やっぱ実演? 〜2006年〜
僕が行った2006年の演奏会です。
★印は、演奏会の批評ではなくて、あくまで僕の満足度を表しています。
もっとも満足した場合は「★5つ」です。「☆」は0.5を表します。細かいな^^;
目安は・・・★は行くんやなかった。★★はあまり良くなかった。★★★は普通。★★★★はよかった。★★★★★はめっちゃ感動できた。
<6> 12月26日 第九シンフォニーの夕べ
曲目:ベートーヴェン交響曲第9番「合唱」
指揮:井上道義
場所:フェスティバルホール
♪さぁ、やってきました、年末恒例の大フィルの第九。第九が終った後の合唱団による蛍の光。スモークとペンライトがとっても幻想的。この第九公演を聴かないと年が終った気がしない。例によって星取り表はなし。ってか他の演奏会の感想も星をつけるのは止めようかと思ってるぐらい。星取り表をなくしてる理由はこちら。
たしか大フィルとミッキーこと井上道義との演奏を聴くのは2回目だったと思う。でもあんまり覚えていない^^;第一楽章はやっぱ大フィルって下手やなぁと思うくらいの演奏。全然あってない、バラバラ。でも楽章を重ねるごとに良くなっていって、一番良かったのは第三楽章ではなかっただろうか。ミッキーはタクトなしで第九を振っていたけど、奏者(オケと合唱団含めて)に任せて自由にさせるところの指揮ぶり、そして、終演後もよっぽど満足のいく演奏ができたようで、満面の笑みを浮かべて、ミッキー独特のパフォーマンスが非常に印象的だった。見得を切らせたら日本一ではないだろうか。指揮台の上で両手を広げてアピールするところなんかさすが、と言ったところ。佐渡裕なんて目じゃないね(笑)。聴衆も熱狂の渦で、ブラヴォー飛びまくり。
テノールの永田さんもうまかったし。
ただ残念だったのは、ちょっと僕の体調が万全でなかったこと。それといい席(S席)だったのだけどホールの真ん中の通路より前だったので、オケ全体が見えにくかったこと。この2つが重なってしまったため、感動が半減してしまった^^;でもいい演奏会なのは聴いててわかったし、それだけにちょっと残念。でも今年を締めくくるにふさわしいいい演奏会でした。
<5> 11月26日 サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団 西宮公演★★★★★
曲目
チャイコフスキー:バレエ組曲「くるみ割り人形」〜ハイライト
:交響曲第5番
指揮:ユーリ・テミルカーノフ
場所:兵庫県立芸術文化センター
♪当初はチケットを買ってなかったのだけど、5月のモスクワ放響の演奏会がよかったので思わず買ってしまった演奏会。
すごい演奏会でした。「このオケの金管はばけもんかっ!」と思ってしまった。吹いても吹いても疲れを知らないのでは?「くるみ割り」の「花のワルツ」、「パ・ド・ドゥ」だけでも結構しんどいと思うのだが、いくら休憩を挟んだと言っても、そのあとのチャイ5、アンコールと金管が炸裂する曲ばかり。と思ったらアンコールの2曲目がこれがまた金管が炸裂する曲。ロシアのオケは爆演系とはよく言うもののちょっとすごすぎるよこれは。
チャイ5の第一楽章でアインザッツに「?」のところはあったもののホールが鳴りきらすところはさすが。でも迫力だけで押す演奏じゃなくて、前半最後の「パ・ド・ドゥ」で、ちょっと背中がゾクッとしたし、細かいところもちゃんと聴かせる演奏で大変満足がいった演奏会でした。
聴衆も、楽章間のざわつきもあったれど、いくらかのスタンディングオベーションもありいの、もう熱狂さではドレスデンやウィーン・フィル以上でした。ドレスデンやウィーン・フィルもよかったんだけど、それとは全然違った意味で、とにかくいい、すごい演奏会でした。今年最高の演奏会だったかも知れない。いやぁ疲れた^^;それにしてもこのオケはいつもこんな演奏をしているんだろうか?体がもたんと思うが。
<4> 11月24日 ドレスデン・シュターツカペレ(ドレスデン国立歌劇場管弦楽団) 大阪公演★★★★★
曲目
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」
アンコール
ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲
ヴァイオリン:樫本大進
指揮:チョン・ミョンフン
場所:大阪ザ・シンフォニホール
♪「ジャジャジャジャ〜ン」で有名な「運命」。ちなみに欧米では「運命」とは言わないらしい。欧米かっ!(笑)。この有名すぎる有名な曲、ひょっとしたら生で聴くのははじめてかも?もちろんCDでは聴くんだけど・・・有名過ぎて逆に生演奏は聴いたことはないかも。よく夏の終わりにコバケン(小林研一郎)と大フィルが「3大交響曲の夕べ」と題して、「新世界より」「運命」「未完成」をやってて、「え〜また「運命」か〜」なんて思ってるけど実は生で聴いたことがなかったという・・・^^;
ドレスデン国立歌劇場管弦楽団も好きなくせに生で聴くのは実ははじめて。世界最古のオーケストラでその綺麗なオケの響きはウィーン・フィルをも凌駕するという楽団。指揮がチョン・ミュンフンなので当初は「え〜」という気持ちだった。ミュンフンがどうのではないが、せっかく世界最古のオケが来るんだから「えっ」と言わせるような指揮者がいいなぁと思った。ミュンフンなんか東フィル(東京フィルハーモニー管弦楽団)聴きに行きゃあいいんだから、と思っていた。(東京まで行かないけど^^;)
で、どうだったかというと、最高でした。
「運命は勝利の交響曲」というのがあらためて実感できて、アドレナリンが出まくりでした。「運命」から舞台にでてきたホルンに人がまたうまかった。樫本大進も上手かったです。かなり丸くなってたけど(体型が)^^;アンコールの「魔弾の射手」がまたうまかった。
会場も興奮のるつぼで、ブラヴォー出まくりでした。どう最高だったのか抽象的な表現だけど、「最高」以外には言葉がないってことで。
とにかくすばらしい演奏会でした。
<3> 11月13日 ニューヨーク・フィルハーモニック 西宮公演★★★☆
曲目
プログラムA
ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」
ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)
ショスタコーヴィッチ:交響曲第5番 「革命」
指揮:ロリン・マゼール
場所:兵庫県立芸術文化ホール
♪マゼールがニューヨーク・フィル(NYP)の音楽監督になったのが2002年。あれからもう4年になるのかぁ。当時は確かマゼール本人が、「しばらくはどのポストにもつかず、作曲に力を入れたい」みたいなことを言っていたので、NYPの音楽監督に就任したのにはびっくりした。「金に目がくらんだか、マゼール」とも思った(笑)。前回のこのコンビの来日公演は聴きに行かなかったので、このコンビの演奏は始めて聴くことになる(確かCDでも聴いたことがないと思う)。
数年前にマゼールがバイエルン放響と来日したときは、マーラーの「巨人」に興奮しすぎて「記憶のないブラヴォー(ブラヴォーを飛ばした瞬間のことを覚えていない※アルツハイマーの兆候というわけではない)を飛ばしたこともあって、しかも、「火の鳥」と「革命」なので、マゼール独特のデフォルメが聴けるかもと期待していた。
会場に着いて最初に思ったことは、「え、謝肉祭もするの?(笑)。」いかにいいかげんか(笑)。「謝肉祭」は聴いたことはあるが、普段から積極的に聴かないのでどんな曲か覚えてなかったけど、ラストは「くどい」(笑)。マゼール(に限らず)がデフォルメしやすい曲だと思ったけど、曲を覚えていないので、デフォルメしてるかもわからない^^;
で、あとで気づいたんだけど、バイエルン放響と来日したときも「火の鳥」ってやってるんですよ。そのときの「火の鳥」の演奏は、「巨人」ばかりに目が行ってたのか、まだ「火の鳥」が好きでなかったのか、まったく覚えていない(笑)。だから「火の鳥」のラストの音(クレレッシェンドをして終るとこ)で大きなパウゼをかましたのには驚いた。前からやっていたのかも知れないけど。驚いたけど、あそこで長い一息を入れるんだったらもっと煽れよと言いたかった。ので、ちょっと不満。(ゲルギエフの「火の鳥」のラストはめちゃくちゃ煽ってるのだ。)
「革命」もマゼール独特のデフォルメがなかったのでちょっと不完全燃焼。途中のホルンのソロのあとは思いっきりrit.をかけていたけど、これは他の指揮者もよくやることなので取り立てて言うことではない。ラストはティンパニがマレット4本で「ダンダンダンダン」とやるのには圧巻だったけど。まぁ、マゼールのデフォルメを聴きに行ったわけではないんだけどね^^;それにデフォルメしなければマゼールはおもしろくなくないってわけでもないし^^;
でも印象としては、マゼールよりもオケの上手さが目立ったような。コンマスも上手かったし特にオーボエが上手かった!ほんと上手かったなぁ。オルンも上手かったけど、パート内でのレヴェルの差が目立ったような・・・。
アンコールは、ロリン・マゼール/A Pearl a girl―ア・パール・ア・ガール(田崎真珠の委嘱作品)とワーグナーの楽劇『ローエングリン』より第3幕への前奏曲の2曲。ア・パール・ア・ガールの前には、田崎真珠の副社長も出てきてなんやらかんやら言ってました(マゼールは昔、田崎真珠のCMにも出ていたんだけど、いまもスポンサーだったのか)。
ちょっと不完全燃焼ではあったけどいい演奏会でした。
会場は、もう興奮のるつぼで、マゼールも何度も呼び出されるほど拍手がなりやみませんでした。
余談だけど、オーボエを吹いてた人はめちゃくちゃ上手かったけど、次長課長の河本純一にそっくりだった。
<2> 11月4日 ウィーン・フィルハモニー管弦楽団 week in japan 2006 西宮公演★★★★☆
曲目
プログラムA
ブルックナー:「交響曲第5番 変ロ長調」
指揮:ニコラス・アーノンクール
場所:兵庫県立芸術文化ホール
♪なんと、今年も終わりに近づいているというのに、まだ2回しか演奏会に行ってない!まじびっくりした。そのかわり、今月は演奏会づくめ^^
さて、近くにできた芸文ホールにウィーン・フィルが来たのでこれは行かないわけにはいかない。しかも曲はブルックナー。ましてやアーノンクールがオケを率いての来日はん十年ぶり。なんでも飛行機が嫌いらしい。小さいときに乗っていた飛行機が胴体着陸でもしたんだろうか?(笑)
ゆっくり目のテンポで、ゲネラルパウゼ(ブルックナー休止)はたっぷり取って、息を止めていたらこのまま呼吸困難になるのではないかと思うほどだった。前半こそミストーンが目立ったが、そこはさすがにウィーン・フィル、ラストの金管のコラールはまさに圧巻だった。とても前日にサントリーホールで同曲をやってきたとは思えない。ホルンなんかビンビン言わしてたし。よくあんなに鳴らすなぁ。アーノンクールも煽る煽る。弦もきれいだし。2楽章の弦の旋律の入るところなんかゾクゾクっとした。
聴衆もすごくて、個人的には終演後の拍手はこころもちもうちょっとだけ遅いほうがいいけど、何度もアーノンクールが呼び出され、ブラヴォーの連発。楽団員がはけても舞台に呼び出され、ホールは興奮のるつぼと化していました。
しかし、アーノンクールは指揮棒を持たずにブルックナーを。指揮棒なしのほうが、微妙なニュアンスなどが奏者伝わると、小編成のオケとか室内楽などではよくあるんだけど、まさかブルックナーの5番でもそれをやるとは・・・。
西宮の聴衆は、地元にいいホールができたのでにわかクラシック・ファンが多くて、世界有数のオケが来るのでとりあえず聴きに行っとこう、という人ばっかりかと思っていた。実際、着物を着ている人もいたし。お祭りじゃないんだから。ニューイヤーコンサートかっちゅうねん。でもマナーが悪いというわけではないのでちょっとびっくり。でもやっぱり、楽章間のざわめきは他のホールよりうるさかったような・・・。
とにかくよかったです^^
それはそうと、ヴァイオリンの後ろのほうに女性の奏者が1人いたんだけど、あれはなんだ?ウィーン・フィルって女人禁制じゃなかったのか?
<1> 5月28日 チャイコフスキー記念 モスクワ放送交響楽団来日西宮公演★★★★★
曲目
チャイコフスキー:大序曲「1812」
チャイコフスキー:「弦楽セレナーデ」
ショスタコーヴィッチ:「交響曲第10番」
管弦楽:チャイコフスキー記念 モスクワ放送交響楽団
指揮:ウラディーミル・フェドセーエフ
場所:兵庫県立芸術文化ホール
♪ひさしぶりの演奏会です。今年最初の演奏会です。足を悪くして、いつまでたっても良くならないので、一生こんな状態か、とふさいでいたこともあったけどお蔭様で演奏会に足を運べるまでに回復することができ、感慨深い演奏会になりました。
さて、まずはホールのこと。
兵庫県立芸術文化ホールは昨年の10月にできた新しいホールです。しかも自宅から30分ほど(電車の乗り継ぎの関係で30分はかかってしまう。車なら15分くらいで行ける距離。)で行くことができる。近いのにどういうわけかここに行くのははじめてです。第一印象はきれい!まぁできたばかりだからきれいなのは当たり前ですが、それにしてもきれい。外観はガラス張りのようではあるけれど、中は木を基調としたつくり。きれいだけれどでかい(笑)。まぁ、オペラも上演するので、そのためにはあれだけの大きさが必要になってくるのだろう。僕はオペラにはあまり興味がないので、大阪のシンフォニーホールや東京のサントリーホール、金沢県立音楽堂ぐらいのスペースが好きなのだが。まぁなんにしろ、すぐ近くにああいうすごいホールができて、有名どころのオケや指揮者が来るようになったおとはうれしい限りです。音響も(まだ1回しか行ってないのでわからない点はあるけど)シンフォニーホールに匹敵するんじゃなかろうか。
演奏のこと。
ロシアのオケというと、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団(旧レニングラード・フィルハーモニー)かモスクワ放送交響楽団やらが毎年のようにやってきてロシアもののプログラムをやっている。でも、どういうわけか僕はロシアのオケを生で聴くのはこれがはじめて。フェドセーエフは前にウィーン交響楽団と来日したのを聴いたことがあるけど、ロシアの音楽なら任せなさいと言わんばかりのオケ以上に、「フェドセーエフらしさ」が強調された演奏ではなかったか。「弦楽セレナーデ」の弦のきれいさもそうだが、特に「1812」のラストのクライマックスでの演出にそれを感じました。通常、オケが吹いてる裏で、冬将軍に負けたフランス軍を撃破したロシア軍をたたえるようにパーカッションによる鐘が鳴り響くのだけれど、フェドセーエフは一旦金管楽器を止めて鐘の音をクローズアップするようにもっと音量を出すようパーカッションに指示を出して、十分ロシア軍をたたえたあとに金管楽器に曲を締めさせる、という演出を行った。しかも最後の一音も長かった。数年前にウィーン響と来日したときの見栄を切ったときのポーズを思い出しました。
残念ながら、メインプロのショスタコーヴィッチはあまりよく知らないので、演奏の良し悪しまではわからないけど、フルオーケストラの迫力(特にロシアのオケは爆演と言われるぐらい)を感じることができました。
11月にこのホ−ルにサンクト・ペテルブルグ・フィルが来るんだけど、行きたくなってしまった^^^;
ところでこのオケ、両翼配置だったのか?それとも鐘を鳴らすための「1812シフト」ゆえの両翼配置だったのか?コントラバスも9本正面一番奥に整列しててなんとも圧巻だったのだが。