ココロごと、カラダごと 軽く腕を引っ張られても、不思議と驚きは感じなかった。 ぽすんと音をたてて、目の前が少し暗くなる。 黒いス−ツを着たサンジさんの胸に、頬が触れていた。 顔を上げると、サラサラと音をたてて彼の前髪が降りかかってくる。 ……ああ、何てキレイな金髪なんだろう。 まるで、月の光を浴びているみたい。 そう、思った。 オデコに軽く触れた、温かい感触。 いつもより強く感じるタバコの匂い。 少し困ったように微笑むサンジさんの青い青い右の眸に きょとんとした私のカオが映っている。 …ひどく、子供っぽかった。 私の腕を離して、一歩後ろに下がると まるで言い聞かせるかのような口調で、言った。 「君は女性で、とても魅力的だし。 俺は男で、君をホシイと思っているから。 …だから、ソノ気が無いのなら、もっと警戒しなきゃダメだよ? 次に、こんな風に二人きりになるチャンスがあったら、逃がしてあげないからね」 その言葉のイミが分からないほど、私はコドモではない。 けれど、それらは実感を伴わない他人事のようで 手を伸ばせば触れられる距離にいる彼が別の世界のヒトのように見えて そんな風に感じている自分に、酷く打ちのめされた。 何も言えず、私は小さく頷くとキッチンを後にした。 ドアを閉める瞬間、シンクに向ってティ−カップとポットを洗う彼の背中が目に入る。 それが私を拒絶しているようにも、気遣っているようにも感じられて。 …初めて覚えた、疼くような胸の痛み。 私は、彼が振り向いてくれるコトを期待している。 いつものようにニッコリ笑って 『オヤスミ、ビビちゃんv良い夢をvv』 と言ってくれるのを。 ドアを閉じた私は、半ば走るように部屋へと向った。 …恥ずかしかった。 消えて無くなりたい程に。 何時の間にか、こんなにも貴方に甘えていた自分が。 * * * 「眠れないのなら、キッチンでお茶でもいかがですか?ミス・プリンセスv」 おどけた口調に優雅な動作で、そう声を掛けられたのは 私が“ビビ”としてこの小さな海賊船に乗り込んで、幾度目かの夜。 夜の甲板で時を忘れて海を見つめるのが、習慣になりかかっていた頃だった。 『優男に見えるけど、あれで中々の腕っ節よ。…あ、脚っぷしかしら? 女好きだけど、相手が嫌がることは絶対にしないから、まあ安全な男ね』 ナミさんの言葉を思い出す。 そして、“ミス・ウェンズデ−”であった頃と今と、彼の私への態度が 全く変っていないことも。 それは、私の好奇心を刺激した。 ほんの一瞬躊躇って、私はこの船のコックさんの誘いに頷いていた。 彼は、話の巧みな人だった。 子供の頃から見習いとして客船に乗り、海を転々としていて 船乗りやお客から聞いたと言う様々な話をしてくれた。 それは伝説であったり御伽噺であったり洒落た冗談であったり。 でも、最後の話は必ず滑稽なもので、笑い転げる私を見て満足そうにタバコを 灰皿に押しつける。 「さあ、夜更かしは美容の大敵ですよ。 そろそろお開きにしましょうか?」 そして、今までに出会ったどんな貴公子にも負けない礼儀正しさで 私を女性部屋の前まで送ってくれた。 甲板で声を掛けられることが何度か続いて、ある夜、私は真っ直ぐにキッチンへ 行ってみた。 「こんばんはv 今夜はオリジナル・ブレンドのハ−ブティ−がオススメですよ?」 もう日付は変っているのに、明日の仕込みを終えたばかりだという彼は 私を見て、ニッコリと笑った。 そうして、真夜中のティ−タイムが習慣になってしまって、どれだけ経ったろう? 彼は、自分のコトを話さない。 ふいに気づいて、私は少なからずショックを受けている自分に、驚いた。 サンジさんは、“人から聞いた話”だけをする。 言葉の端々から、イ−ストブル−で副料理長をしていたレストラン船のことや 彼の師匠で元海賊の名料理人のことを断片的に拾い取ることが出来る程度だ。 そんな時、彼の右目は私を見ない。 何もかもを素通りして遠くを見つめ、ほんの一瞬でキッチンに戻ってくる。 そして、また楽しい話を始めるのだ。 …私は、彼のコトを知りたいのだろうか…? 「…ビビちゃん?」 「あ、ごめんなさい。ちょっとボンヤリして…」 サンジさんが席を立った。 せっかくお話してくれていたのに、気分を悪くしたのかもしれない。 どうしよう、もう一度あやまらなきゃ…。 口を開くより早く、彼は私の手首を柔らかく掴んだ。 ……ねぇ、どうして…? この船がアラバスタに着くまで、どうしてあのままでいられないの? わからなかった。 …わかりたく、なかった。 * * * 眠れない夜が、続いた。 ハンモックの中でナミさんを起こさないよう、溜息を噛み殺す。 眠れない理由なら、幾らでもある。 国のこと。 どうすれば反乱を止められるのか? バロックワ−クスのエ−ジェントの目から、どうやって逃れるか…? なのに、私の頭の中ではぐるぐると同じ言葉が繰り返される。 『…俺は、君をホシイと思っているから…』 その度に頬が焼けるようにアツクなり、私は私のカラダを抱きしめて 出来るだけ小さくなろうとする。 夜風に当って熱を冷ますことも、思う存分溜息をつくことも出来ない。 サンジさんとカオを合わせたくなくて。 …何故、そんな風に思うのだろう? サンジさんは、あれから何も変らない。 私だけが、彼を一方的に避けている。 私だけが、彼を意識して 彼に捕われて …私は、王女なのに。 三日目の朝に、ナミさんが言った。 「ビビ、そこに座って。 化粧でもしなきゃ、誤魔化せないわよ?そのクマ」 * * * 朝食の後、ナミさんにみかんの手入れの手伝いを頼まれた。 先に来て、木の下で彼女を待っていると、サンジさんがキッチンのドアを開けて出てくる。 隠れる場所を探そうとして、そんな自分に腹が立って、私はその場に立ち尽くした。 少し猫背気味に背中を丸め、スボンのポケットに片手をつっこんでいた彼は ジャケットの内ポケットからタバコを出して、口に咥えた。 …そして、何かに気づいたようにこちらを向いた。 表情の無いカオで、見つめる。 ただ、真っ直ぐに。 鮮やかな、青。 …ドクン 胸が、痛い。 ……そんな眸で私を見ないで。 何を考えているの? どうしてなの? 貴方は私に何を望んでいるの? ただ、抱きたいだけ…? とても、苦しい。 ……この船に居る女の人はナミさんと私だけで でも、ナミさんにはもう、好きなヒトがいて…。 だから、私なの? それとも、王女だってコトが珍しいから…? キッチンから、ウソップさんの声がした。 彼の視線が逸れる。 呪縛から逃れたように、私はみかんの木にもたれかかった。 「待たせたわね、ビビ」 振り向くと、ナミさんが手入れの道具を持って立っている。 「いいえ、ちっとも」 ことさらに私は明るく答えた。 キッチンに背を向けて。 * * * 「あんたの不眠の原因は、アレなわけね」 顎でキッチンを示しながら、ナミさんが言った。 当り障りのない会話の切れ目に、不意打ちのように。 やっぱり、見られていたのだ。 手を止めて、しらを切るつもりでナミさんを見つめて …やめた。 意味のない、つまらない嘘はつきたくない。 「…で、あんたはどうしたいの?」 口を噤む私を気にする風も無く、ナミさんは続ける。 「王女として“どうすべきか”ってコトは、あんたの頭の中に一杯詰まってる。 でも、一人の女の子としてのあんたは、どうしたいの?」 …何も、答えられない。 だってそんなの、考えたコトも無かった。 「…あたしは、ね」 みかん色の髪が、潮風になびく。 よく繁った緑の葉を指先で撫でながら、眸を細めて。 「海の上では明日、いいえ、1時間先でさえ、どうなるのかワカラナイ。 だから、いつも自分に尋ねるの。 死ぬ瞬間、ああすれば良かった、ホントはこうしたかった…なんて後悔をしないで 済むか、ね」 ……そうやって、貴女は貴女の恋を手にしたの? 心の中で、問う。 艶やかな肌。 女の私の目から見ても、うっとりするほど豊かな胸から腰へのライン。 愛されている女性のカラダが、答えをくれる。 …うらやましい と 思ってしまった。 * * * 午後の甲板では、皆が集まって笑っている。 誘いに来ないのは、きっとナミさんが私を一人にしておくように言ってくれている からなのだろう。 あれから、ずっと考えていた。 どうすべきか、ではなく、どうしたいか、を。 …わからなかった。 自分の気持ちが。 ふと気がつくと、潮の香りにタバコの匂いが混じっていた。 規則正しい足音と一緒に、近づいてくる。 私の心臓の音も、どんどん大きくなる。 口から吐き出してしまいそうな緊張に耐えられず、顔を上げた。 いつもどおりにピンと背筋の伸びた姿勢で、サンジさんが立っている。 お盆の上に、ケ−キのお皿とグラスを乗せて 階段の中ほどに座った私を見つめ、少しの間を置いて口を開いた。 「何か、俺に言いたいことがあるんじゃないですか?」 ……貴方に尋ねたいコトなら、いっぱいあるわ。 ねぇ、どうして? 私の好きなモノばかり、食卓に並ぶの?? 今日も昨日も一昨日も。 それは貴方の優しさなの? 軽いお詫びのキモチなの?? 「……私……」 でも、何一つ口には出来なくて、俯いてしまう。 尋ねれば、きっと貴方は私の喜ぶ返事をくれるのだろう。 けれどソレが貴方の本音であるのかどうかすら、私にはわからないのに。 言葉を続けられない私に、やがてサンジさんは言った。 あの時と同じ、ゆっくりとした口調で。 「ビビちゃんはビビちゃんの気持ちに正直になってくれれば、イイんです。 …俺はただ、ビビちゃんの答えを受け止めるだけだから」 ……それは、全ては私次第だというコト? 真っ直ぐに見返した視線には何も応えず、相変らずの優雅さで 私にグラスとお皿を手渡した。 「本日の“リラックスおやつ”は、甘さを控えた紅茶のシフォンケ−キと ア−ルグレ−のアイスティ−です。どうぞ、召し上がれ」 私の国でケ−キといえば、どっしりと重く甘味の強い食べ物で。 だから初めてサンジさんの作るシフォンケ−キを食べて、そのふんわりとした 口当たりに驚いた。 『気に入った?これにもイロイロバリエ−ションがあってね、今日はシンプルに プレ−ンだけど、チョコレ−トとかバナナとか。紅茶もオススメかな?』 お茶の葉っぱを使ったケ−キなんて食べたことないと言う私に、嬉しそうに笑った。 『じゃあ、今度はビビちゃんのタメに作ってあげるv期待しててvv』 あれは、ほんの数日前。 あの夜が来る前の午後。 …思い出しながら、私は溶けていくグラスの氷を見つめる。 キッチンのドアの、閉じる音がした。 * * * 夜の海を、見ていた。 光のない、うねる闇が水平線まで続いて 果てが、見えない。 まるで今の私の祖国のようだ。 朝は、来るのだろうか? 生きて朝を迎えられるだろうか? 私の国の人々は。 …いつもは、そんなことを考えていた。 けれど、今は…。 一人の女の子としての、私。 幸せな恋を、夢見ないワケじゃない。 幸せな恋に、憧れないワケじゃない。 想うほどに想われて、結ばれて、人生を共にすることだけを “幸せな恋”と呼ぶならば。 『ビビは本当に負けず嫌いだな! 勝てなくても、相手に自分を認めさせるまでは絶対に諦めないもんな』 噛みついて離さなかった腕の歯型を見せながら、呆れたように言った少年。 『ビビ様は御自分で確かめなければ、けっして納得なさいませんね』 頭に手を置いて、目を細めた若い戦士。 貴方達が好きだった。 今も、大好きよ。 けれど、違ったの。 本当の恋は、きっと もっと ずっと…。 幸せには、なれなくても。 夜風で冷えた肩を自分で抱きしめてみる。 少し、怖い。 …でも。 私は明りの点いたキッチンに向かった。 * * * ドアの向こうは、タバコの匂いが立ち込めていた。 灰皿の中で吸殻が小さく山を築いている。 ……私を待っていてくれたと、自惚れてもイイですか? それでも彼は最後通牒のように、確認の言葉を口にする。 「どうして、来たんです?」 タバコを離した口元に笑みはなく、海の色をした眸が私を見つめる。 …私だけを。 「…確かめたくて」 棒のように突っ立ったままの私の口から出る言葉は、呆れるほど色気がなくて。 椅子から立ち上がり、近づいてくる彼の胸に素直に飛び込むことが出来ない。 「私、わからない…。だから、確かめたいんです。 ……貴方に、恋しているのかどうか」 意地を、張っているのかもしれない。 いかにも女性の扱いに慣れた貴方に。 悔しかったのかもしれない。 …私は、何もかもが初めてなのに。 サンジさんは私の肩に手を置いて、そっと引き寄せた。 触れられた掌も、耳にかかる息も、焼けるように熱く感じる。 「すぐに、わかりますよ」 それだけで、激しく乱れる鼓動に眩暈がした。 足が地についていないようで…。いいえ、本当についていなかった。 軽々と抱き上げて、テ−ブルの上に座らせられる。 柔らかく触れた唇は、すぐに離れた。 そしてサンジさんはドアに内側から鍵を掛け 明りを、消した。 ……貴方に抱かれたら、私は楽になれる? それとも、今よりももっと苦しくなるのかしら? わからない。 だから、教えて。 私が自分で納得するまで、確かめさせて。 抱きしめて。 躊躇うココロも、震えるカラダも、全部。 * * * ずいぶん長かったような気がするし、あっという間だったのかしれない。 気がついたら、行為は終っていた。 私はテ−ブルクロスで包まれて、サンジさんに抱きかかえられている。 長い指が、私の髪を梳いていた。 彼の胸にくっついた耳から、規則正しい鼓動が聞こえる。 繋がっていた時に感じていたそれよりも、ゆっくりとしたリズムで。 …ずっと、このままでいられたら。 そう、思った。 …と。 私が正気に戻ったのに気づいたのか、彼は私のカオを覗き込みながら、言った。 「…わかった?」 ……何が? 一瞬、疑問に思ったけれど、少し意地悪気な期待を込めたまなざしに 唐突に前後の記憶が蘇って、私は慌しく瞬きをした。 とたんに羞恥心まで戻って来て、目を伏せながらやっとのことで答える。 「ええ…。」 「それで?」 笑いを含んだ声で、問いを重ねてくる。 どうしても、言わせたいらしい。 たった一言を口にするのに、冷めた筈の熱がまた頬に昇ってくる。 「貴方のことが……好き、みたいです」 ああ、また。 素直になれない。 「それは良かったv」 唇の端で笑って、抱きしめてくれる彼に哀しくなる。 こんなコト尋ねちゃイケナイって思っているのに、言ってしまった。 「サンジさんは…?」 彼の返事のパタ−ンが、頭に浮かぶ。 そのどれもが、ソツが無くて洒落ていて。 シャボン玉のように軽く答えられてしまったら、多分、私は笑うしかない。 …わかっているのに。 けれど。 「…へ?」 私が何故、“そんな当たり前のコト”を訊くのかワカラナイと、彼の眸が語っていた。 オトナで、フェミニストで、いつも余裕綽々のラブコックさんの仮面が剥がれて まったく素の彼のカオが覗いている。 …思いっきり、わかりやすかった。 嬉しくなかったワケじゃない。 ホッとしなかったワケじゃない。 でも、それよりも何よりも とてもジッとしていられないほどの気恥ずかしさに突き飛ばされるように 気がついたら、私は大声で叫んでいた。 「…だって!サンジさん、私のカラダがホシイって!! カラダだけだって!!!」 「はぁ!?」 サンジさんの心底驚いたカオに、あの時のセリフを思い返してみる。 アレは彼流の告白だったのかもしれないと、今にして思い当たる。 …ケド、そんなコトわかるワケないでしょッ!!? また、彼が二の句をつぐよりも先に、言ってしまう。 「だからッ!…わ、私…私、すごく悩んで……ッ。 自分の気持ちだってハッキリしないのに、なのに、サンジさんは 私を誘うようなコト、言うし!!!」 「えぇ!!??」 昼間のセリフを思い返してみる。 …以下、同文。 ナンだか、もう…もう、もうッ!!! 「それでも、いいって!!自分の気持ちをちゃんと確かめようって!!! やっと決心して〜〜ッツ」 気恥ずかしさは、瞬く間に彼への憤りに変ってしまう。 ぎゅっと握り締めた両の拳を、思い切り振り上げた。 「バカッ!!馬鹿馬鹿ばかばかぁ〜〜!!!」 頭を、肩を、胸板を、力一杯殴りつける。 こんなの、全然こたえないってわかってるけど。 無抵抗に叩かれるままで、サンジさんは一生懸命言い訳を始める。 ええ、確かに。 『好きです』って『愛してます』って、毎日のように貴方は言ってくれていた。 …ナミさんの名前を先に並べてね!!! 私、聞いてナイもの!! 私の眸をちゃんと見て、真面目なカオで、真面目な声で、一度も言ってくれてナイ!!! いつもの口八丁はどこへやら。 しどろもどろなお詫びのコトバに、更に怒りに油を注がれる。 まったく、男らしくないったらッ!!! どうして私、こんなヒト好きになったの!!?? しまいには自分で自分に腹が立ってきて、もう、何が何やら。 暴れ疲れた頃を見計らっていたらしく、サンジさんが私の両手を捕らえた。 振り払おうとするのを強引に引き寄せて、倒れかかったところを抱きしめられる。 もがく私の耳元で、囁くように言った。 「そんなに可愛く怒らないでv」 うっと、言葉に詰まる。 彼のこういうトコロは大嫌い!!……だと、思う。 これからどうやって私を納得させてくれるのか ラブコックさんのお手並み拝見だけど でも、そうカンタンには許してあげない。 ……私は、負けず嫌いで気の強い王女サマなんですから、ね。 − 終 − ≪TextTop≫ ≪Top≫ **************************************** 「カラダごと、ココロごと」の王女Sideです。 単独で読むとシリアスで重い話ですが、並べて読むと、そこかしこで笑えるような…。 所詮、私の愛は屈折しているのです。(汗) (初出03.1 「Sol&Luna」様へはTopの〜Union〜より) ※掲載はURL請求制の別部屋です。 「Sol&Luna」管理人様へご請求の際はメ−ルマナ−を守ってくださいますよう、よろしくお願いします。 なお、当サイトでの掲載に当たり、投稿時より修正をしています。 |