ここは私立四葉高等学校
一見見た目は普通の高校である
しかし、ここの生徒達は非常に個性豊かな人間が集まっている
自己中なうえ、人に奢らせまくる生徒
関西弁を操り、ハリセンを振り回す生徒
多少ボケた連中など・・・
このお話はこの学校の中で、比較的まともな人間に属しているであろうと思われる人の
ある日を追った記録である。
ある日常 〜鹿鳴館 時雨〜

ここは学校にある屋上
普段は人の出入りも多く、結構にぎやかな所である。
そんな所にやってくる一人の女性徒
名を鹿鳴館 時雨という・・・
「・・・・あれ?今日は誰も居ないんだ」
辺りを見渡しても空虚な空間が広がってるだけ
人一人居ない・・・話し声も聞こえない
「珍しいなぁ、ここに人が居ないなんて」
時雨はそう言うと、フェンスに向かって歩き出した
ここの屋上から見える景色は絶賛されている。
天気のいい日は海まで見えるという素晴らしい場所である。
ここを訪れる人間はだいたいここの景色を見に来るか、ここで寝るかのどっちかだ。
時雨はフェンスにもたれかかり
「今日はいい天気だなぁ。でも、何で人が居ないんだろ?」
時雨はふと考える。
だが、答えは出ず
「まぁいいか。しばらくしたら誰か来るよね」
そぅ自己完結した時雨は持ってきていた紅茶を開け、飲み始める
しばらくのんびりと景色を見ながら飲んでいると、不意に扉が開く音がする。
その奥からはダルそうに入ってくる一人の女生徒
「あっ、八尋せんぱ〜い、こんにちわ〜」
その声を聞き、八尋と呼ばれた女生徒が
「あぁ、肉まん娘か、こんにちわ〜」
愛想の良さそうな微笑みで返事をしてくる。
「あっ、ええもん飲んでるやんか〜、頂戴」
近づくや否や、時雨の飲んでいた紅茶を奪い、飲み干す
それに時雨は反応できず、ただ見守るだけであった。
「ぷはぁ〜、ご馳走さま」
大分軽くなった缶を返しながら、八尋は満足そうに言う
「・・・はぁ、お粗末様です・・・」
時雨にはそれを言うのが精一杯だった。
もはや空に近い缶を持ちながら、時雨はただ苦笑するのみだった。
「飲み物飲んだら何か腹減ってきたな〜、何か持ってない?」
悪びれた様子もなく、平然と言ってくる八尋に
「はぁ、クッキーなら持っていますが・・・」
そう言って鞄から袋を出すと
「おっ、さんきゅー。いや〜、金欠でな〜」
笑いながらその袋を奪い、食べ始める
時雨はもはやこうなるであろうと予測していたのか、大した動揺もせず
「八尋先輩って毎日お腹減らしてますね?バイトとかしてないんですか?」
一心不乱にクッキーを食べ続ける八尋が顔をあげ
「ん、面倒」
その一言でケリがついてしまった。
時雨は苦笑しか出来ず、ただ見守っていた。
「八尋先輩はここに何しに来たんです?」
「ん、ただええ天気やったから、何となく来てみたんや」
もはや、その手にあったクッキーは無くなっており、満足そうに言う
「そうですね♪今日は天気がいいので、海まで見えます」
嬉しそうにそっちの方向を指差す。その方向を向き
「ホンマやね〜、絶好の日向ぼっこ日よりや」
そのまま仰向けに横になる八尋
「あっ、それいいですね♪私もやりましょう」
そう言って、並ぶように横になる。
「ん〜、いい天気ですね〜、寝そうになりそうです」
時雨が言うが、返事は来ず、横を見ると、既に寝入っている八尋先輩の姿が・・
「くすっ、食べて寝て・・・まるで子供ですね」
時雨がクスクスと笑っていると、不意に扉が開く
その音に反応し、起き上がると
「あっ、神城せんぱ〜い」
声をかけられその男子生徒は正面を見据え
「あぁ、鹿鳴館やん、こんにちわ。日向ぼっこか?」
扉から入ってきた生徒 神城 梗耶は近くまで歩みより、話し掛ける
「えぇ、まぁそのようなものです。神城先輩はいつもの通り眠りに来たのですか?」
「まぁそや。俺がここに来る理由は大半がそれやからな」
笑いながら言い、横に眠っている生徒・・・八尋に目を向ける
「・・・これは?」
時雨はチラリと横で寝ている女性徒を見ながら苦笑
「見ての通り八尋先輩です。クッキーを食べたら横になって寝てしまいましたが・・」
一方、神城も少し見た後、ゆっくりと溜息をつく
当の本人はゆっくりと爆睡しているようだ。
「本能の赴くままに生きてるやっちゃな。こいつは・・・」
「あはは、それが八尋先輩ですから」
「くく、確かに・・・野生やしな」
互いに爆笑する。
ふと、神城が笑うのをやめ
「・・・そいや、今日はここの人口密度は少ないな・・・近々何かあったか?」
既に笑い終えていた鹿鳴館に目を向け
「さぁ?無かったと思いますけど・・・まぁここもこういう日がありますって」
「ん〜、そんなもんかの〜。まぁええけどな、寝やすい」
八尋と同じように近くのフェンスにもたれ、目を瞑りながら
「お休みですか?ごゆっくりと」
にこやかに言ってくる。
神城は軽く手を降り、そのまま眠りについた。
その様子を一通り見ていた鹿鳴館が
「・・・はぁ、また一人になってしまいましたね・・・
 もっとお話したかったんだけどな〜」
空を見上げ、そんなことを呟く
雲はゆっくりと流れ、太陽が輝いているある日常の風景だった。
□後書き□
さて、久々の執筆活動がこれでした(笑
いや〜、何というか、よくわかりませんね。
登場人物の半数が寝てるなんて(笑
まぁ、たまにはこういうのもあり気で、笑顔で許してくだされ(苦笑

鹿鳴館PLことシグ妹様に捧げます。
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