パワーレンジャーロストギャラクシー

 

  目次
あらすじ
解説
レンジャー
脇役&助っ人キャラ
ゾード
敵役
パワレン・ホームへ
←レッツ・ロケット!
 (イン・スペースへ)
ライトスピード! レスキュー!→
(ライトスピードレスキューへ)

 

1.あらすじ

 外宇宙探索&移民を目的とした都市宇宙船テラベンチャー。
 その防衛機構に所属するのがマイクカイケンドリックスの3人だった。一方で、マイクの弟レオは、兄の後を追って、テラベンチャーに密航する。

 彼らが月での演習訓練中、突然開いた次元扉から異星の娘マヤが現われる。マヤの故郷のミリノイ星は、星の秘宝「ギャラクシーサーベル」を狙う宇宙海賊スコーピウス一味の襲撃を受けていた。救援を求めるマヤに同行するマイクケンドリックスレオの3人。
 慎重派のカイは、仲間に同行できなかった自分を恥じ、かつてパワーレンジャーの遺した「メガシップ博物館」の技師デーモンを訪ねる。デーモンと、サポートロボットのアルファ6の協力を得たカイは、アストロメガシップを起動させ、仲間を助けにミリノイ星に向かう。
 ギャラクシーサーベルを奪おうとするスコーピウス一味のフリオ。
 その前に、揃った6人の戦士。
 レオ
以外の5人は、石に突き刺さったギャラクシーサーベルを抜くことで、パワーレンジャーの力を得るが、怒りのフリオは「石化」の魔力を発動。ミリノイ星の住人は石と化し、仲間のリーダー格のマイクも脱出の途中で地割れに飲み込まれて消息不明に。
 兄からギャラクシーサーベルを託された
レオは、自分に資格があるのかと思い悩みながら、レッドレンジャーに変身。他の4人と共に、フリオの手を逃れる。
 テラベンチャーに戻ったレンジャーたち。ギャラクシーサーベルと、それに関わる超エネルギーの奪取をもくろむスコーピウス一味は、母艦スコーピオン・スティンガーを駆って、テラベンチャー追跡を続ける。襲撃されるテラベンチャーを守るため、ギャラクシーレンジャーたちの戦いが始まった。

 レンジャーたちは、敵に捕らわれていたギャラクシービーストを救出。入手したギャラクシークローの力を発動して、ギャラクシーゾードに機獣化。さらに、巨大ロボット・ギャラクシーメガゾードへの合体を遂げる。
 その一方で、密航者であり、本来の資格を持たないはずのレオを、認めようとしなかったカイとの間のわだかまりも解け、レンジャーたちの絆も深まっていく。

 そんな最中、敵が新たに求める力「オリオンの光」が焦点に当たり、フリオとの決着を経て出現した謎の黒騎士マグナガーディアン、そして新幹部シントーとの争奪戦が展開される。
 息子の復讐のために戦うマグナガーディアンだが、その肉体はレオの兄マイクの物だった。シントーは、スコーピウスの娘トラキーナの陰謀で失墜、「オリオンの光」はレンジャーたちやメガゾードをパワーアップさせることになる。マグナガーディアンも、「復讐の念」から「正義の心」に目覚め、テラベンチャーを守るために自身を犠牲にすると共に、マイクの肉体を返還する。
 帰ってきた兄にギャラクシーサーベルを委ねようとするレオだが、マイク「お前にサーベルを託すのが、オレの運命だったんだ」と説得、代わりにマグナパワーでマグナガーディアンの力を引き継ぐことに。

 シントー亡き後、スコーピウス一味には異変が起こっていた。
 力不足を痛感しつつも、自分を「異形の虫化させる繭」に引き入れようとする父親に反発して、トラキーナが脱走。
 そんなスコーピウスの元に肉体改造された「ロスト・ギャラクシービースト」を連れたデビオットが現われ、レンジャーの強敵として立ち塞がる。
 一方で、レンジャーの方も、遭難した宇宙船から「失われた銀河の書」を発見。別次元の「ロストギャラクシー」の謎が示されることに。デビオットのコントローラーを破壊することで、「ロスト・ギャラクシービースト」を解放したレンジャーは、さらにデビオットの罠にはまったスコーピウス撃退にも成功する。
 脱走していたトラキーナは、異星の戦士ビラマックスの訓練を受け、強くなったものの、父親の死を知ると、レンジャーたちへの復讐を決意する。

 首領をトラキーナに代えた宇宙海賊と、レンジャーたちの戦いが続く中、
 デビオットは、かつてスペースレンジャーを苦しめたサイコレンジャーのデータカードを入手。
 強敵サイコレンジャーに苦戦するギャラクシーレンジャーを支援するため、宇宙で戦っていたスペースレンジャーが駆けつける! マグナガーディアンも含めた善悪16人のレンジャーの戦いの果てに、サイコレンジャーは粉砕されるが、相手の暴走させたエネルギーからテラベンチャーを守るため、ケンドリックスが自らを犠牲にした。
 ピンクレンジャーのギャラクシーサーベルを受け継いだのは、かつて の悪の女王アストロネマ、後にレッド・スペースレンジャー・アンドロスの妹である出自が判明し 、正義の心を取り戻した娘カローンだった。悪であった自分の贖罪を果たしたカローンは、「怒りの戦士」の力を解放し、レッド・ギャラクシーレンジャー・レオに新たな力「バトルアーマー」を授けることとなる。

 悪の妨害を受けつつも順調に航海を続けていたテラベンチャーだったが、
 デビオットが「銀河の書」の禁断の呪文を発動したせいで、異次元空間「ロストギャラクシー」に引きずり込まれることとなる。トラキーナさえ恐れて立ち入らないロストギャラクシーで暴れ回っているのが、魔獣戦艦タイタニザウルスを駆る宇宙海賊バウンティー一味。
 タイタニザウルスの襲撃でエンジン部を大破させられるテラベンチャー。
 バウンティー一味の手で奴隷にされたテラベンチャー市民を救うため、マイクマグナガーディアンの力を駆使して、バウンティー一味との決戦に挑む。
 カイの見つけた逆呪文で、通常宇宙へのゲートを開くことに成功。しかし、推進力不足で脱出に間に合わず、ゲートが閉鎖しようとする……間際で、マグナガーディアンが自分を犠牲にして、ゲート維持を行う。何とか脱出に成功したテラベンチャー。マイクマグナガーディアンの力を使い果たしてしまったが、レオの手で、無事に救出された。

 追撃してきたバウンティー一味は、奇襲攻撃を仕掛けたトラキーナによって滅亡。
 残された一つのエンジンだけで絶望的な航海を続けるテラベンチャーの前に、遂に「人の住める惑星」が見出だされる。
 追撃するトラキーナは、裏切り者デビオットとの乱闘の最中に、共に、嫌悪していた「スコーピウスの繭」に引き込まれる。中からは異形な姿と邪悪な精神、超絶な戦闘能力を秘めた融合体が出現。悪ながら「戦士の美学」を備えていたビラマックスを殺害し、テラベンチャーに最終決戦を挑んできた。
 自爆用の爆弾を装備した戦闘員スティングウィンガーによって、壮絶な爆死を遂げるロスト・ギャラクシービーストたち。
 アストロメガシップの自爆によって、敵母艦スコーピオン・スティンガーも破壊される。
 テラベンチャー市民を「希望の惑星」に脱出させるため、パワーレンジャーは持てる全ての戦力を駆使して、ただ破壊の権化と化したトラキーナに挑む。
 そして、最終的な決着は
レッドアーマードレンジャーによって着けられることとなった。他のあらゆる技の通用しないトラキーナに対し、その体を押さえ込んで、至近距離での火気発射により、自爆まがいの必殺技を敢行するレッドレンジャー・レオ。爆煙の中から姿を見せたのは、マスクを破壊されたものの健在なレオの顔だった。
 一方で、加速した勢いのままで地上に激突寸前のテラベンチャー。先に脱出した市民の上から降ってくる、その残骸を方向変換し、人々を救ったのはギャラクシーメガゾードだった。
 こうして、市民たちはみな無事に、新天地に到着した。

 新天地の名、それは驚くべきことに、
マヤの故郷ミリノイ星だった。
 巨悪を倒し、使命を果たしたギャラクシーサーベルを元の石に刺し戻すと、奇跡のパワーが発動し、石化した人々を元に戻すと共に、サーベルに宿っていた
ケンドリックスの魂も再び生命を取り戻すのだった。
 こうして、ギャラクシーレンジャーの銀河の旅は幕を閉じたのである。
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2.解説

 前作「イン・スペース」は、パワーレンジャーのシリーズにとって「第1部完」に相当する作品です。
 ……というのも、レンジャーの後見役であったゾードンが死ぬと共に、その善なる波動の力で、過去の悪が全て浄化・消滅するというラストを迎えたからです。
 また、前作までは、物語途中でのメンバー交代こそあっても、各作品の第1話は、その前の作品の最終話の流れを直接受け継ぐものでした。
 その流れを改めて書いてみると(パワレン記事を書くのは久しぶりですし……^^;)、

●第1シーズン→第2シーズン
 ダイノゾード→サンダーゾードの変化。
 物語途中で、レッド、ブラック、イエローのメンバー変更。
 グリーンレンジャー・トミーがホワイトレンジャーになって、事実上のリーダーに。
 敵が、リタからロードゼッドメインに(後に両者が結婚し、共同戦線を張る)。

●第2シーズン→第3シーズン
 
サンダーゾードの破壊により、新たな力、忍者ゾードの探索。
 物語途中で、ピンクの変更。
 リタの弟リト、そして父親マスター・ヴァイルの登場。
 物語途中で、レンジャーが子供化させられ、救援役として「エイリアンレンジャー」登場。

●第3シーズン→ZEO
 
ZEOクリスタルの探索により、大人に戻ったレンジャー。
 ZEOクリスタル探索の途上で、イエロー交代。
 前作の最後で、レンジャーの基地が破壊。新基地と、新たなZEOパワー発動(ホワイトだったトミーがレッドになり、レッドだったロッキーがブルーになるなど、メンバーのカラー変更が行われる)。
 敵が、リタの一味からマシーン帝国に(マシーン帝国の襲撃から逃れたリタたちも、後に帰還。マシーン帝国と競ったり、結託したり、悪同士の複雑な関係を示す)。

●ZEO→ターボ
 
変更劇は劇場版で描かれる。
 ロッキーの負傷により、ジャスティン少年がブルーの後を継ぐ。
 物語途中で、ブルー以外のメンバーが完全に変更される。
 敵が宇宙海賊ディバトックス一味に。

●ターボ→イン・スペース
 
前作のラストで、レンジャーの基地が破壊。ゾードンが悪の手に落ちるなど、完全な敗北状態からスタート。
 前作のラストで、レンジャーは悪を追って宇宙に旅立つが、ジャスティン少年は地球の親元から離れられず、メンバー離脱。
 新メンバー・アンドロスがレッドレンジャーに。元レッドのT.Jは、ブルーになる。
 敵は、かつての悪を統べるダークスペクターと、その尖兵であるアストロネマに。

 ……といった流れで 「前作主人公の続投」で、これまでは続いてきたわけです(日本のヒーロー物だと「ゲッターロボ」→「ゲッターロボG」、あるいは「スタージンガー」→「スタージンガー2」みたいなもの。どちらかと言うと、時代劇の方が一般的か)。
 主人公一新でスタート! というのは、本作がパワレン初の試みなんですね。
 ただし、全くの新設定ではなく、サポートロボのアルファ6と、宇宙船アストロメガシップが前作から継承しています。アストロメガシップは、前作ではメインロボットだったわけですが、本作ではレンジャー共闘編を除いて、ロボットに変形することはなく、純粋に宇宙空間移動用として活用されています。
 そのレンジャー共闘編こそ、主人公一新の恩恵が頂点に達した2本立てです。前作でも、ブルー共闘編やブラック共闘編が盛り込まれていたのですが、それをさらに発展継承したのが、本作の30〜31話でしょう。そして、本作以降も共闘編は(レッドの強化アーマーと並んで)パワレン名物として、日本人ファンの注目を集めることとなるのです(日本でも、ビデオ作品の「VSシリーズ」があるわけですが、パワレンでの共闘編は、レッド同士のアーマー共演も含めて、一味違った映像が見られる)。

 以上、パワレン史における「ロストギャラクシー」の位置づけは、シリーズ「第2部開始」を盛り上げる要素が魅力的ですが、
 その分、日本の原作『星獣戦隊ギンガマン』と大きく異なった世界観&物語となって、相当複雑な展開を見せます。
 異なる点を書くなら、ギンガマンは名前に反して、舞台は地球。宇宙的な要素は「星獣」とか「ギンガの光」といった名称にまつわる物ぐらいで、敵キャラの宇宙海賊バルバンにしても、地球に封印されていたのですから、それこそ宇宙とは名ばかりな設定だったわけです。それを象徴するのが、ギンガマンの力の源が地球エネルギーの「アース」である点。あくまで、ギンガマンは、宇宙ではなく、地球の大自然を象徴するヒーローなんですね。
 一方の「ロストギャラクシー」は、前作以上に宇宙が舞台です。もう、テラベンチャーみたいな大型都市宇宙船をどうやって作ったんだよ〜って言いたくなるほど、驚天動地な設定だったりします。これは、きっとあれですね。「イン・スペース」で宇宙の悪を撃退したスペースレンジャーたちが、ダークスペクターの侵攻で荒廃した宇宙の再開発のために、地球人にも「宇宙を目指せ」キャンペーンを展開したわけですよ。もちろん、NASADAの協力を交えて。
 ……そして、数年後。レンジャーの技術提携もあって、テラベンチャー完成と。これで、アストロメガシップが博物館になっている謎も解けます。もちろん、アンドロスたちはアストロメガシップUを作っているわけで問題ナッシング(アストロメガシップUの存在は後年、明らかにされます)。スペースレンジャーがその後、何をしているかと言えば、やはり「荒廃した宇宙のパトロール」なんでしょうな。ダークスペクターが滅びた後も、離散した宇宙の悪は残っているわけですから。
 もちろん、技術提携によって得たレンジャーの技術は、後に「ライトスピードレンジャー」などに活用されていることは言うまでもありません。その果てに、設立されるのが「スペース・パトロール・デルタ(SPD)」なんでしょうな。

 何だか唐突に、パワレンの技術継承史(『すごい科学』的妄想)を書いてしまいましたが、異なる点をもう一つ。
 それは悪の組織が「スコーピウス関連」と「ロストギャラクシーのバウンティー一味」の二つに分かれている点。ただ、これも最初に知ったとき(2001年辺り)には複雑だなあ、と思ったものの、本家ボウケンジャーでネガティブ・シンジケートといった複数組織が描かれている現在(2006年)、またZEOでの「マシーン帝国VSリタ&ゼッド一味」の複雑な抗争劇を見てしまうと……納得できる、というもの。

 しかし、本作が複雑な展開を示す、もう一つの理由は、原作ギンガマン』自体が、クールごとに幹部が入れ替わる4幹部交代制の大河ドラマを展開した点が挙げられます。
 原作では、サンバッシュ編、ブドー編、イリエス編、バットバス&最終決戦編の4つを縦糸に、レッド(リョウマ)と兄ヒュウガの絆、グリーン(ハヤテ)と敵女幹部シェリンダとの因縁の対決、ブルー(ゴウキ)のピュアな恋愛劇など、いろいろ入り乱れた連続劇を見せてくれました。
 パワレンでは、味方側の人間関係の機微は比較的、単純化されていますが、その分、悪の側にドロドロした陰謀劇を配置して、原作を見事に換骨脱胎している、と思います。惜しむらくは、悪の女王トラキーナが、本当に感情移入できない悪として描かれており、シェリンダ様みたいな萌え要素が欠落していたことですね。

 後は、本作を語る上での特記事項として、テラベンチャー防衛隊の戦闘服とか、スコーピウスが虫な理由として、「宇宙昆虫と戦うSF映画『スターシップ・トルーパーズ』 (1997)の影響」という裏事情を書いておきます。スコーピウス関連のグロい描写は、チェンジマンのゴズマのビドラー兵にも匹敵するなあ、と思いつつ。
 ただ、原作の第1クールのサンバッシュ魔人団もモチーフは虫だったわけだから、スコーピウスが虫なのも筋は通っているわけで。

 最後に、主なエピソードの話数を確認しておきます。

 ・第1〜2話:ギャラクシーレンジャー結成。
 ・第3話:ギャラクシービースト登場。
 ・第4話:ギャラクシークローGET。
 ・第5話:ギャラクシークローを使い、ギャラクシーゾード→メガゾード合体。ジェットスライダー登場。
 ・第6話:「オリオンの光」が初めて話題に。オリジナルバイク「アストロサイクル」登場。
 ・第9話:フリオとの決着。マグナガーディアン登場。新幹部シントー登場。
 ・第10話:マグナガーディアン用メカ・ブルゾード登場。マグナ・ブルゾードに合体。
 ・第13話:「オリオンの光」GET。
 ・第14話:シントーとの決着。ギャラクシーメガゾード、オリオンパワー使用。
 ・第15話:マグナガーディアン死亡。マイク解放される。
 ・第16話:マイク、2代目マグナガーディアンに変身。
 ・第17話:トラキーナ、家出。
 ・第18話:「失われた銀河の書」発見。
 ・第19〜20話:ロスト・ギャラクシービースト登場。新幹部デビオット登場。
 ・第21話:スコーピウス死亡。トラキーナ、ビラマックス&ケグラーと遭遇。特訓の末、悪の女王に。
 ・第26話:ハイパーアーマードサイクル登場。
 ・第30話:サイコレンジャー復活。スペースレンジャー登場。
 ・第31話:ケンドリックス死亡。レンジャー共闘編終わり。
 ・第32話:カローンがピンクレンジャーに。
 ・第33話:アストロネマVSカローン、過去の悪に決別する戦い。
    レオ、「怒りの戦士」に力を託され、「バトルアーマー」GET。
 ・第35話:ロストギャラクシーに突入。
 ・第36〜42話:ロストギャラクシー編。バウンティー一味との攻防戦。
 ・第43〜45話:トラキーナとの最終決戦。

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3.レンジャー
変身後 変身前の名 日本版キャラクター
レッドレンジャー レオ
Leo Corbett
ギンガレッド・リョウマ
ブルーレンジャー カイ
Kai Chen
ギンガブルー・ゴウキ
グリーンレンジャー デーモン
Damon Henderson
ギンガグリーン・ハヤテ
イエローレンジャー マヤ
Maya
ギンガイエロー・ヒカル
ピンクレンジャー ケンドリックス
Kendrix Morgan
 ↓
カローン
Karone
ギンガピンク・サヤ
マグナガーディアン
Magna
Defender
マイク
Mike Corbett
黒騎士ブルブラック
 →ヒュウガ
レッドギャラクシーレンジャー・レオ

 フルネームは、レオ・コーベット。
 俳優は、ダニー・スラヴィン(Danny Slavin)。
 吹き替え版声優は、原作ギンガマンで、
黒騎士ヒュウガを演じた小川輝晃。 本作では、4人の戦隊役者が吹き替え声優を担当しており、ファンを喜ばせました。

 レオは、マイクの弟にして、テラベンチャーに密航した、言わば「部外者」。
 原作ギンガマンのメンバーは、
「異郷ギンガの森出身の伝説の戦士」、すなわち「現代日本の文明社会とは距離を置い た自由人」であったのに対し、
 世界設定の大きく異なるロストギャラクシーでは、ほとんどのメンバーが軍隊メンバーに所属。組織人としての顔を色濃く持っていました。
 その中にあって、自由人として、比較的、原作と近いポジションにあったのが、レオだと言えます。

 原作のリョウマは、
「ギンガの森出身ではあるけれども、伝説の戦士に選ばれたわけではないイレギュラー」として、葛藤する存在でした。本来は兄ヒュウガの物であった星獣剣をアクシデントによって獲得した未熟な戦士。そして、行方不明になったを案じる役どころとして、大河ドラマの中核として位置づけられていました。
 主人公レッドと、後に6人目戦士として登場する兄……というキャラ配置は、パワレン第1作の原作である
『恐竜戦隊ジュウレンジャー』の設定を焼き直したものです。ジュウレンジャーでの兄役ドラゴンレンジャー・ブライが、戦隊 シリーズの中ではかつて『電撃戦隊チェンジマン』ブルー(チェンジペガサス)役を担当していたのと同様、ヒュウガもかつて『忍者戦隊カクレンジャー』のニンジャレッド・サスケを担当しており、長年、戦隊を見続けていたファンにとっては、放送当時、非常に興味深いものでした。

 一方のパワーレンジャーでは、
グリーンレンジャー(ドラゴンレンジャー)がレッドの兄、という設定はなく、
 戦隊メンバー間の血縁関係が採用されたのは、本作が初ということになります(前作から出てきたレッドの妹、
カローンはスペースレンジャーのメンバーではありません でした)。
 そんな原作ギンガマンを継承した兄との関係で、前半は原作同様のドラマを見せたレオでしたが、
 後半に入ると、個人のドラマよりも、テラベンチャー全体の危機がストーリーの軸になったため、物語的には今ひとつ影の薄いキャラになったことは否めません(前作のアンドロスと比べると、その差は明らか)。
 それでも、後半は強力な
バトルアーマーによって、最強戦士の面目躍如。視覚的インパクトの面でも、十分な活躍を示していました。とりわけ、トラキーナとの最終決戦において、「自爆→マスク破損」というコンボは印象深かったです。

 それに、毎回、オープニングで破れた服をはがし、マッチョぶりを見せつけるレオ……を見せられていたことからも、感傷的なドラマではなく、逆境を切り抜ける力強いリーダーとしての存在感で引っ張るキャラだったと言えましょう。
 前作アンドロスや、原作のリョウマが、割と線の細いイメージで、
「未熟な若者の成長」をドラマの中核に据えていたのと比べると、
 レオの場合は、最初から
「冒険を求めて堂々と密航する」というスタート地点からして、やはり大胆不敵な強者のイメージが付きまといます。

ブルーギャラクシーレンジャー・カイ

 フルネームは、カイ・チェン。
 俳優は、アーチー・カオ(Archie Kao)。
 吹き替え版声優は、原作ギンガマンで、
ギンガレッド・リョウマを演じた前原一輝。

 ギンガマンでは比較的、線の細いキャラだったレッドが、パワレンではマッチョになったのに対し、
 こちらは逆に、原作ではマッチョだったブルー(役者があの照英氏ですから、歴代戦隊シリーズでもマッチョレベルとしてはトップだと言えましょう)が、小柄なアジア系キャラに転換されました。

 カイは、テラベンチャー防衛軍に所属するメンバーで、
マイクの直属部下的な役割。
 おそらく、尊敬できる先輩として、
マイクを兄貴分として慕っていたことでしょう。
 そこに、
マイクの代理リーダーとして飛び込んできたのが、「密航者」にして「マイクの実の弟」レオ。カイとしては、二重の意味で、レオを認めたくないもやもやを感じていたのでしょうね。真面目な組織人としては、密航者なんて認めるわけにはいかないし、弟分としての自分のポジションにまともに抵触する存在。
 これで、カイがしつこく
レオに反発心をむきだしにして、「オレはお前を認めたわけじゃないぜ。マイクの代わりになれるなんて思うな」などと絡み続けてくれれば、「レッドのライバルのブルー」としての存在感を強く発揮したことでしょうし、NOVAとしては当初、そういうドラマを期待しておりました(吹き替え声優を見ても、かつての自分の役割キャラと対立するわけで、その複雑さが面白い)。
 ……でも、結局は初期回にそういう面を見せただけで、いつまでもそれを引きずる、ドロドロした因縁キャラには育たなかった。よって、見事に地味キャラになってしまいました 。

 原作のゴウキは、カイと全く異なるイメージのキャラで、「気は優しくて力持ち」を地でいった存在。
 メンバーの食事係で、あと女性教師・水澤鈴子先生との純愛ドラマを展開していました。
 一応、カイにも原作に基づいた純愛ドラマの回が用意されていたのですが、原作と違って、その1話限りで終わり、後に影響してこなかった点が残念。

 ただ、そんな地味キャラ・カイも二つの点で、重要な活躍を示しております。
 まず、一つは、慎重な性格のために、ミリノイ星のワープゲートを使わなかったこと。そのために、一人だけ後に取り残されて、自分の臆病さを後悔します。そこで、
デーモンとアルファ6(およびアストロメガシップ)をメンバーに引き込んだのは大きなお手柄。
 次に、終盤において、
ケンドリックスの代わりに、「失われた銀河の書」を解読する役割を与えられたこと。カイ本来の仕事としては、「部隊の戦力補充・物資調達といった兵站」担当と思われます(ミリノイ星に赴くのに、現状では戦力が足らないと判断し、アストロメガシップを調達するなどは、そういう発想です)。古文書解析などの「情報分析」はやはり、ケンドリックスが専門だったんでしょう。でも、彼女がいないものだから、慣れぬ役割を引き受け、苦闘しつつも解読を果たし、ついにはテラベンチャーを通常宇宙に戻す大殊勲を成し遂げました。
 決して派手な活躍で目立つキャラではないのですが、「常識をもった組織人」ということで、テラベンチャーとパワーレンジャーをつなぐ「縁の下の力持ち」的存在だったと言えましょう。

 そして、兵站担当と考えるなら、ゴウキとも関連がある、と言えますね。食事調達は、軍事の中でも非常に大事な兵站に属する仕事だから。腹が減っては、戦ができぬ。
 NOVAの頭の中では、
レオと、マヤ、後にカローンといった部外者が生きるための生活必需品を、何とか調達しようと悩んでいるカイの姿が描かれているのです。

グリーンギャラクシーレンジャー・デーモン

 フルネームは、デーモン・ヘンダーソン。
 俳優は、レッジー・ロル(Reggie Rolle)。
 吹き替え版声優は、小野塚貴志。

 T.Jの後を継ぐ黒人キャラ。チームのメカニック担当です。
 獣の力で戦うギンガマンにはメカニックは必要のない役割ですが、
 ロストギャラクシーは、前作「イン・スペース」の流れも汲んでおり、アストロメガシップやジェットスライダー、アストロサイクルなどのメカを整備する役割は必要不可欠と。
 さらに、テラベンチャーや、敵の船スコーピオン・スティンガーの修理まで行ったことがあり、宇宙レベルの技術力を持ち合わせた天才メカニックと言えましょう(過去のパワレンだと、ビリーに匹敵するかな)。

 一方、原作のグリーン・ハヤテは、デーモンとは全く異なるキャラ。
 クールな剣士で、ヒュウガを欠いたチームの中では、一番の大人。リョウマが成長するまでは実質的リーダーとして、リョウマが成長してからは参謀役としてチームを支えていました。
 故郷ギンガの森での恋人ミハルとの回想ドラマや、敵の女幹部シェリンダとの因縁の戦いなど、個人としてもエピソードを持っており、さらに「実は好き嫌いが激しい」という弱点があり、ゴウキヒカルにツッコまれたり、からかわれたりするなど、コミカルな面も示すなど、なかなか深いキャラ。

 ただ、そういうハヤテに関するドラマは、ロストギャラクシーでは全く扱われることなく、
 デーモンは、密航少年を助けたり、メカニックでライバルと競ったりするようなオリジナル話ばかり。
 よって、原作との比較に全く意味のないキャラ、と言うことができます。
 クールなハヤテに対して、こだわりを持った職人気質のデーモンと言えるでしょう。

イエローギャラクシーレンジャー・マヤ

 フルネームは不明。
 俳優は、セリーナ・ヴィンセント(Cerina Vincent)。
 吹き替え版声優は、メガイエロー・城ヶ崎千里を演じた田中恵理(現・たなかえり)。2006年10月現在では、ボウケンイエロー・菜月の母親役もやってました。

 自然の豊かなミリノイ星出身で、オープニング映像でも分かるように、女ターザン的な野生の娘。
 ミリノイ星は、原作の「ギンガの森」をアレンジした設定で、原作のキャラ要素はレッドイエローのみに受け継がれている、と言え ます。
 チームの中での役割は、ミリノイ星の伝承知識や、ギャラクシービーストとのコミュニケーションなど。ただし、物語当初は、ミリノイ星への言及が多かったのですが、だんだん「ロストギャラクシー」への比重が高くなったせいで、そちらの知識を持たないマヤの出番は、減少していった印象があります。

 原作のイエロー・ヒカルは、性別こそ男ですが、マヤ同様、「無邪気で食いしん坊」という属性を持っています。
 ただし、「食いしん坊」という属性は、それをツッコむ料理人キャラがいてこそ、引き立つものだと思います。ギンガマンの場合は、料理人ゴウキと、好き嫌いの激しいハヤテと、何でも食べるヒカル、という組み合わせが結合して、とかく影が薄くなりがちなレッドピンク以外のメンバーにも、強い存在感が与えられていました。
 一方で、ロストギャラクシーのマヤは、しばしば「空腹感を訴える」以上のインパクトはなかった、と思います。

 それよりも、「一人称マヤ」のインパクトの方が大きかったですね。口を開けば、やや舌足らずな口調で「マヤは」「マヤは」と言う彼女の口調は、見た目の大人の女性とのギャップが大きく、印象的でした。

ピンクギャラクシーレンジャー・ケンドリックス

 フルネームはケンドリックス・モーガン。
 俳優は、バレリー・ヴァーノン(Valerie Vernon)。
 吹き替え版声優は、松岡由貴。

 パワーレンジャー初の死亡者にして、2006年10月現在、パワレン史上唯一の犠牲者となる娘。ただし、最終回で生き返り、翌年の『ライトスピードレスキュー』での共闘回でも、ピンクギャラクシーレンジャーとして復帰した姿を見せています。

 もう、ケンドリックスと言えば、死亡エピソードが一番強く印象に残っていますが、
 他にも「知的なメガネ娘」という属性を持っており、元々はカイと共にテラベンチャー防衛軍に所属する科学分析担当員でした。また、慎重派のカイに比べ、大胆な行動力、決断力を持ち合わせ、マイクに続いて、次元扉からミリノイ星に行っております。こういう勇気が、暴走エネルギーからテラベンチャーを救うための自己犠牲をも成し遂げた、と考えられます。

 原作のピンク・サヤは、ギンガマンの紅一点。戦隊の場合、女性戦士が一人の作品では、女性というだけで、すでにキャラクター像が固定されており(勝気だが根は優しいヒロイン)、サヤの場合もあまり強い個性は描かれていませんでした。メンバーの中では、年上のハヤテゴウキに対し、弟分のヒカルとともに、年下の妹的な立場を持っていました(リョウマは成長するキャラで、立ち位置が変動)。
 一応、彼女の主役エピソードである、「わがままなアイドルの代役を務める話」と「ほのかな憧れを抱いていたヒュウガと共闘する話」は、ほぼそのままパワレンでも取り入れられていますが、ケンドリックスのキャラにかみ合っていたかどうかは疑問。冷静な科学者のケンドリックスとアイドル……というのが、まずギャップがあるし(そのギャップが面白いという考えもありますが)、ケンドリックスとマイクの関係もサヤほどはっきりしていません。

 すると、やはり、死亡エピソードに焦点が当たることになるんですね。
 その後、彼女のギャラクシーソードは、悪のプリンセスであった女性に受け継がれ、贖罪の機会を与えることになります。

ピンクギャラクシーレンジャー・カローン

 フルネームは不明。
 俳優は、メロディ・パーキンス(Melody Perkins)。
 吹き替え版声優は、前作のアストロネマに続いて折笠愛。最近の特撮では、GAROの「魔導具シルヴァ」が印象的。また、スパロボでは、ガンダムWのカトル、Vガンダムのファラ・グリフォンの他、マサキの使い魔シロ、そしてOGの女首領レビ(および解放後のマイ)など、幅広く出ていて、NOVAがよく聞く声優の一人です。

 前作のラスボス(悪のプリンセス)アストロネマ
 その後、主人公アンドロスの生き別れの妹であったことが判明し、再洗脳などのドラマを経つつ、無事に生還しました。
 そんな彼女が、再登場して2代目ピンクレンジャーを襲名することになるなんて、初放送時は誰が予想したでしょうか?
 NOVAも『イン・スペース』が日本で初放送された2001年に、パワレンについて調べていた際、アストロネマの正体を知って最初に驚き、次にケンドリックスの死→カローンの再登場 という情報に心躍らされ、一刻も早く『ロスト・ギャラクシー』を見たい、と思ってました。

 もう、前作の悪の女王(あるいはプリンセス)がピンクだなんて、日本の戦隊で考えるなら、アハメス様や、イガム王子、キリカ、マリア、ラミイ、ゾンネット、シボレナ、シェリンダ様、ウエンディーヌ、ジャンヌ&リジェたんなどが、翌年のヒロインに抜擢されるようなものじゃないですか(キャラの選択に、NOVAの好みが反映されていることは言うまでもない)。確かに、日本の戦隊でも、善悪の間をさまよい、最後には改心するような敵女性キャラも存在してはいますが、そのまま翌年も継続して登場することは考えられません。ヒロイン役をやった女優が後に悪役を演じるケースは、「ダイナピンク→レー・ネフェル」といったケースがありますが、どちらかと言うと、戦隊OBやOGはゲスト出演が普通。
 カローンの例を日本のケースに照らし合わせるなら、マリア(ジェットマン)や、ジャンヌ(アバレンジャー)といった悪に洗脳された女性が解放され、新メンバーに加わるようなもの。マリアは悲劇に終わったけど、ジャンヌは、結構それに近いところまで行ったか、と。これが男なら、「狼鬼→ガオシルバー」とか、「ウルザードウルザードファイヤー」といった洗脳からの解放→新戦士といった流れがあるわけですが、女性でも今後、こういう流れを試して欲しい、と思ったりします。

 以上、延々と書いてきましたが、結局のところ、何が言いたいかというと、カローンのケースは非常に稀で、それだからこそ、印象的な展開だったと。元々は、ケンドリックスの役者さんの体調不良というアクシデントが契機とはいえ、それをもドラマの流れの中で昇華した勢いが「ロストギャラクシー」にはあったわけで、この快挙は「仮面ライダー1号→2号登場」にも匹敵するのではないか、と主張してみる。
 カローン登場編。つづいて、カローンが過去の自分の悪に向き合って、乗り越えることでレッドのパワーアップに貢献する「怒りの戦士」エピソードは、大きな山場です。
 ただ、惜しむらくは、その後、物語全体がクライマックスに突入することになるため、カローン個人のドラマを描く機会がほとんどなかったことです。新メンバーとして仲間に受け入れられた後は、「頼れる女戦士」以上の扱いを受けることはなく、終盤は地味なキャラに終わってしまったと思います。
 その後のカローンは、ミリノイ星にとどまったのか、あるいは兄アンドロスの元に帰ったのか、も気になるところですね。個人的には、故郷のKO35でゼインと結ばれている展開を期待するわけですが。

マグナガーディアン・マイク

 フルネームはマイク・コーベット。
 俳優は、ラッセル・ローレンス(Russell Lawrence)。
 吹き替え版声優は、カクレンジャーのニンジャブルー・サイゾウ役の土田大。

 
レオの兄マイクは、テラベンチャーの防衛軍の前線隊長として、スタントン司令官の信任も篤い人物。
 本来なら、
レッドレンジャーになるべき男でしたが、石化するミリノイ星からの脱出の際、ギャラクシーサーベルを弟に託して、地割れに飲み込まれ、消息を絶ってしまいます。

 その後、スコーピウス一味と戦うギャラクシーレンジャーたちの前に、謎の戦士として出現したのが、マグナガーディアンでした。
 彼は、殺された息子のゼータ(原作では弟のクランツ)の仇を討つため、「オリオンの光」を求める孤高の戦士。一度は、ミリノイ星の地底に封印されていたんですが、偶然、地底に落下したマイクの肉体を借りて復活した、と。
 原作ギンガマンの物語を踏襲しているわけですが、微妙な設定変更が、原作の計算高く仕込まれたドラマ的魅力を損なっています。それは
「弟の仇を、息子の仇に変えてしまったこと」。初代マグナガーディアン(原作の黒騎士ブルブラック)は、正義を失った復讐鬼として、ギンガマンとも対立関係にあったわけですが、彼が改心する理由の一つに、「ギンガレッド・リョウマに、自分の弟クランツの姿を重ね見た」というドラマがありました。「ヒュウガ&リョウマ兄弟」「ブルブラック&クランツ兄弟」の姿が対になって、ギンガマン中盤のドラマを大いに盛り上げていたわけです。
 ロストギャラクシーの場合は、
レオと初代マグナガーディアンの間のドラマを深く描くことなく、やや駆け足気味に、原作のエッセンスを表面だけなぞった形です。

 そして、生還したマイク。
「ダイレンジャーのオーラチェンジャー」を流用したマグナモーファーでマグナパワーを呼び出し、2代目マグナガーディアンに変身します。
 彼がマグナパワーを得る前の、
レッドとのドラマで、やはり原作との微妙な改編が。
 原作では、
リョウマは兄ヒュウガに、伝説の戦士の証である「星獣剣」を返そうかとためらいつつ、結局は「星獣剣を返さず、自分がギンガレッドとして戦い続ける」ことを、兄に宣言します。つまり、「兄の代わりに戦うのではなく、自らが戦士としての自覚を持って戦う」ことを宣言した、と。この宣言に対して、ヒュウガも、「オレは、お前が星獣剣を返す、と言ったら、取り上げるつもりだった」と言いながら、覚悟の決まった弟を頼もしげに見やるのでした。
 一方、ロストギャラクシーでの
レオは、「ギャラクシーサーベルの返還」を告げます。それに対する兄マイクの返答は、「ギャラクシーサーベルは、お前の手に渡るのが運命だったんだ。自分はその仲立ちをしたに過ぎない」といった形で、受け取りを拒む、と。
 これはまあ、日米の文化・考え方の違いもあるのでしょうが(兄弟間の所有の概念の問題で、弟が兄の持ち物を自分の物にすることに対する正当性がアメリカでは論議されるのかもしれない)、
 ドラマ内にしぼって考えるなら、ギンガマンの星獣剣が「ギンガの森部族の伝説の戦士」の証であり、その価値観を兄弟ともに共有している一方で、
 ギャラクシーサーベルは、あくまで「ミリノイ星の伝説の戦士」の証であり、その価値観は地球生まれのコーベット兄弟とは無縁の物だった、とも言えます。
マイクのアイデンティティーは、パワーレンジャーであることよりも、テラベンチャーを防衛することに重点が置かれ、立場上、パワーレンジャーでなくても、防衛の任に就くことができる。でも、レオの場合は、ただの密航者ですから、パワーレンジャーの力を失えば、防衛の任に就く理由すらなくなってしまう。兄としての理性的な判断としては、弟のことを考えてだけでなく、テラベンチャー全体の利益を考えた場合でも、レオがギャラクシーサーベルを持ち続けるべき、という結論を出したのでしょう。
 逆に、ギンガマンの場合は、「星獣剣に選ばれた伝説の戦士であること」が何よりもアイデンティティーであり、それを兄に返せば、
リョウマはそれこそ居場所を失ってしまいます。覚悟の定まらない未熟な戦士であれば、より力を持つ兄にそれを返すことで、責任逃れを考えるかもしれませんが、リョウマはそういう選択をしなかった。兄ではなく、自分こそがギンガレッドである、という自負は、リョウマの中で確固たるものになっていたのでしょう。

 その後、レオリョウマの発言の違いが、マイクヒュウガの行動の違いにまで影響した、と見なすのは深読みのし過ぎでしょうか? 
 
レオマイクのドラマは、これで解決し、後はテラベンチャーの防衛のために、それぞれの役割をこなすことになります。基本的にはパワーレンジャーのリーダーとして前線で戦うレオと、テラベンチャー全体という視点から、スタントン司令の下で、パワーレンジャーとの連携・バックアップを行うマイクという組み合わせ。そこには、もう葛藤の入り込む余地はありません。
 
マグナガーディアンとしてのマイクの最後の活躍は、ロストギャラクシーの海賊に奴隷として捕まったテラベンチャー市民の救出作戦で見られます。その中で、マイクは激闘の末に、マグナパワーを全て失うことになります。自分の役割を果たしたマイクは、彼の「任務達成」を賞賛しながら消えていく初代マグナガーディアンの霊を見送ることになります。

 それに対し、リョウマヒュウガ兄弟の試練は、さらに続くことになりました。
 しばらくは、ブルブラックの力を受け継いだ黒騎士として戦った
ヒュウガでしたが、「自分たちが受け継いだアースの力では、宿敵ゼイハブを倒せない」という話を聞くことになります。そして、「アースを捨てて、仲間の元を離れ、単身でゼイハブを倒すための力を求める」決断をするヒュウガ
 ギンガマンのバックアップ、という点では、
マイクとの考え方は同じなのでしょうが、軍事組織を率いる立場にいるマイクと異なり、一人の戦士としてヒュウガの選んだ選択肢は、より過酷なものでした。
 結局のところ、強敵ゼイハブを倒すことができたのは、
ヒュウガが一人で求めた力(その象徴としてのナイトアックス)ではなく、ギンガマンとの連携によるものでしたが(その後、ギンガの森の解放に伴う、ヒュウガのアースの力の復活など、ハッピーエンドを迎えた)、
 
ヒュウガが一人で戦うという選択を選んだ一因としては、やはり「星獣剣を持たない戦士」というアイデンティティーの不確かさも考えられるのではないでしょうか? 
 この
「仲間ではあるけれども、大儀のために仲間の元を離れる6人目の戦士(兄)」というドラマは、パワーレンジャーでは、次回作「ライトスピードレスキューのタイタニアムレンジャー」に受け継がれることになります。

 

 

4.脇役&助っ人キャラ

(現在準備中)

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5.ゾード
  種別・解説 名称 ギンガマン該当メカ
@ ギャラクシービースト
→ギャラクシーゾード
(星獣→銀星獣)
ギャラクシーライオン ギンガレオン
ギャラクシーコンドル ギンガルコン
ギャラクシーゴリラ ギンガリラ
ギャラクシーウルフ ギンガベリック
ギャラクシー
 ワイルドキャット
ギンガット
A @の5体合体 ギャラクシー・メガゾード ギンガイオー
B Aの強化形態 ギャラクシー・メガゾード
 オリオン・パワー
超装光ギンガイオー
C マグナガーディアン用ゾード ブルゾード
Torozord
ゴウタウラス
D 巨大マグナガーディアン マグナディフェンダー 重騎士
E C+D マグナ・ブルゾード
Defender Torozord
合身獣士ブルタウラス
F 陸戦サポートゾード ケンタウロス 鋼星獣ギガライノス
G 空戦サポートゾード ストラトフォース 鋼星獣ギガフェニックス
H FとG用の母艦ゾード キャリアーゾード
Zenith Carrier Zord
鋼星獣ギガバイタス

 

6.敵役
  名前 組織内の役割 日本版該当キャラ
スコーピウス
Scorpius
スコーピウス一味の首領 (オリジナル)
トラキーナ
Trakeena
首領の娘→首領 (オリジナル)
フリオ
Furio
初代作戦隊長 ヒネラー怪人体
(メガレンジャー)
シントー
Treacheron
2代目作戦隊長 剣匠ブドー
デビオット
Deviot
陰謀家 闇商人ビズネラ
ビラマックス
Villamax
3代目作戦隊長 銃頭サンバッシュ
ケグラー
Kegler
技師 樽学者ブクラテス
スティングウィンガー 戦闘員 (オリジナル)
バウンティー船長
Captain Mutiny
ロストギャラクシーの
 宇宙海賊首領
ゼイハブ船長
10 バーバラックス
Barbarax
バウンティーの右腕 破王バットバス
11 ヘクスバ
Hexuba
宇宙の魔女 妖帝イリエス
12 スワビー
Swabbies
戦闘員 賊兵ヤートット