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1.グロンギ概説と所感
「グロンギ」は、「仮面ライダークウガ」に登場する怪人集団である。
彼らの特徴は、以下の通りである。
また、彼らに対する存在として、「リント」が挙げられる。
劇中、「クウガ」と「グロンギ」は体の構造が同じであることが判明している。
そして、「古代の戦士クウガ」は「グロンギ」の封印を守るために、墓所のような遺跡で眠っていた(「グロンギ」復活時までは生きていた、と劇中で語られている)。
このことから「クウガ」は、古代から「グロンギ」と敵対する存在だったが、その力の源は同じであると推察される。
このことから、「古代クウガ」の起源を考えると、以下の二つの説が導かれる。
このいずれが正しいかは、劇中では明らかにされていない。
そもそも、「グロンギ」自体の出自が明らかにされていないのである。「グロンギ」と「リント」が、本来、同じ民族であり、そのうち変身による肉体強化能力を身に付け、戦闘的な思考を持つように至った者を「グロンギ」と呼ぶようになった、と仮定すれば(NOVAはその仮定が正しいと信じるが)、上の二つの説は、ほとんど差がないに等しい。
いずれにせよ、「仮面ライダークウガ」という作品のテーマが、
「たとえ正義の名の下であろうと、暴力で解決するのは、痛みがともなうし、それは悲しい現実なので、一人一人が変えていくように努力しなければならない」ということだと考えられるので、
「グロンギ」には、「力(武器)をもって弱者を踏みにじり、犯罪を繰り返す現代人」の姿が投影されていると思う。
「リント」であるべき現代人も、注意しないと「グロンギ」みたいになっちゃうよ、ってことだと、NOVAは思う。「グロンギ」がみんなを悲しませてる映像をしばしば見せて、「クウガ」の力ですら闇に飲み込まれる危険があると示して、子供たちに「どんな理由があろうと暴力はいけない」と感じさせる教育番組が「クウガ」の一面だろう。
ちなみに、NOVAは暴力否定派だが、塾講師として、口で言っても聞かない(聞こうとしない)生徒に対して、つい手が出てしまったことはある。
そのたびに、言葉で解決できない未熟さを痛感する。拳でしか解決できないなんて悲しすぎるが、「悪事を見て、殴ってでもそれを止めようとしない大人」はもっとひどいと思う。
五代みたいに、「悪事を正す心の強さ」と、「言葉で全てを解決できる説得力」を備えていきたいな、と感じる今日この頃。
グロンギ怪人の名前は、「ズ・グムン・バ」「ゴ・バダー・バ」のように、3つの部分からなる独特の名称である。
この3つの部分には意味がある。
まず、第1部分(接頭語)の「ズ」や「ゴ」は怪人の階級を指す。詳しくは、「3.グロンギ怪人の分類」を参照のこと。
第2部分(固有名詞)の「グムン」や「バダー」は、モチーフとなった動植物の名を、もじったものである。例の前者は「クモ」、後者は「バッタ」である。濁音を付けると、それっぽく聞こえるものである。
第3部分(接尾語)は、モチーフの動植物の分類系統を表す。詳しくは、以下の表のとおり。
試しに、クウガをグロンギ怪人風に呼ぶと、「ゴ・クウガ・バ」になる。
ズのハムスター種怪人(弱そう^^;)だと、「ズ・バムズ・ダ」になるかな。
バ | 虫・節足動物系 |
グ | 飛行生物系 |
ダ | 陸上哺乳類 |
ギ | 海洋生物系 |
デ | 植物系 |
レ | 爬虫・両生類系 |
なお、「第0号ン・ダグバ・ゼバ」の「ゼバ」は、「バ」の変形だろう。
「ン・ダグバ・バ」だと、「ババ」となって語呂も良くないからね。
あと、「ダグバ」はやっぱり「クワガタ」→「タクワ」→「ダグバ」と思います。
「クウガ」と対になる存在だからねえ。
グロンギ怪人は、名称の頭文字によって、6種類に分類できる。
「ズ」:下位怪人。
戦闘力が弱いだけでなく、結構、衝動的に殺人を繰り返し、
分かりやすい行動傾向や弱点をもつ者が多い。
(例:工場の煙を嫌うズ・バヅー・バ。陽光に弱いズ・ゴオマ・グ。
車のアイドリング音に興奮するズ・ザイン・ダなど)
「メ」:中位怪人。
「ズ」が昇格すると、「メ」になる。
衝動的な行動が少なくなり、より知性的かつ狡猾になる。
「ゴ」:上位怪人。
「メ」が昇格すると、「ゴ」になる。
この段階の怪人は、専用の武器を使用する。
また、中には「クウガ」同様の形態変化能力を持つ者もいる。
「ヌ」:職人。
ゲゲルには加わらず、「ゴ」怪人のための武器作成を受け持つ。
確認されているのは、「サンショウウオ種怪人ヌ・ザジオ・レ」ただ1人。
「ラ」:審判・管理役。
ゲゲルを裏から仕切る者たち。
死者の数を数える「コンドル種怪人ラ・ドルド・グ」の他、
「バラのタトゥの女」も「ラ・バルバ・デ」の名を持つ。
「ン」:首領。
第0号こと「ダグバ」の持つ階級。
「ン」で始まる名が、いかにも日本語と異なる言語体系を感じさせる。
劇中、グロンギの話す独特の言葉だが、「日本語→グロンギ語」の変換には、公式HPの対訳を参照すると、一定のフォーマットに基づいた置き換えが行われていると推察される。
以下の表で、その変換フォーマットを示そう。
日本語→ | グロンギ語 | 日本語→ | グロンギ語 |
あ行 | ガ行 | ||
か行 | バ行 | が行 | ガ行 |
さ行 | ガ行 | ざ行 | ザ行 |
た行 | ダ行 | だ行 | ザ行 |
な行 | バ行 | ||
は行 | ザ行 | ば行 | ダ行 |
ま行 | ラ行 | ぱ行 | マ行 |
や行 | ジャ行 | ||
ら行 | サ行 | ||
「わ」 | パ | 助詞「が」 | グ |
「を」 | ゾ | ||
「ん」「の」 | ン |
たとえば、日本語の「あいうえお」はグロンギ語の「ガギグゲゴ」に変換される。
同様のルールで、「はやくしろ」は「ザジャブ・ギソ」となるわけだ。
語順は、基本的に日本語どおりだが、たまに「固有名詞」などが混ざった時、英語のような語順の変化が生じるようだ。
また、文節分けも、日本語に準じるが、時には、発音しやすいように変わるケースもある。「ザジャブ・ギソ」が「ザジャ・ブギソ」になったりする場合もあるわけだ。
また、他に以下のルールが見られる。
以上のルールは、あくまで基本形であり、実際の使用例では、微妙な変形が生じている場合がある。これは、方言や個々の怪人の口調によるものだろう。