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ロボット百科1
マジンガーシリーズ


1.マジンガーZ   
2.マジンカイザー

 

1.マジンガーZ(2001年記述)

 元祖スーパーロボットとして、スパロボ第1作から登場し続けている。
 スパロボの始祖3作品と言えば、「マジンガーZ」「ゲッターロボ」「機動戦士ガンダム(シリーズ)」だが、その中で皆勤賞を続けているロボットは、「マジンガーZ」だけである。その点だけでも、ゲーム製作者の愛が感じられるというものだ。(2001年)

 パイロットは、製造者・兜十蔵の孫である兜甲児
 光子力研究所を拠点に、ドクターヘルの送り出す機械獣との戦いを繰り広げる。
 超合金Z製で、光子力エネルギーで動く。
 小型VTOL機ホバーパイルダー(後にジェットパイルダー)が頭部に合体(パイルダーオン)して、コクピットとなる。
 当初の武器は、拳を発射するロケットパンチ、胸からの熱線ブレストファイヤー、スリット状の口から放つ酸性風ルストハリケーン、目からの光子力ビーム、腹部からのミサイルパンチの5つ。
 後に改良され、脚に水中用ブースターが取り付けられ、さらに飛行用の紅の翼ジェットスクランダーをオプション装備するようになり、戦闘領域を広げていった。スクランダーは非常に頑丈で、翼で相手を切断するスクランダーカッターとしても使用でき、また、翼の発射口から手裏剣状のサザンクロスナイフを発射可能。Zの戦闘能力を飛躍的に高めてくれる。
 合体コードは「スクランダークロス」だが、その前に、甲児が「ジェットスクランダー!」と叫んで、スクランダーを呼ぶシークエンスは、スパロボでは再現されていない。
 また、Z本体の武装も改良され、ロケットパンチに刃を取り付けたアイアンカッター、肘から発射する連射式のドリルミサイル、耳の角からの冷凍ビーム、そして腕を回転させて威力を増した大車輪ロケットパンチが装備されていった。

 甲児の仲間には、光子力研究所の所長・弓弦之助と、その娘・弓さやか、ケンカ友達のボス(子分のムチャ&ヌケ)、弟の兜シロー、そして研究所の助手である「もりもり、のっそり、せわし」の三博士がいる。後に、ボスのいとこのみさとさんがレギュラーになるが、スパロボ未登場。

 
さやかは、女性型ロボット・アフロダイA(エース)に搭乗。Zの戦闘をサポートする。
 
アフロダイAは、当初は非武装だったが、後に胸のミサイルが装備される。
 しかし、元々、ジャパニウム鉱石採掘用だったため、戦闘力は低く、破壊後、新たに
ダイアナンAが開発される。
 
ダイアナンAのコクピットは、オートバイのスカーレットモビルである。つまり、ダイアナンAの操縦席には屋根がないという、はなはだ危険な状態であるが、スパロボでは基本的に宇宙でも問題なく戦っている(ただし、「新」や「Compact2」では未登場)。
 「オーロラ光線発射」の声とともに、
ダイアナンの頭部から放たれる光の道をバイクで駆け上って合体するシークエンスは結構、格好良くて好き。
 
ダイアナンAの武装は、胸のミサイルの他に、頭部からはなつスカーレットビーム
 しかし、どちらにせよ、ヒロインロボがZ活躍前の前座であるという事実には変わりなかった。

 ボスは、甲児の活躍を羨ましく思い、ボスボロットを製造。スクラップでできた割に、Z並みの怪力を誇る、とんでもなさである。
 大体、先にさやかがピンチになって、それを助けようとボスが戦場に飛び込み、時間稼ぎ役となる。そして、真打ちのZ登場というパターンが多かった。

 敵のドクターヘルは、古代ミケーネ文明の遺跡から機械獣を発掘。世界征服のために、光子力エネルギーと超合金Zを狙って、光子力研究所襲撃を企てる。
 当初の部下は男女のミイラを左右結合させて蘇生したあしゅら男爵海底要塞サルード(スパロボ未登場)を駆って、配下の兵士・鉄仮面軍団や機械獣とともに侵攻してくる。サルード撃沈後は、新たな海底要塞ブードを使用。スパロボでは、「ブードと言えば、ゲッター3の大雪山おろしで投げられる」印象が強い。
 第2の部下は首の切断された死体を蘇生させたブロッケン伯爵。あしゅら男爵を見下した発言が多く、両者の仲は良くない。ブロッケンの乗機は飛行要塞グール。空飛ぶ機械獣を収容し、自らは雲に隠れ、高空から光子力研究所を爆撃、配下の鉄十字軍団によるパラシュート降下は、しばしばZたちの陣営をピンチに陥らせたが、次第に負けが混むようになる。
 第3の部下は、大男と小男が結合した呪術使いピグマン子爵(スパロボ未登場)。怪しげな術で甲児たちを翻弄したが、ドクターヘルを裏切ったあげく、Zに倒された。活躍期間は短かったが、非常にアクの強い敵役であった。

 そして、外部組織として、虎を下半身に持つゴーゴン大公が登場。彼は、ドクターヘルに妖機械獣を貸し与えるが、実質はミケーネ帝国のスパイであり、彼の暗躍はグレートマジンガー登場に向けた伏線となっている。
 あしゅら男爵が戦死し、ドクターヘルブロッケン伯爵が死んだ後、ミケーネ帝国の戦闘獣が地上侵攻を開始する。満身創痍となったマジンガーZを救うべく現れた救世主がグレートマジンガーである。
 こうして、一つの勇者の物語が幕を閉じ、新たな勇者の物語が始まるのである。

●スパロボでのマジンガーZ:1(第〇次シリーズ)

 パイロットの兜甲児は、「第2次」から初登場。パートナーロボットのアフロダイA(弓さやか)、ボスボロット(ボス)とともにレギュラーとなる。
 ローレライの操るラインX1や、ミネルバXとのイベントがあったが、アフロダイは途中で離脱、マジンガーZも2号機のグレートに座を譲るなど、不本意な扱われ方をした(後のリメイク版では、その点が改善された)。
 敵キャラでは、その他にあしゅら男爵が登場。

 続く「第3次」では、紅の翼ジェットスクランダーの装着が、イベントとして設けられるようになる。
 また、アフロダイAダイアナンAに交換されるなど、前作を上回る扱われ方だった。ダイアナンAへの交替は、のジェットスクランダー装着と同時、というのが以降のスパロボの伝統となる。よって、が最初からスクランダーを装着している「EX」「α外伝」「A」では、アフロダイAの出番はない。逆に、一時期、と別行動をとっていた「新」では、ダイアナンAの出番が削除された。
 敵キャラには、「第3次」からブロッケン伯爵が登場。あしゅらとの迷パートナーぶりを披露。
 ただし、「第3次」は、ブレストファイヤーの燃費が極端に悪かったのが難点。

 外伝の「EX」では、「マサキの章」の主力スーパーロボットであり、HPや攻撃力が強化され、ボス敵に対する壁役として大活躍する。
 ただし、2回行動のできる味方が多いので、ザコ戦では、戦場に駆けつけるのに間に合わないのが欠点。それでも、打たれ強さと攻撃力は群を抜いていたのだが……PSでリメイクされた時には、「第3次」のデータに基づくため、評価ガタ落ちに。
 また、ボスボロットに補給装置がついたのは、この作品からである。

 そして、ひとまずの最終作「第4次」では、精神コマンド「鉄壁」が初登場。これは当時、マジンガー系主人公だけに与えられていた。
 「鉄壁+必中」で、押し寄せてくる敵のヘビーメタルやMS、オーラバトラーを次々と撃破していた雄姿は、シリーズ最強だと考える。
 また、ロケットパンチが初めて、移動後攻撃可能な飛び道具として扱われ、使いやすさが格段に増した。
 敵キャラとして、ようやく御大のドクターヘルが登場。
 「EX〜第4次」のマジンガーは、まさに「鉄の城」として、印象深い。

 付け加えるなら、「第4次」から本格的に加えられたデモ映像で、「発進シーン」や「スクランダー合体」が再現されているのも快い。声の入った「第4次S」では、「マジーンゴー! パイルダーオン! スクランダークロース!」と兜甲児が叫び、流れるBGMも「Zのテーマ」と「空飛ぶマジンガーZ」で、当時、最高の臨場感を味あわせてくれた。

●スパロボでのマジンガーZ:2(新たな活躍の場を目指して)

 仕切り直しとなった新たな物語「新」では、宇宙編に参加。MSばかりの自軍の中で、数少ないスーパーロボットとして、ダンクーガとともに暴れまわった。この作品では、「マジンパワー」という特殊能力を取得。気力が130を越えると、攻撃力が約2倍になるという強力さを発揮。
 この作品では、「頭に金魚鉢をかぶって、ミサイルを抱えたスーパーボスボロット」が登場。今まで出られなかった宇宙でも活動可能で、マップ兵器まで持つという進化ぶり。兜甲児がボスボロットに乗りたがったのは、この作品くらいである。
 また、あしゅら男爵が男女のハモった声で初めて喋ったり、ボスの子分のヌケやムチャが登場していたり、ブレストファイヤーのカットインが初めて描写されたり、など、いろいろ話題が多い。
 もっとも、この作品は、「スパロボの歴史」から抹消されている感がある。

 続く「F&完結編」は「第4次」のリメイクだが、データが大幅に見直され、が弱くなった感あり。
 というか、敵が撃たれ強くなったので、一撃破壊が困難になり、「鉄壁+必中」の効果が少なくなった。
 さらに、ヘビーメタルWガンダム系など、を超える頑丈さを持つ機体が続出。「鉄壁」を持つキャラも増えて、「ATフィールド」という絶対不可侵防壁を誇るエヴァまで現れては、「鉄の城」の存在意義も揺らぐ、というものである。
 頼みの綱の後継機マジンカイザーだが、登場が遅すぎる割に、決定的な強さを持っていない。時代はイデオンガンバスターGガンダムに移っていたわけだ。
 そんなマジンガーのメリットは、ヒロインロボットの修理装置ボスボロットの補給装置による経験値稼ぎができるようになったこと。これで、時間さえかければ、パイロットのレベルを99にできる。これができるのは、MSパイロットとマジンガーパイロット、コン・バトラーのバトルマリンだけである。ついでに言えば、この作品以降、ノーマルのボスボロットも宇宙で活動可能になった。

 またシステム面で特筆することに、武器のフル改造による武装追加が挙げられる。
 マジンカイザーと2択でもらえる強化型マジンガーZでは、「ロケットパンチ」フル改造→「大車輪ロケットパンチ」、「ブレストファイヤー」フル改造→「マップ兵器ブレストファイヤー」が追加された。
 これにより、決して高い性能とはいえないまでも、プレイヤーの愛情(=改造)次第では、非常に強く成長し得るユニットとして、マジンガーZは扱われたのである。

 次に、が登場したのは、「COMPACT」
 こちらでは、「大車輪ロケットパンチ」が標準装備。以降、携帯ゲーム機では、「大車輪ロケットパンチ」が常備化され、の魅力となっている。「64」では「F完結編」同様の武器フル改造による特典、「αシリーズ」では強化型マジンガーの標準装備として扱われ、の魅力を保ちつづけるための、スタッフの苦心がうかがえる。
 また、この作品で久々に、ミネルバXが再登場して説得可能になったことも、付け加えておこう。

●スパロボでのマジンガーZ:3(グレートとともに)

 の扱われ方が変わったのは、「64」以降と考えられる。
 それは、これまで比較的地味な存在だったグレートマジンガーの作品世界に光が当てられたことによる。
「64」では、これまでZのライバルキャラとして登場しつづけたあしゅら男爵、すなわちドクターヘル一党が登場しない。
 代わりに登場するのが、
暗黒大将軍ヤヌス公爵、そしてドクターヘルの生まれ変わりの地獄大元帥である。すなわち、「64」での世界観は「グレートマジンガー」の物に移っていたのだ。
 そんな中で、には新たに
「合体攻撃」という恩恵が与えられた。グレートゲッターらと協力して、強力な必殺技を発動できる、魅力あるオプションである。
 には、グレートとの合体技「
ダブルバーニングファイヤー」「ダブルマジンガーブレード」、ゲッターとの合体技「ツインビーム」、グレート&グレンダイザーとの合体技「トリプルマジンガーパンチ」「マジンガートルネード」、さらに真ゲッターを加えた「ファイナルダイナミックスペシャル」が用意されている。
 おまけに、には珍しいゲストとして、「
エリカ」という女性キャラが登場する。非常にマイナーなキャラで、印象は薄いんだが。

 次の作品「COMPACT2」では、援護行動(サポートアクション)というシステムが追加されている。これは、「合体攻撃」とは違った形で追加攻撃を加えたり、また、攻撃された味方をかばったりできるシステムである。
 は、強固な装甲によるサポートガード、長射程の大車輪ロケットパンチによるサポートアタック、そしてサポート回数の多いパイロット兜甲児によって、援護行動に長けたユニットとなっている。
 信頼できる仲間との協力、これがが新たに獲得した武器であると考えられる。

 PSでの王道「α」そして「α外伝」はこれまで以上に、グレートのドラマを盛り上げている。「α外伝」については、後述するグレートの方に話を譲ろう。ここでは、「α」に注目したい。
 まず、「α」の当初、には決定的な弱点が強調される。それは、空が飛べないこと。
 「α」のゲームシステムでは、新たに高低差による命中率の変化が再現された。すなわち、飛行ユニットは地上ユニットに攻撃を命中させやすく、また相手の攻撃を避けやすくなった。これにより、地上ユニットは飛行ユニットに対して、不利な戦いを強いられることになる。
 「空飛ぶ機械獣に対して苦戦するマジンガーZ」が、プレイヤーの実感として体験できるのだ。もちろん、これによって「ジェットスクランダー」の価値は飛躍的に高まった。
 そして、のピンチは、シナリオ「マジンガーZ対暗黒大将軍」においても、イベント的に演出される。この時、の気力は50に低下。戦闘獣を攻撃してもダメージは微小で、逆に受ける攻撃はことごとく大ダメージ。まさに絶体絶命のZを救うべく現れたのが、気力150のグレートマジンガー。今度は逆に、グレートが超越的な強さを示す。まさに劇場版の再現である。
 「F完結編」「64」でも、のピンチをグレートが助けに来るシナリオはあったが、その中でも白眉は「α」だと考える。ただ、ゲームシステム的には、少々やらせ的な感もあるけれど。

 付け加えるなら、「α」では、コクピット機のホバーパイルダーの分離が再現されている。
 「α外伝」では、いつの間にやらジェットパイルダーになっている芸の細かさがいい。

 そして、「A」では、「援護行動」と「合体攻撃」の同時採用がなされ、ますますは使い甲斐のあるユニットとなっている。甲児くん鉄也くんの不協和音もますます盛んになってきて、ドラマも充実しているようだ。
 新たな合体攻撃としては、「ドリキャスα」で採用されたグレートとの「ダブルマジンガーパンチ」が挙げられる。
 他に、ヒロインロボット2体による胸ミサイルの一斉発射「デュアルミサイル」が初登場。
 ボスボロットもマップ兵器ではない初の飛び道具「ボロットプレッシャーパンチ」を獲得できるようになっている。

 続く「IMPACT」はどういう展開を見せていくか、ますます楽しみである。

PS:少なくとも、「α外伝」「A」を終えないことには、グレートマジンガーについては書けそうにないですね(^^;)

レギュラーとして安定した実力を示した。

2.マジンカイザー(2001年記述)

 「F(完結編)」以降登場するスパロボ出自の新型マジンガー。
 2001年現在、「F完結編」「α」「α外伝」の3作品に登場。
 また、2001年秋より、OVA展開がされている。それ以前にも、CDドラマなどでメディア展開されていた。

 その原型を辿れば、グレートマジンガー終了後、企画されていたマジンガーシリーズ完結編「ゴッドマジンガー」に至る。「ミケーネ闇の帝王」との決着編である、この作品は企画されたものの日の目を見ず、続編「UFOロボ グレンダイザー」における兜甲児の再登場にのみ、痕跡をとどめている。
 「ゴッドマジンガー」企画版のストーリーは、ミケーネの新勢力の台頭により、グレートマジンガーが破壊され、パイロットの剣鉄也が重傷を負い炎ジュンが戦死するなど、ハードな始まりである。その後、新開発されたゴッドマジンガーに甲児が乗り込む。鉄也は一戦を退き、戦闘指揮官として甲児をサポート、グレート終盤の葛藤を経て固い絆で結ばれた二人が、時には激しく意見をぶつけ合いながらも、協力してミケーネ闇の帝王との戦いを続ける展開だったらしい。
 その後、ムー大陸伝説に題材をとったアニメ「ゴッドマジンガー」が放送されたが、内容は「マジンガーZ」の世界観とはまったくの別物であり、名前のみ眠っていた企画を引き出しただけだった。

 そうした裏事情が、「スパロボ」というゲームの発展によって結実したのが、「Z」のバージョンアップであるマジンカイザーの登場であると考えられる。
 (おそらく)声優の事情で、「F」には登場できなくなった「グレンダイザー」。その代わりに、登場したマジンガーシリーズの集大成が「マジンカイザー」と言えよう。その昔、アニメで実現しなかったZ、グレートの続編の「ゴッドマジンガー」が、ゲーム世界で姿を変えて復活したのだ。

 ちなみに、「マジンカイザー」の異名は「デビルマジンガー」というものだが、ダイナミックプロの団龍彦氏による小説「スーパーロボット大戦」では、敵ロボットの「デビルマジンガー」が新たにデザインされ、「マジンカイザー」には「ゴッドマジンガー」の異名が与えられている。
 「神にも悪魔にもなれる」がマジンガーZのキャッチフレーズだったが、マジンカイザーは「神であり、悪魔である」というのが、ほぼ公式的な見解だろう。

 こうして登場した「マジンカイザー」だが、作品によって若干、設定が異なっている。

 初出の「F完結編」では、「マジンガーZにゲッター線を浴びせて進化させた機体」となっており、「真ゲッターロボ」という先達を引き継いだ設定がなされている。
 その後、「α」では、「人の力では制御困難なため、光子力研究所の第七格納庫に封印されていたプロトタイプのマジンガーZ」とされている。言わば、「マジンカイザー」をマイナーダウンさせたのが「マジンガーZ」というわけだ。
 どちらの設定にも魅力があるが、前者は「ゲッターとの共演」というスパロボ世界の約束事が前提であるのに対し、純粋にマジンガーワールドだけで話を作ろうと思えば、やはり後者の設定を公式と見なすべきではないだろうか。

 次に、ロボットの性能を見てみよう。
 マジンカイザーのコクピットは、カイザーパイルダーと呼ばれる。これは、名前こそパイルダーだが、デザイン的にはグレートのコクピット機ブレーンコンドルの進化形である。
 武装は、本来のをパワーアップしたものが採用されてある。
 挙げていけば、
光子力ビーム(Zと同じ目からのビームだが、威力が増している)
ギガントミサイル(ミサイルパンチの強化版)
ルストトルネード(ルストハリケーンの強化版)
ターボスマッシャーパンチ(ロケットパンチの強化版)
ファイヤーブラスター(ブレストファイヤーの強化版)

 それ以外に、翼が内蔵式なのは、グレートマジンガーを引き継いだものである。グレートを引き継いだ武装として、次のものが挙げられる。

ジェットブーメラン(グレートブーメランの発展? 翼を投げるのは、少し大技っぽい)
ショルダースライサー(マジンガーブレードの発展? 肩に仕込まれた長剣)

 さすがに、グレートのアイデンティティーとも言える「サンダーブレーク」や、改造と特訓によって生み出した2つのキック技を採用していない点は、気配りと言えるかな。代わりに、オリジナル武装として、マップ兵器の「ダイナマイトタックル」を使用可能。

 このように、武装を初めとして、グレートの後継者たるに遜色ない存在感をもった機体、それがマジンカイザーなのである。

●スパロボでのマジンカイザー

 まだ、3作品にしか登場していないメカで、その魅力の多くは、オリジナルのを受け継いだ点にあるのだが、ここではスパロボでのマジンカイザーの扱いについて、個人的な体験を思い返しながら触れていこう。

 まず、初登場の「F」だが、「完結編」との2本に分かれたことで、ファンは相当ヤキモキさせられた。「F」発売前から、登場が予告されていたのに、実際には半年後の「完結編」発売まで、その雄姿を拝めなかったからだ。
 
「F」では、敵が打たれ強くなったため、マジンガーZは従来どおりの活躍が難しくなっていった。そして、敵味方の強さがインフレ状態に入った「完結編」では、もうは旧型ロボ扱いである。最初は、エヴァのアスカをバカにし、やがてはボスにまでバカにされて、悔しがる甲児君が見られる。
 ちなみに、
「完結編」で目立って性能が頭打ちになった主役メカは、他にシャイニングガンダムZガンダムなどが挙げられる。

 そして、グレートマジンガーという圧倒的に性能の高い上位機種の登場を経て、の弱体化が頂点に達したとき、マジンガーZ強化計画が発動する。こうして登場するのが、マジンカイザー(あるいは強化型マジンガーZ)である。
 しかし、NOVAが最初にプレイした際のマジンカイザーのデビュー戦は、あまり芳しいものではなかった。何せ、敵が強敵・第14使徒ゼルエルや、ゲスト軍団である。マジンカイザーは無改造状態であった(の改造を引き継がない)が、そうと気付かずに性能を過信して敵に突撃したため、たちまちボロボロになり、精神コマンド「ド根性」のお世話になることに(;;)。
 その後も、マジンカイザーの使い方を模索するうちに、最初のプレイは終了。2度目は、強化型マジンガーZの「大車輪ロケットパンチ」の使い勝手のよさを堪能するうちに、NOVAの頭の中では、マジンカイザーよりも強化型Zの方に愛着を覚えるようになった。
 マジンカイザーが水木一郎の歌う当時の
新曲「マジンカイザー」の歌でなく、従来の「マジンガーZ」の歌をバックに戦うのも不満だった。

 そして「COMPACT」「64」で、の魅力を改めて堪能した後で、「α」をプレイする。
 こちらは、戦闘時のバックミュージックが「マジンカイザー」に変更され、「F完結編」での不満を解消してくれた。
 また、
「α」でのマジンカイザーの初陣の相手は、量産型グレートマジンガー9体である。一見不利な戦いだが、本作におけるグレートマジンガーのデビュー戦と同じように、ここでも気力の増減により、圧倒的多数の敵を難なく退ける無敵のマジンカイザーの戦いが堪能できるのだ。
 よりも圧倒的に強いグレート、例え量産型とはいえ、それらの大軍を寄せ付けないマジンカイザーの姿は、NOVAの心に感動をもたらした。

 「α外伝」では、マジンカイザーがゴーゴン大公に奪われたり、真ゲッターと戦ったりするなど、燃えるシチュエーションがあるようだが、まだそこまでプレイを進めていないので、いずれ自分の目で見てから書くことにしたい。