カリンニコフ交響曲第1番ト短調
第1楽章:allegro moderata
第2楽章:Andante commodamente
第3楽章:Scherzo;Allegro non troppo
第4楽章:Finale;Allegro moderate
■ロシアの知られざるメロディメーカー <ヴァシリー・カリンニコフ>
カリンニコフの名前は日本ではまだあまり知られていない。日本だけではなくおそらくロシアを除く世界でも知名度はまだまだ低いであろう。演奏されることもあまりないし、また発売されているCDの枚数も少ない。CDでは少し前にNAXOSレーベルから出た、クチャル/ウクライナ国立交響楽団のものが手に入りやすいが、あとは比較的入手しにくいものが多いようだ。しかし、この曲のきれいで繊細で取っつきやすいメロディは絶品で、クチャル盤はNAXOSの中でもベストセラーになったようで、NAXOSにとってはカリンニコフ様々でないだろうか?
この盤がベストセラーになったということで、日本をはじめとして、もっとカリンニコフが知名度を上げてCD発売、実演ともに機会が増えれば、と思っています。
さて、順序が逆になったが、カリンニコフは34歳でこの世を去っている。もともと身体があまり丈夫でなかったカリンニコフは、モスクワで音楽を学びながらもかなり貧困な生活を送っていたようである。幸いなことに指揮者として仕事を出来るようになったが、身体の衰弱から肺結核を患いクリミアでの療養生活を強いられ、ついには療養の甲斐もなくわずか34歳という、あまりにも早い死でもって、その生涯の幕を下ろしている。実に35歳の誕生日の2日前のことである。
そのおため、カリンニコフの作曲した曲は少なく、トルストイ(有名なトルストイの又従兄弟)の「ボリス皇帝」の付随音楽や、オペラ、小さなピアノ曲等が数曲だけである。交響曲に関しては、1番と2番を残すのみである。
僕は交響曲以外はほとんど聞いたことがないのですが、やはりメロディが素晴らしいと思います。とても親しみやすくて、また覚えやすくて非常に美しいです。いわゆるロシア国民楽派に分類されますが、後期交響曲とくらべロシア国民楽派の特徴が顕著に出ているとされるチャイコフスキーの初期交響曲には決してひけはとらないと思っています。第1楽章での主題が第4楽章で再現されることで、この交響曲が有機的に結びつけられています。美しい主題が繰り返されながらも、フィナーレでは徐々に盛り上がりを見せ、圧倒的なクライマックスをもってこの曲を締めくくっています。
この若くしてこの世を去った天才をもっと注目されるようになればと思っています。
■カリンニコフ交響曲第1番 CD一覧。(ジャケット写真があるのは、僕が所有しています。緑字はレーベル名))
フリードマン/ロシア・フィルハーモニー管弦楽団(1996) ARTE NOVA
T15:32 | U1:22 | V8:21 | W11:51 |
ARTE NOVAからカリ1が出た、と色めき立ったのですが、テンポが遅い。4楽章が特に遅くて間延びしてしまった感があります。いくら美しいと言ってももう少しメリハリの効いた演奏がいいです。ほとんどの演奏が7分〜8分台なのと10分を切っているのに対し、11分ですからねぇ・・。
クチャル/ウクライナ国立交響楽団(1994)NAXOS
T14:12 | U7:08 | V8:09 | W9:07 |
NAXOSから1番2番とのカップリングで発売され、NAXOSの名前を再び世に知らしめた1枚。聴きやすく明るめのサウンドです。いい演奏ですが、個人的にはもう少し影のある印象がする、ヤルヴィ盤の方がお薦めです。現在1番入手しやすい1枚です。
ドゥダロワ/ロシア交響楽団(1992)OLIMPIA
T13:38 | U6:03 | V7:15 | W10:05 |
たしか、ドゥダロワは女流指揮者だったと思います。これもフリードマン盤と同じくテンポが遅いです。
ヤルヴィ/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団(1987)CANDOS
T14:04 | U 7:08 | V7:34 | W 8:29 |
僕が持っているカリ1の演奏の中ではこれがベスト。最近は同レーベルから2番もカップリングされて発売されているようです。これは比較的に入手しやすい物では、NAXOSからのクチャル盤と好みが2分されるようですが、クチャル盤もいいのですがそれにも増して、オケの音の厚みや哀愁が漂って来るような感じがします。タイム的にも1番しっくり来るようなきがします。
スヴェトラーノフ/ロシア国立交響楽団(1975)(ロシア語なので読めません(^^ゞ)
T14:00 | U7:25 | V7:36 | W7:58 |
熱い(笑)!、で早い!特に4楽章。タイム的にはヤルヴィ盤より少し早いだけですが、1楽章の序奏が再現されたあとの、急にテンポが早くなる所はさすがスヴェトラ、ロシア国立響といったところでしょうか?これも非常に素晴らしい演奏ですが、どちらかを取れ、と言われればカリ1の曲想から言えばやはりヤルヴィ盤でしょうか?
シェルヘン/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(1951) ?
T12:53 | U6'35" | V7:42 | W8:37 |
音が怒っておる^^ゞ
トスカニーニ/NBC交響楽団(1943) ?
T9:49 | U 7:14 | V 7:06 | W8:39 |
1943年(多分)のライヴです。もちろんモノラル。このCD、カリ1の前にトスカーニーニアレンジの「The Internationale」なる曲が収録されていますが、これなんなんでしょう?フィルハーモニア管とのブラームス全集にも冒頭に「英国国歌」が収録されるようですが、BBC交響楽団のテーマ(そんなのあるのか?)みたいなものなのでしょうか?あとにカリ1のほlかにも数曲収録されているのですが、LPからCD−Rに焼いたらしく針ののノイズがひどく、特に最後に行くほど聴けるものじゃないです(^^ゞ でも演奏はカッチリしています。
スヴェトラーノフ/NHK交響楽団(1999)KING
T12:06 | U 7:19 | V 8:22 | W9:10 |
ゴロヴァノフ/ロシア国立ボリショイ歌劇場管弦楽団(1945)Bohome
T13:46 | U 7:14 | V 7:36 | W9:30 |
フェルドマン/ケーヒニスベルク国立交響楽団(1996)
アーベントロート/ライプツィヒ放送管弦楽団(1949)