2.マジンカイザー(2001年記述) 「F(完結編)」以降登場するスパロボ出自の新型マジンガー。
2001年現在、「F完結編」「α」「α外伝」の3作品に登場。
また、2001年秋より、OVA展開がされている。それ以前にも、CDドラマなどでメディア展開されていた。 その原型を辿れば、グレートマジンガー終了後、企画されていたマジンガーシリーズ完結編「ゴッドマジンガー」に至る。「ミケーネ闇の帝王」との決着編である、この作品は企画されたものの日の目を見ず、続編「UFOロボ グレンダイザー」における兜甲児の再登場にのみ、痕跡をとどめている。
「ゴッドマジンガー」企画版のストーリーは、ミケーネの新勢力の台頭により、グレートマジンガーが破壊され、パイロットの剣鉄也が重傷を負い、炎ジュンが戦死するなど、ハードな始まりである。その後、新開発されたゴッドマジンガーに甲児が乗り込む。鉄也は一戦を退き、戦闘指揮官として甲児をサポート、グレート終盤の葛藤を経て固い絆で結ばれた二人が、時には激しく意見をぶつけ合いながらも、協力してミケーネ闇の帝王との戦いを続ける展開だったらしい。
その後、ムー大陸伝説に題材をとったアニメ「ゴッドマジンガー」が放送されたが、内容は「マジンガーZ」の世界観とはまったくの別物であり、名前のみ眠っていた企画を引き出しただけだった。 そうした裏事情が、「スパロボ」というゲームの発展によって結実したのが、「Z」のバージョンアップであるマジンカイザーの登場であると考えられる。
(おそらく)声優の事情で、「F」には登場できなくなった「グレンダイザー」。その代わりに、登場したマジンガーシリーズの集大成が「マジンカイザー」と言えよう。その昔、アニメで実現しなかったZ、グレートの続編の「ゴッドマジンガー」が、ゲーム世界で姿を変えて復活したのだ。 ちなみに、「マジンカイザー」の異名は「デビルマジンガー」というものだが、ダイナミックプロの団龍彦氏による小説「スーパーロボット大戦」では、敵ロボットの「デビルマジンガー」が新たにデザインされ、「マジンカイザー」には「ゴッドマジンガー」の異名が与えられている。
「神にも悪魔にもなれる」がマジンガーZのキャッチフレーズだったが、マジンカイザーは「神であり、悪魔である」というのが、ほぼ公式的な見解だろう。
こうして登場した「マジンカイザー」だが、作品によって若干、設定が異なっている。
初出の「F完結編」では、「マジンガーZにゲッター線を浴びせて進化させた機体」となっており、「真ゲッターロボ」という先達を引き継いだ設定がなされている。
その後、「α」では、「人の力では制御困難なため、光子力研究所の第七格納庫に封印されていたプロトタイプのマジンガーZ」とされている。言わば、「マジンカイザー」をマイナーダウンさせたのが「マジンガーZ」というわけだ。
どちらの設定にも魅力があるが、前者は「ゲッターとの共演」というスパロボ世界の約束事が前提であるのに対し、純粋にマジンガーワールドだけで話を作ろうと思えば、やはり後者の設定を公式と見なすべきではないだろうか。
次に、ロボットの性能を見てみよう。
マジンカイザーのコクピットは、カイザーパイルダーと呼ばれる。これは、名前こそパイルダーだが、デザイン的にはグレートのコクピット機ブレーンコンドルの進化形である。
武装は、Z本来のをパワーアップしたものが採用されてある。
挙げていけば、
・光子力ビーム(Zと同じ目からのビームだが、威力が増している)
・ギガントミサイル(ミサイルパンチの強化版)
・ルストトルネード(ルストハリケーンの強化版)
・ターボスマッシャーパンチ(ロケットパンチの強化版)
・ファイヤーブラスター(ブレストファイヤーの強化版)
それ以外に、翼が内蔵式なのは、グレートマジンガーを引き継いだものである。グレートを引き継いだ武装として、次のものが挙げられる。
・ジェットブーメラン(グレートブーメランの発展? 翼を投げるのは、少し大技っぽい)
・ショルダースライサー(マジンガーブレードの発展? 肩に仕込まれた長剣) さすがに、グレートのアイデンティティーとも言える「サンダーブレーク」や、改造と特訓によって生み出した2つのキック技を採用していない点は、気配りと言えるかな。代わりに、オリジナル武装として、マップ兵器の「ダイナマイトタックル」を使用可能。 このように、武装を初めとして、Zとグレートの後継者たるに遜色ない存在感をもった機体、それがマジンカイザーなのである。
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