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・・・・そんなに時は経っていないのに・・・・ ・・・・記憶なんてこんなもんだろうか・・・・ 〜3 years ago〜
「で、あるからしてここの公式は・・・」 今は退屈な授業中 先生が一生懸命教えている。 果たして何人の生徒が真面目に受けているのだろうか。 俺はというと、窓際の席で、空を眺めていた。 「あ〜、何て綺麗に晴れ渡った空なんやろな」 実際、今日は雲ひとつ無い青空が広がっていた。 「こんな天気のいい日に勉強するなんて勿体無い気がするの〜」 一人空を見ながら納得する。 「雲ひとつ無い青空の下での睡眠、ええの〜」 呟きながら、そのまま机にうつ伏せになった。 ・・・・・・・・ ・・・・・・・・ ・・・きて・・・ ・・・・・・・・ ・・・起きて・・ (誰や?俺を起こさんといてくれ。俺は眠いんや・・・) ・・・起きてったら〜・・・・もぅ・・・・ (誰やねん、こいつ。はよ消えろや・・) ・・・いいかげん起きんかい! 「ぐはっ・・・・」 声と共に俺の腹部にエルボーがきっちり入った。 それはもうピンポイントで・・・ 「もぅ、やっと起きたね、梗耶。早く支度しないと遅刻するわよ」 「・・・???・・・」 「何寝ぼけてるの。しっかりしなさいよ。」 「・・・・・・彩音?」 俺はわけのわからないままそいつの名を呼んだ。 「ほかに誰がいるのよ」 「な、何で彩音がここに・・???」 「おばさんに頼まれてあんたを起こしに来た」 「いや、そうやなくて・・・あれ?」 「はぁ〜?あんたまだ寝ぼけてんの?あんたホントに大丈夫?まだ起きてないんなら、目覚ましてあげようか?」 俺の目の前でハリセンを取り出し、振りかぶる。 「ま、まて、わかったから。起きた起きた。」 慌てて彩音の手からハリセンを奪い取り 「ったく、お前は凶暴やの〜。もぅ少し大人しく出来んのか」 「あんたが寝ぼけてるからでしょ。早く用意しないと本当に遅れるよ」 「ああ、わかった。すぐ降りるから、先に下行ってろ。」 「はいはい、わかったわよ。」 そう言うと部屋から出て行く、と出る前に一言 「二度寝しらた叩くわよ」 そういって部屋から出て行った。 「・・・俺の行動、完璧に読まれてるな・・・」 そういわれたら寝たくなるのが俺なのだが 一度それをやってホントに殴られたことがあるので身にしみて本気だという事はわかっている。 「・・・しゃあねえか、とっとと着替えて行くか」 着替えようとした瞬間、意識がブラックアウトし・・・ キーン・コーン・カーン・コーン〜 チャイムの音と共に目が覚める。 「それじゃ、今日はここまで」 「起立、礼」 授業が終わり昼休みに入る。食堂に向かう者もいればその場に弁当を広げる人もいる。 「・・・・夢・・・・か・・・」 寝ぼけた頭で思い出す。 今まで見たことも無かった彩音の夢。 「何で今ごろあんな奴の夢を見たんやろか・・・」 日向彩音・・・幼馴染にしてよき友・・・ 気が強くいつも俺にちょっかいをかけてくる迷惑な奴・・・ 「何しとるんかな〜、あいつも・・・」 しばらくぼけ〜っと考えていたが 「あぁぁぁぁ、食堂混むやないか!!しまった!!」 我に帰り、急いで食堂に向かった。 |