あれからもう3年
まだ3年
私を知る人は、たった3年と言うのだろう
この先にある果てしない時間
人生とするには不可能な時間だと人は言う
ならばその時を生き抜く私は
きっと人ではなくなるのだろう
文明の盛衰を昼夜に
時代のうねりを季節にして
時を数える
それは惑星(ほし)のような生き方なのかもしれない
まばたきのような一瞬の400年に
一生分の恋をして
ただひとりの人間のために
ひとつの思いのために生きる
たったひとつの小さな惑星
それが私なのかもしれない
春の気配をまとった夜風が
野原をさざめかす
私の体を埋もれさせていた菜の花が
踊るようにふわふわと揺れて
満天の星空をチラチラと隠した
またおまえはキザなことをと
あの人が笑っている気がした