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ライダーの悪役伝             

グロンギ(IN クウガ)


目次
グロンギ概説と所感
グロンギ怪人の名称
グロンギ怪人の分類
グロンギ語講座
未確認生命体・全リスト
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グロンギ怪人・個体解説
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1.グロンギ概説と所感

 「グロンギ」は、「仮面ライダークウガ」に登場する怪人集団である。

 彼らの特徴は、以下の通りである。

  1. 動植物の能力を持った改造人間である。
  2. 機械的な改造手術ではなく、体内に霊石を埋め込む、古代の呪術的な改造と推測される。
  3. ふだんは人間体として行動し、戦闘時に怪人の姿になる。
  4. ゲゲル」という殺人ゲームで、人殺しを楽しんでいる。
    「世界征服」といった陰謀を持たない。
  5. 「ゲゲル」に成功すると、位階が上昇する。
  6. 長野県の古代遺跡に封印されていた。
    独自の言語や文化を持つ戦闘民族である。
  7. 劇中では、「グロンギ」の呼称は一般的ではない。
    たいていは「未確認生命体」と呼ばれている。
    なお、英訳は、「Unidentified Lifeforms」である。

 また、彼らに対する存在として、「リント」が挙げられる。

  1. 「リント」とは、本来、変身能力を持たない古代民族のことである。
  2. しかし、「グロンギ」は我々、現代人をも「リント」と呼んでいる
  3. 本来の「リント」は、「戦士」という言葉をもたない平和な民族である。
  4. よって、「警察」のような武力を行使する現代人に対して、
     「グロンギ」からは、しばしば「リントも変わったな」と指摘される。

 劇中、「クウガ」と「グロンギ」は体の構造が同じであることが判明している。
 そして、「
古代の戦士クウガ」は「グロンギの封印を守るために、墓所のような遺跡で眠っていた(「グロンギ」復活時までは生きていた、と劇中で語られている)。
 このことから「
クウガ」は、古代から「グロンギ」と敵対する存在だったが、その力の源は同じであると推察される。

 このことから、「古代クウガ」の起源を考えると、以下の二つの説が導かれる。

  1. 古代クウガ」は本来、「グロンギ」の一人だったが、裏切って「リント」を守る存在になった。
  2. 古代クウガ」は本来、「リント」の一人だったが、仲間を守るために、あえて敵と同じ能力を身に付け、修羅の道に足を踏み入れた。

 このいずれが正しいかは、劇中では明らかにされていない。
 そもそも、「
グロンギ」自体の出自が明らかにされていないのである。「グロンギ」と「リント」が、本来、同じ民族であり、そのうち変身による肉体強化能力を身に付け、戦闘的な思考を持つように至った者を「グロンギ」と呼ぶようになった、と仮定すれば(NOVAはその仮定が正しいと信じるが)、上の二つの説は、ほとんど差がないに等しい。

 いずれにせよ、「仮面ライダークウガ」という作品のテーマが、
「たとえ正義の名の下であろうと、暴力で解決するのは、痛みがともなうし、それは悲しい現実なので、一人一人が変えていくように努力しなければならない」
ということだと考えられるので、

 「グロンギ」には、「力(武器)をもって弱者を踏みにじり、犯罪を繰り返す現代人」の姿が投影されていると思う。
 
「リント」であるべき現代人も、注意しないと「グロンギ」みたいになっちゃうよ、ってことだと、NOVAは思う。「グロンギ」がみんなを悲しませてる映像をしばしば見せて、「クウガ」の力ですら闇に飲み込まれる危険があると示して、子供たちに「どんな理由があろうと暴力はいけない」と感じさせる教育番組が「クウガ」の一面だろう。

 ちなみに、NOVAは暴力否定派だが、塾講師として、口で言っても聞かない(聞こうとしない)生徒に対して、つい手が出てしまったことはある。
 そのたびに、言葉で解決できない未熟さを痛感する。拳でしか解決できないなんて悲しすぎるが、「悪事を見て、殴ってでもそれを止めようとしない大人」はもっとひどいと思う。
 五代みたいに、「悪事を正す心の強さ」と、「言葉で全てを解決できる説得力」を備えていきたいな、と感じる今日この頃。

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2.グロンギ怪人の名称

 グロンギ怪人の名前は、「ズ・グムン・バ」「ゴ・バダー・バ」のように、3つの部分からなる独特の名称である。

 この3つの部分には意味がある。

 まず、第1部分(接頭語)の「ズ」や「ゴ」は怪人の階級を指す。詳しくは、「3.グロンギ怪人の分類」を参照のこと。

 第2部分(固有名詞)の「グムン」や「バダー」は、モチーフとなった動植物の名を、もじったものである。例の前者は「クモ」、後者は「バッタ」である。濁音を付けると、それっぽく聞こえるものである。

 第3部分(接尾語)は、モチーフの動植物の分類系統を表す。詳しくは、以下の表のとおり。

 試しに、クウガをグロンギ怪人風に呼ぶと、「ゴ・クウガ・バ」になる。
 ズのハムスター種怪人(弱そう^^;)だと、「ズ・バムズ・ダ」になるかな。

グロンギ怪人
接尾語分類系統
虫・節足動物系
飛行生物系
陸上哺乳類
海洋生物系
植物系
爬虫・両生類系

 なお、「第0号ン・ダグバ・ゼバ」の「ゼバ」は、「バ」の変形だろう。
「ン・ダグバ・バ」だと、「ババ」となって語呂も良くないからね。
 あと、「ダグバ」はやっぱり「クワガタ」→「タクワ」→「ダグバ」と思います。
 「クウガ」と対になる存在だからねえ。

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3.グロンギ怪人の分類

 グロンギ怪人は、名称の頭文字によって、6種類に分類できる。

「ズ」:下位怪人。
    戦闘力が弱いだけでなく、結構、衝動的に殺人を繰り返し、
    分かりやすい行動傾向や弱点をもつ者が多い。
    (例:工場の煙を嫌う
ズ・バヅー・バ。陽光に弱いズ・ゴオマ・グ
       車のアイドリング音に興奮する
ズ・ザイン・ダなど)

「メ」:中位怪人。
    「ズ」が昇格すると、「メ」になる。
    衝動的な行動が少なくなり、より知性的かつ狡猾になる。

「ゴ」:上位怪人。
    「メ」が昇格すると、「ゴ」になる。
    この段階の怪人は、専用の武器を使用する。
    また、中には「クウガ」同様の形態変化能力を持つ者もいる。

「ヌ」:職人。
    ゲゲルには加わらず、「ゴ」怪人のための武器作成を受け持つ。
    確認されているのは、
「サンショウウオ種怪人ヌ・ザジオ・レ」ただ1人。

「ラ」:審判・管理役。
    ゲゲルを裏から仕切る者たち。
    死者の数を数える
「コンドル種怪人ラ・ドルド・グ」の他、
    「バラのタトゥの女」も
「ラ・バルバ・デ」の名を持つ。

「ン」:首領。
    第0号こと
「ダグバ」の持つ階級。
    「ン」で始まる名が、いかにも日本語と異なる言語体系を感じさせる。

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4.グロンギ語講座

 劇中、グロンギの話す独特の言葉だが、「日本語→グロンギ語」の変換には、公式HPの対訳を参照すると、一定のフォーマットに基づいた置き換えが行われていると推察される。
 以下の表で、その変換フォーマットを示そう。

日本語→グロンギ語変換表
日本語→ グロンギ語 日本語→ グロンギ語
あ行 ガ行    
か行 バ行 が行 ガ行
さ行 ガ行 ざ行 ザ行
た行 ダ行 だ行 ザ行
な行 バ行    
は行 ザ行 ば行 ダ行
ま行 ラ行 ぱ行 マ行
や行 ジャ行    
ら行 サ行    
「わ」 助詞「が」
「を」    
「ん」「の」    

 たとえば、日本語の「あいうえお」はグロンギ語の「ガギグゲゴ」に変換される。
同様のルールで、「はやくしろ」は「ザジャブ・ギソ」となるわけだ。

 語順は、基本的に日本語どおりだが、たまに「固有名詞」などが混ざった時、英語のような語順の変化が生じるようだ。
 また、文節分けも、日本語に準じるが、時には、発音しやすいように変わるケースもある。「ザジャブ・ギソ」が「ザジャ・ブギソ」になったりする場合もあるわけだ。

 また、他に以下のルールが見られる。

 以上のルールは、あくまで基本形であり、実際の使用例では、微妙な変形が生じている場合がある。これは、方言や個々の怪人の口調によるものだろう。

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