やっぱ実演? 〜2015年〜


僕が行った2015年の演奏会の感想です。


<8>12月30日 第九シンフォニーの夕べ 

曲目
 ベートーヴェン:交響曲第9番 「合唱」
指揮
 井上道義
ソリスト
 小林沙羅(ソプラノ)
 小川明子(アルト)
 福井敬(テノール)
 青山貴(バリトン)
管弦楽
 大阪フィルハーモニー交響楽団
合唱
 大阪フィルハーモニー合唱団
場所
 大阪 ザ・シンフォニーホール

♪今年も年末恒例大フィルの「第九シンフォニーの夕べ」に行ってきました。例のごとく、批評のような感想はなしですが・・・。
よかった!めちゃくちゃよかった!7月にミヒャエル・ザンデルリングがドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団と来日したときにべた褒めしたけど、それを上回る演奏。すごい重厚な「合唱」が聴けました。2015年のNo.1です。


<7>11月15日 チェコ国立ブルノ・フィルハーモニー管弦楽団 2015年日本公演 

曲目
 スメタナ:連作交響詩『わが祖国』より 「モルダウ」
 ドヴォルザーク:交響曲第8番 
 ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
指揮
 レオシュ・スワロフスキー
管弦楽
 チェコ国立ブルノ・フィルハーモニー管弦楽団
アンコール
 ブラームス:ハンガリー舞曲より第5番
 ドヴォルザーク:スラブ舞曲より第15番
場所
 ザ・シンフォニーホール

♪このページを見て驚いた。同じ指揮者を連続で聴いていた。違うのは、チェリストの有無ぐらいで、プログラムもほとんど一緒。チェコ、スロヴァキア近辺にあるオケは上手いんだけど、レパートリーが狭いからなぁ。

 音の洪水という感じだった。ホールを完璧に鳴らしきり、聴衆も精緻なアンサンブルとその音に大興奮し、スタンディング・オベーションをする者や、ブラヴォーの嵐で、まさしくホールは興奮のるつぼと化した。メインプロが大成功に終わり、指揮者もなにかを掴んだようだ。アンコール1曲目のハンガリー舞曲第5番は日本人にもなじみのある曲だが、それをああいう風にやられると演奏家と聴衆のボルテージもさらに上がり、2曲目のスラヴ舞曲第15番はまるで水を得た魚のごとく、見栄を切りまくりでノリノリだった。おそらくスラヴ舞曲の中でも、第15番が一番得意なのだろう。とにかくすごかった。
 冒頭にも書いたが、この指揮者、7月にもスロヴァキア・フィルを引き連れて来日してて、その公演も聴いたのだが、その時の感想は一言でいうと、「やりすぎなんじゃないの?」だった。今回の僕の感想は、あんなに興奮して盛り上がっているにも関わらず、「やりすぎなんじゃないの?」だった。まぁ、アンコールはさておき、ドヴォ8や「新世界より」を、いくら上手いからと言ってあそこまでやるのはいかがなものか、と、一人冷やかだった(笑)。
 しかし、このオケ、指揮者の力量はすごくて、今後大いに化ける可能性は「大」である。ちょっと場違いのような気はするが、今後要チェックだ!


<6>7月11日 スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団 2015年日本公演 

曲目
 スメタナ:連作交響詩『わが祖国』より 「モルダウ」
 ドヴォルザーク:チェロ協奏曲
 ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
ソリスト
 宮田 大(チェロ)
指揮
 レオシュ・スワロフスキー
管弦楽
 スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団
オーケストラ・アンコール
 ドヴォルザーク:スラブ舞曲より第15番
ソリスト・アンコール
 バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番より第1曲「プレリュード」
場所
 ザ・シンフォニーホール

♪宮田 大は上手くていい音出してて、聴衆も絶賛の嵐だったが、ドヴォルザークは悪くはなかったが・・・やり過ぎ。スロヴァキア・フィルは初めて聴いたけど、あれはオケがやり過ぎたのではなくて、スワロフスキーによるところが大きかったのだと思う。指揮台の上で暴れてたもん。佐渡裕や小林研一郎じゃないんだから。いや、スロヴァキアのコバケンか(笑)。


<5>7月4日 ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団 2015年日本公演 

曲目
 ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」序曲
 ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」
 ベートーヴェン:交響曲第7番
指揮
 ミヒャエル・ザンデルリング
管弦楽
 ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
オーケストラ・アンコール
 ロッシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」序曲
場所
 ザ・シンフォニーホール

♪7番で、ホルンがもう少しあばれてくれるとよかったと思う以外は、もう・・・あのね・・・完璧ですよ完璧。「フィデリオ」からロッシーニまで完璧。すばらしかった。


<4>6月21日 プラハ放送交響楽団 2015年日本公演 

曲目
 スメタナ:連作交響詩「わが祖国」より「モルダウ」
 ベートーヴェン:交響曲第7番
 ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
指揮
 オンドレイ・レナルド
管弦楽
 プラハ放送交響楽団
オーケストラ・アンコール
 ドヴォルザーク:スラブ舞曲より第8番、第15番
場所
 ザ・シンフォニーホール

♪いやいや、さすがお国ものにはすごいところを魅せてくれました。ベートヴェンとスメタナ(ま、スメタナもお国ものなんだけど)は普通だったけど、ドヴォルザークは(アンコールを含め)すごかった、いや素晴らしかった!オケとレナルドの関係の良さもはっきり見て取れました。
惜しむらくは、「新世界より」がプログラムの一番最後とあって、予定どおり(笑)「フライング拍手」が出てしまったこと。音こそ鳴りやんでいたけど、指揮者はまだ曲を終えていない。曲が終わっていないのにブラヴォーとか拍手をする行為は、奏者を冒涜するもののなにものでもない。ベト7の第一楽章が終わった後にも拍手したやつがいたが、お前ら、クラシックのコンサートに行ったことあるんか?


<3>6月3日 ハンブルク北ドイツ放送交響楽団 2015年日本公演 

曲目
 メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調
 マーラー:交響曲第1番「巨人」(ハンブルク稿)
指揮
 トーマス・ヘンゲルブロック
管弦楽
 ハンブルク北ドイツ放送交響楽団
ソリスト
 ヴァイオリン:アラベラ・美歩シュタインバッハーヒラリー・ハーン
ソリスト・アンコール
 プロコフィエフ:無伴奏ヴァイオリンソナタより第1楽章
オーケストラ・アンコール
 ワーグナー:歌劇「ローエングリン」より第3幕の前奏曲
場所
 ザ・シンフォニーホール

♪ハンブルク北ドイツ放送交響楽団と言えば、2000年にギュンター・ヴァントと来日してブルックナーの9番と「未完成」をやった。場所は東京オペラシティ。その頃はブルックナー熱がすごくて、ヴァントが日本に来てブル9を演る、しかもオケは主兵のNDRということでそれはすごい盛り上がりになった。僕は結局行けずだったが(正直言うと、僕はヴァントがそれほど好きではない)、当日のホールの雰囲気は緊張感が半端なく、それはそれは異様ですごかったらしい。聴衆もほとんどが男性(しかもブルヲタ)だったらしい。ヴァントは2年後に転倒して、それがもとで死去している。NDRと言えばどうしてもそれを思い出してしまう。
なので、当夜の演奏も上記の演奏と比べてしまうのだが、ソリストが上手かった以外は特筆するべきことはなかったような気がする。聴衆は盛り上げっていたが、オケやヘンゲルブロックの力量というより、曲のすごさゆえというような気がする。演奏効果がすごいのである。さすがマーラーといったところか。
ひさびさにシンォニーホール行ったら、横にあったコインパーキングがなくなってた。これからどこに止めよう。


<2>3月1日 フィルハーモニア管弦楽団 2015年日本公演 

曲目
 シベリウス:交響詩「フィンランディア」
 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調
 シベリウス:交響曲第5番
指揮
 エサ=ペッカ・サロネン
管弦楽
 フィルハーモニア管弦楽団
ソリスト
 ヴァイオリン:ヒラリー・ハーン
ソリスト・アンコール
 無伴奏ヴァイオリンの為のパルティータ第3番より「ジーグ」
オーケストラ・アンコール
 シベリウス:悲しいワルツ
場所
 兵庫県立芸術文化センター大ホール

♪シベリウスの5番は、「当時の前衛音楽ではなかったか」とあらためて思わせる箇所がありました。
「フィンランディア」、実は苦手で、なんでかというと、吹奏楽をやってると、クラシック音楽の編曲物でよくやっていて、ある意味飽きた感があるので・・・。
何かと言うと、「フィンランディア」かローエングリンの「第3幕の前奏曲」かヴェルディの「運命の力」だったので。
それにしてもハーンはやっぱ上手かった。でも、ブラームスのヴァイオリン協奏曲は、ソリストの出番が遅く、ハーンもしっかりとヴァイオリンを抱えてたっていたので、そのままい一音も出さずに帰ってしまうんじゃないかと思った(笑)。


<1>1月24日 京都市交響楽団 大阪特別公演 

曲目
 グリンカ:「ルスランとリュドミラ」から序曲
 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
 プロコフィエフ:交響曲第5番
指揮
 広上淳一
管弦楽
 京都市交響楽団
ソリスト
 ピアノ:横山幸雄
ソリスト・アンコール
 オマージュ・ア・ラフマニノフ
オーケストラ・アンコール
 ラフマニノフ:幻想小曲集 第2番前奏曲「鐘の音」
場所
 ザ・シンフォニーホール

♪京響はうまいと思うので、何回か京都コンサートホールまで足を運んだことがある。いまはもうそんな元気もないので(笑)、大阪に来る時は(演目にもよるが)なるべく聴きに行くようにしている。少なくとも在阪オケよりはうまいだろう。
1曲目のグリンカは、個人的にはもう少しテンポが速いのが好きだったので、少し不完全燃焼。
2曲目の横山さんは、さすがもうあのレベルになると、もう貫禄の臭いがプンプンですね。
3曲目のプロコフィエフは圧巻でした。まさに音の洪水。プロコの5番なんて、もう何年も聴いてなかったから(それも1番と5番しか聴いたことがない。全集は持ってるんだけど^^ゞ)、あんなすごい曲だったかなと思って、家にあるカラヤン/bpoのCDを聴いてみた。大人し目の演奏だったが、実演はすごかった。あんな曲だとは思わなかった。さすが広上&京響!



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