劇場版パワーレンジャー

 

  目次
あらすじ
解説
レンジャー
脇役キャラ
ゾード
敵役
パワレン・ホームへ
←レッドドラゴン・サンダーゾード・パワー!
 (第2シーズンへ)
GOGOエイリアンレンジャー!→
 (第3シーズンへ)

 

1.あらすじ

 6000年前にゾードンによって封印されていた悪の権化アイヴァン・ウーズが、ロード・ゼッド一味の手により復活した。
 6人のパワーレンジャーたちは、アイヴァンを発見して倒そうとするが、アイヴァンは手下にレンジャーの相手をさせ、その間に、自分はレンジャー基地に侵入を果たす。
 レンジャーたちが戻ってきた時は、基地はアイヴァンの手で破壊され、保護カプセルを破壊されたゾードンは、瀕死の状態になっていた。ゾードンが力を失ったため、レンジャーのパワーも消え失せてしまう。
 アルファ5の助言により、レンジャーたちは究極のパワーが隠されているという惑星フェイドスへ、片道テレポートする。もし、パワーが手に入らなければ、帰還もままならない旅路なのだ。

 一方、アイヴァンは、ロードゼッドとリタを縮小カプセルに閉じ込め、自らが世界の王になることを宣言する。
 レンジャーたちが惑星フェイドスに向かったことを知った彼は、妨害のために天狗ウォーリアーを派遣する一方、自分の力をより強大にするために、エンジェルグローブ市の大人たちを操って、地下に眠る昆虫型ロボット・エクトモーフィコンを掘り起こさせようとする。

 フェイドスについたレンジャーたちは、後を追ってきた天狗ウォーリアーの襲撃を受ける。パワーがないために苦戦するレンジャーたちだが、そのとき、女戦士ドルシアが現れ、天狗ウォーリアーを追い払う。
 「ゾードンの危機」を知ったドルシアは、レンジャーたちに「究極のパワーが眠るニンジェッティ神殿」への道を示し、また、彼らの心に眠る獣の力を呼び覚ました。そして、「究極のニンジェッティパワー」を求めるレンジャーたちの試練が始まった。

 2体のエクトモーフィコンを掘り起こしたアイヴァン・ウーズは、いよいよ破壊活動を開始する。そのとき、ようやくパワーを取り戻したレンジャーたちが戻ってきた。
 新たなメカ・ニンジャゾードの力で、エクトモーフィコンの1体を撃破したレンジャーたち。それに対し、もう1体のエクトモーフィコンに融合したアイヴァン・ウーズは、強大な力で攻めて来る。
 奴を倒すには、6機のニンジャゾードの力を1つに結集するしかない。そして登場する新たな合体ロボ、ニンジャ・メガファルコンゾード! 
 戦場は、市街地から大空、そして宇宙空間まで拡大される。そして、アイヴァン・ウーズは流星となって散っていく。

 レンジャーたちは、手に入れた究極のパワーを使い、瀕死のゾードンをも回復させた。そして、彼らは再び玉座についた、ロードゼッドとリタの野望に備えるのだった。【ページの頭へ】 

 

2.解説

 劇場版は、「第2シーズン」と「第3シーズン」の合間に位置するストーリー。ただし、「第3シーズン」では、この話とは別に「忍者クエスト」が描かれるので、同じエピソードの別バージョンといったところでしょうか。
 古い例で申し訳ないが、「マジンガーZ 最終回」と「劇場版 マジンガーZ対暗黒大将軍」の関係に近い。どちらも、マジンガーZがミケーネの戦闘獣の前に窮地に陥ったところを、新ロボのグレートマジンガーに助けられるというもの。物語の流れからは、「TV版最終回」の方が、後につながる正当なストーリーなのだが(劇場版は、声優や一部設定なんかも異なっている)、公開は劇場版のほうが早く、また、劇場版ならではの味わいも多く、機会があれば、両方見るのが通というものでしょう。
 ただし、「パワーレンジャー」の場合は、「第3シーズン」の日本語翻訳版がまだないので、この劇場版が日本で見られる「唯一の忍者クエスト」ということになります。

 目玉は、CGで描かれた「ニンジャゾード」と「エクトモーフィコン」の対決ということになるのですが、NOVAにとっては、CGの動きがカクカクと固すぎる上に、重量感もないため、昆虫メカの「エクトモーフィコン」ならともかく、獣のしなやかな動きを要する「ニンジャゾード」には、不向きだったかな、と思います。まあ、実験的試みとしては、面白いですが。
 まあ、技術が進化すると、「ガオレンジャーのパワーアニマル」みたいな、しなやかな動きも可能ということで、7年ほど前のCG映像模索期を確認できる、貴重な資料とも言えますね。
 ちなみに、このページの背景画像は、「CGではない着ぐるみのニンジャゾードたち」です(ファルコンゾード除く)。元は、「カクレンジャーの超忍獣たち」ですが、こちらの方がNOVAのお気に入り。

 この劇場版は、今回、再視聴して、結構、あらが目立つのですが、そんな批判記事をこの場でぶちまけても、無粋なのでやめておきます。
 それよりも、通なら、元とちがう設定を楽しむべきでしょう。あとは、変身前の役者のアクションに期待。
 変身後のパワーレンジャーの活躍に期待しようものなら、肩透かしをくらいます。パワーを失っている時間が長く、パワーを取り戻したあとは、すぐにニンジャゾードを呼ぶので、変身後のアクションシーンは序盤だけです。
 何だかメタリックな劇場版スーツは、かなり違和感を感じました。

 NOVAの目からは、この劇場版は、パワーレンジャーの魅力をそれほど見せていないので、これだけを見て「パワーレンジャーに幻滅しないでね」と言っておこう。
 TV版を見た人は、この劇場版の日本語吹き替え版を見る際に注意。声優が違うだけで、かなりイメージが変わってます。特に、曽我町子女史の声でないリタなんか、あたかも別のキャラクターみたい (声優は山本圭子)。総じて、声優陣は豪華な顔ぶれではあるんですがね、やはり慣れたイメージとはギャップが……。

 結局、通があれこれ、ツッコミを入れるのに最適なテキストでしかないんだよな。パワレンの紹介編としては、あまりにも特殊設定が多すぎるんで。【ページの頭へ】

 

 

3.レンジャー
変身後 変身前の名 日本版キャラクター
ホワイトレンジャー トミー
Tommy
キバレンジャー・コウ
ピンクレンジャー キンバリー
Kimberly
プテラレンジャー・メイ
レッドレンジャー ロッキー
Rocky
ティラノレンジャー・ゲキ
ブルーレンジャー ビリー
Billy
トリケラレンジャー・ダン
イエローレンジャー アイーシャ
Aisha
タイガーレンジャー・ボーイ
ブラックレンジャー アダム
Adam
マンモスレンジャー・ゴウシ
ホワイトレンジャー・トミー

 フルネームはトミー・オリバー(Tommy Oliver)。
 俳優は、ジェイソン・デビッド・フランク(Jason David Frank)。
 吹き替え版声優は、
真地勇志(TV版とは異なる。これは他の面々も同じ)。

 「ホワイトタイガー」の力を宿した戦士。
 この劇場版の途中で、「大空を支配するタカ(ファルコン)」のパワーを手に入れる(スーツはキバレンジャーのままだが。これは他のメンバーもいっしょ)。

 劇場版では、完全に主人公として活躍する。ここまで単独の活躍が目立つと、他のメンバーの立場がまったくない。
 「ニンジェッティ空中十段蹴り」などの技を披露し、また、ファルコンゾードを操って、エクトモーフィコンの1体を撃破する。

ピンクレンジャー・キンバリー

 フルネームはキンバリー・アン・ハート(Kimberly Ann Hart)。
 俳優は、エイミー・ジョー・ジョンソン(Amy Jo Johnson)。
 吹き替え版声優は、新山志保。

 「プテロダクティル(翼竜)」の力を宿した戦士。
 この劇場版の途中で、「羽根のように身軽なツル(クレイン)」のパワーを手に入れる。彼女のメカは、代々「プテロダクティル」→「ファイヤーバード」と空中戦メカが続いており、統一感があってよい。

 劇場版では、完全にヒロインとして機能する。ヒロインの役割、それはすなわち、主人公に助けを求めることである。今回の話では、やたらと「トミー、助けて」の台詞を連発し、TV版よりも弱い印象がある。
 TV版にはない、「プテロダクティル電撃ムチ」なる技を披露する。また、ファルコンゾード合体前のニンジャメガゾードでは、中心に座るリーダー格である。それでもしょせんはやられ役で、「トミー、助けに来て」と言う羽目になるのだが。

レッドレンジャー・ロッキー

 フルネームは、ロッキー・ド・サントス(Rocky DeSantos)。
 俳優は、スティーブ・カーディナス(Steve Cardenas)。
 吹き替え版声優は、松本保典。

 「ティラノザウルス」の力を宿した戦士。
 この劇場版の途中で、「力強く賢いサル(エイプ)」のパワーを手に入れる。

 しかし、リーダーではないので目立たない。日本の戦隊の流儀に慣れて、「レッド=主役」と期待して見ると幻滅するので注意。
 アダムとのコンビプレイが目立つ。
 また、TV版にはない、「パワースコープ」なる探査能力を披露する。

ブルーレンジャー・ビリー

 フルネームはビリー・クランストン(Billy Cranston)
 俳優は、デビッド・ヨースト(David Yost)。
 吹き替え版声優は、草尾毅。

 「トリケラトプス」の力を宿した戦士。
 この劇場版の途中で、「狡猾で素早いオオカミ(ウルフ)」のパワーを手に入れる。
 今回は、あまり目立った活躍はないが、それでも終盤で、アイヴァン・ウーズを飛来する流星にぶつけることを提案した点で、科学担当という役目を果たしている。
 また、序盤の戦闘で、「ストリンガー」というワイヤー発射機を使用して活躍。何だか、「スパイダーマン」を連想するが、まあ、ビリーならそれぐらいの装置も十分発明可能でしょう。

イエローレンジャー・アイーシャ

 フルネームはアイーシャ・キャンベル(Aisha Campbell)。
 俳優は、カラン・アシュレー(Karan Ashley)。
 吹き替え版声優は、伊藤美紀。

 「セイバートゥースタイガー(サーベルタイガー)」の力を宿した黒人少女。
 この劇場版の途中で、「獰猛で恐れを知らないクマ(ベアー)」のパワーを手に入れる。そう言われたときに、にっこり微笑んでいたが、女の子が「獰猛で恐れを知らない」と言われたなら、あまりいい気はしないと思うのだけど。

 頭の虎の目がライトになって闇を照らす「パワービーム」という芸を披露するが、それ以外、目立った活躍はなし。

ブラックレンジャー・アダム

 フルネームは、アダム・パーク(Adam Park)。
 俳優は、ジョニー・ヨン・ボッシュ(Johnny Yong Bosch)。
 吹き替え版声優は、辻谷耕史。

 「マンモス(英語ではマストドン)」の力を宿した韓国人戦士。
 この劇場版の途中で、「カエル(フロッグ)」のパワーを手に入れる。本人は、それにずいぶんと不満そうだったが、ドルシアさんに「キスでハンサムな王子になれる」と額への口づけをもらって、納得したようだ。

 攻撃をかわす際に「カエル飛び!」と発言したり、本劇場版ではギャグ担当ってことになっているのかな。おかげで、NOVAはしばらく「アダム=軽いお調子者」と誤解していた。
 ちなみに、「カエル」にどんな能力があるか、本劇場版では語られていないが、映像から判断すると、やはり「奇襲能力」ということになろうか。

 ロッキーとは、TV版以来の息の合ったコンビプレイを見せる。【ページの頭へ】

 

4.脇役キャラ

@ゾードン

 レンジャーのパワーの源であるが、劇場版では危うく命を失いかけた。
 本作のゾードンは、TV版の青い肌とちがって、白い肌になっている。
 「白い生首が死にかけている」なんて想像すると、かなり不気味だが、それでもレンジャーたちにとっては、いなくてはならない大切な存在。

Aアルファ5

 ゾードンとレンジャーのサポートロボット。
 今回は、レンジャーたちに惑星フェイドスの情報を与える役どころ。

Bドルシア

 本作での、レンジャーたちの実質的導き手。
 野蛮人ルックの美しい女戦士で、槍を武器に戦う。彼女の槍は、2本にも分かれ、振り回すと天狗ウォーリアーをも追い払う音波を放つ。
 ニンジェッティ神殿の守護者であり、どうやらフクロウの化身らしい。

Cフレッド

 レンジャーたちの知り合いの一般人少年。
 父親が、アイヴァン・ウーズに操られ、何とか助けようと懸命になる。
 彼の努力と機転があって、アイヴァンの命令で自殺しかけた人々をギリギリ救うことが出来た。
 その活躍をトミーに認められ、「君もレンジャーの素質がある」と言われて喜ぶ。その際、
「シルバーレンジャー、いや、ゴールドレンジャーがいいかな」なんて調子に乗って発言したが、まさか、その1年半後に「ZEOでゴールドレンジャー」が、3年半後に「イン・スペースでシルバーレンジャー」が登場することになろうとは、スタッフともども夢にも思っていなかったに違いない。
 なお、もちろんのこと、ジェイソン(ゴールドレンジャー)が少年化した姿でも、ゼイン(シルバーレンジャー)の若き日の姿でもない。

Dバルクとスカル

 レンジャーの知り合いの一般人。
 この作品の日本語吹き替え版では、スカルが「親分」のバルクにタメ口をきくため、二人の会話ははなはだ違和感がある。
 今回は、フレッドに協力して、人々の自殺を止める活躍を見せる。
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5.ゾード
  日本語呼称 解説 カクレンジャー該当メカ
ファルコンゾード ホワイトのニンジャゾード ツバサマル
クレインゾード ピンクのニンジャゾード 超忍獣ゴッドカーク
エイプゾード レッドのニンジャゾード 超忍獣ゴッドサルダー
ウルフゾード ブルーのニンジャゾード 超忍獣ゴッドロウガン
ベアーゾード イエローのニンジャゾード 超忍獣ゴッドクマード
フロッグゾード ブラックのニンジャゾード 超忍獣ゴッドガンマー
ニンジャ・メガゾード 2〜6の合体ロボ 隠大将軍
ニンジャ・
メガファルコンゾード
1〜6の合体ロボ スーパー隠大将軍
ニンジャゾード解説

 本作のニンジャゾードは、「ニンジェッティパワー」によって召喚された獣型メカである。CG映像による、内部の歯車まで見せての独特な合体シーンは一見の価値があると思う。

@ファルコンゾード

 ホワイトレンジャーの操るニンジャゾード。
 大型戦闘機に該当し、単体での戦闘能力も高い。
 最初に、エクトモーフィコンの攻撃を受け、一時撤退するが、態勢を立て直してから、翼の先端のロケットランチャーで、エクトモーフィコンの1体(サソリ型)を撃破した。
 また、破壊されたレールの代わりになって、フレッド少年たちの乗るモノレールを救う活躍を見せる。もっとも、そのおかげで、仲間たちとの合体が遅れることになったわけだが。
 合体時は、ニンジャ・メガゾードの背中に装着され、飛行能力を与える。

Aクレインゾード

 ピンクレンジャーの操るニンジャゾード。
 軽戦闘機に該当する。アイヴァン・ウーズ本人に攻撃を仕掛けようとするが、反撃を受ける羽目に。
 ニンジャ・メガゾードの頭部に変形し、ファルコンの合体前は、ピンクレンジャーがメイン操縦者を務める。

Bエイプゾード

 レッドレンジャーの操るニンジャゾード。
 人型のため、格闘戦が得意で、単体でエクトモーフィコン(直立ハチ型)の背後からしがみつき、動きを封じるのに奮闘する。
 ニンジャ・メガゾードの右腕に変形し、強力なパンチを与える。

Cウルフゾード

 ブルーレンジャーの操るニンジャゾード。
 素早い動きで、相手に飛びかかるのを得意とする。エクトモーフィコン(サソリ型)の正面から飛びかかるも、パワー不足で苦戦する。
 ニンジャ・メガゾードの左腕に変形し、鋭いパンチを与える。

Dベアーゾード

 イエローレンジャーの操るニンジャゾード。
 怪力を誇るが、エクトモーフィコン(直立ハチ型)の正面から立ち向かった際に、あえなく弾き飛ばされ、ほとんど見せ場もなく終わる。まあ、エイプが背後に回りやすいよう、囮になったと考えれば、聞こえがいいか。
 ニンジャ・メガゾードの胸胴部に変形する。

Eフロッグゾード

 ブラックレンジャーの操るニンジャゾード。
 エクトモーフィコン(サソリ型)の背後に回り、長い舌を絡みつかせる。ウルフと2体がかりで、何とか相手の動きを封じることに成功。ファルコンゾードが態勢を立て直すまでの時間稼ぎをした。
 ニンジャ・メガゾードの下半身に変形する。

Fニンジャ・メガゾード

 ファルコンを除く、5体のニンジャゾードが合体した人型ロボット。
 エイプとウルフの拳による、強力な打撃が必殺技であるが、本作品では披露する機会はなかった。
 ピンクレンジャーがメインの操縦者だが、アイヴァン・ウーズの融合したエクトモーフィコン(直立ハチ型)の前に、ピンチに陥る。

Gニンジャ・メガファルコンゾード

 ニンジャ・メガゾードの背中に、ファルコンゾードが合体。
 飛行能力が付与され、機動性能が格段に向上する。それにともない、空中からの加速により、両拳の打撃力もさらに高まるが、本作品では披露せずに終わる。
 アイヴァン・エクトモーフィコンとともに空中へ飛翔、そのまま宇宙へ飛び出す。そして、アイヴァンを飛来中の流れ星に叩き込んで、決着をつけた。【ページの頭へ】

 

6.敵役
  名前 組織内の役割 日本版該当キャラ
アイヴァン・ウーズ 首領の座を乗っ取る (オリジナル)
ロードゼッド 元首領 (オリジナル)
リタ 元首領 バンドーラ
ゴルダー 戦闘隊長 グリフォーザー
モーダント
(豚面の手下)
役立たず (オリジナル)
天狗ウォーリアー 戦闘員 (オリジナル)
ウーズレット
(ウーズ兵)
戦闘員 (オリジナル)
エクトモーフィコン 巨大戦闘メカ (オリジナル)
敵役解説

 「劇場版」の敵役は、「第2シーズン」終盤の「ロードゼッド&リタの夫婦」である。
 しかし、ゼッドが復活させたアイヴァン・ウーズが、ゼッドとリタを封印したために、組織はアイヴァン個人のものと化している。

@アイヴァン・ウーズ

 6000年前にゾードンの手によって封印された、邪悪の化身。
 ちなみに、リタが封印されていた期間は、1万年間である。よって、悪の年季としては、リタの方が上ということになる。
 また、6000年前というと、日本の戦隊では、「ダイレンジャーのゴウマ一族」がいる。アイヴァン・ウーズの性格は、コミカルな言動をくり返しながら、ひどい悪事を行うという点で、ゴウマ怪人(とりわけ初期)との共通項があり、その関連性をうかがわせる。
 アイヴァンの性格は、ゾードンとの次の会話に集約されている。「貴様に封印されたおかげで、わしは多くの楽しみを見逃した。ペストの大流行、スペインの宗教裁判、それにTVのバットマン!」
 アイヴァンの能力は、ウーズ(粘液)の名のとおり、紫色のスライム状の形態に変化し、神出鬼没な点にある。また、ゼッドの魔力を身に受けてもダメージにならない点から、相当の耐衝性があると思われる。
 また、粘液から自分の分身戦闘員を作り出したり、粘液に触れた人間を操ったりすることもできる。
 エクトモーフィコンと融合することで、ニンジャ・メガファルコンゾードとも対等に戦う戦闘能力を見せるが、最後は、流星にぶつけられて滅び去った。

Aロードゼッド
Bリタ

 仲良し夫婦となった二人である。
 リタは感情的で、とにかく愚痴が多い。それを冷静なゼッドがフォローしたり、たしなめたりする。まあ、双方のバランスが取れた、理想的な夫婦関係にも思える。ゼッドはやっぱり、能力は高いわけだから、周囲に気を配ることさえできれば、組織運営も巧みになるだろう。
 本作品では、アイヴァンに封じられた二人が、終盤にパワーレンジャーを応援するという珍しい場面を見ることができる。

Cゴルダー

 本作品のゴルダーは、かなり貧弱な体型の新スーツで登場。
 ゼッドやリタを裏切って、あっさりアイヴァンの下に早々とつくなど、どんどん情けないキャラになっている。
 パワーレンジャーと戦闘するわけでもなく、ただの役立たずでしかない。

Dモーダント(豚面の手下)

 名称不明のキャラだったが、その後の調査により「Mordant」と判明。。
 バブーやスカットの代わりで、劇場版のみのキャラ。
 ゴルダーともども、アイヴァンの手下になって、ヨイショするだけのキャラでしかない。

E天狗ウォーリアー

 ゼッドが、惑星フェイドスに向かったパワーレンジャーたちを妨害するために送り出した、戦闘員たち。
 ドルシアにあっさり追い払われ、アイヴァンの元に戻ってくる。そして、役立たずなため、とっとと消される。
 第3シーズンにも、彼らに似た「テンガス(tengas)」なるカラス天狗の戦闘員が登場する。

Fウーズレット(ウーズ兵)

 アイヴァンが、自らの粘液で作り出した名称不明の戦闘員。
 その後、「Oozelets」という呼称が判明。
 序盤に、パワーレンジャーと戦い、時間稼ぎをした。その間に、アイヴァンはレンジャー基地に侵入、破壊を成功させている。
 
Gエクトモーフィコン

 アイヴァンが操る、虫型巨大メカ。
 直立ハチ型(ホーニッター)と、サソリ型(スコーピトロン)の2体が、エンジェルグローブの街を破壊した。なお、直立ハチ型は、以前NOVAはカマキリ型と誤解していたが、その後の調査によりハチ型と判明したので、訂正している。
 サソリ型は、ウルフゾードとフロッグゾードの2機と戦い、ファルコンゾードのロケットランチャーで破壊された。
 直立ハチ型は、ベアーゾードとエイプゾードの2機と戦う。その後、アイヴァンと融合し、強力になって、ニンジャ・メガゾードと激闘を繰り広げる。
 最後は、ニンジャ・メガファルコンゾードとともに宇宙に飛翔、流星の屑となって消える。
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