ゆめのかよひじ



夢を、みたの


…え?
ううん、≪夢(ドリ-ム)≫のカ−ドさんのせいじゃないの

予知夢とかじゃなくて、ただの不思議な夢


お日さまがまぶしくって、空はどこまでも青くって
砂が、果てしなくつづいてる

見たことのない国


石でできた小さなお家が並んでて
夕方になると、お城の鐘が鳴って
すれちがう人は、みんな笑ってて
わたしに黄色いリンゴをくれた

どうしてか、なつかしい国


…ねぇ、笑わないでね?
夢の中でわたし、砂の国のお姫さまだったの


むううぅ〜っ、だから言ったのに!
そんな、目をまんまるにしなくたっていいじゃない!?

いいもん!
すごくステキな夢だったけど、教えてあげない!!


…………。


…聞きたい?
ホントにホント??

えっとね、夢の中のわたしにもお母さんはいなくて
それから、お父さんもいなかったけど
お兄ちゃんは、やっぱりお兄ちゃんで
砂の国の王さまだったの

ちがうちがう、それがステキなんじゃないってば!
だって、すごぉ〜くイジワルな王さまなんだもん!!

あと、お兄ちゃんのそばには雪兎さんがいて
ケロちゃんや、知世ちゃんはいなかったけど

…けどね、けど
うふふふっ♪

あのね、わたしと小狼くん、幼なじみだったの!!
ステキでしょう〜?

夢の中のわたし、こ−んなちっちゃな頃の小狼くん、知ってるんだよ
こないだ、香港のアルバムを見せてもらったからかな?

毎日いっしょに遊んで、いっしょにお勉強して、いっしょに大きくなって
だからね、夢では苺鈴ちゃんみたいに小狼くんのこと

   『小狼』

って、呼び捨てにしてるの
でも小狼くんはね、何度言ってもわたしのこと

   『姫』

って呼んで、ときどき敬語になっちゃうから
夢の中のわたしは、さみしくてかなしいの

…え?
え−と、わたし??

え−とね、え−と……
こっちのわたしは、もう少しだけ

   『小狼くん』

って、呼んでてもいい?
うん、そう
もう少しだけ…

ええっと、それからね
…それから

夢の中のわたしは、思ってるの
ずっとずっと言いたくて、言えなかったけど
言葉にしないと伝わらないから、勇気を出そうって


   『明日こそ言おう』


あの頃の、わたしと同じ


   『小狼に』
   『小狼くんに』


伝えたい、ほんとうの想い


   『……好きって』


夢の中のわたし、≪明日≫はちゃんと言えるかな?
そしたら、夢の中の小狼くんは、なんて返事をしてくれるかな?

こっちの世界の小狼くんみたいに


   『おれもだ』


って、言ってくれるかな?

きっと言ってくれるよね?
だって、おんなじ小狼くんだもの!!


……………。


ここって、うなづいてくれるところだと思うんだけどな…?

ねぇ、こっち向いてってば

小狼くん

あのね


……お耳が、真っ赤だよ?



   夢の中のわたしに

   伝えたい


   『絶対、だいじょうぶだよ』


   明日はかならず来るって

   ≪わたし≫は知っているから



                                   − 終 −


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「ツバサ」と「CCさくら」の接点。
ありがちなネタですが…。
「ツバサ」は原作コミックス1巻を参考にしていますが、「CCさくら」はアニメベ−ス。
(「CCさくら」におけるMyバイブルは「劇場版2・封印されたカ−ド」です。)
「×××ホリック」とも、また次元が違う世界だと思いたいのが個人的願望。

話というよりはイメ−ジなのですが、以降メインキャラ数名でシリ−ズにしたいなぁと
目論んでおります。