夢で逢えたら …… そして、?年後 …… ベッドの中から、クスクスと笑い声が漏れた。 「…どうかしたのか?」 これからという時に気分を壊されたのか、少し不機嫌な男の声。 「ううん…何でもないの。ただ、ね」 「?」 「小学生には、刺激が強すぎたなあと思って」 「…???」 出会った頃から現在に至るまで、今は妻となったこの女性の言動が、今だに彼には読みきれない。 まあ、そんなところがいつまでたっても可愛いと思うのが、惚れた弱みというものだろうが。 「それより…ねぇ…」 とろけるように甘い声で囁き、彼女は白く細い腕を絡ませてきた。 「一週間分の埋め合わせ、してくれるんでしょ…?」 「…ああ…」 枕元では、赤いリボンで結ばれた二匹のくまのぬいぐるみだけが、その睦言に小さな耳を傾けることを 許されていた。 − 終 − ≪TextTop≫ ≪Top≫ *************************************** (初出01.1 掲載サイト様は、既に閉鎖しておられます。) |