ヒミツのアルバイト



1月某日。
さくらと知世、二人でショッピング中の会話。


知 世「あら?さくらちゃん、その指輪どうなさいましたの?」

さ く ら「えへへ。小狼くんがね、クリスマスプレゼントにくれたの♪」

知 世「まあ!ではもしや、婚約指輪!?」

さ く ら「ううん。本物はね、小狼くんが『もっと立派なものを贈るから』って…。(////)
     でもね、小狼くん学校が終わった後にアルバイトして、この指輪を買ってくれたんだって」

知 世「そうでしたの…あら?でもこれは…」

さ く ら「ほえ?」


翌日、星條高校にて。


さ く ら「小狼くん!!」

小 狼「なんだ、さくら?それに大道寺まで、二人で血相変えて」

さ く ら「小狼くん!アルバイトって、何やってたの!?」

小 狼「え゛っ?」

知 世「顔色が変りましたわね、李君。やはり…」

さ く ら「やっぱり!知世ちゃんが言ったとおり、時給の高い夜のバイトで女の人に
     お酒を注いだりダンスを踊ったりしていたんだ〜〜!!(泣〜)」

小 狼「は…?ちょ、ちょっと待て!!」

知 世「李君は英語も堪能ですし、ダンスもお上手。
     赤坂や六本木あたりでも充分通用しますわ」

小 狼「…って大道寺!!さくらに何を吹き込んだ!?」

さ く ら「…ちがうの?」
知 世「…ちがいますの?」

小 狼「当たり前だ!!!」

知 世「ですが、李君。
     普通のアルバイトでは短期間に百万相当の指輪は買えないと思いますが?」

さ く ら「そうだよ!昨日、知世ちゃんの知ってる宝石店で鑑定してもらって
     ビックリしたんだから!!一体、何のバイトしてたの!?」

小 狼「…聞いても、泣かないか…?」

知 世「さくらちゃんを泣かせるようなバイト…。
     ま、まさか李君、女の方ではなく殿方のお相手を…」

さ く ら「しゃ、しゃおらんくん〜〜!?!?」

小 狼「…大道寺…。頼むからこれ以上、話をややこしくしないでくれ。
     いいか、さくら。おれがやっていたのは…」

さ く ら「……。(ごくっ)」
知 世「……。(わくわく)」

小 狼「除霊だ。髪の伸びる日本人形とか、見た者が変死するビデオとか、
     入った者が行方不明になる魔女伝説の森とか…」

さ く ら「い〜〜や〜〜っ!!!(泣〜〜)」

小 狼「…だから、言ったのに…」

知 世「なるほど、確かにそれなら≪夜のバイト≫になりますわね」



                                   − 終 −


   − おまけ −

さ く ら「でもでも小狼くん!百万円じゃあ、ちっとも≪安物≫じゃないよ!?」

小 狼「え、でも父上が母上と婚約した時に贈った翡翠の指輪は一千万くらいするし。
     姉上達も三百万以下の石なんて宝石じゃないって」

知 世「確かに、それは言えますわね」←大会社のお嬢様

小 狼「だろ?」←名家の子息

さ く ら「……。(つ、ついていけないよおおぉ〜〜)」←庶民


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