1 |
ゴジラ
(伊福部氏作曲の作品は
以降、黄セル) |
1954年11月
(昭和29) |
日本最初の特撮怪獣映画。
白黒のゴジラは最も恐ろしく見える。
反核反戦の主張が根底にある。
この作品については、この場で、
NOVAがあれこれ論評するよりも、
「ゴジラ」について語るなら原点から見るべし、
と勧めておきます。 |
2 |
ゴジラの逆襲 |
1955年4月
(昭和30) |
日本初の怪獣対決映画。
アンギラスを倒した2代目ゴジラは、
最後に氷山に生き埋めになる。
物語的には、まだ戦争の名残が見られるが、
大阪を舞台にした「飛行機パイロット」の
友情・愛情・人情物語と見ることも可能。
製作期間的には……前作の半年足らずと
いうことで、少々手抜き感も感じるが、
ノウハウも固まっていない頃に、積極的に
作品を作ろうとする意欲の方を重視したい。 |
3 |
キングコング対ゴジラ |
1962年8月
(昭和37) |
ゴジラ初のカラー映画。
ゴジラが青い放射能火炎を
放つのもこの映画から。
ここから、ゴジラ映画の雰囲気が陽性化。
主人公側が、ゴジラではなく、キングコングを
応援するのも、初期の特徴かと。 |
4 |
モスラ対ゴジラ |
1964年4月
(昭和39) |
NOVAが初めて見たゴジラ映画。
親の仇を討つ双子の幼虫モスラが
けなげでいい。
憎らしげな悪役ゴジラもいい。
人間の立場から見て善悪にシフトするゴジラと違い、
常に「人と自然の調和」を志すモスラは、
仲介役である小美人とも相まって、
完全にキャラが確立しているようだ。 |
5 |
三大怪獣
地球最大の決戦 |
1964年12月
(昭和39) |
キングギドラのデビュー作。
隕石から炎をまとって
出現する姿が格好いい。
また、ラドン対ゴジラという
珍しい戦いも見られる。
(その後、同カードは、
「VSメカゴジラ」や「FINAL WARS」でも
披露されたが、ゴジラの勝利に終わる。
NOVA的には、ラドンはゴジラの「空の相棒」
という位置づけが好み) |
6 |
怪獣大戦争 |
1965年12月
(昭和40) |
ゴジラ映画に、それまで東宝映画が培ってきた
宇宙人の侵略SFを組み合わせた作品。
ゴジラがシェーをした作品でもある。
X星人は、「FINAL WARS」でも、リメイク登場。 |
7 |
ゴジラ・エビラ・モスラ
南海の大決闘 |
1966年12月
(昭和41) |
ゴジラ映画に南洋冒険物を
組み合わせた作品。
でも、本当はキングコングを
主役にする予定だったらしい。 |
8 |
怪獣島の決戦
ゴジラの息子 |
1967年12月
(昭和42) |
ゴジラの息子ミニラが生まれる。
ここからミニラ3部作とも言える。
前作辺りから、「怪獣島」という設定が生まれ、
昭和ゴジラの本拠地と見なされるようになる。
(前作のレッチ島、今作のゾルゲル島など、
固有名詞は異なるが、次作において、
「小笠原諸島のどこか」、に定着したようだ) |
9 |
怪獣総進撃 |
1968年8月
(昭和43) |
怪獣大戦争のグレードアップ版。
とにかく11大怪獣登場が圧巻。
地球側の戦闘機ムーンライトSY3も
大活躍して格好いい。
個人的には最高傑作としておく。 |
10 |
ゴジラ・ミニラ・ガバラ
オール怪獣大進撃 |
1969年12月
(昭和44) |
完全に子供のための作品。
ゴジラは子供の空想世界に登場。
細かい理屈を考えるのではなく、
「ジュブナイル作品」として受け止めたい。 |
11 |
ゴジラ対へドラ |
1971年7月
(昭和46) |
公害怪獣ヘドラとの死闘。
ゴジラが空を飛ぶ映画。
反戦から反公害へと、世相の変化を
ダイレクトに伝えた作品。
しかし、自分の生まれたのが、ヘドラの年とは……
その点は、あまり嬉しくない(苦笑)。 |
12 |
地球攻撃命令
ゴジラ対ガイガン |
1972年3月
(昭和47) |
ガイガンとの死闘はシリアスだが、
ゴジラがマンガのフキダシで
しゃべったりもする。
それが許せるなら、まあ楽しめる。
宇宙刑事ファンには、コム長官の若い姿が
見られるのが楽しい。 |
13 |
ゴジラ対メガロ |
1973年3月
(昭和48) |
ゴジラマニアには一番の不人気作。
でも、正義のロボット・ジェットジャガーの
活躍が見られるのは、この作品だけ。
まあ、マニア的ツッコミどころも豊富な作品なので、
そういうのが好みの人には、格好の素材かと。 |
14 |
ゴジラ対メカゴジラ |
1974年3月
(昭和49) |
72年の沖縄復帰を記念して、舞台は沖縄。
メカゴジラは文句なしに格好いい。
岸田森氏も格好いい役どころ。 |
15 |
メカゴジラの逆襲 |
1975年3月
(昭和50) |
怪獣の戦いはおまけ。
見るべきは、メカゴジラ2を操る
サイボーグ少女の悲劇でしょう。
圧巻は、オープニングで、
「ゴジラのテーマ」アレンジに乗って、
前作のダイジェストが延々流れるところ。
本編よりも燃える……って言うのも、
本編は、メロドラマなもので。 |
16 |
ゴジラ |
1984年12月
(昭和59) |
9年ぶりに復活したゴジラ。
内容は、大人の政治映画。
東京上空で核爆発の危機。
スーパーXの初登場。
ヒロインは、沢口靖子。
「ゴジラ復活!」を意識しすぎて、
少しマジメに作りすぎた気はする。
アップ撮影用の「サイボット・ゴジラ」が
当時、話題になった。 |
17 |
ゴジラVSビオランテ |
1989年12月
(平成1) |
沢口靖子が前作に続いて
(違う役で)登場。
彼女の細胞が
ビオランテ(の一部)になる。
注目は、ゴジラVS自衛隊。
(スーパーX2もいいぞ)
主演は、三田村邦彦だったりも。
また、VSシリーズのヒロイン
三枝美希のデビュー作でもある。
なお、当映画の作曲は、
「帰ってきたウルトラマン」のオープニング、
「サイボーグ009(79)」の音楽、
そしてRPG「ドラゴンクエスト」の作曲家
すぎやまこういち氏であるが、
伊福部氏の『OSTINATO』からの
流用曲も見られ、伊福部氏復活の
プレリュード的作品とも言える。
また、この作品以降、『ゴジラのテーマ』が
劇場映画で定着、たびたび流用されるように
なる。
他にも、「新マン」のレオゴンの話で有名な
小林晋一郎氏が脚本を書いたことでも、
特撮業界的には、注目に値する作品といえる |
18 |
ゴジラVS
キングギドラ |
1991年12月
(平成3) |
ストーリーは時間移動モノ。
ゴジラ誕生秘話まで映像化される。
メカキングギドラの技術が、
後の作品世界を広げる重要要素に。
この作品にて、伊福部氏の曲が、
ゴジラ映画で16年ぶりに復活。 |
19 |
ゴジラVSモスラ |
1992年12月
(平成4) |
主役は、ゴジラではなく、モスラ。
ゴジラのいない96〜98年末を
引っ張ってくれた平成モスラ3部作の
原点的作品。
でも、メカ好きには、メーサーヘリしか
見るところがない。
モスラのライバル・バトラは、
メガギラスの原点とも思えるデザイン |
20 |
ゴジラVS
メカゴジラ |
1993年12月
(平成5) |
新デザインのメカゴジラは、
旧作と違って重厚な魅力。
でも、人類側の兵器って、
故障しやすい印象があるけれど、
飛行ユニットと合体した
スーパーメカゴジラは格好いい。
また、「地球最大の決戦」であった
ゴジラVSラドンが、この作品でも描かれた。
このとき、死んだラドンが、ファイヤーラドンと
なってゴジラをパワーアップさせる。
そして、ゴジラの炎がそれまでの青から
灼熱の赤になるなど、見せ場は多い。
あと、この作品に登場したベビーゴジラが
この後のVSシリーズを引っ張る存在となる。
NOVAには、総合評価としてVSシリーズ
最高作品。 |
21 |
ゴジラVS
スペースゴジラ |
1994年12月
(平成6) |
VSシリーズでは外れかな。
合体ロボとなった新モゲラは
格好いいけどね。
リトルゴジラの造形とか、いろいろ
ツッコミたい点がある。 |
22 |
ゴジラVS
デストロイア |
1995年12月
(平成7) |
ゴジラの最期が描かれる。
デストロイアは人間を襲う
分離形態の方が良かったかな。
メカ好きは、スーパーX3に注目。
最後に放射能を吸収した
ゴジラJrのその後が気にかかるが、
その後、語られることはなし。
2006年、伊福部氏の逝去により、
氏の最後のゴジラ作品ともなった。 |
23 |
ゴジラ2000
ミレニアム |
1999年12月
(平成11) |
復活という前評判・宣伝に比べて、
NOVAが最も幻滅した作品。
オルガナイザーGって、
G細胞とどこが違うの?
VSシリーズを白紙に戻す必要が
まったく感じられない設定。
特撮物では「復活」を意識しすぎると、
マジメに作りすぎて、陽性のエンターティメントから
外れてしまうような傾向が見られる。
TV作品なら、途中で路線変更もありだけど、
劇場作品だと、やはり「復活作品には
お祭り的明るさ」を望む。
(「FINAL WARS」後の復活があるとして) |
24 |
ゴジラXメガギラス
G消滅作戦 |
2000年12月
(平成12) |
ミレニアムの設定も白紙に戻して、
新たなゴジラの物語が始まった(と思った)。
実際に鑑賞しての評価は高得点。
ゴジラ消滅に専念する人間と、
人間の思惑を介さずに対決する
2大怪獣の死闘を描く傑作。 |
25 |
ゴジラ・モスラ・キングギドラ
大怪獣総攻撃 |
2001年12月
(平成13) |
新作はまたも別設定。
平成ガメラの金子修介監督を
招いての壮絶な怪獣決戦物。
破壊の限りを尽くすゴジラに対し、
戦いを挑むヤマト神獣軍団。
ヤマト神獣の中には、モスラや、
キングギドラ、バラゴンといった
東宝怪獣が復活。
でも、ゴジラが強すぎて、
次々と散っていくんだよなあ。
華々しい決戦よりも、
重苦しい情念の方が目立つ作品。
特撮はいいんだけど、ドラマ重すぎ。
この作品から「ハム太郎」が
同時上映になった点も、
NOVA的にはマイナス評価。 |
26 |
ゴジラXメカゴジラ |
2002年12月
(平成14) |
手塚監督の「Xシリーズ」第2弾。
「メガギラス」の直接的続編ではないが、
NOVAの感性にはピッタリハマった。
「3式機龍」と名付けられたメカゴジラと
釈由美子演ずる孤高の女主人公の
絆を描いた作品。
メカ好きのNOVAの目には、
機龍の格好良さが最高に映りました。
それと、特撮ファンの注目は、
仮面ライダーシリーズから
ギルス涼とオルタナティブ仲村が、
機龍隊のパイロットとして登場している
点も見逃せない。
もちろん、東宝特撮ファンには、
水野久美の出演もトピックでした。
ラストは、ゴジラと機龍が痛み分けに
終わり、決着は次作に持ち越される。 |
27 |
ゴジラXモスラXメカゴジラ
東京SOS |
2003年12月
(平成15) |
手塚監督の「Xシリーズ」第3弾にして、
「機龍シリーズ」の続編。
前回、世界観の回想シーンで登場した
モスラが今回、参戦。
(ついでに、カメーバもゴジラに殺された
死体として顔見せ登場)
主人公は、ガオレッド役の金子昇。
「オレは獣医だ」の彼が、今回は、
「機龍の修理役の整備士」の役。
アメリカに転属となった釈由美子も
きっちり登場して、機龍への想いを
バトンタッチするシーンも描かれ、
前作ファンを納得させてくれた。
モスラの造形も、旧モスラしていて良し。
過去作品へのオマージュ要素が、
新たな作品に過不足なく盛り込まれ、
機龍のメカニック描写を中心とした
新要素も堪能できた。 |
28 |
ゴジラFINAL WARS |
2004年12月
(平成16) |
現段階(2006年)で、最後のゴジラ映画。
久々に、一本立ての大作映画で、
侵略者・X星人の陰謀に立ち向かう
人類側のSFアクション大攻防と、
ゴジラがX星人に操られた怪獣群を次々と
粉砕していく怪獣映画の楽しみを
たっぷりと満喫できる。
ミニラやアンギラスなどの復活怪獣群、
そして海底軍艦・轟天の登場
(マンダとの対決もあり)、
X星人といえば水野久美などなど、
シリーズファンに向けた
パロディやオマージュ的ネタも豊富で、
「燃え・シリアス・ギャグ」の3拍子そろった、
お祭り映画的傑作。
そして、この作品一番の注目は、
ゴードン大佐の格好良さに尽きるでしょう。 |