★★★
メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲」
ブルックナー 交響曲第4番ホ長調 「ロマンティック」
ヴァイオリン:谷本華子
管弦楽:大阪シンフォニカー
指揮:本名徹次
♪僕が好きな大阪シンフォニカーによる、僕が好きなブルックナーの演奏です。名曲コンサートは毎回、「昼の部」と「夜の部」と1日に2回舞台があります。僕は「夜の部」に行きました。それにしてはオケがよく鳴っていて関心しました。本名徹次がシンフォニカーを振るときは、オケの配置が両翼配置になります。そして当夜もコントラバスは金管の後ろに鎮座ましましておりました。途中、ミスがあったものの(4楽章でペットとボーンが同じところでフライングをしたり)決して悪い演奏ではなかったと思います。しかし、スケルツォや1楽章、フィナーレの最後の音なんかはすごかったのではないかと思います。フェスティバルホールが鳴り響いていたと思います。ホルンもよく鳴っていたとは思うのですが、トゥッティのところなんかは、やや他のパートに負けているなと思いました。やはり、一昨年のブル7のほうが良かったとは思いますが、なかなかよかったのではないでしょうか?本名徹次の指揮もいつもより華やかな動きだったように思いますが、今一度、ザンデルリンクによるブルックナーも聴いてみたい気がします。 フェスティバルホール。
<17> 5月5日 阪神大震災の被災者を励ますコンサート ★★★☆
G・S・バッハ 管弦組曲第3番「エア」(G線上のアリア)
サン=サーンス 序章とロンド・カプリチオーソ 作品23
サラサーテ ツィゴイネルワイゼン 作品20
スメタナ 交響詩「モルダウ}
ドヴォルザーク 交響曲第9番 ホ短調 「新世界より」
アンコール ダニー・ボーイ
小林研一郎 藤棚の下で 他
管弦楽:大阪シンフォニカー
ヴァイオリン:瀬崎明日香
ソプラノ:六車智香
指揮:小林研一郎
♪先の阪神大震災のチャリティーコンサートです。出演者はノーギャラで毎年出演されていますが、資金源が思うように集まらないため、このコンサートも今年で終わってしまうかもわからない、ということです。小澤征爾/ウィーン・フィルによる、BSのカラヤン追悼コンサートを見た人はわかると思いますが、G線上のアリア演奏後は黙祷のため拍手はありませんでした。ヴァイオリン・ソロの2曲は比較的メジャーな曲でしたが、ソリストの瀬崎明日香さんはまだ若く「きしゃ」な感じがしたのですが、音はその印象をうち破るかのように、しっかりした音を出していて、とても満足の行く演奏だったと思います。オケ曲は特に「モルダウ」がよかったように思います。まぁコバケンの「十八番」ですからね。ちなみにこのチャリティーコンサートは今年で6回目ですが、そのうちの5回も「モルダウ」をやっています(笑)。アンコールでは六車さんも登場し(アンコールのためだけ?いや、プログラムには最初から名前は乗ってました。しかしプログラムを見る限りは曲目が書いてなかった(笑))、コバケンが中学生の頃に作った「藤棚の下で」を熱唱されていました。六車さんはやっぱりいい声をされています。なんとかこのコンサートが第7回以降も続いて行って欲しいものです。
<18> 5月10日 朝比奈隆の軌跡2000 ★★★★
ベートーヴェン 交響曲第4番 変ロ長調 作品60
〃 交響曲第5番 ハ短調 作品67 「運命」
管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団
指揮:朝比奈隆
♪ひょっとしたら聴きに行けないかも?というのもあったのですが、なんとか聴きに行けました。特に4番のスケルツォがよかったと思いました。「運命」のほうは、朝比奈だからもう少し「濃い」かな?とも思っていたのですが、それでもよかったと思います。朝比奈はベートーヴェンが得意ですが、これまたお得意と言われているブルックナーよりも、ベートーヴェンのほうがよいのではないかと思います。しかし、それはベートーヴェンには金管の出番がない、という気も実はしています(笑)。 ザ・シンフォニーホール。
<19> 5月20日 ハンブルク北ドイツ放送交響楽団 ★★★★★
シューマン 交響曲第3番「ライン」変ホ長調 作品97
ブラームス 交響曲第1番ハ短調 作品69
指揮:クリストフ・エッシェンバッハ
♪特にホルンの響きが最高だったと思います。ほんとによくな鳴ってました。全体的な演奏そのものとしましては、かなりエネルギッシュなエッシェンバッハだったのですが盛り上がってくるとややテンポが破綻してしまい、団員がついていけなくなるところも何カ所かありましたが、それ以外は、弦も美しいし、金管も鳴るわで、大変素晴らしい演奏だったのではないかと思います。
アンコールにハンガリー舞曲第5番がありましたが、こちらは本プログラムに比べおとなしかったような気がします。
<20> 5月26日 N響A定期 ★★★
ブルックナー第9番ニ短調
管弦楽:NHK交響楽団
指揮:朝比奈隆
♪はじめてのブル9、はじめてのN響ということで大変楽しみにしていましたが、いまいちか?という演奏で、残念です。僕は第1楽章が1番好きなので、どうしても細かいところが気になってしまいます。それもあってか当夜の演奏は第3楽章が1番よかったような気がします。朝比奈隆は自分でも言っているように、「朝比奈の場合、2日連続で同一オケによる同一プロの場合は2日目がいい」ということですが、話を聞いてみると、今回は前日のほうがよかったのでは?と思いました。でも、せっかく期待して聴きに言ったのに・・・ということまでにはならずその意味では満足出来たのでは?、と思います。NHKホール。
<21> 6月28日 佐渡裕 20世紀の交響楽展 ★★★★
シベリウス 交響曲第2番 ニ長調 作品43
R.シュトラウス/デュエット・コンツェルティーノ
レスピーギ/ローマの松
ファゴット:東口泰之
クラリネット:上田希
管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団
♪個人的には約1ヶ月ぶりのコンサートです。
1曲目のシベリウスの冒頭の抑揚の付け方からしていつもと違うような気がしました。ただ、その後の静かなところはかなり怪しかったですが(^^ゞ。あと、3楽章から4楽章にかけてのアタッカの部分はやや盛り上がりに欠けてしまったような気がします。ここの部分は佐渡さんがもう少し「交通整理」をしっかりやっていたらもっとよく聴こえたかもしれないという印象を持ちました。しかし、そのほかのところは僕は非常に満足のいく演奏だったと思います。
2曲目のデュエット・コンツェルティーノはあまり演奏されない、ということで演奏前に少し佐渡さんから曲について説明(R.シュトラウスが語った言葉を引用して)がありました。演奏のほうは、その説明も手伝ってか、とてもよかったです。説明通り姫様(クラリネット)とファゴット(くま)が会話するような情景が浮かぶようでした。さながら、クラシックの「美女と野獣」ですね。たまたまこの曲のCDを持っていたので、曲は知っていたのですが、姫様とくまの会話を表したということは知りませんでした。
3曲目のローマの松は、最初のボルジア荘の松はもう少しメリハリがあればと思ったのですが、楽章を経るにつれよくなっていったと思います。途中のクラリネットのソロ(この人は髪の毛が緑色)もきれいでした。特に最後のアッピア街道の松は、行進曲風のリズムの中、トランペット4本&トロンボーン2本からなる金管別働隊がPブロックオルガン横に加わり(行進曲風のリズムに合わせたわけではない)、まさに「圧巻」でした。
3曲とも大変よかったと思います。
佐渡さんの指揮もいつものパワーあふれる指揮振りに加え、「軽やかさ」、「やさしさ」も感じられて、とてもよかったと思います。
9月にはこの20世紀の交響楽展シリーズ最終日で、バーンスタインとガーシュウインをやります。ラプソディ・イン・ブルーは山下洋輔との共演です。
こちらも楽しみです。ザ・シンフォニーホール。
<22> 7月1日 「クラシック音楽の出会い〜大阪フィルコンサート2000」 ★★★
J.シュトラウスU世/「こうもり」序曲
ドビュッシー/小組曲
ムソルグスキー/禿げ山の一夜
展覧会の絵(ラベル編)
アンコール:チャイコフスキー/白鳥の湖より白鳥の踊り(?)
指揮:西本智実
管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団
♪ちょうど今、週間文春で西本智実の話題が出ていますが、タイムリーにも西本智実のコンサートに行くことが出来ました。さらにオルガン席で正面から西本智実の指揮を見ることが出来ました。舞台袖から現れて指揮台まで背筋をピンと伸ばして「凛」として歩いていき、きびきびとした指揮振り。大きなジェスチャーなんだけどメリハリが効いている、無駄な動きがない颯爽とした指揮、という印象で、とても好感が持てました。それに楽団員を見つめる(時には睨みつける)ような目線も大変印象に残りました。
ただ、残念だったのは、あっさりしすぎと言うか、曲が終わってから指揮棒を降ろすのが早いと思いました。特に大阪の聴衆は、曲が終わればすぐ間髪入れずに拍手、ブラヴォーが入る気がします。ひどいときは即ブラも・・・。指揮者が棒を降ろす前に、聴取が拍手をしてしまうのですが、今日はその反対で、3曲とも曲が終わっても拍手するまで「間」がありました。
最後の「展覧会の絵」なんて盛り上がって終わって、すぐ拍手が起こってもいい曲ですよね。でも、拍手までに「間」がありました(聴衆にあまり日頃からクラシックのコンサートを聴かない人が多かったかも知れませんが)。でも、西本さんは棒を降ろしてしまいました。これは、「大阪の聴衆は、曲が終わればすぐ間髪入れずに拍手、ブラヴォーが入る」と言う
状況の中では非常にもったいないことだと思います。西本さんには、もう少し「余韻」も楽しんで欲しいと思いました。
演奏の方は、今回はオルガン席だったのであまり書きませんが、3曲ともよかったのではないかと思います。「展覧会の絵」の2回目のホルンによる「プロムナード」を除けば・・・。
さらなる西本さんの活躍を期待します。ザ・シンフォニーホール。
<23> 7月6日 大阪シンフォニカー 第69回定期演奏会 後日感想up coming soon(ほんまか!)
エネスコ ルーマニア狂詩曲第2番ニ長調 作品11−2
イベール フルート協奏曲
ベルリオーズ 幻想交響曲 作品14
フルート:末原諭宣
指揮:曽我大介
♪シンフォニカーの幻想! ザ・シンフォニーホール。
<24> 7月8日 朝比奈隆の軌跡2000 後日感想up coming soon(ほんまか!)
ベートーヴェン 交響曲第1番 ハ長調 作品21
〃 交響曲第3番 変ホ長調調 作品55 「英雄」
管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団
指揮:朝比奈隆
♪ベト・チク2回目です。 ザ・シンフォニーホール。
<25> 9月5日 佐渡裕 20世紀の交響楽展 ★★★★
バーンスタイン ミュージカル「キャンディード」序曲
ガーシュウイン 歌劇「ポギーとベス」
〃 ラプソディ・イン・ブルー
ピアノ・アンコール 「スィングしなけりゃ意味がない」
バーンスタイン ミュージカル「ウェスト・サイド物語」より「シンフォニック・ダンス」
アンコール 「シンフォニック・ダンス」より「マンボ」
管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:山下洋輔
指揮:佐渡裕
♪2ヶ月ぶりのコンサートです。今日はすごくよかったです。ピアノの山下洋輔も大熱演でした。ラプソディー・イン・ブルーの途中になが〜いアドリブがあったのですが、すごい熱演で足、ひじはもちろん、全身を使って演奏する姿に聴衆も大感激で、何度も舞台に呼び出されていました。ほんとすごかったです。アドリブなんか途中でラプソディー・イン・ブルーじゃなかったもん(笑)。終演後は佐渡と抱き合ってました(笑)。オーケストラのほうは、「キャンディード」は最初だからか、ノリがいまいちだったかな?と思いましたが(いつものように佐渡裕がのたうちまわっていた(笑)ので、佐渡の指揮についていけてない、という風に見えたのかもわかりませんが)、全体的にメリハリのあるいい演奏だったと思います。3年続いた「20世紀の交響楽展」も今回で最後ですが、最初から、ラストは師匠バーンスタインの「シンフォニック・ダンス」にしようという本人の言葉がありましたが、やはり感慨深いものがあったのか、特によかったと思います。佐渡の腰を落としてふんばるようなおなじみの指揮もたくさん出てました。佐渡の「シンフォニック・ダンス」は、いつも「マンボ」のところで客席も「マンボ!」と叫ぶのですが、僕も叫んできました。終演後も拍手喝采で、オケがはけたあとも佐渡が舞台に呼び出される、という場面もありました。本当に会場が1つになったような気がしました。
ただ、残念なことが2つあって、本当は「★×5」にしたかったんですが、「★×4」にした理由は、
1.シンフォニック・ダンスの途中でブラボーが入ってしまったこと。熱演だから仕方ない、と言う気もしますが、場所が悪く全然はまってなかったのです。それも曲の終わりとまちがえたのか?とも思えるような変なブラボーでした。少し興ざめしてしまいました。逆に曲が終わった時(静かに終わるので拍手まで間があったのですが)、「キャンディード」を知らない人は本当に感動してても拍手に躊躇したのではないかとも思ってしまいました。普通、曲が終わってから拍手までに間があるっていうことは素晴らしいことだと思うのですが・・・(^^ゞ
2.特に弦パートは演奏するときに身体を動かしてほしいんです。クラシック音楽もそうなんですが、特に今夜のような変拍子がふんだんでメリハリが必要な、リズムが大事な曲を涼しい顔をして腕だけで弾けるのか?と思ってるんですが、あえて誰とは言いませんが、そんな人がいました。演奏スタイルは人それぞれだと言われるかも知れませんが、本当に気持ちが入って演奏してるのなら、自ずから身体が動いてしまうのではないかって思います。もちろん、身体を動かして演奏するってことはテクニックも必要であると知っていますが(音がぶれたりしますもんね)。でも、例え気持ちが入っていたとしても、それが伝わってこなければ、聴いてる方も面白くないし、演奏してる人も気持ちが入っていないと思われ嫌な気もするでしょう。だから、僕は聴覚的なことはもちろん、視覚的なことも大事だと思うんです。
以上の理由で★を1つ減らしました。
でも、今日は本当に感動できたしいい演奏で、これからまたいろいろとコンサートに行き出しますが、後半最初のコンサートとしてさいさきが良かった、素晴らしいコンサートでした。ザ・シンフォニーホール。
<26> 9月10日 芦屋交響楽団 第53回定期演奏会 ★★★★
バルトーク バレエ組曲「中国の不思議な役人」
プロコフィエフ 交響曲第1番「古典」
ストラヴィンスキー バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)
アンコール 歌劇「カルメン」より「花の歌」
指揮:松尾葉子
♪前回(第52回定期演奏会)のマーラーの9番がすごくよかったので、楽しみにしていましたが、上手い上手いとは聞いてましたが(前も言ってたけど(^^ゞ)やはりここは上手い。
「中国の不思議な役人」は僕は苦手なんですが、それでもオケがちゃんと揃っていて、変拍子やffでの不協和音とかむずかしい曲なのにすごいなと思いました。
プロコフィエフは少し早めのテンポでむずかしかっただろうと思いましたが、それでも上手くまとめていた、という感じです。
「火の鳥」は3曲のなかでも1番よかったと思います。特に、今日の演奏ほどほどすさまじかった「カスチェイの踊り」(第3曲)は聴いたことがありません。最初の「ドン!」という打ち込みからしてすごかったですから。2000円でシンフォニーホールで聴けるんですから、是非、芦屋交響楽団を聴きに行きましょう。ザ・シンフォニーホール。
<27> 10月29日 バイエルン放送交響楽団 ★★★☆
ブラームス 交響曲第1番ハ短調
R.シュトラウス 組曲「ばらの騎士」
ストラヴィンスキー 舞踊組曲「火の鳥」(1919年版)
指揮:ロリン・マゼール
♪ブラームスはちょっとごちゃごちゃしてうるさいかな?ってところは2カ所ほどあったけど重厚なサウンドで満足出来ました。特に最後のところはずっとゆっくりテンポでマゼールらしさが感じられました。しかし、なぜか火の鳥はいまいちだったのです。演奏は大変良かったと思うのですが、その演奏に見合うだけのお客さんの熱狂ぶりが少なかったように思います。
最後の音に向かって高揚して行くのですが、最後の音が終わって僕自身なぜか完全燃焼出来ませんでした。多分、中途半端に早い拍手のせいではないかと思います。
たまに僕がよく言うんですが(たまにか?)余韻を楽しんで間を開けるべき拍手と、演奏後間髪入れずにする拍手(熱狂)と2つのパターンがあると思います。
火の鳥は後者だと思います。マーラーの「巨人」などもそうだと思います。昨日も間髪入れずに拍手が入ったのですが、へぼすぎた(笑)。僕の好みでは、間髪入れずに「ワー!ブラボー!!」だったらよかったのですが、少し熱狂が足りず、ちょっと興ざめしてしまいました。
バラの騎士はもっと最悪で(笑)、実は僕はこの曲を聴いたことがなくて(序曲でもハイライトでもいいからここでお薦めを教えてもらって本番までに聴いておこうと思っていたのですが)、ホールに来た人もあまり知らなかったのか、曲が終わって大変な拍手があったのですが、意外と曲が短かったからかまだ終わりでないのかと勘違いしたのか、すぐに拍手が終わってしまい、マゼール自身が「終わったよ、拍手拍手」と拍手を催促する場面も(笑)。最後のところは素晴らしくていかにも終わった!という感じだったので、拍手をしたんですが、僕も「実はまだ続くのかな?」と思ってすぐに拍手をやめてしまいました(^^ゞ
で、その後はマゼールもアンコールもなしに帰っていってしまいました(^^ゞ順番の最後が薔薇の騎士だったせいもあるとは思いますが・・・。
客の入りも2階3階は正面がだいぶ空席が目立ち、すごくもったいなかったです。マゼールはもう2度とびわこホールには来ないでしょう。たまに地方に来るんだから、そのへんのことも考えないとほんと東京一極集中になってしまいます。特に地方公演はこのようなことが起きがちではないかと思います。
びわこホールはとてもきれいでした。
特にホワイエは湖に面して全面ガラス張りできれいだったです。晴れていればもっと良かったのですが。地元にある大阪シンフォニーホールは日本で一番音がいいと思いますが、びわこホールもかなり音響がよくて、僕は4階一番端(ステージ側)で聴いてたんですが、ばしばし音が飛んできて音響的には申し分なかったです。
マゼールの指揮姿ですがは、4階から見ていると、背をぴしっと伸ばして、仁王立ちで指揮する姿は(暗譜だから、譜面台もなにもない)、風格すら感じられ、ここで止めてくれるだろうなぁ、というところで音楽を止めてくれるので、その点もおもしろかったです。らだ、4階はよかったのですが、高所恐怖症の僕にはちょっと恐かったかな(^^ゞ。最上階ともなると下が恐いと言うよりも、照明とか天井を見る方が恐い(^^ゞ。演奏は3曲ともすごくよかったと思うので、東京でのプロが楽しみです。特に「巨人」はPブロックなので正面からマゼールを見ることが出来るので楽しみです。♪びわこホール。
<28> 11月2日 バイエルン放送交響楽団 ★★★★★
バルトーク <二つの肖像>より
ロリン・マゼール ヴァイオリンと管弦楽のための音楽
クライスラー ジプシー奇想曲
ヴァイオリン:ロリン・マゼール
マーラー 交響曲第1番「巨人」
アンコール グリンカ 歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
指揮:ロリン・マゼール
W.ギーロン
<29> 11月3日 バイエルン放送交響楽団 ★★★★★
ロリン・マゼール チェロと管弦楽のための音楽 作品10
ベルリオーズ 幻想交響曲
アンコール ビゼーアルルの女より、「ファランドール」
指揮:ロリン・マゼール
チェロ:ハンナ・チャン
♪え〜、びわこ公演に続いて東京2公演も行ってきました。感想は、どちらの公演も素晴らしかったです!特に2日の方の「巨人」は、Pブロックど真ん中最前列でマゼールの指揮を
真正面から見ることが出来たせいもあり、常々演奏会でどんなに感動しても「ブラヴォー」なんて言わないと思っていたのですが、言ってしまいました。自然に出てしまいました(^^ゞ
3日の「幻想」ももちろん素晴らしかったし、アンコールのファランドールもめちゃくちゃよかったです。
いつもくだらない長文をくどくど書いてますが(^^ゞ、今回ばかりはホント書くほどに
最高の演奏会を駄演にしてしまいそうなので、これにてです(^^)。サントリーホール
<30> 11月4日 NHK交響楽団定期演奏会 ★★★★
ブルックナー 交響曲第4番「ロマンティック」
指揮:朝比奈隆
♪演奏の方は非常によかったと思います。5月に同コンビによるブル9も聴きに行ったのですが(2日目)、これがもひとつで(笑)、でも5月のリベンジなりました。
前日がマゼール/バイエルン放響で、ホルンもすごく良かったので、明日はホルンが下手でも文句言うなよ、なんて冗談を言われましたが、冒頭の部分を除いてはよかったと思います。
でも、どうしても冒頭のホルンは気になってしまいます(^^ゞ NHKホール。
<31> 11月12日 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ★★★★★
ブラームス 交響曲第4番
〃 1番
アンコール J.シュトラウス 「ウィ−ン気質」
指揮:小澤征爾
<32> 11月13日 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ★★★★★
ブラームス 交響曲第3番
〃 2番
アンコール J.シュトラウス 「芸術家の生活」
ヨゼフ・シュトラウス ポルカ「大急ぎで」
指揮:小澤征爾
♪予定通り2日目も行ってきました。2日間を聴いての感想です。
1日目は本プログラムの前に、先日オーストリアで起こったケーブル事故の追悼として、「G線上のアリア」を演奏し、聴衆も全員起立して黙祷を捧げました。実はこの演奏を聴いて少し目頭に熱いものを感じていました。ウィーン・フィルの「音」に感動したのはもちろんですが、こういう特別な想いを込めて演奏していること、そしてその演奏を聴いていることに感慨深いものを感じてしまいました。
1日目本プログラムの最初は4番でした。僕はウィーン・フィルの生音を聴いたのははじめてですが、一番最初の少し長めでビブラートをたっぷり効かせた一音を聴いた多端、ゾクゾクっとしたものを感じました。「おお!これがウィーン・フィルの音なのか!」4番は少しエンジンのかかるのに時間がかかったように感じたんですが、それでもその後のピチカートなんかはすごくかったです。「なんであんなに揃ってんねん!」2曲目の1番ですが特に感じたのは、4楽章で弦が♪ダンダカダンダカ・・・(わかるかい!)と弾くところがすごく重厚な響きで、先日のマゼール/バイエルン放響のブラ1も重厚だと思ったのですがそれ以上でした。
余談ですが、トロンボーンしゃべりすぎ(爆)。
2日目1曲目は3番です。
これはもうとろけるような音を堪能出来たというか、例の3楽章も絶品、すごかったです。個人的にはもう少しホルンに出てきて欲しかったのですが。2曲目の2番は、もう最初っから全開バリバリという感じで、すごかったです(「すごかった」ばっかしですいません)。こんな2番を聴いたのははじめてでした。おもわずまたもやブラヴォーを叫んでしまいました(^^ゞ
アンコールは1日目が「ウィーン気質」。2日目が「芸術家の生活」、ヨゼフ・シュトラウスのポルカ「大急ぎで」の2曲でした。
「ウィーン気質」なんかは、途中で弦奏者数人だけでアンサンブルをするところがあって、小澤さんも指揮をやめて任せていたんですが、もうすごいのなんのって。キュッヒルさんなんてほとんど「いってしまってる」んですから。2日目のアンコールをするときにスネアドラムを小脇に抱えて出てきたのには笑ってしまいましたが、ホールがウィーンの雰囲気に変わったのは言うまでもありません。2002年のニューイヤーも楽しみです。
2日間通して思ったのは、弦パートはさることながら、木管が上手すぎる!ということでした。もうめちゃくちゃ上手いですね。
今日は3階バルコニーの最後列に座っていたんですが音は申し分無かったと思いますし、昨日は立見でも正面だったので、ひさしが気になったのですが音は抜群でした!
今回はじめてですがウィーン・フィルの生音が聴けてほんとよかったです。
駄文失礼しました(^^ゞ シンフォニーホール。
2日ともオケがはけてからも小澤さんが呼び出されていたんですが、あれ今流行ってるんですかねぇ?
<33> 11月25日 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ★★★★★
ベートヴェン エグモンド序曲
ピアノ協奏曲第1番ハ短調
交響曲第7番
ピアノ:ジャンルカ・カシオーリ
指揮:クラウディオ・アバド
♪素晴らしい演奏会だったと思います。アバドはさすがにやせ細っていましたが、まさか病人(?)とは思えないほどのエネルギッシュな指揮でした。細部までに渡る細やかな指示が団員に行き届いている感じで、団員もそれに応えていて素晴らしい音楽が奏でられたと思います。1曲目のエグモント序曲や、カシオーリのピアノ協奏曲も大変よかったと思います。ベートーヴェンの7番は1楽章こそはまだエンジンが本調子ではないかとも思われると事もあったのですが、2楽章からだんだんとドライブしてきて、3楽章、4楽章などはそれこそ圧巻でとても素晴らしく感動してしまいました。
アバドはオケが掃けた後も3回(!)も聴衆の熱いい拍手に呼び出され、さすがに3回目はかわいそうだと思ったのですが、それとは3回とも元気な姿を見せてくれました。アバドの笑顔が非常に印象的でした。
今年の上京は今回が最後だったのですが、最後には十分過ぎるまでの素晴らしいコンサートで締めくくることができ、大変満足出来ました。
<おまけ>
でも、アバドもすごいが、隣の席のおばちゃん3人もすごかった(笑)。どうやら隣りのおばちゃん達はエグモント序曲が終わった時点ですでに「いってしまわれた(笑)」ようで、エグモント序曲が終わったら手を頭上に挙げての拍手で、興奮気味で黄色い声援をアバドに送ってました(笑)。このおばちゃん達は演奏最中は静かに熱心に聴いてるのですが(ここはえらい!)、休憩になるとず〜〜〜っとしゃべり倒され(笑)、どうやら実演初体験らしく、こんな感動はCDでは味わえないとか、明日死んでもいいとか、終始狂喜乱舞されてました(笑)。で、さらに驚くことになんとこのおばちゃん達、この演奏会ではじめて会ったらしい(笑)。
<34> 11月27日 大阪新音50周年記念演奏会 ★★☆
ブルックナー 交響曲第4番「ロマンティック」
大栗裕 大阪新音30周年のための祝典音楽「大阪のわらべうたによる狂詩曲」
管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団
指揮:下野竜也
朝比奈隆
♪驚いたことにお客さんの入りがガラガラでした。いくら東京とは違って大阪は当日券で聴けると言っても、今日のはちょっとひどかったです。僕は右側バルコニー3階前列に座っていたので、右側バルコニーはよくわからなかったのですが、左側バルコニー2階、3階合わせてもガラガラで、半分も埋まっておらず、1階席こそ3分の2ぐらいは埋まっていたものの(詰めると半分くらい?)2階正面は3分の1くらいしか埋まっていませんでした。(前プロなんかはもっと少なかった。)それにオルガン席は最初から開放してなかったし。原因としては、チケットが普段より割高であったため、と思われますが、それにしてもひどい・・・。
演奏の方は、下野さんのほうはなかなかよかったのではないか?と思います。オケもまずまずのアンサンブルを奏でていたように思います。下野さんは、昨年の4月にヒンデミットをやったのですが(このときも朝比奈隆のロマンティックと一緒でした)、なかなかよかったのでした。曲のほうは金管のファンファーレではじまり、吹奏楽の曲かと思ってしましまいたが(^^ゞ
で、朝比奈さんの「ロマンティック」は少し不満が残りました。特に2楽章でフルートが落ちてから、3楽章にかけてオケが崩壊しかけた所も何カ所かあり、4楽章は、まずますよかったのですが、やはり少し怪しかったです。全体的にはまぁ、いつもと同じ様な出来かな?といったところでしょうか?でも、それはホールに助けられたから、と言う感じでした。聴衆の受けは、僕の感想とはうらはらにブラヴォーが飛び、ちゃんと一般参賀もやってたようですが、僕はそそくさとホ−ルを出て近くのなか卯で牛丼を食べてました(笑)。
<35> 12月3日 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ★★★★★
ベートヴェン 交響曲第6番「田園」
ヴァイオリン協奏曲ニ短調
ヴァイオリン:ヒラリー・ハーン
指揮:クラウディオ・アバド
♪いままで、ベートーヴェンの交響曲の中で「田園」というのは少し敬遠してたところがありました。あまり「よし、今日は『田園』を聴くぞ!」というのがなく、どちらかと言えば「苦手な部類」に入っていたと思います。なにか「ぬぼ〜」っとしたと言うか、「いまいち退屈な曲」だなぁと・・・(^^ゞ
しかし当夜の「田園」は違ってました。これほど「劇的」でおもしろい「田園」は聴いたことがありませんでした。「田園」という曲が持つ「のどかさ」と「劇的」さを兼ね備えた素晴らしい「田園」だったと思います。
僕は最前列で、ちょうどチェロとビオラの間に位置するところに座っていたのですが、特に3楽章から最後にかけて見せる、アバドのエネルギッシュな動きと低弦パートに見せる笑顔はいまでも忘れられなせん。他人に楽しんでもらって感動させる演奏をするには、まず自分が楽しんで感動しなければなりません。アバドはそれを実践している指揮者だと思います。
また今回、アバドの来日公演(オーケストラA、Bプロ)を聴いて思ったことは
「アバドは実演の人である」
ということ。来日公演を聴くにあたって、先日発売されたアバド/BPOのベートーヴェン全集(特に6番と7番)を予習(?)がてら何度となく繰り返し聴いたのですが、実演を聴いてCDのそれとは全然違った印象を受けました。
基本的には、小編成を用いてのベーレンライター版での6番、7番等におけるアバドのベートーヴェンに対する解釈、アプローチの仕方などは変わりはなかったと思うのですが、CDこれほどまでにすさまじい演奏を聴かせてくれるとは思いませんでした。このことはいままでCDでしかアバドの演奏を聴いたことがなかった僕にとっては衝撃的なことでもありました。
(もちろんCDも素晴らしいことは言うまでもないが・・・)
ヒラリー・ハーンに関してはすごくきれいな音を出す、と同時にその年齢からは想像出来ない、すごくしっかりした重厚な音を出す人だなぁ、と思いました。Aプロでのカシオーリと同じくこれからがとっても期待出来る人ではないでしょうか?
また、大阪公演の際に、アバドファンの方たちとお会いし、アバドに関する話で盛り上がったことは、いままで単に「アバドが好き」と言っていた自分が、自分で思っているよりも「実はもっと好きであった」ということを認識することが出来ました。
そう言う意味も含め、今回のアバドの来日公演は僕にとっても大変有意義であり忘れることが出来ない思いでとして残るでしょう。
悔やまれるのは、もっとに早くアバドを知っていなかったことでしょうか?(^^ゞ
是非またアバドには来日してほしいと思いました。必ず聴きに行きます。(と思っています) ザ・シンフォニーホール