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プール・オブ・レディアンス
ミス・ドラノーア探索記
(その3)


 
●2005年5月18日(水)・魔術師の大会堂

 
傷の魔術師から、希求の指輪を奪い返した一行。指輪の秘密を求めて、転送装置(ロングリン)で「魔術師の大会堂」(スペキュラム)と呼ばれる場所に赴きます。そこで待っていたのは……

使い魔ヴォレン「ご主人様、〈定まらぬ者〉たちが現れました」

見者キーレンフェール「何と。とうとう、ここまで来おったか。それに、
ジャリアルまで同行しているとは、吉兆と判断すべきか? それとも……いや、まだ何も見ることはかなわぬ」

ジミー
「取り込み中のところ、ぶしつけで悪いんだが、自己紹介ぐらいさせてもらえないか。オレたちは、フランから来た冒険者だ。〈プール・オブ・レディアンス〉の邪悪を鎮めにきた。何か情報があれば、教えてもらえるとありがたいんだが」

使い魔ヴォレン「ご主人様は、未来を見ることに意識を集中しておられます。用件は、私が聞きましょう」

メリー(何だか、骸骨みたいなクリーチャーに話しかけられると、ゾッとするなあ)



ジミー「未来とは、気になる言葉。ここは一つ、この私と女戦士エオウィンの相性について、占ってもらいたい」

エオウィン「……せっかく、リーダーらしくなって来た、と思ったら、この男は……」

エメリック「リーダー、今はそんなことよりも、もっと大事なことがあるだろう。公私混同はよしてくれ」

ジミー
「何を言っているんだ? リーダーとして、パーティーの各メンバーとの人間関係を気にするのは、必要なことだ。もちろん、エオウィンとの相性を聞いた後は、との相性、メリーとの相性、エリスタンとの相性、ジャリアルとの相性など、全てにわたって、アドバイスをうかがうつもりだった」

エメリック「……うむ、そこまで考えての発言だったとは……私の考えが浅かったようだ」

ジミー
「分かればいいんだ」

エオウィン(……どうして、
エメリックは、こうもあっさりジミーの口車を信じ込めるのかしら?)



使い魔ヴォレン「……あなたたちは、私どもの貴重な時間を奪いに来たのですか?」

ジミー
「あ、これは失礼を。私が気に掛けているのは、このパーティーをどのように運営していくべきか。そして、このパーティーの前に待ち構えている試練の数々を、どのように解決していくべきか。あるいは、果たして解決がかなうものなのか、といった我らの未来に関する疑問の数々でございます」

メリー「(小声で)
ジミーも、敬語を使えたんだ」

ジャリアル「(小声で)そりゃ、言葉を重視する神を信仰するさかい、TPOに合わせた言葉使いぐらいは、身につけているやろ。必要なときに、敬語も使えんほど傍若無人な人やおまへん……はずや」

ジミー
「そこ! はず……はよけいだ」

ジャリアル「あ、聞こえてはったんか。さすがに、言葉には敏感でんな。でも、ここは、わしらのつまらん会話より、
ヴォレンはんの言葉に気を留めるべきでは、ありまへんか?」
 


使い魔ヴォレン「……なるほど。ご主人様が、あなたたちを〈定まらぬ者〉と呼ばれる理由が、私にも分かりました。ほんの短い会話でも、真っ直ぐにはつながらず、不要な横道にそれて、状況の流れを混乱させる。これでは、あなたたちの未来が定まらず、定まらぬがゆえに読むこともかなわないのは必然なのでしょうね。実に、興味深い方々です」


エオウィン「……何だか、ほめられた気がしないわね」

ジミー
「要するに、オレたちが秩序より、混沌に近い……と言うことだろう。誰のせいだ?」

エオウィン「もちろん、リーダーのあなたの責任よ」

ジミー
「よく言う。混沌、すなわちカオティックな性格なのは、このパーティーで君だけだろう。そのことは自覚してくれ」

エオウィン「話が混乱しているのは、私の責任だって言うの?」

ジミー
「気になるなら、もう一度、ここまでの会話を振り返ってくれ。どこから、話が混乱してきたか」

エオウィン「……あなたが
相性なんて、言い出したからよ」

ジミー
「人の発言だけでなく、自分の発言も振り返ってくれ〜。外部との交渉中に、メンバーの中からリーダーの立場を崩すような発言が飛び出したら、非常にやりにくいんだよ。そういうツッコミは、せめて、交渉が終わってからにしてほしい。それがTPOってものだろう」

 せっかく確立しかけた自分のリーダーとしての立場を維持しようと、懸命なジミー君でした。何だか、このリプレイ記事のメインテーマが「未熟なリーダーのジミーが、試練を経て成長する物語」になっている気がします。そんな固い物語にするつもりはなかったんだけどなあ(^^;)。

使い魔ヴォレン「……警告しておきますと、私の忍耐力もそろそろ限界に近づいてきております。あなたたちも、早急に用事を済ませて、ここを立ち去りなさい」

ジミー
「分かりました。でも、すでに私の用件は申し上げたはずです。我らの未来についての疑問の数々をうかがいたい、と。それに対して、貴殿の返事は、こうであった。我々が〈定まらぬ者〉ゆえ、未来が定まっておらず、読むこともできない、と。それなら、私たちの用件は、ここではかなえられないため、そろそろお暇する時かと存じます」

使い魔ヴォレン「……なるほど。頭が悪いわけではなさそうですね。それに、混乱した会話の中でも、私の話の要点は、きちんと押さえている。少しは見直しました。よろしいでしょう。あなたたちに未来への可能性を託してみるとしましょう。遅ればせながら、自己紹介しておきますと、こちらにおわすは、見者キーレンフェール、私は未来を見るのに忙しいご主人様に代わり、雑事をおおせつかっている使い魔のヴォレンです」

ジミー
見者キーレンフェールか。しかし、オレたちの未来は読めない、と。それなら、オレたちがここにいる意味がないと思うのだが」

使い魔ヴォレン「確かに、あなたたちの未来は煙のように霞んでおり、霧に包まれているように見えません。それは、あなたたちが未来を自分の手で作ることができ、あるいは、自分の手で壊すこともできるゆえ。今、この状況において、あなたたちほど、運命から自由な存在はいないと言えましょう。そして、それこそ、英雄となり得る者の条件の一つ、と私は考えております」

ジミー
「英雄ね。悪くない響きだが、そのためのアドバイスは、ここでいただけるのか?」

使い魔ヴォレン「ご主人様、何か読めましたか?」

見者キーレンフェール「相変わらず、
〈定まらぬ者〉の未来は読めぬ。だが、〈定まらぬ者〉と関わる者の未来は読めたぞ。黄金の人蛇オデリントと、ドワーフのハールデイン・アイアンバーこそ、〈定まらぬ者〉に道を指し示すよう運命付けられている。二人と会えば、その道はいずれ
〈プール・オブ・レディアンス〉に通じるだろう」

ジミー
「その二人はどこに行けば会える?」

キーレンフェール「それには、
ミサントールの封印を解除して、そこからミス・ドラノーアの高台に出る必要がある。ミサントールの封印を開くには、
希求の指輪が必要だ」

ジミー
「それなら入手済みだ。白骨の腕から外せなくて、困っているがな」

キーレンフェール「外すための呪語なら、私が知っている。(ブツブツ)よし、外れたぞ」

ジミー「よし。これで、
ミサントールの封印に行けばいいんだな。それも、3階『光の階層』の探索で、心当たりがある。オークが力任せに封印を破ろうとしていて、できなかった場所だ。これで、冒険が先に進むぞ。情報かたじけない」

キーレンフェール「最後に一つ、警告しておく。そなたたちは、自分の敵の名を知っているか?」

ジミー「……拝龍教団か?」

キーレンフェール「その上に立つ者だ。
女魔術師のカイア・モードレインと、ドラコリッチのパランドララーこそが、
〈プール・オブ・レディアンス〉の力を、邪悪な欲望のために利用している。そなたたちが、〈プール・オブ・レディアンス〉を目指すなら、いずれ奴らと対立することになるだろう」

ジミー「心しておこう」

キーレンフェール「気をつけるがいい。そなたらの動向は、奴らも魔法の水晶で観察しておる。魔力ある者が水晶をのぞけば、他者の現在を見ることは比較的簡単だ。しかし、奴らにも、そなたらの未来を読むことはできぬ。そなたらが
〈定まらぬ者〉であるがゆえにな。よって、奴らはそなたらをどう扱っていいか、決めかねているのが実情だ。〈定まらぬ者〉に関わる者には、常に未知の危険が待ち構えている。どれほど周到に張り巡らされた悪の計画も、〈定まらぬ者〉の活躍によって粉砕されたことは、レルムの歴史で幾度もある。奴らはその危険を恐れるがゆえ、自らは直接、手を下さず、迷宮の罠や怪物がそなたらを葬ってくれることを、遠くから期待している。このことは忘れるな。奴らはいつでも、そなたらの動向を監視できることを。くれぐれも油断せぬようにな」

ジミー「……話を聞くと、何だかとんでもない敵みたいだな。油断しなかったからOKという相手でもなさそうだが、いずれ対決の時に備えて、自分を鍛えるしかないんだろうな」

キーレンフェール「今から、
冒険をあきらめてフランに引き返す、という選択もあるのだぞ」

ジミー「……なるほど、その手があったか。おおい、みんな、探索をやめてフランに帰らないか?」

エオウィン「本気で言ってるんじゃないでしょうね!」

エメリック「君は、
アサンの使命を引き継ぐのではなかったのか?」

エリスタン「秩序を乱す邪悪を放置するわけにはいきません」

メリー「ぼくも、使命を途中で投げ出すのは、いい気がしないよ」

ジャリアル「わしは、どうでもいいけどな。リーダーの意見に従いますわ」

ジミー「オレは……(肩をすくめながら)民主主義的なリーダー像を望む、と自分で言っているからな。我が神オグマ虚偽を何よりも禁じておられる。民主主義の基本は、メンバー内での多数決。メンバーが、冒険の継続を望むなら、オレはそれをパーティーの行動方針として貫くまでだ」


ジャリアル「さすがや。よう言いはった」


キーレンフェール「……少なくとも、一つは道が定まった」

 
こうして、一行は今後の行動方針を再確認し、ミサントールの封印
に向かいます。
 希求の指輪
の力で、閉ざされた門を開くと、そこにはミス・ドラノーアの高台が広がっていました。(つづく)

 

●2005年5月24日(火)・幕間(フィールドその1)

 広がるオープンフィールド。
 これまで、長らくダンジョン探索を続けてきた一行の目には、すこぶる新鮮な光景として映りました。

 NOVA自身、これまで
BG、そしてアイスウィンドをクリアしてきましたが、フィールドマップがこれほどまぶしく見えたのは初めてです。
 D&D以外のゲームで言うなら、
FF3で初めて浮遊大陸を飛び立ったときの海洋の広がり、あるいは、WIZ6で初めてダンジョンから3Dフィールドマップに出たとき、および、スパロボGCで初めて地球圏から外宇宙に旅立った際に、同種の感動を味わいました。これまでなじんで来た冒険の場が、急に広がりを得た瞬間。
 D&Dに話を戻すと、
BGは初めから自由に探索可能で、バルダーズ・ゲートの街に入ることで収束していく物語構造になっております(メインはフィールドおよびシティーアドベンチャー)。一方のアイスウィンドは、自由度の少ない一本道構造のストーリーで、お使い任務さながらに多彩なダンジョン探索を進めていきます(ドラクエ風)。

 そして、この
ミス・ドラは、BGのような広がった世界を探索する自由さも、アイスウィンドのような変化に富んだ多彩なダンジョンもありません。ただ、ひたすら広大かつ単調なダンジョンを、自分で自由に探索していくゲームです。その意味で、初期のウィザードリィ(WIZ)と同じ、ダンジョン探索とキャラ成長のプリミティブ(原初的)な楽しみを追究する作品なのですが、WIZでは割と区分けされていた階層構造(一つの階をクリアしてから、次の階の探索が始まり、階層間をまたぐイベントは少ない)に対して、
 
ミス・ドラでは、階層構造すら高い自由性を備えています。すなわち、一つの階を完全にクリアする前に、次の階への階段が複数見つかり、ある階でのイベントを解決するために、別の階まで行ったり来たりを余儀なくさせられる、といった非常にややこしい構造となっています。これは、正直言って面倒くさいわけですが、ダンジョン内を自由に動き回って、好きな順番で探索を進められる(その過程で、強敵と出くわして撤退を繰り返したりも^^;)という意味では、非常に自由度が高く、奥が深いゲームと言うことができます。
 そんな作業にも慣れて、快く探索を進められるようになった矢先、いきなり
広がった世界なんです。新鮮な戸惑いと、期待感を味わっております。
 前置きが長くなりましたが、キャラたちも、そうした気分を満喫している、と思います。

エオウィン「う〜ん、かび臭いダンジョンを抜け出して、新鮮な空気がいい感じ」

ジミー「近くに敵は……いないようだな。これだけ視界が広いと、不意討ちなんかに気を付ける心配もなさそうだ」

メリー「リーダー、提案。散歩がてら、周囲の偵察に行きたいんだけど」

ジミー「う〜ん、確かに、偵察は必要だな。でも、一人で大丈夫か?」

エオウィン「私が付き合うわ。少し、体のこりをほぐしたい、とも思っていたし」

ジミー「いいだろう。オレたちは、この付近で、野営の準備でもしながら、待機している」

 そんなわけで、「指輪の亡者」撃退コンビで、周囲の探索に出るわけですが、

エオウィン「メリー、お願いがあるの。私に、急所攻撃の技を教えてちょうだい」

メリー「忍びの技だって? 一体、どうしてだよ? 君は戦士として、十分剣術を磨いているじゃないか」

エオウィン「それでも、
エメリックに比べると、鍛え足りないと思うのよ。私には、彼のような打たれ強さは望めない。それなら、強敵に押し切られる前に倒す一撃必殺の剣が欲しい
、と考えたわけ」

メリー「分かった。君の戦士の技は、ぼくも身に付けていきたいと思っているから、お互いに教え合いっこ、すればいいね。ついでに、忍びとしての体さばきの方法とか、鍵開けの仕方なんかも教えるよ」

エオウィン「……ええと、あんまり細かい作業とか、罠の仕掛けみたいな頭脳労働は、学んでも身に付かない、と思うんだけど」

メリー「何言ってるんだ。忍びの技は、いろいろ関連性があるんだから、
急所攻撃だけ身に付けようと思っても無理だよ。急所攻撃のポイントは、鍵穴や罠の仕掛けを見抜くように、相手の体の急所となる部分を素早く見出し、そこに的確に針金を通す感覚で、刃を差し込むことにあるんだ。勢いだけで武器を振るっていても、うまく行かないさ。練習用の錠前を渡すよ。それをダガーで、こじ開けてみて。その手探りの感覚が、急所攻撃の第一歩につながるはずだよ」

エオウィン「……やってみる」

 
と言ったように、攻撃力強化のために、ローグのレベルを上げようと考えたエオウィン嬢でした。
 
そして、偵察中の、二人の話はもう少し続きます。

エオウィン「メリー、あなたはジミーのことを、どう思う?」

メリー「何だい、突然に?」

エオウィン「う〜ん、最近、あの人のことがよく分からなくなってきた、と言うか、リーダーらしくはなってきたとは思うんだけど……何か、まだすっきりしないのよね」

メリー「
ジミーは、リーダーとしてはまだまだ未熟だけど、立派なリーダーを目指そうと努力している、と思うよ。行動よりも先に口が出るから、最初は偉そうなことを言っているだけかと思っていたけど、言った分の努力はしているんじゃないかな。でも、時々、勢いで突っ走る面があるから、抑え役は絶対にいるね」

エオウィン「そうね……でも、あの口数の多さが気に入らないの。何だか、
蛇の舌グリマを思い出す感じで……」

メリー「ええと、
グリマって、サルマンのスパイだった奴?」

エオウィン「そう。舌先三寸で、セオデン王をたぶらかして、ローハンを滅ぼそうとしたあいつよ」

メリー「……あんな奴といっしょにされたんじゃ、
ジミーが気の毒だよ。ジミーはもっと誇り高くて、責任感があって、旅の仲間で言えば、そうだなあ、ボロミアに近いんじゃないかなあ」

エオウィン「
ボロミア様って、ゴンドールの執政の子の?」

メリー「少なくとも、
ボロミアは強烈にリーダーシップを執ろうとしていたよ。ガンダルフや、アラゴルンがいたから、一歩引いた立場で振る舞ってはいたけど、それでも、しきりに自己主張はしていたな。誇りと責任感の強さが、<一つの指輪>につけこまれて、過ちを犯してしまったけど、その過ちを償うために、ぼくやピピンを助けようとして、オークの集団と戦って……壮絶な討ち死にをした、と聞いている」

エオウィン「
ボロミア様は勇者でいらしたのね」

メリー「勇気はあったし、仲間想いでもあったんだ。でもね、ただ一つ、足りなかったのは、誇りの強さから、他人に対して謙虚になるって点だった。
ボロミアは、ガンダルフを年長者として尊敬し、礼儀を示していたけど、その能力を評価するような姿勢は見せなかったな。アラゴルンに対しても、ライバル意識をはっきり示していた、と思う。その意味で、ボロミアは指導者として育てられてきたけれど、他人の好意を当てにするよりも、他人を思い通りに動かすことを望むタイプだったんじゃないかな。弱い者への慈愛は示すけど、強い者に対しては、自らさらに、その上に立とうという姿勢で臨んでいた。そういう人だった、と、ぼくは思うよ」

エオウィン「それが、
ジミーと同じというの?」

メリー「最初はね。もっとも、
ジミーの方が、いくぶん口は軽かったけど。……で、最近は、ジミーも変わってきて、謙虚さを示すようになってきた、と思う。ジャリアルエメリックに影響されて、いろいろ考えたんだろうね」

エオウィン「……」

 本記事のエオウィンは、もちろん『指輪物語(ロード・オブ・ザ・リングズ)』が元ネタですが、時期的には、ファラミアと出会う前、アラゴルンに憧れていた頃を想定しています。男装してデルンヘルムと名乗り、メリーとコンビを組んでいた頃。
 NOVA個人としては、エオウィンジミーのリーダーシップを認め、その後、恋愛対象として意識し……という流れを意図しているのですが、その思惑通りに進むかどうかは、キャラ次第です。
 まあ、
ジミーが成長して、アラゴルンファラミアのようになれば可能性はあるのですが、どうもジミーって、ボロミアタイプなんですよね(傲岸不遜というか、大言壮語って点が)。原作のエオウィンが望むのは、「王としての品格」と「自信に裏づけされた謙虚さ」そして「ここぞという時の英雄的振る舞い」と考えるわけですが、果たしてジミーの場合、そこまで成長できるかどうか……。

エオウィン(エメリックがもう少し、リーダーシップを発揮してくれたらいいんだけどね)

 複雑な乙女心ですなあ。
 エメリックは、どうも「謙虚な従者キャラ」になってしまったようで、「戦士の名誉」は持ち合わせているけど、他人を押しのけて、どうこう言うタイプではない、と思います(任務に忠実な一兵士的立場)。
 でも、彼女の気持ちはさておき、今は、冒険の進行の方に気を回します。

メリー「今、帰ったよ」

ジミー「ご苦労。で、周囲の様子はどうだった?」

メリー「西の方が、建造物が多い感じだった。東の方は、荒野が続いていそうで、探索にも時間が掛かる、と思う」

ジミー「ならば、まずは西から回ってみる、とするか」

 こうして、偵察行の果てに、フィールドの探索方針を定めた一行でした。(つづく)

レベル7(一部8)パーティーの能力紹介

 フィールドに出る前のクエスト達成などで、経験値がたまりましたので、レベルアップです。

●エオウィン:レベルファイター/レベルローグ。HP66
  武器:ロングソード+2
  防御力:
AC26
  スキル:隠し身(
−4)、忍び足(−5)、聞き耳()、察知(
       精神集中(
)、捜索()、開錠(2)、装置の無効化(0)
       応急手当(

  新技能:
急所狙い
  近接攻撃
+15/10、遠隔攻撃+7/2
  反応ST
、肉体ST10、意志ST

・コメント
 本文にあるように、攻撃力アップのために、ローグの技能をGET。
 それにともない、スキルも成長していますが、あまり使用する機会はないか、と。
 

●ジミー・ザ・ブラック:レベル
ソーサラー/レベル1レンジャー/レベルクレリック。HP30
  武器:ロングボウ+2、クラブ+4
  防御力:AC
19
  スキル:隠し身(1)、忍び足(1)、聞き耳(
)、察知(
       精神集中(
11)、呪文学(12)、捜索(5)、応急手当(5)
  近接攻撃+6、遠隔攻撃+5(弓使用時:近接+2、遠隔+7)
  反応ST
、肉体ST、意志ST11

・コメント
 ソーサラーレベルが5に上がって、マジックミサイル3連発が可能になりました。
 次の目的は、
ファイヤーボールです。

●メリー:レベルローグ/レベルファイター。HP47
  武器:ショートボウ+2、ショートソード+2
  防御力:AC
22
  スキル:隠し身(
15)、忍び足(13)、聞き耳(12)、察知(10
       精神集中(2)、捜索(
10)、開錠(13)、装置の無効化(10
       応急手当(

  近接攻撃
+9/+4、遠隔攻撃+10/+5(弓使用時:近接+7/+2、遠隔+12/+7
  反応ST
11、肉体ST、意志ST
 
・コメント
 2回攻撃が可能になりました。HPの上昇も十分で、敵の状態によって、近距離戦も遠距離戦もこなせるキャラになっています。

●エリスタン:レベルクレリック/レベル1ファイター。HP41
  武器:
マウンテンフィスト(+2)
  防御力:AC23
  スキル:隠し身(−6)、忍び足(−7)、聞き耳(5)、察知(4)
       精神集中(
)、呪文学()、捜索(0)、応急手当(10
  近接攻撃
+10、遠隔攻撃+6
  反応ST
、肉体ST13、意志ST12
  
・コメント
  2回攻撃ができない点で、
メリーとの攻撃力差が目立っている感じです。
 その意味で、次のレベルアップが待ち遠しいキャラになっています。

●ジャリアル:レベルソーサラー。HP31
  武器:スリング+2、ダガー+3
  防御力:AC
23
  スキル:隠し身(
)、忍び足(1)、聞き耳(0)、察知(0)
       精神集中(
12)、呪文学(11)、捜索()、応急手当(−1)
  近接攻撃+6、遠隔攻撃+6(スリング使用時:近接+3、遠隔+8)
  反応ST
、肉体ST、意志ST
  
・コメント
 
ファイヤーボールで大活躍中。それ以上、特筆することはないでしょうね。

●エメリック:レベルファイター。HP72
  武器:バトルアックス+2
  防御力:
AC24
  スキル:隠し身(−4)、忍び足(−4)、聞き耳(
)、察知(
       精神集中(2)、捜索(
)、応急手当(
  フィート追加:
至近射撃
  近接攻撃
+14/+9、遠隔攻撃+8/+3
  反応ST
12、肉体ST10、意志ST

・コメント
 専業でファイターを上げていますが、フィートで、「至近射撃」なんて手に入ってもなあ(今まで、接近戦しかしたことがない)。
 飛び道具でも持たせた方がいいかなあ。

 

●2005年5月26日(木)・ダークナーガの首飾り(フィールドその2)

 「ミス・ドラノーアの高台」という名のオープンフィールド。
 急に広がった探索範囲にとまどいつつ、比較的、建造物の多いと見られる西側から、探索を始める一行でした。

 地名はゲーム内のマップでは確認しにくいのですが、西側は「小夜鳴き鳥の中庭」と呼ばれています。中庭ですから、周囲を建造物に囲まれた小区画というわけですね。もちろん、小区画といっても、これまでのダンジョン探索の小部屋から比べると、はるかに広いわけです。
 が、そこで遭遇するモンスターと戦いながら、先を進めていく、という展開は全く同じ。もう少し、
交渉とか、話し合いとか、談合といった「言葉で解決できる遭遇」はないものか、と思いつつ。

 この近辺で出会うモンスターは、おなじみの
リザードフォーク、それを仕切る人間のソーサラー、マルギ・ハイなんてのもいましたが、彼は単に強いザコ(ストーンリザードフォーク)を率いるボスってだけで、拝龍教団とは関わりのない(つまりストーリーに関わらない)人です。さくさく……とは行きませんでしたが、少しだけ苦労して何とか撃退。

 次に、よく出会う新顔が
ガーゴイル。「動く石像」の一種です。
 テーブルトークのD&Dでは、しばしば
「ガーゴイルの像があるよ」と言って、プレイヤーたちを警戒させつつ、「実はただの石像で、別のところに罠や、奇襲するモンスターを用意している」なんて、マスタリングをしたなあ、と思い出します。「動く前に、ガーゴイル像を攻撃します」と宣言したプレイヤーに対して、「あ、そう。攻撃されたガーゴイルの像は、一部が欠けた。その欠けた部分から、酸が吹き出して、君に掛かるよ。うまく避けたかどうか、セービングスローして」なんて言った記憶も(笑)。そうすると、次からプレイヤーの方も考えて、「動く前に、ガーゴイル像を遠くから弓矢で攻撃します」なんて、だんだんやり方が巧妙になってきたり……そういう応酬が面白かったのですが、
 本作でのガーゴイルは、そういう仕掛けは一切なし。単にパタパタと飛んでくるだけ。少しつまらない。一応、4回攻撃してくるイヤな奴なんですが、しょせんは知能の足りないザコ。今の7レベルパーティーの敵ではありません(脅威度は4)。4体ぐらいが襲ってきても、適当に
ファイヤーボールでも撃っていれば、散ってくれます。

 そして、さらなる強敵が、今回の表題にもある
ダークナーガ。人面蛇身の怪物ですが、アイスウィンドで出会った蛇人ユアンティとは別物。あちらは、人の上半身と蛇の下半身で、マーフォーク(人魚)的なスタイルですが、ダークナーガの場合、顔だけ人なので、腕はありません。顔だけ人っていっても、蛇のようにディフォルメされていて、「ボディが蛇のコブランダー」「ボディが蛇の帝王ゴール」「ボディが蛇の仮面ライダー王蛇」……なんてものを連想するといいかも。
 当然、腕が使えないので、攻撃手段は
噛み付き、そして魔法と、口から放つ毒液だったりします。攻撃手段的にはドラゴンに匹敵し、脅威度8という強敵でもありますので、最初に遭遇したときには、まず話し合いから臨んでみました。

ダークナーガ「おお、こんなところに人が6人も通りかかるとは珍しい。2人ずつ山分けだ」

ジミー
「まあまあ、そういきり立たずに。尊敬すべきナーガの一族の者よ。我々は、貴兄らの一族の黄金の人蛇オデリント殿を探しているのだ。どこにいるか、教えてくれないか?」

ダークナーガ「
オデリントだと? そのような汚らわしい一族のメスと一緒にするな。あやつはガーディアンナーガ、我らは偉大なダークナーガだ。そこんところ、分かっとんのか、こらあ!」

エオウィン「……何だか、いきなりガラが悪くなったけど、よく分かったわ」

メリー「つまり、
ダークナーガは悪い奴で、やっつけてもいい。ガーディアンナーガは善良なキャラってことだね」

エメリック「さて、降りかかる火の粉は、振り払わねばなるまい」

ジャリアル「いやいや。敵さんに
火の粉を振りかけるのは、わしの仕事やさかい」

エリスタン「
パラダイントームの御名にかけて、準備は万全です」

ジミー
「やれやれ、結局、戦闘かよ。もっと交渉の余地のある相手はいないものかね」

 
そんなわけで、おもむろに戦闘に突入です。3体のダークナーガは強敵でしたが、初期配置がバラバラだったため、各個撃破が可能でした。
 敵を撃退後、
「毒の呪語」なるものを入手します。

ジミー『毒の呪語』かあ。どこかで聞いたことがあるような……」

メリー「地図には、
プレイベリッシュ(毒の呪語)と書いてあるよ」

ジャリアル
「確か、迷宮1階の北東部やったな。首飾りマニアで、『迷宮で見つけた首飾りを渡すように』とか言っていたよなあ」

ジミー「思い出した。『お前たちは、お礼を期待しているだろうが、わしは他人に礼などするような性質ではない』とか何とかほざいていた、生意気で、ケチ臭い奴だな。いかにも『わしは何かの秘密を知っている』って感じだったから、大目に見てやったが、あいつの隠れている部屋の扉は、『毒の呪語』で開くはずだ。一度、生意気な顔を見てきてやろう」

 そして、一度、迷宮に引き返し、「毒の呪語」で封じられた扉を開放します。
 中に潜んでいた
プレイベリッシュは、ダークナーガ。すなわち邪悪なので、遠慮なくボコボコにします。

ジミー「うむ。生意気な口をきいた報いというものだ。素直に礼をすれば、許してやったものを」

ジャリアル
「さすが、首飾りマニアやな。魔法のネックレスをいっぱい隠し持っていたで」

メリー「あ、これって、噂になっていた
『ウィザーズ・トルク』って品物じゃない?」

ジミー「おお。これで、クエスト一つ達成だ。でも、何か一部が欠けていて、魔力を発揮できないみたいだな」


 こうして、プレイベリッシュから、謎の首飾り『ウィザーズ・トルク』を強奪した、略奪者の一行でした。(つづく)

 

●2005年5月28日(土)・黄金の人蛇と、風の神殿(フィールドその3)

 「ミス・ドラノーアの高台」西側の中庭の探索を終え、ダークナーガとの戦いを通じて、『ウィザーズ・トルク』という首飾りを入手した一行です。
 ついでに、迷宮の地下階で、消息不明だった
オーミィールたちを発見します。

オーミィール「おお、友人たち。地下のオーク、追い払ってくれた。わしら、感謝する。感謝の印、わしらの品物、取引する。友人との交易、わしらの一番の恩返しよ。信頼できない奴、わしら、取引しない。品物、見ていくか?」

ジミー「無料で、品物をくれる……ってことはないのか?」

オーミィール「無料? それ、一番、信用できない。無料より、高くつく商売、ないね。そなたら、交易のルール、知らないか? お互いに利益を分かち合う、これ、商売の常識よ。わしら、友人に商売する権利、贈るあるよ。そなたら、その権利、活かして、大いに利益を得る、よろし」

メリー(……
ジャリアルの関西弁も怪しいけど、この似非中国人なまりも、何だかなあ)

 一応、売っている品物を見てみましたが、あまり掘り出し物はありませんでした。とりあえず、不要品を売る場所が新しくできた……ということで、満足しておきます。
 ともあれ、こうして西の中庭の探索で、行けるところは行きつくしたので、次の目的地を定めます。南には進めないので、次は時計回りに北に進むことに。

 フィールドの北側は「風乗り台」と呼ばれる場所。その入り口で、一行は探していた人物、黄金の人蛇オデリントと遭遇します。

オデリンド「私は、〈風の乗り手〉ショーンダカル神の使徒です。留守の間に、私の神殿が、オローグに占拠されてしまいました。私の力では、連中を追い払うことができません。助けていただけないでしょうか?」

ジミー
「もちろんだとも。まともな交渉相手に出会えて、これほど嬉しいことはない。どうも、この近辺には、自分の利益しか考えず、お礼という概念が異質な者や、そもそも、他者に礼をするという考えを持ち合わせぬ者が、はびこっているようだ。貴女は、そのようなことはない、と期待するが」

エオウィン「持って回った言い方だけど、要するに、
お礼を要求しているわけね。何とも、浅ましいこと」

ジミー
「……そう、ストレートに言われたら、わざわざ言葉を選んでいるオレの苦労が水の泡になるんだが……」

オデリンド「……もちろん、お礼は差し上げます。情報ですか? それとも、癒しの力でしょうか? 我が神は、交易を司るとはいえ、あいにく今は持ち合わせがないので、金銭的なお礼はしかねるのですが……」

ジミー
「話の通りが早くて助かる。我々の求める物は、情報だ。見者キーレンフェールから聞いてきたんだが、貴女が〈プール・オブ・レディアンス〉への道を示してくれる、とか」

オデリンド「
見者キーレンフェールが、水晶玉を見るのをやめて、あなたたちに話をするなんて……それだけ重要人物なんですね。本当に心強いです。〈プール・オブ・レディアンス〉の邪悪な力は、オローグたちも利用しています。その力で、神殿を穢しているのですから。神殿を取り返すことができれば、邪悪の源を探知できるかもしれません」

ジミー
「そういうことなら、早速、オローグ退治をして来よう」

 
早速。
 今さら、
オローグなんて敵ではありません。オローグが強敵だったのは、レベル4の時でしたからねえ。今はレベル7ですから、ザコ同然。

ジミー「退治してきた」

オデリンド「迅速な対応、本当にありがとうございます。まずは、傷を癒してさしあげます。
ショーンダカル神も、さぞお喜びでしょう」

メリー「質問。
ショーンダカルって、どんな神さま?」

ジミー
『ジミー・ザ・ブラックのフォーゴトンレルム神さま講座』……なんて、解説したいのはやまやまだが、ここは本家の神官殿にお任せするのが礼儀だな」

オデリンド「心遣い、ありがとうございます。
ショーンダカル神は、風と旅、交易と守護を司る男性神で、自然と自由を重んじます」

ジミー
レンジャーとしても、敬意を示すに値する神だな。我が神オグマとも、旅を通じて情報を集める、という点では、共通点がある」

エオウィン「どうして、
オローグは、ショーンダカルの神殿を穢したのかしら? まあ、連中の行動に理由があるかは、知らないけれど……」

オデリンド「……それは、連中が
シャア神を信仰しているからでしょうね」

メリー「それって、
通常の3倍……って」

ジミー
「違〜う。レルムのシャア神は、〈夜の女王〉〈闇の女神〉とも呼ばれている暗黒神だ。暗闇と、悪の知識を司っている」

エオウィン「つまり、
ジミー向きの神さまってことね」

ジミー
「そう。シンボルマークの黒がいい……って、ちが〜う。我が神オグマの教義は、シャアとは決定的に異なっている。それは……」

オデリンド「
知識の公表
重視している点ですよね」

ジミー
「その通り。シャアは、知識を隠し、秘密裏に行動することを企てている。オグマ神は、知識を集め、公開し、人々のために役立てることを願っている。この違いは大きいぞ」

オデリンド「そして、我が神
ショーンダカルも、風のように秘密事を聞きつけ、噂話として、皆に語り伝えることがお好きなのです」

ジミー
「まあ、噂話だから、事の真偽にはこだわらないところが、玉に瑕なんだけどな」

オデリンド「迅速さこそ、我が神の一番の関心事ですわ。真偽の究明は、後から誰かが、じっくり考えればよろしい」

エオウィン「……よく分かったわ。
ショーンダカルはゴシップ好きで、
オグマは薀蓄屋。そしてシャアは秘密主義だから、相容れないと」

オデリンド「その通りですわ。そのストレートな言い方は、我が神も気に入られることでしょう」

ジミー
「……いや、まあ、少しストレートすぎて、もう少し考えて発言して欲しい、とも思うんだが」

 ということで、多神教の世界らしく、神々に関する薀蓄だけで、十分な量の記事が書けたりもするわけですが、やはり迅速さも大切って思い直したりも……。

ジャリアル「で、話がはずんでいるところ、悪いんやけどなあ。約束の情報は、まだかいな?」

オデリンド「あ、これは私としたことが。ええと、邪悪の源がどこにあるかは、いろいろな話を聞いています。ここより、東には
〈怪異の庭園〉という場所があって、亡者が巣食っているそうです。さらに東には〈忌み沼〉があって、オーミィールの王が治めているとか。あと、東には〈宝玉の館〉という建物があって、ドワーフの王ハールデイン・アイアンバーの幽霊が出没するとか、宝がいっぱい眠っているとか、言われています」

ジミー
「噂の種だけは、いっぱい仕入れているわけだな。でも、どれがズバリ正解なのかは、分からないと」

オデリンド「真偽の究明は、あなたたちが、じっくり行ってくれることを期待します」


 
こうして、「風乗り台」の神殿を解放し、さらに東へ進路を向けることにした一行でした。(つづく)

 

●2005年6月1日(水)・オーミィールの王(フィールドその4)

ジミー「よし。前回の経験で、レベルが上がったぞ。これで、オレも、ファイヤーボールが使えるようになった!」

エリスタン「私もクレリックのレベルが7になって、4レベルの呪文が使えるようになりました」

ジミー
(聞いていない)フフフ。これで、立ちはだかる敵どもを、漆黒の炎で黒焦げにしてくれる」

ジャリアル
ファイヤーボールが使えるようになった途端、性格の変わる魔術師が多い、と聞いているが、ジミーはん、あんたもかいな?」

ジミー
(聞いていない)フフフ。名づけて、炎殺黒龍波……(ボコッ)って、エオウィン、いきなり何をするんだ? シールドで頭を殴るなんて……」

エオウィン「あなたが、自分の世界に入って、人の話を聞いていないからよ!」

メリー「
ジミー。今の彼女には逆らわない方がいいよ。その気になれば、急所攻撃さえできるんだから」

エオウィン「あなたの
黒いローブを見ていると、指輪の幽鬼を見ているようで、
無性に倒したくなるのよ」

ジミー
「そんな無茶な理由があるか! ……で、話って何のことだ?」

エオウィン「次の目的地よ。東に向かうそうだけど、
〈怪異の庭園〉〈忌み沼〉〈宝玉の館〉の、どれに向かうの?」

ジミー
「うむ。ここは状況を一度整理しよう」

 
フィールドマップは以下のような構造になっています。


          淀みが淵(ゲームスタート地点)→ダンジョン(探索の末、魔術師の大会堂に出る)
               ↑
  入れない城門―風乗り台(風の神殿)→ 怪異の庭園(未探索)             
               ↑               |
    中庭   ←魔術師の大会堂   →     忌み沼(未探索) 
 (ダークナーガ)

ジミー「簡単な偵察行で判明した地理は、こうなっている。〈宝玉の館〉は、〈怪異の庭園〉〈忌み沼〉の中、あるいは、その向こうにあると推測される。そこで、我々は〈怪異の庭園〉〈忌み沼〉のどちらかを選ばなければならない」

メリー「確認。
入れない城門って、どういうこと?」

ジミー
「うむ。西には、大きな城があるのだが、その門がどうしても開かないのだな。おそらく、魔法で封印されているのだろう。我々は、その封印を解除する方法を見つけ出さねばならない。これはオレの勘だが、我々の敵、拝龍教団の首領である女魔術師カイア・モードレインは、そこに潜んでいると思う」

エメリック「目の前に、敵の居城が見えているのに、すぐに入れないのは何とも苛立たせるな」

エリスタン「急いては事を仕損じます。今はただ探索を続けて、十分な力を蓄えてから、悪との決戦に挑めばいいでしょう」

ジミー
「……何しろ、敵はドラコリッチと手を結んでいるからな。未熟なまま、下手に戦いを挑めば、返り討ちにあうのが必定だ」

エオウィン「随分と、慎重に考えるようになったじゃない?」

ジミー
情報収集のためには大胆に、情報収集した後の作戦行動は慎重に、というのが、戦略家としてのオレのポリシーだ。情報もないのに、あれこれ考えても無意味だが、与えられた情報を吟味せずに行動するのは、自殺行為だろう。情報を集め、敵と味方の戦力を客観的に分析し、勝てる戦いのみを確実に遂行するのが、優秀な将軍のあり方だと、とある東洋の戦略家は記している」

エメリック「素晴らしい。さすがはリーダーだ。その大切な情報収集のために、私も及ばずながら協力することにするよ」

ジミー
「協力……って、何をする気なんだ?」

エメリック「うむ。私も、次のレベルアップでは、
戦士ではなく、レンジャーのレベルを上げようと考えている」

ジミー
「! それは、オレに対する挑戦か?」

エメリック「何のことだ? 私は君の助けをしようと……」

ジミー
エメリック君。これはたとえ話として聞いてほしいんだが、昔、ある女性がいてだな、伝説的に有能な、ある種の職人に憧れていたわけだ。そして、彼女に好意を持つ男がいて、自らも努力して、その職人に追いつけるように、技を磨くことに励んでいた、としよう」

エメリック「女性のために努力する……何とも、けなげな男だな」

ジミー
「そこに、別の男が突然、現れて、自分も同じ技を磨こう、と言い出す。こういう状況があったとして、君はどう思うかね?」

エメリック「……どちらの技が優れた物になるか、お互いにライバルとして競い合えばいい。最終的に、どちらを伴侶に選ぶか、あるいは選ばないかは、その女性が決めることだとは思うが」

ジミー
「……別の男は、最初の男のけなげな気持ちを知った場合、その気持ちに免じて、自らは遠慮しようとか、そういった気持ちにはならないのだろうか?」

エメリック「別の男の気持ちは、私には分からないが、
女性の気持ちを自分に向けるという下心が動機の場合、職人としての技の習得は失敗に終わるのではないだろうか? 技の習得を第一に考えるなら、遠慮の必要はないだろうし、本来の動機が不純なら、それを昇華するためにこそ、ライバルの存在は必要だと考える。遠慮しなければいけないような必然性は、私には感じないのだが」

ジミー
「つまり、遠慮する気はない、ということだな?」

エメリック「……そのような複雑な哲学論争を、どうして君が私に尋ねるんだ? 仮に、私が別の男の立場だとしても、どうして遠慮しないといけないのかが、想像できない。それに、
私がレンジャーになることと、君のたとえ話が、どう関係するのか、よく分からないんだ。もう少し分かりやすく、説明してくれないか?」

ジミー
「……もういい。今の話は、つまらない戯言だ。忘れてくれ」

エメリック「??」

メリー(
エメリックって、ここまで天然に鈍感な人だったんだなあ)


 ……ということで、一時期は落ち着きかけたライバル関係も、再燃しつつあります(といっても、どうやらジミーの方が、一方的にエメリックを意識しているだけみたいですが^^;)。
 そういう想いはさておき、リーダーとして自分を律しなければいけないジミーは、探索の目的を
〈忌み沼〉に定めます。その理由は……。

ジミー〈怪異の庭園〉は亡者の巣だ。話の通りそうな相手はいないだろう。〈忌み沼〉の方は、オーミィールの王がいるらしい。もしかすると、いい交易ぐらいはできるかもしれない

 そんなわけで、〈忌み沼〉探索を始めるわけですが、

オーミィール王プージック「くっくっく。カイア様のご命令だ。棒足人間を始末しろ、とな」

ジミー
「貴様! 拝龍教団の手先だったのか!」

プージック「その通り。カイア様は、わしに力を与えてくれた。その力で、わしは前王を殺し、新たな王となった。わしに逆らう者は処刑、もしくは追放した。ここで、わしの権威を損ねる者はいない。わしは王なのだ。お前たちも、おとなしく、処刑されるがいい!」

ジミー
「……プージックとやら。お前は、猛烈に運が悪かったようだな。オレは今、もの凄く不機嫌になっていたんだ。 お前は、今、オレの怒りに火をつけた。くらえ、怒りのブラック・ファイヤーボール!

プージック「ぐおおおおっっっっっ! 王たる、わしに何ということを! 許さん、許さんぞ、貴様!」

ジミー
「やかましい。ブラック・ファイヤーボール!

プージック「うわちゃああああっっっっっ! こ、こんな非道が許されると思うなあ!」

ジミー
ブラック・ファイヤーボール!

プージック「ぐふっ」

ジミー「まだ、言いたいことはあるか?」

DMメッセージ「返事はない。ただのしかばねのようだ」


 こうして、
ジミーの(八つ当たり気味な)攻撃の前に、拝龍教団の手先となって王位を簒奪したプージックは、消し炭となってしまいました。
 簒奪者および、その取り巻きが一掃されると、前王派の友好的なオーミィールが現れて、いろいろと情報を教えてくれたり、交易の算段を整える約束をしてくれたりします。

 その後。

エメリック「よし、レベルが上がった。これで私も、レンジャーだ」

ジミー
「……」

 いろいろ、複雑な思いを抱えつつ、次の進路を、アンデッドが巣食う〈怪異の庭園〉に定めた一行でした。(つづく)

レベル8(一部9)パーティーの能力紹介

●エオウィン:レベルファイター/レベルローグ。HP69
  武器:
ロングソード+3
  防御力:
AC26
  スキル:隠し身(
−3)、忍び足(−5)、聞き耳()、察知(
       精神集中(
)、捜索()、開錠()、装置の無効化(
       応急手当(

  新技能:
かわし身
  近接攻撃
+15/10、遠隔攻撃+8/3
  反応ST
11、肉体ST11、意志ST

・コメント
 またも、ローグレベルをアップさせ、
「かわし身」の技能を手に入れました。
 これは、反応STで半減できる攻撃のダメージを、完全回避できるようにする物。TRPG版では、軽装鎧でしか有効ではありませんが、本ゲームでは、鎧制限がありませんので、戦士でも有効に使えます。 

●ジミー・ザ・ブラック:レベル
ソーサラー/レベル1レンジャー/レベルクレリック。HP34
  武器:
ロングボウ+3、クラブ+4
  防御力:AC
20
  スキル:隠し身(1)、忍び足(1)、聞き耳(
)、察知(
       精神集中(
13)、呪文学(13)、捜索()、応急手当(5)
  近接攻撃
+7、遠隔攻撃+6(弓使用時:近接+3、遠隔+9
  反応ST
、肉体ST12、意志ST12

・コメント
 とうとう
ファイヤーボールが使用可能になりましたが、ライバルレンジャーの出現で、またも悩むことになってます。次にレベルアップすべきは、やはりレンジャー?

●メリー:レベルローグ/レベルファイター。HP55
  武器:
ショートボウ+3、ショートソード+2
  防御力:AC
23
  スキル:隠し身(
15)、忍び足(13)、聞き耳(12)、察知(10
       精神集中(2)、捜索(
10)、開錠(13)、装置の無効化(10
       応急手当(

  新フィート:戦闘即応、刹那の反応
  近接攻撃
+11/+6、遠隔攻撃+11/+6(弓使用時:近接+8/+3、遠隔+14/+9
  反応ST
14、肉体ST11、意志ST
 
・コメント
 パーティー第3の戦士として、機能しています。野外だとローグの鍵開けとか罠外しとかを使用する機会も少ないので、問題もなし。

●エリスタン:レベルクレリック/レベル1ファイター。HP50
  武器:
マウンテンフィスト(+2)
  防御力:AC23
  スキル:隠し身(−6)、忍び足(−7)、聞き耳(5)、察知(4)
       精神集中(
10)、呪文学()、捜索(0)、応急手当(11
  近接攻撃
+11/+6、遠隔攻撃+7/+2
  反応ST
、肉体ST13、意志ST12
  
・コメント
 レベルが上がって、新呪文と共に、2回攻撃も可能になりました。それでも、キャラとして目立たないのは、原作どおりですねえ(苦笑)。人間として、まじめすぎて完成されている分、出しゃばらずに自分の役割だけを淡々とこなしているキャラ。
 レベルが低い時は、「ターニングアンデッド」のために祈っても、効果がないことが多く、「神に祈りが通じない」をネタにできたんですがね。今は、順調にターニングできているため、本当につまらない存在に(爆)。

●ジャリアル:レベルソーサラー。HP34
  武器:スリング+2、ダガー+3
  防御力:AC
23
  スキル:隠し身(
)、忍び足()、聞き耳(0)、察知(0)
       精神集中(
13)、呪文学(12)、捜索()、応急手当(−1)
  近接攻撃
+7、遠隔攻撃+7(スリング使用時:近接+4、遠隔+9
  反応ST
、肉体ST、意志ST
  
・コメント
 レベル4魔法が使えるようになりましたが、そのレベルだと派手な攻撃呪文がないため、比較的地味なレベルアップでした。取得呪文は
チャームモンスターですが、それを使うよりも、ファイヤーボールを連発する方が効果的ですからねえ。

●エメリック:レベルファイター/レベルレンジャー。HP81
  武器:バトルアックス+2
  防御力:
AC24
  スキル:隠し身(
)、忍び足()、聞き耳(10)、察知(10
       精神集中(
)、捜索(12)、応急手当(
  フィート追加:
突破力
  近接攻撃
+16/+11、遠隔攻撃+9/+4
  反応ST
13、肉体ST13、意志ST

・コメント
 とうとう、ジミーの気分を逆撫でさせるレベルアップを行いました。
 ファイターとしては、大体目ぼしいフィートを習得し終わりましたので、やはり、特殊能力が得られる方向を目指すってことで。
 将来的には、回復呪文も使えるようになります。呪文使用に足りない知恵の能力値は、アイテムを使って補強済み。
 なお、今回レンジャーを修得したとたん、スキルの数値が一気にアップしましたが(全体的に4ずつアップ)、何だかルール処理のミスのような気がしています(キャラ作成時に、スキルポイントは通常の4倍与えられるが、新職業に就いたことで同じ処理が行われたようだ。でも、他のキャラではそんなことはなかった……)。まあ、プレイヤー的には損をしたわけではないので、問題ないわけですが。

 

●2005年6月5日(日)・〈怪異の庭園〉の地下墓所(フィールドその5)

ジミーブラック・ファイヤーボール!

グール、スケルトンロード、ガーゴイル「(爆発しながら)イーッ!」

ジミー
「フフフ、このオレの力に掛かれば、蠱毒房三冥獣だろうと、冥府門のガーディアンだろうと、まとめて粉砕してくれる」

ジャリアル
ジミーはん。わしらが戦っているのは、インフェルシアの冥獣やあらへんで。ゲームとTV特撮をごっちゃにしたらあかん」

ジミー
(聞いていない)後は、この〈怪異の庭園〉で、門の鍵手に入れて、西の城に入れれば……ブツブツ」

ジャリアル
門の鍵が必要って点では、微妙に特撮世界とシンクロしてるんやけどな……」

エリスタン「……この症状は……どうやら現実逃避しているようですね」

メリー「
エリスタンも、一時期、世界観ギャップで信仰を失ったとき、似たような状態になっていたもんね」

エメリック「リーダー、一体どうしたと言うんだ? 日頃の冷静さは、どこに行ったんだ?」

ジミー
「……エメリック、君もレンジャーになったのなら、この際、魔術師の道を志したらどうだ? そうすれば、今なら太陽のエレメントを宿した天空勇者の称号を進呈するぞ」

エメリック「い、いや、何の話か、全然、見当もつかないんだが……」

ジャリアル
エメリックはん。ちょっと、こっちに来なはれ」

 
ジャリアル
エメリックに、ボソボソ打ち明け話をします。

ジャリアル「つまりな、ジミーはんにとって、レンジャーってのは、非常に大切な職業、一種の聖域に近い扱いやったんや。あんたが、その聖域に踏み込んだもんやから、自分を維持できずに、現実逃避するに至ったわけで……ジミーはんが今、口走っているのも、別の世界のレンジャーの話や。深い意味はあらへんから、そこんところは、あまり気にせんとき」

エメリック「すると、私が彼の聖域に踏み込んで、
レンジャーの道を志したのが問題だったと?」

ジャリアル
レンジャーが問題というか、レンジャーに憧れる女性が問題というか……」

エメリック「もしかして、それが
ジミーの言っていたたとえ話か? その女性とは誰のことなんだ?」

ジャリアル
「……あんた、ほんまに鈍感やってんな。わしらの中で女性言うたら、エオウィン嬢しかおらへんやないか」

エメリック「
エオウィン嬢レンジャーに憧れており、そのために、ジミーレンジャーを志す。つまり、ジミーエオウィン嬢に好意を持っている、ということか」

ジャリアル
「ようやく、そのことが分かってんな。で、あんたがレンジャーを志したことが、ジミーはんにとって、何を意味するのか、想像できへんやろうか?」

エメリック「……どうやら、私は彼に悪いことをしたようだ。謝罪してくる」

ジャリアル
「……それは、やめとき。ああ見えても、ジミーはんはプライドが高い人や。ライバルと目していた男に、理由もなく謝られても、かえって傷つけるだけやで」

エメリック「ライバル……と言っても、私の方には、そういう意識は全くないんだが」

ジャリアル
「分かっとる。これは、どう見ても、ジミーはんの一人相撲や。そのことは、ジミーはんも分かってるけど、乱れた気持ちに折り合いをつけるためには、少しの時間が必要なんや」

エメリック「
ジャリアルどの、私はどうしたらいい?」

ジャリアル
「さあな。自分の役割を果たすことだけを考えたらいいんとちゃうか?」

エメリック「……少し、辺りを偵察しながら、考えてみる」

 こうして、エメリックレンジャーらしく、周囲の散策に出ますが……

エメリック「うわあ」

 
急に崩れた地面の底に落下してしまいます。

ジャリアルエメリックはん。大丈夫か?」

エメリック「ああ。少し足をくじいたが、大したことない。それよりも、ここは
地下墓所のようだ」

ジャリアル
「ちょっと、待っとき。みんなを呼んできて、すぐに引き上げたるさかい」

 ジャリアルに呼ばれて、崩れた穴に駆けつけた他の面々ですが……。

エオウィン「エメリック、大丈夫?」

エメリック「あ、いや、レディー。今、
スペクターの襲撃を受けている。脱出の余裕はなさそうだ。私のことはあきらめて……」

ジミー
「バカ者! 何を自己犠牲の精神に浸っているんだ! お前、一人に格好を付けさせるか! みんな、ついて来い! トウッ!」

ジャリアル
「あ、いきなり穴に飛び込むなんて、また無茶な」

エリスタン「
スペクターと言えば、アンデッドですね。私の信仰の力が必要なようです。それッ」

エオウィン「
メリー、私たちも行くわよ」

メリー「あ、待ってよ。トイヤーッ」

ジャリアル
「みんな、無茶なリーダーによう付いていくわ。ま、『ドラゴンの巣に入らずんば、ドラゴンパピーを得ず』とは、どっかの天才神官も言ってたからな。ここは、皆さんに従いまひょ」

 
エメリックを助けるために、次々と地下墓所に飛び込んでいく面々です。スペクターは、アンデッドモンスターの中でも強敵ですが(脅威度7)、何とか撃退できました。

エメリック「すまん、リーダー。私は、もうダメだ。スペクターの攻撃で、レベルを下げられてしまった。体が冷えて、動く力さえ残っていない」

ジミー
「ええい。パーティーで一番、頑健な男が、弱音を吐いているんじゃない! エリスタン、何とか癒せるか?」

エリスタン「
パラダイントームが力を与えてくれます。今なら、エナジードレインも治療できます」

 
聖職者として成長したエリスタンの4レベル呪文「リストレイション」のおかげで、失ったレベルも回復できました。
 しかし、落ちてきた穴からの脱出は不可能なようで、一行は地下墓所内の探索を余儀なくされます。

メリー「久しぶりのダンジョンだよ。何だか緊張するなあ」

ジミー
「トラップに対する警戒は怠らないでくれよ」

エメリック「すまん、リーダー。こういうことになってしまって」

ジミー
「何を言うんだ、エメリック。君の偵察の結果、我々は地下墓所という探索区域を発見した。オレは前向きに、そう考えている」

エメリック「
……君の気持ちを察することもできず、レンジャーの道を選んでしまったことも、申し訳ないと思っている」

ジミー
「……我々には優秀なレンジャーが必要だ。オレは、魔法の修練にも、僧侶としての修行にも、力を注ぎたい、と思っている。よって、レンジャーの技の習得は中途半端に終わるかもしれない。君が、それを補ってくれるなら、十分ありがたいことだ。それ以外の感情的な理由は、パーティー全体の利益の前には、小さな問題だと思う。君は、レンジャーとして精進してくれ。オレは、リーダーとして精進していくつもりだ」

 
しばしの探索の末、「歌の呪符」を発見し、封印で閉ざされた扉を開放します。地下墓所が、最初のダンジョンの2階「石の階層」ともつながっていることが判明し、脱出ルートも確保します。
 結局、
地下墓所を探索した最大の収穫は、ガーゴイル語の解読道具を発見したことでした。

 地下墓所から脱出したことで、〈怪異の庭園〉を大体、探索しつくした一行。そして、その北には、「ミス・ドラノーアの高台」に築かれた大きな屋敷〈宝玉の館〉が見えてきました。(つづく)

 

●2005年6月7日(火)・宝玉の館

ジミー「(地図を見ながら)うむ、そういうことだったのか!」

メリー「
どうしたんだい、ジミー?」

ジミー
「目の前の〈宝玉の館〉だがな。〈怪異の庭園〉の北にあるってことは、どうしても我々が最初に探索したダンジョンと位置がかぶるんだよ。これはどういうことか、と考えていたんだが、結論が出た」

メリー「どんな結論?」

ジミー
は、高台の上に築かれている。一方で、ダンジョン高台の地下に築かれている。つまり、〈宝玉の館〉の地下に、ダンジョンが広がっているわけだ。我々は、ダンジョンから、転送装置で〈魔術師の大会堂〉に飛ばされりしたから、今まで気づかなかったけどな」

 
ということで、
〈宝玉の館〉に入った時点で、フィールド探索が終了し、ダンジョン探索の続き、という形になります。
 なお、
〈宝玉の館〉からダンジョンに降りることは可能ですが、逆は不可でした(一方通行の扉のせいで)。

 
〈宝玉の館〉に入ると、いきなり強敵のドワーフ彫像と戦うことになります。攻撃力の高い相手ですので、前衛の戦士がどこまで持ちこたえるかが勝負でしたが、エオウィンエメリックが戦闘不能になりつつ、かろうじて撃退に成功。久々の難敵だったということで。
 次の部屋では、魔法の電撃の罠が仕掛けられていますが、電撃放射のタイミングを見計らって、
メリーが部屋の奥に突入。部屋の奥で罠解除ができますので、何とか無効化に成功します。

 その次の部屋で、上に行く階段と、奥に続く扉あり。奥の扉からは、ダンジョンで探索済みのに戻ることができます。そこで、反教団派の
オローグと遭遇。
 
オローグたちは、「拝龍教団から、オークの秘宝の武器〈ヘルム・クリーヴァー〉を取り戻したい」と言って、協力を要請してきます。そこで、敵の敵は味方、という原則に従い、協力要請に同意して拝龍教団の魔術師たちと一戦を交えることに。
 相手を撃退した後……。

オローグ「よし。〈ヘルム・クリーヴァー〉我らのものだ」

ジミー
「それで、協力者であるオレたちには、メリットはないのか?」

オローグ「何だと? お前たちも、
〈ヘルム・クリーヴァー〉
を欲しい、と言うのか?」

ジミー
「少なくとも、興味はあるな。秘宝の武器がどれくらいの物か……」

オローグ「
〈ヘルム・クリーヴァー〉
を持つ者は、力ある者として、オーク部族を従えることができる。欲しければ、力づくで奪うことだ。代表同士、1対1で正々堂々と決闘するか?」

ジミー
「望むところだ」

オローグ「うむ。正々堂々の決闘に応じるとは、勇敢さは認めよう。代表を選ぶがいい」

ジミー
エメリック、出番だぞ」

エメリック「私か?」

ジミー
「当然だ。パーティー一頑健な戦士は君だからな。それとも、エオウィン決闘の代表に選ぶか?」

エオウィン「私は、別に構わないわよ」

ジミー
「仮に、エオウィンが戦って勝ったら、オローグどもの名誉は大いに傷つけられるだろうな。オローグとの交渉を有利に進めるに当たって、我々は力を示す必要があるが、必要以上に相手の敵意を買うような真似はしたくない」

エメリック「分かった。私が戦おう」

 
こうして、エメリックオローグ代表戦士が決闘し、圧倒的に前者が勝ちを収めます。

オローグ「我らの戦士が敗れるとは……。確かに、お前たちは力ある者のようだ。〈ヘルム・クリーヴァー〉を持っていくがいい

ジミー
「うむ。確かに、いい武器のようだな。間近で見ると、よく分かる」

オローグ「……」

ジミー
「だが、これはお前たちの種族の秘宝の武器だろう。我々よりも、お前たちの手で振るわれてこそ、真価を発揮すると思う。我々には、これは使いこなせない。真の持ち主に返却するとしよう」

オローグ「……我らに返す、と言うのか?」

ジミー
お前たちも、名誉を重んじる、力ある戦士だからな。その名誉にかけて、拝龍教団との戦いに、力を貸してほしい」

オローグ「……分かった。だが、
教団の中でも、カイア様は強いぞ。我らは、教団の魔術師には元より、従うつもりはなかったが、カイア様の力には敬意を表している」

ジミー
それがなぜ、反旗をひるがえす気になったんだ?」

オローグ「我らの忠誠に、
カイア様が応じようとしないからだ。カイア様にとって、我々は使い捨ての駒に過ぎん。我々は、力と名誉にふさわしい扱いを求めたが、聞く耳を持とうとされなかった。我らの力と名誉は、我々自身が証明し、守る必要がある、と考えた」

ジミー
確かにそうだ。では、こうしよう。オレたちは、カイアと戦う。お前たちは〈ヘルム・クリーヴァー〉を使って、カイアにひれ伏した臆病者のオークを倒すなり、従えるなりしてくれ。お前は、オークやオローグの救世主として、部族を率いる長になる。オレたちは、カイアとの戦いを通じて、それに協力する。これは名誉ある公正な取引、と考えるが」

オローグ「
黒の魔法使い、勇敢で名誉ある同志。友好の印として、この守護の小手を受け取るがいい」

ジミー
友好の印、確かに受け取った。勇敢な同志諸君の、今後の戦いの健闘を祈る」

ジャリアル「オローグはんたち、喜んで去って行きましたなあ」

エオウィン「……」

ジミー
「ん? どうした、エオウィン?」

エオウィン「あなたの口の上手さに、あきれているの」

ジミー
「……複雑な女心と違って、力と名誉を重んじる連中は、単純で分かりやすいからな」

エメリック「しかし、連中はレンジャーの我々にとって、仇敵だぞ。それを倒さないでいいのか?」

ジミー
「真に倒すべきは拝龍教団だ。大局に立てば、教団に敵対するオークは味方として、協力してもらうに限る。<毒をもって毒を制す>という言葉は、こういうときのためにあるのだ」

エメリック「……そういう考え方は、私には到底できないが……君のような男が敵ではなく、リーダーで心強いと思うべきだろうな」

ジミー
必要以上に敵を作るよりも、可能なかぎり、味方を作って共存を図る。これも戦略家としての、オレのポリシーだ」

 〈ヘルム・クリーヴァー〉イベントを終わらせた後、〈宝玉の館〉の階上に昇ります。
 そこでは、館の主であるドワーフの王ハールデイン・アイアンバーの亡霊がいますが、麻痺症状を起こしており、会話不可能な状態になっています。
 館の屋上に上がり、そこから西の庭に下り立つと、襲撃してくる魔法の獣アラキャットの群れ。そこに一頭だけ、大型の獣が紛れ込んでいます。

ジミー「何? ブラック・アラキャットだと? おのれ、オレの許可なく、勝手にブラックを名乗るとは許さん! ブラックを名乗っていいのは、仮面の騎士と、戦隊のメンバーだけに限る!」

ジャリアル
「ついでに、ゲルダムの将軍とか、悪魔や亡霊といった悪の秘密結社ブラックを名乗ってますなあ」

ジミー
「……余計な茶々は入れるな。とにかく、ブラック・ファイヤーボール!

ジャリアル
「加えて、本家パープル・ファイヤーボール!

エリスタン「
パラダイントームの光を受けなさい。シアリング・ライト!

エメリック「正々堂々と正面攻撃!」

メリー「背後からの奇襲攻撃!」

エオウィン「側面からの奇襲&クリティカル痛打!……で、とどめになったようね」

 
ブラック・アラキャットの守る穢れた泉を浄化すると、ハールデインの亡霊の麻痺症状も回復します。

ハールデイン「ふう。幽霊にもなって、体が麻痺するなんて、思わなかったぞ。おぬしらには、穢れを取り除いてもらって、感謝しておる」

ジミー
「ずいぶん、気さくな幽霊なんだな」

ハールデイン「わざわざ、友好的な相手を脅かしても仕方あるまい。わしは生前から、合理的かつ建設的な思考のドワーフじゃったからな。それに、職人としては頑固だが、人付き合いは悪い方ではなかった。わしほど交友関係の広いドワーフも珍しかったのではなかろうか?」

エオウィン「……少なくとも、おしゃべりなドワーフってのは珍しいわね」

メリー「
ビルボの話してくれた13人のドワーフの中には、陽気なドワーフも結構、いたみたいだけどね。キーリとかフィーリとか、ビフールボフールボンブールとか……」

ジミー「リーダーが確かトーリン・オーケンシールドで、メジャーなのが、モリアで死んだバーリンと、旅の仲間ギムリの親父のグローインだな。後は、ドワーリンドーリノーリオーリオイン。それから、別部族の鉄の足ダインなんてのもいたなあ」


ジャリアル
「何を、『ホビットの冒険』トリビアみたいなことを、してまんねん? ハールデインはん、怒ってますで」

ハールデイン「いやいや、我らの同胞の名前をそれだけ聞けるとは、喜ばしい。おぬしたちが、
ドワーフの友であるこ
とはよく分かった」

ジミー「ついでに、某お姫様を世話した7人のドワーフにも通称があってな。ドックグランピィハッピィスリーピィバッシュフルスニーズィドッピィというそうだ」

ハールデイン「順に、
先生おこりんぼごきげんねぼすけてれすけくしゃみおとぼけという意味だな。ハイホー、ハイホー♪ と歌いたい気分にもなるが、それはともかく、話を先に進めていいかね?」

ジミー「まあ、確かにドワーフの名前ばかり羅列していても、時間のロスだよな」

ハールデイン「そういうことだ。おぬしたちには、これから大切な話をいろいろとしてやりたいのだが、時間が尽きてしまった。つづきは、またの機会ということで、しばし待ってくれぬか?」

エオウィン「散々、気を持たせておいて、そういうオチ?」      
(新展開を前にして……つづく)

【4ページ目へつづく】