やっぱ実演? 〜2011年〜
僕が行った2011年の演奏会です。
<9>12月30日 第9シンフォニーの夕べ
曲目:J.S.バッハ:管弦楽組曲第3番より第2楽章「アリア」
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
ソリスト:篠笛:福原友裕
ソプラノ:スザンヌ・ベルンハート
アルト:カロリン・マズア
テノール:トーマス・クーリー
バリトン:アンドレアス・バウアー
合唱:大阪フィルハーモニー合唱団
大阪音楽大学合唱団
指揮:大植英次
管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団
場所:大阪 ザ・シンフォニーホール
♪今年も年末の第九を聴きにいってきました。年末の第九を聴きに行きだしてもう何年になるかなぁ。
でも、今年の第九はちょっと違いました。今年はいろんなことがあって、特別な年になりました。僕が第九に臨む気持ちも、
すべての人たちの気持ちも特別なものがあったでしょう。
もうなんやかんやと細かいことは言いません。ただただ祈るばかりです。
当夜の第九ですが、第九の前に鎮魂の思いを込めて「G線上のアリア」が演奏されました。追悼演奏会等の時はそういうスタイルをよくとりますが、
日独交流150年というこから篠笛の福原友裕とのコラボがありました。
第九の第4楽章でピッコロが前に出てきて演奏しました。
ソリストと合唱団は、第九の3楽章後に入場してきました。最初から入場して歌うところになると起立して・・・というスタイルが多いのですが、
当夜は登場場面が遅い分椅子なしでした。僕は後者のスタイルのほうが好きです。
会場はやんややんやの大喝采でした。僕の斜め後ろの補助席に座っていた人も、大きな声でブラヴォーを連発していました。
大植英次の音楽監督ラストイヤーということも手伝ったのでしょうか、会場があそこまで興奮のるつぼになるような演奏ではなかったと思います。
でも、弦はよかったです。合唱はすごくよかったです。人の声の力はすごいと改めて思いました。
今年は実演に接することが出来たのは9回でした。あと1回で2ケタだったのですが・・・。来年こそは2ケタ行きたいです。
こういう感想を書くのもはばかれるような、特別な第九になりました。
<8> 9月24日 オーケストラで描くヒロインたち
曲目:「その時歴史が動いた」
「大河ドラマ」より
「秀吉」、
「黄金の日々」、
「天地人」、
「江」、
「龍馬伝」、
「徳川慶喜」、
「篤姫」、
各テーマ曲
交響曲第7番:ベートーヴェン
アンコール:映画「ティファニーで朝食を」から「ムーンリバー」
管弦楽:京都市交響楽団
指揮:広上淳一
独唱:馬場菜穂子(「龍馬伝」)
司会:丸尾ともよ
場所:兵庫県立芸術文化センター
♪何年か前、仕事の関係で石川県に3年ほどいたことがある。石川県には石川県立音楽堂というのがあって、そこにN響/岩城宏之が来て武満とチャイコフスキーをやったことがある。その公演のアンコールで大河ドラマ「利家とまつ」のテーマ曲をやった(なんとタイムリーな!)。その当時、大河ドラマは見ていたので毎週聴いてはいたんだけど、TVとはまったく違うサウンドにいたく感動した。
で、今回京響が大河ドラマのテーマ曲をやるというので楽しみにしていた。でも実のところ大河は「北条時宗」を最後に最近は見ていない。
一番の理由は、ひっちゃかめっちゃかなストーリー。NHKは公共放送だ。国営放送みたいなもんだが。要は日本を代表する放送局なわけだ。その日本を代表する放送局が史実と違う原作を「大河」に採用していいのかと僕は前々から思っている。歴史に興味を持って勉強も兼ねて「大河」を見る人も多いと思う。そういう人に真実(明らかになっていない部分もあるが)と違う部分を見せるのはいかがなものか。そういう意味で「大河」とは非常に重い責任を背負っているのだと僕は思う。単におもしろいとか視聴率を気にしてはいけないのである。
たとえば、「北条時宗」。弟の赤いマフラーを巻いた時輔が日本を攻めようとする元(モンゴル)の道案内をする。なんちゅう話や!
「天地人」の直江兼継は「愛」をかかげた人であるという。そんな奴が人殺しをするかぁ!
「江」の三姉妹は明らかに年齢設定がおかしいだろ!
等々。
そんなこんなで最近はとんと大河は御無沙汰である。もう一つの理由は、19:00からの鉄腕DASH、21:00からのN響アワー、この間に風呂に入らないといけないのだ。大河が放送されている時間は貴重なお風呂タイムであるのだ!最後の理由は、僕はあまり幕末は好きでない。
というわけで、石川県にいたときにN響がやった時ほどは感動しなかったが、それでもよかったと思う。京響は上手いし、TVと生では全然違うということを改めて実感させられた。
ベートヴェンだが、別に難癖をつけるところは一つもない。さすが京響/広上といったところか。一つだけ言わせてもらえば、もうちょっと速いテンポのほうが好きなのだが。
アンコールのムーンリバーも言うことなし。アンコールが一番よかったかも。
ちなみに、広上は秀吉が嫌いだそうだ(笑)。
<7> 9月21日 大阪フィルハーモニー交響楽団 第451回定期演奏会
曲目:「フーガの技法」よりコントラプンクトゥス]\/J.S.バッハ(ベリオ編)
「マドリードの夜の帰営ラッパ」の4つの版/ボッケリーニ(ベリオ編)
交響曲第2番/ブルックナー(1872年ギャラガン版)
管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団
指揮:下野竜也
場所:大阪 ザ・シンフォニーホール
♪ようやくブルックナーの交響曲を番号レベルで全曲制覇できた・・・と言っても、それが目的で演奏会に行きだしたのではないのだけど。
ブルックナーの交響曲には絶えず版・稿の問題が付きまとっているんだけど、さすがに版・稿レベルでの全曲制覇は無理。これを書いていたら思い出したんだけど、「交響曲ヘ短調」は実演を体験してないのだけど、それは番号つきの交響曲ではないので御容赦を。
「交響曲ヘ短調」は「00番」じゃないか!と思われる向きもあるが、「交響曲ヘ短調」は「交響曲ヘ短調」であって、断じて「00番」ではない!
ブルックナーの初期の交響曲は後期のそれに比べたら、金管よりも弦がメインなんだけど、今回はそれが功を奏した感じ。というのも大フィルは金管セクションより弦セクションの方が上手いと思っているから。特にブルックナーはいきなり金管の強奏ではじまったりして、アインザッツを合わせるのが大変で金管泣かせの曲でもある。きれいな弦のアンサンブルを金管のアインザッツが壊す(笑)といったところか。2番は「休止交響曲」と言われるほど「ブルックナー休止」が多くて、はっきりしているんだけど、今回はほんと「ブルックナー休止」を体感できた。
さて、前半の2曲だけど、2曲ともまったく聴いたことがなくて、1曲目のバッハは、舞台上の照明を暗くするなどの演出もあったが、どうやら大フィルはバロックは苦手なようだ(笑)。次のボッケリーニはラヴェルのボレロと似てるところがあって、だんだんボリュームが大きくなってきて(各楽器のソロではないんだけど)、曲がだんだんと高揚してきてクライマックスを迎えるときのこぶしをふり上げるような力強い指揮が、震災の復興を目指す力とダブって聴いたことのある曲ではなかったけど感動してしまった。
個人的には、ブルックナーの初期の曲をあそこまで重厚にやっていいのか?とも思うけど(去年の「交響曲第1番」の感想も同じようなことを書いてたけど)、いい演奏会でした。
<6> 8月2日 PMFオーケストラ 大阪公演
曲目:クラリネット協奏曲イ長調 K.622/モーツァルト
楽劇「トリスタンとイゾルデ」から「前奏曲」と「愛の死」/ワーグナー
交響曲第2番/ブラームス
管弦楽:PMFオーケストラ
指揮:ファビオ・ルイジ
場所:大阪 ザ・シンフォニーホール
♪北海道を拠点にバーンスタインが創設したこの音楽祭も今年で22回目になるとのこと。そのうち何回か行っているが、メンバーが若手音楽家にもかかわらず、教授陣がルイジはじめ世界のオーケストラでぶいぶい言わしていることと、世界各国でオ−ディションで選ばれた奏者で構成されていることもあってか、そのどれもが満足のいく演奏会でした。特に諸事情で行けなかった去年のブル7はすごく良かったらしい。
ブラームスは、もちろん満足のいく演奏だったが、特にワーグナーがすごかった。管弦楽のみでの演奏だったが鳥肌が立つほどだった。
それにしても、モーツァルトは「?」だった。演奏がどうとかではないが、楽器の調子がよくないのか、曲中にもかかわらず休みになるとクラリネットを分解し、唾をぬぐい、楽器をメンテ(?)してた。でも、リードはさわっていなかったので、リードの不具合ではなさそうだった。
とにもかくにも、満足が行く演奏会でした。
ルイジ、髪切った?
<5> 7月24日 京都市交響楽団 第548回定期演奏会
曲目:交響曲第3番/マーラー
管弦楽:京都市交響楽団
合唱:京響市民合唱団、京都市少年合唱団
アルト独唱:小山由美
指揮:大野和士
場所:京都コンサートーホール
♪京響はやっぱりうまいと思わせてくれる、すばらしい演奏会でした。
それだけに、座席と最後の拍手が残念でなりませんでした。
以前コバケン/大フィルで「千人の交響曲」をフェスティバルホールで聴いたときの座席が、前から3列目で右から10番目くらいでフェスティバルホールの舞台が高くて、なにをやっているのかわからなかった。今回は、その劣悪な環境よりもさらに悪い、前から2列目で一番右端の座席だった(これでA席!)。幸いなことに舞台がフェスティバルホールほど高くなかったのでかろうじて指揮者を見ることができた。その席ですばらしい(と思われる)演奏を聴いて、この日ばかりは座席の悪さを悔やんだことはなかった。
大野和士ははじめて聴いたので、その良さはすぐにはわからないが、綿密な計算の上で棒を振っていたという印象。決して指揮台の上でとび跳ねたりはせず、またオーバーアクションでなく「動」と「静」でいうと明らかに「静」の指揮。でも「熱さ」がちゃんと伝わってくる、そんな印象を持った。
4月に京響の演奏を聴いてから、何度か通っているが在阪オケよりは(大フィル、関フィル以外は最近とんと御無沙汰だが)確実に上手いと改めて思わせてくれるすごいオケです。京都じゃなくて大阪にこういうオケがあったらなぁ。正直京都まで行くのがしんどい^^;;
それから、終演後の拍手、あのタイミングでの拍手はないやろう!
<4> 6月12日 マーラー・チェンバー・オーケストラ日本公演
曲目:交響曲第2番/ブラームス
:交響曲第4番/ブラームス
管弦楽:マーラー・チェンバー・オーケストラ
指揮:ダニエル・ハーディング
場所:大阪 ザ・シンフォニーホール
♪すばらしかったです。
アンコールで3番の第3楽章をやってくれたんで、昨日の3番がいまいちだった理由がやっぱり僕自身の問題だったことがはっきりしました(笑)。
横で子供も走り回ってたし(笑)。ハーディングの息子か?
昨日の3番の件もあってか、終わり方に聴衆もちょっと不安だった。だから、曲順は逆だったほうがよかったのかも?出来も2番のほうがよかったし。まぁ、結果論だけど^^;;
今日も出てきてくれるだろうと思って、舞台のほうに駆け寄って拍手してたら、やっぱり出てきてくれて・・・・でもやっぱり老けてた(笑)。
それにしてもここの木管軍団、しゃれんならんぐらい上手いぞ、特にフルート。!
<3> 6月11日 マーラー・チェンバー・オーケストラ日本公演
曲目:交響曲第3番/ブラームス
:交響曲第1番/ブラームス
管弦楽:マーラー・チェンバー・オーケストラ
指揮:ダニエル・ハーディング
場所:大阪 ザ・シンフォニーホール
♪なんか眠くて・・・^^;
新進気鋭でただいま話題のハーディングが来るというので、聴きに行ってきました。とはいうものの、チケット争奪戦に出遅れたためA席の割りにはあまりいい席ではなかった。ハーディング、騒がれているほど人気がないのだろうか。空席もちらほら・・・というよりかなり空席が目立った。
今日の3番、1番、明日の2番、4番で2日間でブラームス・チクルスをするので、全部聴いてやろうと明日のチケットも通し券で買っているのだけど、正直3番を聴いた段階では、明日やめとこうかな〜とか思ってしまった。どこがいまいちだったかと言うと、最初のところで上手く音楽がつながっていなかったり、つながっててもただつながっているだけだったり感じられたので。テンポもいくぶんゆっくり目で、間延びしてしまっていると感じた。実は冒頭でも書いたが、なんか眠くて^^;こういう風に感じたのかも知れない。はたしてハーディングに問題があるのか、オケに問題があるのか、席が悪かったのか、僕自身に問題があったのか。多分僕に問題があったのだろう。ということで、3番もよかったのだろうけど僕的にはいまいちだった。
でも、その後の1番はすごくて、とても同じ奏者だとは思えないくらいすばらしい演奏だった。
アンコールで、明日やるブラームスの2番の第3楽章をやってくれたのだが、これもすごくよくて次の日がすごく楽しみになった。
ハーディングはもっと背が高いと思っていたが、団員のほうが背が高かったりして、で、もっとラフな格好で出てくるのかなと思ってたら、意外にちゃんとした格好。ジャケットはイケメンだが、遠目で見ると「昭和の漫才師」みたいだった(笑)。何回も呼び出されて拍手が鳴りやまず、オケがはけた後でも舞台に呼び出されてました。明日がすごく楽しみです。
しかし、3番の後のフライング拍手はないやろ!
<2> 5月21日 京都市交響楽団 第546回定期演奏会
曲目:オーケストラのための「肖像」/尾高惇忠
ヴァオリン協奏曲イ短調/グラズノフ
ソリストアンコール:カプリーズによる即興演奏/パガニーニ(ゲサ編曲)
交響曲 第2番ホ短調/ラフマニノフ
管弦楽:京都市交響楽団
ヴァイオリン:ゲサ・ホッス=レゴツキ
指揮:広上淳一
場所:京都コンサートーホール
♪↓のマーラーがよかったので、京都まで聴きに行ってきた。京響&広上がラフ2を演るというのでこれは行かない手はないだろう。演奏前に広上によるプレトークがあるというので、楽しみだったが大したことなかった(笑)。尾高惇忠は広上の師匠で、この曲の初演は京響で、この曲を指揮できるのは何か因縁を感じるとのこと。初演のときもメインプロはラフ2だったとのこと。作曲者も来てて紹介されてた。
僕の現代作曲家(特に日本)の印象は、いわゆる天から降ってくるような音を表現したいがために、チェレスタとかビブラフォーン等を多様する傾向がある印象があるが、良く言えば天から降ってくる音だけど、1つ間違えば「怪しげな音」なのだ。でもって、中途半端な盛り上がりはあるけど、取り留めがないつかみどころがないまま終わってしまう。不協和音で終わってしまうのも少なくない。
この曲はと言うと、トランペットで始まって1本ずつトランペットが重なって、お決まりのごとく不協和音で強奏、というのが何度か繰り返される。演奏前に客席から舞台を見たら、コンガとかチェレスタやビブラフォーンが置いてあるし、演奏に入ったらグロッケンのマレットでコンガを叩いてるし、やれやれである。
ゲサはすごかった。どや顔をした老けたパタリロをして、フランス人かと思ったら父はウクライナ人で母はアメリカ人とのこと。
特にアンコールがすごかった。なんであんなに速く指が動くんだ?
その上手さには感心させられまくり。
で、ラフ2はどうだったかと言うと、もう非の打ちどころがなかった。
2時間(途中、高槻と島本町の間の踏切で車が立ち往生したため、電車が遅れたこともあり)かけて京都コンサートホールまで行った甲斐があった。
しかいつも思うのだけど、奏者は甘美な音楽に浸っている広上の顔を見て笑って演奏できないということに陥ったりはしないのか?実はもう慣れっこなのか?
いつものように広上は壇上で日本舞踊を踊ってました。
今度はマーラーの3番を聴きに再び京都です。つらい^^;
<1> 4月24日 京都市交響楽団 大阪特別公演
曲目:ピアノ協奏曲 第1番/リスト
ピアノアンコール:愛の夢 第3番/リスト
交響曲 第5番/マーラー
管弦楽:京都市交響楽団
ピアノ:金子三勇士
指揮:下野竜也
場所:大阪ザ・シンフォニーホール
♪すごいマーラーを聴いたかも知れない。
金子三勇士もよかったが、下野竜也はもっとよく、京響はさらによかった。