海賊王女



 四千年の歴史を誇る、アルバ−ナ宮殿。
 その宮前広場に。いや、アラバスタ全土に拡声器を通して王女・ビビの声が朗々と響く。

 〔…………歴史はやがて、これを幻と呼ぶけれど、私にはそれだけが真実。
  そして……〕

 声が、途切れた。
 バルコニ−に立つ王女の姿は、微動だにしない。
 ただ、淡蒼色の髪が晴れ渡る空に溶け込むように靡いている。

 …長い沈黙。

 民衆の不安気なざわめきが不審へと変りかけた、瞬間。

 〔私はこの国を、アラバスタを愛しています…!!〕

 誇らかに。

 〔何処の空の下にいようとも、片時も忘れたことはなかった。
  それもまた、真実〕

 澄み切った声が、どこまでも蒼い空に吸い込まれていく。

 〔何時、いかなる時も、私はこの国と共に在ることを
  今、ここに、アラバスタの空と大地に誓います!!!〕

 宮前広場は、津波のような大歓声に包まれた。
 アラバスタ全土のすべての都市、街、ほんの小さな集落さえも。

 「ビビ様、万歳!!!」
 「アラバスタよ、永遠なれ!!!!」

 熱狂する民衆に暫らく手を振った後、宮殿に引っ込んだビビ王女は
 ……正確には、ビビのフリをした若い侍女は、
 ヘナヘナとぶ厚い絨毯の上に崩れ落ちた。

 「私、もうイヤです〜〜!!」

 顔面蒼白でヘタリ込む侍女を宥めるのは、アルバ−ナ宮殿の給仕長であり、護衛隊長婦人
 でもあり、冗談と親しみを込めて“影の最高権力者”と評されるテラコッタである。

 「しょうがないねェ。今度は何時、ビビ様がお帰りになるのか判らないってのに。
  そんなんでどうするんだい?」

 「私には無理です〜〜!!!」

 カツラを投げ出し泣きベソをかく侍女に、テラコッタはこれからの“ビビ王女”の
 替え玉をどうすべきか、夫と国王様に相談しなければと思った。
 今回は、“家出”“行方不明”では済まされないのだから。


    公式記録では、この日の立志式をもってアラバスタ王国第一王女
    ネフェルタリ・ビビの次期王位継承権が確定した。
    そして、王女のスピ−チは幾つかの点で国民の首を傾げさせながらも
    大きく勇気づけ、アラバスタは復興の歩みをより速めていくのである。


    * * *


 その頃。

 「本当に良かったの?」

 遠ざかるアラバスタを見つめるビビに、ナミは声をかけた。

 「捨てるワケじゃないから」

 電伝虫の受話器を置きながら、ビビが答える。

 「必ず私は、この国に戻ってくる。
  でも、今は旅立つことが必要なの。
  …私が、そう決めたの」

 「そう…。でもまあ、歓迎するわ!!
  ホントに、来てくれて嬉しいわ。ビビ…」

 ナミはビビを抱きしめた。
 彼女にとって、初めての女友達。親友。
 そして、まるで妹のような…。

 「ずり−ぞ、ナミ!!」

 ゴムの腕がみょ−んと伸びて、横からビビを攫う。

 「ビビをヒトリジメすんじゃねぇ!!」

 「それはおめェだ、クソゴム!!!」

 伸びきった腕を ダンッツ!! と途中で踏んづけると、サンジはゴムの手から
 ビビを奪い返した。

 目と目が、合う。
 サンジの青い右の眸。ビビの藍色の両の眸。
 ソレが余りにも間近だったので、ビビはどきまぎした。

 …けれど。

 「ビビちゅわ〜んvプリンセスの正装もとっても似合うよ〜〜んvv」

 いつもどおり、デレっと鼻の下を伸ばしたサンジに苦笑する。

 「ありがとう。でも、コレって動きにくいの。
  私、着替えてくるわ。
  早くみんなの手伝いをしなくっちゃ」

 海軍を振り切るためと、鉄のヤリに開けられた穴を塞ぐのと。
 二手に分かれててんてこまいの仲間達に、ビビは微笑んだ。
 一緒に乗り込んだカル−は、背中にチョッパ−とウソップを乗せてそこらをドタバタと
 走りまわっている。

 「もったいないなァ」

 残念そうに言いながらも、サンジは大人しくビビを離す。
 そして不意に真面目なカオになり、口を開きかけたのだ……が。

 「サンジィイ〜〜、昼メシまだかぁ〜〜!!!
  おれ、もう腹へって死にそうだぁあ〜〜〜!!!!」

 「やかましい、食欲ゴム!!!クソ海軍を振り切るまで、そんなヒマねェよッツ!!!!」

 キレた料理人は、船長を全力で蹴った。
 吹っ飛んだ船長は追って来る海軍のメインマストに激突し、リバウンドで戻って来た
 トコロを剣士にダイレクトキャッチされた。
 バランスを崩した海軍船は周囲の2〜3隻を巻き込んで沈没し、結果、GM号は
 無事に追っ手を振り切るコトが出来たのである。

 「もう追って来ねぇぞ〜!!サンジ、昼メシだ!!!」


    * * *


 「…私は、王女なの」

 接岸したGM号を前に、ビビは言った。
 王族の正装で、超カルガモに乗ったまま。

 「この国の、王女なの」

 仲間達はただ黙って、彼女の言葉を待つ。

 「この国が、一番大事!
  大きすぎて何処にも持っていけないけれど…でも、私はずっとこの国と一緒なの!!」

 「い−じゃん、それで」

 ルフィが、言った。

 「ビビは王女で海賊になりゃ、いいじゃん。
  そんで、おれ達といっぱい冒険して、笑って、またココに戻ってくりゃいいじゃん」

 「幸い、アラバスタの“永遠指針(エタ−ナルポ−ス)”もあるしね」

 ナミが、笑う。

 「ホラ、来なさいよ!」

 ウソップが、親指をぐっと自分の胸に引きつけて片目を瞑る。

 「キャプテ〜ン・ウソップ様について来いって!!」

 チョッパ−が、つぶらな眸をキラキラさせる。

 「ビビ!カル−!!」

 腕を組んだゾロが、不機嫌そうに言った。

 「グズグズしてんじゃねぇよ」

 そして、サンジが手を伸ばす。
 ワイシャツとジャケットの左袖を、肘まで引き上げて。

 「おいでよ、ビビちゃん」

 「………!!!!!!」

 超カルガモの強靭な脚が、岩場を蹴った。

 羽ばたく翼。
 手綱を握る細い腕。
 放物線を描いて飛び込んでくるビビに向って、次々に伸ばされる手。

 描かれた8つの“×”印。


    『これから何が起こっても、左腕のコレが
     仲間の印だ!!!』


 そして、ビビは麦藁海賊団“6番目”のクル−として、GM号に乗った。
 “7番目”のカル−と共に。


    * * *


 正式にビビとカル−を乗組員に迎えての、最初の夜。
 とりあえずの補修も終え、GM号では恒例となった歓迎の宴会が繰り広げられている。

 サンジは早速、テラコッタからもらったレシピとスパイスで独自のアレンジを施した
 “GM号風アラバスタ料理”を披露した。

 ……テラコッタさんは、さぞ悔しがるだろう。

 一口食べて、ビビがそう思わずにはいられないほどにサンジの手腕はアラバスタ料理の
 特徴を生かし、なお一層の洗練と工夫を加えている。
 でも、そういうコトはどうでもいい連中が大多数で、

 「おばちゃんのメシと、な〜んか違うな。
  でも、すっげぇうめぇぞ!!!サンジ、オカワリ〜〜!!!!」

 と喚いては、蹴られた後で山盛りのお皿にありついていたりする。

 ひととおり料理も行き渡り、皆の酔いも十分に回った頃、ようやくサンジはキッチンと
 甲板の往復を止めた。

 「トナリ、いい?」

 言われてビビはニコッと頷き、いそいそと腰をずらした。

 「アリガトウ」

 サンジが腰を下ろす。
 近すぎず、離れすぎない距離を開けて。

 今はもう、Tシャツにサブリナパンツ、ポニ−テ−ルといういつもの“ビビ”だ。
 余りお酒に強くない彼女は、最初の乾杯の時の一杯だけで、あとはジュ−スばかりを
 飲んでいる。
 それでも少し興奮しているのか、頬はほんのりと紅く染まっていた。

 宴は最高潮で、ルフィとウソップとチョッパ−が割り箸を鼻に突っ込んで躍り、
 カル−がその回りを千鳥足で駆けている。
 ゾロとナミが甲板を叩いて笑い転げていた。
 ビビも片手で口を押さえて笑っている。

 目を細めてそんな彼女を見ていたサンジは、ふと、呟いた。

 「…あ、忘れてた」

 そして、立ちあがる。

 「何か運ぶんですか?手伝いましょうか??」

 気づいたビビが、小首を傾げるようにして尋ねる。

 「そうだね、お願いしてもイイ?」

 新米海賊王女は、料理人の後を嬉しそうについて行った。


    * * *


 サンジが向ったのは、キッチンではなく倉庫だった。
 料理じゃなくてお酒だったのかしらと思いながら、彼の後に続く。
 サンジが明りを点けなかったので、スイッチを探してドアを振りかえった瞬間
 後ろから抱きすくめられた。

 ……また、フザケて。

 そう言おうとしたとたん、耳元で囁かれた。

 「君が、好きだ」

 いつもの冗談のような口説き文句とは様子の異なる口調に、ビビは固まった。

 「…サンジさ…」

 「ビビちゃんが好きだ。…気づいてたでしょ?」

 決めつけるように言われて、戸惑う。

 「…ソレは…、そんな……」


 もしかしたら、と。
 思った瞬間はあった。
 けれど結局、サンジは何も言わなかった。
 言わずに宮殿を出ていった。
 …だから、自分がこの船に戻って来なければ、あれっきりになっていた筈だ。
 その程度のコトだとばかり、思っていたのに。


 ビビの思いをよそに、抱きしめる腕の力は強くなり、項に熱い息がかかる。
 サンジの体温がビビを追い越していく。
 …ソレが何を意味しているのか、理解出来ないほど彼女は幼くはなかった。

 男の腕から逃れようと、ビビは懸命に身をよじりながら訴えた。

 「待って、お願い。少し待って…」

 口から出る言葉が、拒絶の意味を為さないことに、ビビは全く気づいていない。
 拘束する力はむしろ強くなって、身じろぎすら出来なくなった。

 「…待てない」

 短く切り返されて、言葉を失う。
 今まで、彼がこんな余裕のない口調で話すのを聞いたことがない。

 「ずっと、決めていたんだ。
  君が国に残るなら、何も言わない。
  コノ気持ちは俺だけの胸にしまっておこうって。
  …けれど、もし俺達と一緒に来てくれるのなら、その時は…」

 ……もう、待たない。
    遠慮も躊躇もしない。

 だが、言葉とは裏腹に、サンジはビビを離した。
 そして、ビビとドアとで三角形を作る位置に立つと、彼女の視線を捕らえる。
 ようやく闇に慣れた目に、痛いほどの真剣さで。

 「俺が嫌い?何とも思ってない?他に好きなヤツがいる…?
  もしそうなら、今すぐドアを開けて出ていって。
  でも、そうでないなら……。ドアに、鍵を掛けてくれないか?」

 ビビは、その場に立ち竦んだ。
 手を伸ばし、ドアノブを掴んだまま、動けない。

 一瞬の内に、頭の中を様々なことが駆け巡った。


   海軍
   世界政府
   ミス・オ−ルサンデ−こと、ニコ・ロビン
   彼女が追う“真の歴史の本文(リオ・ポ−ネグリフ)”
   そして、“プルトン”の行方…。


 ……まだ、言えない。

 コツリと靴音を立てて、サンジが一歩距離を詰めた。

 「迷っているのなら、俺が決めてもイイ?」

 その手が、ドアに伸びる。

 ……ダメ!!!

 ビビは、思った。
 自分で決めるのだ。
 もう一度この船に乗ることを、自分自身で決めたように。
 後悔も、罪も、痛みも。
 自分で選んで背負うのだ。


   カチリ


 金属音が響いた。
 サンジの手が届く前に、ビビが自分で鍵を掛けたのだ。

 「…ビビちゃん…」

 少し、驚いた声。
 サンジは、ドアを開けてビビを外に出すつもりだった。
 キモチを伝えるコトを待つ余裕はなかったが
 彼女の意思を無視してどうこうしようとは、露ほども思っていない。
 コレで自分を“男”として意識してもらえるようになればと、
 彼としては長期的な戦略の第一歩の予定だった。

 だが現実は時に、夢よりも都合よく展開する。


 ドアの前で、ビビは俯いている。
 暗がりなのに、真っ赤になっているのがハッキリと判る。
 やがてカオを上げ、ビビはサンジを見た。

 初めて出会った日から忘れることの出来ない、真っ直ぐな強い眸で。


 「…私も、サンジさんが好きです」


    * * *


 「あり?ビビがいねぇぞ?」

 ゴム製の胃袋を樽のように膨らませたルフィが、骨付き肉の塊を両手に甲板を見回す。

 「さっき、サンジと船の中に入ってったって、カル−が言ってるぞ」

 超カルガモとウソップの通訳を踊りながらしていたチョッパ−が、それに答えた。

 「サンジ君と、ねぇ〜〜。(ニタリ)」

 「なら、倉庫だな。(ニヤリ)」

 酒のジョッキを手に、ナミとゾロが意味深な笑みを浮かべる。
 だが、ルフィは頷きながら立ち上がった。

 「おお!倉庫か!!」

 「って、アンタちょっと!ドコ行く気よ!!?」

 「倉庫。ビビがいなきゃ、つまんねぇじゃん」

 アッサリと言ってのける船長に、剣士がニヤニヤと口を挟む。

 「中から鍵かけられてんじゃねぇのか?まあ、声くらいは聞こえるかもな」

 とたんに、航海士のツッコミが入った。

 「問題はソコじゃないでしょうがッ!!?…って、コラ、止めなさいって!!!
  サンジ君に殺されるわよ!?」

 「あ?なんでだ??」

 「「なんで、って…。(汗)」」

 思わずハモった二人に、やおら船長は肉を持ったまま両手を打った。

 「おお、そうか!今、二人でヤッてるんだな!!」

  ブホォオッツ!!!!

 狙撃手と船医が、互いのカオに向って盛大に酒を吹き出した。

 「クエ?」

 超カルガモが首を傾げる。
 納得したのか、再び甲板に座り込み肉を頬張り始めた船長に、航海士は呟いた。

 「…時々、アンタって男がよく判らなくなるわ…」


    * * *


 小麦粉や豆の入った麻袋の上に、予備の毛布を敷いただけの寝床。
 王女には似つかわしくないが、海賊にはコレで充分。
 まるで水のように床へと零れ落ちる長い髪を指で梳きながら、サンジは低く囁いた。

 「…今度は、一体何を抱え込んで来たの?」

 誰もまだ、口には出さない。


 ……『冒険がしたいから』 『仲間が好きだから』
    ソレだけで、これから立ち直ろうとする国を離れられるような
    ビビちゃんじゃナイってコトぐらい、皆、解っているよ。


 頬に残る涙の跡に口付ける。

 「…今度は、一体何を背負わされたの?」

 彼もまだ、口には出せない。
 腕の中で静かに寝息を立てる、その耳元でしか。


 ……ビビちゃんのコトだから、きっと自分から望んで、一番重い荷物を選んだんだろう?
    辛くない? 辛いでしょ??


 閉じられた瞼に口付ける。

 「…今度は、一人で何時まで耐えるつもり?」

 “ユパ”でのコトを思い出す。
 自嘲めいた、苦い笑みが浮かんだ。


 ……ルフィのように、殴って泣かせて本音を引き出すなんて芸当は
    俺にはマネ出来ねェし。
    多分、あいつも今度はソレをしねェだろう。
    脅しても、宥めても、口説いても、きっと君は話してくれない。


 唇に軽く口付ける。

 「…待っているから…」

 彼女が選び、彼女が決める
 “その時”が来るのを。


 ……俺も、皆も、待っているよ。
    例えソレが、どんなコトであっても。
    そして……


 白い手の甲に、口付ける。


 「もう、誰にも君を傷つけさせない」


 自分自身への、誓い。


    * * *


 翌朝。
 上機嫌で朝食を並べるサンジと、ぎこちない動きで最後に食卓についたビビ。
 それ以外には、いつもどおり変わりのない日常の始まり。

 …が。

 全員が揃ったところで、ビビとサンジを除く皆が声を揃えた。

 「「「「「「お二人さん、おめでと−!!!(クェクェ−)」」」」」」

 ポカンとしたビビは、仲間達のヒトの悪げなニヤニヤ笑いに事態を悟り、たちまち
 ユデダコのように真っ赤になった。
 そこへ、サンジがケロッと答えるのが耳に入る。

 「おう、ありがとよv」


 …直後、キッチンを飛び出したビビは半日間、倉庫に立て篭もってしまった。
 皆が順に謝っても、サンジがドア越しに口説いても、返事は無い。
 ちなみにサンジの頬には、ビビの平手のアトがくっきり残っていたりする。

 サンジはオロオロと昼食の準備も手につかず、船長はメシメシと騒ぎ始め、
 鉄拳で二人を黙らせたナミが“昔とった杵柄”で、針金を使って外から鍵を開けた。
 …そして、ぐてぐてに酔っ払ったビビが倉庫の床に伸びているのが発見された。
 喉が乾いて樽詰のラム酒を開けたところ、そのままヤケ酒に突入してしまったらしい。
 急性アルコ−ル中毒一歩手前とのチョッパ−の診断に、皆、青ざめた。


 以後、GM号のクル−が、少なくともビビをネタに“その手の冗談”を差し控えるように
 なったのは言うまでも無い。



    七人と一羽を乗せて、GM号はグランドラインを進む。
    麦藁帽子を被ったジョリ−・ロジャ−が世界一有名になり
    その個性豊かなクル−等の名が広く知れ渡るだろう、未来に向って。


    * * *


 ビビ

 通称“海賊王女”

 グランドライン有数の歴史を持つ大国、アラバスタ王国の王女(後のネフェルタリ王家
 第十三代女王)と同じ名で呼ばれ、また淡蒼色の髪と藍色の眸等“ビビ王女”とよく
 似た特徴を持つことから海軍内部で使われていた渾名が広まったものと推測される。
 王女の生き別れの双子である、元替え玉の侍女である、実は王女本人である等の
 珍説をも含めた諸説があるが、現在も事実関係は不明。
 “麦藁海賊団”創立期のクル−で唯一手配書が出回っておらず、本名・出身地等も
 一切不明。“幻の女”とも呼ばれる。
 また、彼女の事実上の“夫”がクル−の誰であるのかにもナミ(第三章“魔女”参照)
 と同様に諸説がある。
 一般に有力なのは、通称からごく単純に“海賊王”の配偶者だという説だが、そうで
 あるならば彼女の通称は“海賊女王”もしくは“海賊王妃”となる筈である。
 余談だが、アラバスタ女王ネフェルタリ・ビビは生涯結婚をせず、未婚の母として一子
 をもうけ、公式には父親不明であるその子に第一位の王位継承権を持たせるという
 異例中の異例を当時の世界政府に承認させた。
 後に第十四代女王となるこの王女が金髪・碧眼であることをもって、“海賊王女”の
 相手をサンジ(第五章“グランドブル−”参照)とする説もあるが、それはそもそも本末
 転倒であろう。 …(以下略)…

 (「海賊王とその仲間達/第六章“海賊王女”」より抜粋)


                                    − 終 −


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 “もしも、彼女がGM号に乗っていたら”
 私は「ONE PIECE」で何かをしたいとは思わなかったでしょう。
 そのことをハッキリと自覚しつつ、書いたモノです。
 いいじゃないですか、夢の中に夢を見ていたって。
 捏造は二次創作の命ですから。

 (初出02.11 「Sol&Luna」様へはTopの〜Union〜より)