仮面ライダークウガ
作品紹介
1 | 主要登場人物紹介 |
2 | その他の登場人物紹介 @ポレポレの人たち A未確認対策本部の人たち B研究関係の人たち Cセミレギュラーの人たち |
3 | ストーリー紹介 |
4 | NOVAの感想 |
5 | クウガの能力 (歴代ライダー列伝) |
6 | グロンギ
(ライダーの悪役伝) |
7 | サブタイトル・リスト |
登場人物名 | 役者名 | キャラ紹介 |
五代雄介 | オダギリジョー | クウガに変身する主人公。 2000の技を持ち、世界中を旅する 冒険野郎だったが、人々を惨殺する 未確認生命体グロンギに義憤を燃やし、 長野県の古代遺跡から発掘された 変身ベルト・アークルを装着。 「人々の笑顔のために戦う」 戦士クウガとなる。 普段は、軽いノリで明るく振る舞うが、 |
一条薫 | 葛山信吾 | 長野県警に所属する敏腕刑事。 当初から未確認生命体事件に関わった 経緯と手腕を買われ、警視庁の未確認 対策本部に出向となる。 彼は当初、民間人である五代を戦いに |
沢渡桜子 | 村田和美 | 城南大学・考古学研究室に所属。 特技は、古代文字の解読であり、 クウガやグロンギの秘密を追うことで、 大切な友人(恋人未満)の五代君を サポートする。 彼女も当初、五代君がわざわざ危険な |
●その他の登場人物紹介
クウガには質量ともに、これまでの仮面ライダーシリーズを遥かにしのぐだけの人間ドラマがあります。よって、レギュラー登場人物も数多くおり、また1話だけのゲストかと思われた人物が、その後も再登場し、五代やその他の登場人物との触れ合いを確かなものにすることもしばしば。
最終回では、それらの登場人物のその後も描かれ、クウガ世界のリアルさを感じさせてくれました。
主な脇役をここでは紹介します。
@ポレポレの人たち:「ポレポレ」は、五代が住み込んでいる喫茶食堂です。
帰るための家みたいなものですね。
そこでは、五代も一番くつろげるんではないでしょうか。
登場人物名 | 役者名 | キャラ紹介 |
五代みのり | 葵 若菜 | 五代雄介の妹。 幼稚園で保母さんをしている。 仕事が休みのときなんかに「ポレポレ」で 手伝いをしている。 五代がクウガであることを知っており、 兄のことを心配しながらも、信じている。 愛称「みのりっち」。 |
おやっさん (飾玉三郎) |
きたろう | 「ポレポレ」のマスター。 かつてのおやっさん、立花藤兵衛や 谷源次郎とちがって、五代がクウガで あることはまったく知らない。それでも、 第4号(クウガ)のファンであり、 新聞やニュースで追っかけている。 ベタなギャグが特徴。「ポレポレ」の |
朝日奈 奈々 | 水原誌生 | おやっさんの姪で、関西出身。 女優を目指して上京した。 普段は芝居の稽古をしながら、 「ポレポレ」の手伝いをしている。 五代雄介ファンクラブを提案するなど、 基本的に明るいキャラクターだが、 芝居の先生が未確認生命体に殺され、 悲しむ場面も。 「ポレポレ」は争いとは無縁の場所だが、 それでも、彼女を通じて未確認の脅威が 身近なものだと感じられたわけである。 また、「クウガ」のドラマのすごいところは、 |
A未確認対策本部の人たち:一条刑事の周りの警察の人たちです。
最初は、クウガを「未確認第4号」として
敵視したりもしましたが、一条の尽力で、
後半から五代を徹底的にバックアップ。
きちんと段取りを組んだ「クウガのリアルな戦い」を
演出してくれました。
登場人物名 | 役者名 | キャラ紹介 |
松倉貞雄 | 石山雄大 | 一条の上司の未確認対策本部長。 一条を信頼しており、その単独行動を黙認。 基本的には、どっしり構えて動かない人だが、 最後の責任はすべてとってくれると思わせる、 頼れる管理職だと思います。 部下に有能な人が多いことも、 |
杉田守道 | 松山鷹志 | 4話で、「クウガ」に命を救われて以来、 一条のクウガ支援をバックアップしてくれた いわば「影の助力者」。 一条、桜井を仕切る現場指揮官みたいな立場。 クウガの正体を知った後、 ライダーの支援者として、一条を滝和也に |
桜井 剛 | 米山信之 | 未確認対策の現場に当たる若手刑事。 まだ、未熟で凡庸に感じるが、割と几帳面な 性格で、地道な調査を得意とするようだ。 クウガのファンでもあるようで、その活躍ぶりや |
笹山望見 | 田中恵理 | 未確認対策の通信連絡係。 高校時代は、「電磁戦隊」の一員として、 黄色のコスチュームを着て、「邪電帝国」と 戦ったこともあるらしい(笑)。 別番組の話は置いておいて、 余談だが、五代をバックアップする人たちの |
B研究関係の人たち:ヒーローの支援には、科学者も必要です。
昔は、専攻分野不明の何でも博士が登場しましたが、
リアリティを重んじるなら、やはり専攻分野ごとに一人は
必要でしょう。
でも、この人たちは研究だけの役柄ではなく、
それぞれの人格も描かれていたのが、
「群像ドラマとしてのクウガ」のすごいところです。
登場人物名 | 役者名 | キャラ紹介 |
椿 秀一 | 大塚よしたか | 医者の人。 一条の紹介で、五代の健康管理や生体調査を 行う。桜子さんとはちがったアプローチで、 クウガの謎に迫る人。この人の発言による 「戦うだけの生体兵器」って言葉は、 クウガの存在に闇を投げかけてくれました。 クウガ世界で、この人ほど「命の大切さ」の 発言に重みを持っている人もいないだろう。 また、この人が五代に施した電気ショックが 私生活ではナンパな人だが、デート中に |
榎田ひかり | 水島かおり | 科警研の人。 主に、未確認生命体の弱点を分析、新兵器を 開発するのが仕事。 性格は明るく、五代とも非常に気が合う。 実は城南大学のOGでもあり、桜子さんたちと、 本郷先生ネタを披露するなど、NOVAのつぼに ハマる発言を次々繰り出す見逃せないキャラ。 でも、私生活では仕事が忙しいために、 |
ジャン・ ミッシェル・ ソレル |
セルジュ・ ヴァシロフ |
桜子さんと同じ研究室に所属しているルーマニア人。 外国人らしい独特のイントネーションの日本語を しゃべる。長野の古代遺跡から発掘された 「ゴウラム」の研究が主な仕事。 ゴウラム登場までは、桜子さんの話し相手として 五代君を心配する悩みを聞いていた。 この人の言動を聞いていると、心理カウンセラーの 研究のために、榎田さんと知り合い、その悩みを |
Cセミレギュラーの人たち:いわゆるゲストに当たる人たちですが、
その登場が一回に終わらず、
その後の姿まできちんと描かれ、
印象的なドラマを見せてくれた方々です。
登場人物名 | 役者名 | キャラ紹介 |
夏目実加 | 竹島由夏 | 未確認第0号に殺された夏目教授の娘で中学生。 この子の涙を見たことが、五代に戦いを決意させた。 その意味で、非常に重要なキャラである。 その後、未確認の捜査が進まない警察の状況を知り、 基本的に、多感な年頃で、傷つきやすい面を持つが、 |
神崎昭二 | 井上高志 | 五代雄介の小学校時代の恩師。 彼のトレードマークの「サムズアップ」は、 この人が教えたもの。 自分の教師としての生き方に不安を感じるが、 教え子の五代に成長した姿に励まされ、 教育熱を呼び覚ます。 その後、教え子のことを五代に相談したり、 「ポレポレ」を訪れたり、大人同士の交流が 続いているようである。 少年時代の五代のことを語れる貴重な人物。 ライダーの少年時代が語られる作品も珍しい。 個人的にも、元・教え子と教師のこういう |
蝶野潤一 | 内田大介 | 当初は、人生を投げ捨て、未確認にあこがれる 無気力な青年として登場。 しかし、五代や椿の励ましで、生きる大切さを知り、 前向きに生きようとする。 だが、自分が努力して描いた投稿用の絵が 未確認生命体事件のせいで無駄に終わったことで、 またも無気力になりかける。 それを、またも椿に諭される。 彼の姿は、スタッフが20代に送るメッセージと思う。 |
元城恵子 | 岡田理江 | みのりっちの同僚の保母さん。 妊娠したものの、未確認事件の続く時代に、 子供を産むことを不安がっていた。 が、みのりっちに励まされ、産むことを決意。 最終回では、元気な男の子を披露。 |
長野県松本市で、未知の古代遺跡が発見された。
しかし、その発掘調査班が、突如現れた謎の未確認生命体「第0号」に襲われ、惨殺されてしまう。
発掘調査に興味を持っていた冒険家・五代雄介は、神秘の霊石アマダムを納めたベルト状の発掘遺品アークルに偶然、触れた際、「戦士クウガ」のビジョン(幻影)を見てしまう。
アークルをめぐって、クモ種怪人ズ・グムン・バ(警察呼称・未確認第1号)が出現。警察の銃撃をものともせず、犠牲者が続出する。次々に惨殺される人々の姿を見て、義憤に駆られた五代は、アークルを手にし、「戦士クウガ」に変身。だが、力を発揮できない「白のクウガ」だったため、第1号を逃がしてしまい、また、自身は警察から「未確認第2号」と呼称されてしまう。
その後、五代は未確認に殺された夏目教授のこと、そして娘の実加の涙を知り、戦いの決意を固めることで、ついに「赤のクウガ」の力を発現。第1号を撃退し、新たなコウモリ種怪人ズ・ゴオマ・グ(未確認第3号)を追い払うことに成功する。
警察は、「赤のクウガ」を第4号と呼称、一時は銃撃されることもあったが、一条や桜子といった協力者を得て、また、その後の活躍もあり、次第に理解者も増やしていく。
長野から東京に舞台を移した戦いの中で、五代は、警察の特殊装備バイクの試作品、「トライチェイサー2000」を一条から託され、また、戦況に応じて「青のクウガ」「緑のクウガ」「紫のクウガ」に超変身する能力を開花していった。
しかし、パワーUPしたのは、クウガだけではない。古代文字の解読からグロンギという名称が明らかになった未確認生命体たちも、下級の「ズ」集団から中級の「メ」集団が登場する。また、独自の言語を持つ彼らも、次第に日本語をマスターしていき、その殺戮が彼らなりの独自のルールに則ったゲーム(ゲゲル)であることが明かされるようになった。
その中で、古代遺跡から発掘された陶器状の破片が融合合体し、クウガを支援する乗機「ゴウラム」として出現。また、クウガ自身も敵怪人の毒を受けて仮死状態に陥り、その際に受けた電気ショック治療の副効果で、新たに「金の力」を身につけるに至った。
しかし、どんなに戦闘が過酷になっていっても、五代の目的は変わらない。それは「人々の笑顔を守ること」。もちろん、「自分の笑顔のために、人々を遊び半分で殺戮する」グロンギ怪人を倒すことも、五代が自分に課した使命だが、戦いだけが彼の目的ではないのだ。
「グロンギ事件や、その他のちょっとした日常の事件の中で、笑顔を忘れた人々たちに接してあげ、ともに悩み考え励ますこと」、それを五代は常に続けていく。また、五代に接してきた人々も、いつしか自分の周りに笑顔を広げるような振る舞いをしていく。この辺りが、クウガの群像ドラマの醍醐味と言える。
そして、最強の怪人「ゴ」集団をも「金の力」で何とか倒していくクウガ。過酷な戦いの中で、五代は警察との連携を確実なものとし、持ち前の明るさで、暗くなりがちな捜査陣のムードを前向きに盛り上げていく。そして、バッタ種怪人ゴ・バダー・バとの戦いで、新たなマシン「ビートチェイサー2000」をついに受け取る。
だが、前途は明るくはなかった。次々と現れる強敵怪人との死闘の最中、自分の楽しみのために平気で人を惨殺していく相手に、心底怒りを覚えた五代は、「凄まじき力を秘めた黒の戦士」のビジョンを見てしまう。その不吉な影は、「心を失い、戦うだけの戦闘機械」になってしまった、五代の将来を暗示するかのようだった。
そんな中、再び現れた第3号ズ・ゴオマ・グ強化体、そしてカブト虫種怪人ゴ・ガドル・バ。さらに、その背後に見え隠れする第0号ダグバの影。それらはいずれも、今のクウガよりも強力な力を宿していた。
そして、グロンギを統べる立場にあると思われるB1号こと「バラのタトゥの女」は、たびたび一条の前に現れ、謎の言葉を残していくのだった。
「クウガはやがてダグバと等しくなるだろう」その言葉もまた、五代が陥る危険性を暗示しているかのようだった。
次第に強化していく敵怪人に対して、五代は「凄まじき戦士」にならずに、強くなる方法を模索する。また、警察も敵怪人に有効な兵器の開発に力を入れるのだった。猛威を振るったゴオマはダグバに呆気なく倒されたが、クウガ自身もガドルとの戦いに敗北してしまう。
ガドルを倒すため、五代は再び電気ショックを受け、「黒の金の力」を得る。その力で、ガドルを倒したものの、圧倒的な力を示す最強の0号ン・ダグバ・ゼバにはなおも力不足だった。
笑顔を浮かべながら何万人も人を焼き殺し、「究極の闇」をもたらそうとするダグバを倒すため、ついに五代は「凄まじき戦士」の力を解放する決意を固める。親しい人たちに別れを告げ、ダグバの待つ長野県松本に向かう五代。
一方、一条は「バラのタトゥの女」ラ・バルバ・デと対峙していた。「リント(人間)も我々と同じになったな」という言葉を残し、去っていこうとする女を一条は撃つ。その姿は、海中に没するのだった。
そして、一条は五代と合流する。
「もしもの時は、(ダグバとの戦いで損傷した)ベルトを撃ってください」と、五代は一条に言う。
そして、「見ていてください、俺の変身!」
その言葉は、五代が初めて一条の前で変身した時と同じものだった。
ついに登場した、「究極のクウガ」。しかし、その姿は黒一色ではなく、五代の健全な意思を表すべく、赤い目のままだった。五代は、心を失うことなく、究極の力を手にしたのだった。
そして、正体をあらわすン・ダグバ・ゼバ。それは、クウガと対照的な白い怪人体だった。ダグバの超能力による発火能力をものともせずに挑みかかる究極のクウガ。雪積もる長野の高原を、二体の究極の力がぶつかり合う。
互いの殴り合いは、互いのベルトを打ち壊し、変身が解けても、両者は生身の拳のぶつかり合いを止めなかった。
相手を殴りながら、五代は涙を流していた。力でしか解決できない自分を悲しむように。
一方、ダグバは殴り殴られながらも笑みを浮かべ続けていた。まるで、力を振るうこと、そのものが楽しいかのように。
あまりにも、対照的な二人の殴り合いは、両者が雪原を血で濡らし、双方ともに倒れるまで続けられた。
戦いの結末を見た一条は、五代の名前を叫ぶのだった。
そして、3ヶ月後。
未確認生命体の脅威が去った平和な世界。
人々の間に笑顔が戻ってきた。五代と知り合った人々は、みんな懐かしそうに思い出す。「人々の笑顔を守るために、自分の笑顔を削りながら戦った男」のことを。
五代の心を映し出すかのような青空の下で、だれもが残念に思う。なぜ、ダグバを倒した五代はすぐに冒険の旅に出たのか。
そのころ、五代の姿は、遠い異国の地キューバにあった。美しい海岸の浜辺で、心と体の疲れと傷を癒すかのように横になっている雄介。
その耳にケンカをしているような子供たちの声が聞こえる。五代はすかさず、その中に飛び込み、得意のジャグリング(お手玉芸)を披露してあげた。子供たちの表情にたちまち、笑顔が戻った。それを見た五代の顔にも、ぎこちない笑みが浮かんだ。それまで五代は笑顔を失っていたのかもしれない。
また、元の明るい五代君に戻れる日まで、好きなだけ冒険を続けさせてあげたい。そして、いつか彼を待っている人たちのもとに帰る姿を待ち望むとしよう。
クウガは、これまでの「特撮アクションヒーローもの」ではない。
だから、「アクション」を望む人の中では非難する声も聞こえる。NOVAも、その点で異論はない。引っ張りに引っ張った究極体「アルティメットフォーム」の活躍がほとんど描かれず、最終決戦の描写が生身の殴り合いという地味で呆気ない(それでいて痛々しい)ものになった点。自分の望んでいた映像とは違うものを見せられた、肩透かしとも呼べるような展開である。
クウガは、「ヒーロー作品」の形を借りた偉大な「群像ドラマ」と呼ぶべきものである。そこには、アクションヒーロー物としてのフォーマットよりも、人間ドラマを重視する姿勢がありありと見て取れる。
クウガという作品の中では、「怪人との対決」と「登場人物の悩みの相談」が同じ割合で描かれている。そこには、ライダーに付き物の「戦闘員(ザコキャラ)との集団バトル」すらない。他に、「戦闘員が登場しない」TVシリーズと言えば、「仮面ライダーBLACK」が挙げられる。いずれも、ドラマ主体の作品作りだが、まだBLACKのドラマは、親友と戦う宿命に悩む主人公の南光太郎が中心だった。
しかし、クウガの場合、表面上悩むのは主人公・五代雄介ではない。悩んでいるのは、彼の周りの人たちである。五代は、力を振るって怪人を倒すのと同じくらいの比重で、言葉を駆使して人々の悩みを軽くしてあげるのである。五代の言葉一つで、悩みは決して解決しない。しかし、悩みに立ち向かう勇気と希望は与えられるのである。ちょっとした気配りと言葉をかけてあげることで、人々の間に笑顔が戻ってくる。これを示してくれたのが、現代のヒーロー・五代雄介と言える。
そして終盤、ほとんど悩みを見せることのない五代も、実は力を振るって戦うことに悩んでいることが暗示される。その衝撃的な映像が、最後の対決で、変身が解けたとき、涙を流しながら戦っている五代の姿だろう。「仮面の下の涙」、これがスタッフの見せたかったものだとするならば、その意味を深く考えると、よくぞここまでやった、と言わざるを得ない。
クウガは、「特撮アクションヒーローもの」である。
しかし、クウガの30分前には、やはり特撮アクションの「未来戦隊タイムレンジャー」が放送されている。似たような作品を連続して放送しても仕方ない、これがスタッフの考えである。
戦隊ものの時間枠が夕方から日曜朝に移ったとき、これまでメタルヒーローの「ビーファイター カブト」を放送していた時間枠は、コミカルロボットの「ビーロボ カブタック」に変更された。それも、似たようなヒーロー作品を連続放送する危険性(両方とも飽きられかねない)を避けてのことである。
NOVAの印象では、「タイムレンジャー」がフォーマットにのっとった作品であり、「クウガ」がフォーマットを崩した作品である。クウガは言わば、徹底的にヒーロー作品のパターンを廃し、新たな可能性を模索し、その目論見を最後まで貫いた、偉大な作品と言えるだろう。
そういうスタッフの冒険精神を、今のNOVAは客観的に評価できる。もう少し、若いときなら、「自分の見たい激しいアクションを見せてくれない不満」だけしか感じなかったかもしれないが。
まあ、時々、NOVA好みのものすごい「大当たりの特撮アクション回」もあったので、見逃せなかったんだけどね。
そもそも、当初のクウガは、2話完結のストーリーが延々と続いた。もしかすると、1時間番組なら良かったのかもしれない。すると、ビデオで連続話を視聴した場合、また、異なる印象を受けるかもしれない。
まあ、とりあえず「クウガ」が終わった今、次の「アギト」でいかなる作品を見せてくれるか、NOVAは楽しみである。「クウガ」と同じ世界観を持つ新番組が、「クウガ」の遺産を継承するか、それとも、また別の展開を模索するか、はたまた、王道ヒーローものに原点回帰するか、いずれに転んでも追跡は続けたい。