レストア編:ハンダを使った錆び穴埋め | ||
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ぱっと見は綺麗ですが…。
うちのデボネアも購入から2年が経ち、 屋根などに錆びが目立つようになって きました。しばらくは見て見ぬふりを したり、サビ変換剤でゴマ化したりし ていたのですが、いよいよレストアを 決意、錆取り生活に踏み出しました。 |
1.現状確認 | |
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ある日の洗車中、塗装面に細かなヒビ割れがあるのに気づきました。 大した事はなかろうと放置していたのですが、ちょっとつついてみ たら、何だかイヤ〜な予感。 | |
ついつい調子に乗って剥がしてみると…! 錆びた鉄板が「コンニチワ」。ヒビが鉄板まで到達して雨水が浸透、 塗膜と鉄板の間でひそかにサビが進行したようです。他のヒビ割れの下も全部こんな状態なのでしょうか…?物理原則に則って、エントロピーがもりもり増大しているイヤな予感がします。 最初はメゲましたが、ペリペリめくるのがつい楽しくて、やたらと めくってしまいました。これが後に悲劇を招く…?その日のうちに処理できない範囲をめくってしまうと、いたずらにサビの進行が進むだけです。 | |
この屋根はパテ製なのかっ…!! 信じがたいことでしたが、うちの車は屋根全面にわたってパテが盛 られているようでした。これは「ブライダル仕様車」の宿命のよう です。最も厚いところで4mmもパテが盛られていました。(磁石がくっつかないので怪しいと思ってました) そして、ヒビの下にはサビが予想外の範囲に広がっているような雰囲気です。 それにしても、車体だと思って洗車したり磨いていたりしていた部分がパテだったとは…。 | |
2.サビ退治 | |
一般的な電動工具&カップブラシで削り取る方法で、サビを削り落とします。 パテとサビの粉が飛び散ってもいいように新聞紙で覆って作業を進めます。 しかし、サビに到達する以前に、屋根全面に盛られたパテが行く手を阻みます。割れ目からめくる、タガネでハツる、サンダーで削ると臨機応変にパテを剥がしていきます。全身粉だらけ…サビ取り前に労力を使い果たしてしまいそうです。 カンペのリムーバーも使ってみましたが、表面からわずかな部分だけが軟化してぬぐえるだけで、物理攻撃の方が有効でした。 | |
3.穴あいた | |
サビを追っていくと2mmほどの穴があきました。 ここまで進行しているとは思っていなかったのでしばらくボーゼンとして しまいましたが、近所の自然に還りつつある草ヒロを見て、やる気を取り 戻しました。現実逃避に散歩に出たのね…(笑) 「あれ起こす事考えたら全然マシ」と思いました。 山中から拾ってきた ダイハツオート3輪を復活させた川原さん曰く、「サビは友達」だそうで、サビを敵視していた私にとっては目からウロコ、神の啓示にも等しい言葉でした。 | |
4.ハンダで埋める | |
この程度の穴ならハンダで埋められそうです。パテの金属との密着性にすっかり不信を抱いてしまった私にとって、金属素材で穴が埋められるこの方法は理想的。ハンダ自体も模型工作で使い慣れた素材です。
使用ハンダ:板金用(ヤニ入りじゃないもの) ハンダゴテ:40Wの電気配線用 -> 100Wの板金用 40Wのコテでも出来なくはなかったのですが、ボディパネル相手では熱が廻るのに時間がかかりすぎ効率が悪かったです。不精してバーナーであぶると、最悪の場合、内装材が燃えます。 板金用のハンダゴテは、なぜか都合良く実家にありました。 | |
盛りつけ 熱がしっかり廻っていないと、溶けたハンダが「乗っかっているだけ」 で、すぐ取れてしまいます。また、鉄板が汚れていたり錆が残っている と、鉄とハンダがうまく合金化しないのでしっかり磨きます。 ハンダ付けの促進剤として、真鍮細工などでは一般的にフラックスを使いますが、これは 塩酸に亜鉛を飽和するまで溶かしたもので、ハンダ付け後しっかり洗い 流さないと鉄も腐食させる諸刃の剣です。 今回は穴の中に流れ込んでしまう事を恐れてペーストを使いました。 | |
削る #120のサンドペーパーをブロックに巻いて削っていきます。ボディとツラいちになったら完成。 一回目はハンダがきっちり付いていなかったので、削っている最中にポロっと取れました。まぁそんな事もあるわな。 | |
5.塗装 | |
POR-15を使用 ペースト分が残らないようきっちり洗浄し、まずはMETAL-READYで下地処理。これは防錆塗料POR-15の喰いつきを良くする、との触れ込みです。 POR-15はハケ塗りでいけるので、こういった部分的な作業に向いています。吹き付けだとマスキングが大変かなーと思います。 色も黒なので、当面はこのまま行くつもり…。まだまだ屋根は広いです。 |