クリスマス・プレゼント



12月初旬の某日。
喫茶店にて、小狼と知世の会話。


小 狼「突然呼び出してすまない。
     …実は、大道寺に頼みたいことがあるんだ」

知 世「まあ、何でしょうか?」

小 狼「クリスマスに、さくらに似合う服をプレゼントしてやりたくて。
     でも、おれ女の子の服のことなんて判らないし、さくらのサイズも知らないし。
     それで大道寺に…」

知 世「まああぁ〜っ!李君からさくらちゃんのコスチュ−ムのオ−ダ−をいただけるなんて、
     光栄ですわ〜〜!!」

小 狼「いや、別に大道寺に作れとは。アドバイスしてくれれば、それで…」

知 世「(↑聞いてない)
     私の持てる技術の全てを尽くし、最高傑作にいたしますわ!!
     …それにしても、李君もお洋服をプレゼントとは…。(意味深な微笑)
     殿方が女性に服をプレゼントするのは、それを脱がす下心があるからと言いますわ」

小 狼「えっ!?いや、おれは別にそんなつもりじゃ…!!(///かあああ///)」

知 世「(↑聞いてない)
     そのお心にお応えして、ひそかに考案していた≪パズル式着脱型ドレス≫を
     お作りいたしますわ〜〜!!!」

小 狼「だ、大道寺…?」

知 世「(↑だから、聞いてないって)
     一つ、また一つ、ドレスを構成するパ−ツを脱がせるごとに露になる
     さくらちゃんの柔肌…。
     最後の一パ−ツまで、あなたのチラリズムをくすぐること間違いありません!!
     大道寺知世、お勧めの一品ですわ〜〜vv」

小 狼「お〜〜い、大道寺〜〜」

知 世「(↑だから、…略…)
     構造が複雑ですから、私がさくらちゃんの着付けをしなくては…。(妄想中)
     …おほほほ、おほほほほ〜〜。幸せ絶頂ですわああ〜〜〜〜vvv」


遥か彼方から戻ってこない知世の前を立ち去る小狼。
冷えた二組のティ−カップが残るテ−ブルの上には、彼が持ち去った支払い伝票の代りに
一枚のメモが置かれていた。

『都合により、注文は取り消させていただきます。 李小狼』

その後、夢から醒めた知世が≪パズル式着脱型ドレス≫を作ったかどうかは定かでない。



                                   − 終 −


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