【戦隊コラム・表紙に戻る】【前のページへ戻る】

2:戦隊ロボット発展史(その8・アバレンジャー)

25.爆竜戦隊アバレンジャー(2003年)

  ロボット・メカ名 特徴 必殺技 変形合体コード

(@+A+B)
アバレンオー 3体の爆竜が合体して生まれる爆竜合体の基本形。
右腕にシールド、左腕にドリル剣という、通常とは逆の武装が特徴。
ただし、ドリル剣とシールドは腕から分離可能で、その場合は、右に剣、左に楯を拳で持つようになる。
必殺技は、腕の回転ドリルを軸に、体ごと突っ込んで行く、
「某超電磁ロボ」の必殺技に匹敵するダイナミックさを持つ。
爆竜電撃ドリルスピン 爆竜合体
1´(@+A) アバレンオージ プテラを欠いた2爆竜が合体したイレギュラー形態。
頭部のヘルメットと、胸飾りがなくなっただけで、人型ロボットとして十分機能するが、パワー不足になってしまうことは否めない。
名称が秀逸だが、少々時代が早かったかなあ、と2007年の時点で思う。
(「〜〜王子」が流行なのは、2006年ごろからなので)
特になし 爆竜合体
  分離メカ(爆竜) 特徴 パートナー  
  @ 爆竜ティラノサウルス アバレッド伯亜凌駕のパートナー爆竜。語尾に「〜テラ」を付けて喋る。
(声:長嶝高士)
熱血親父型の性格で、爆竜たちを
引っ張るリーダー格。
ダイノアースでは、子持ちの親父だったが、戦いで家族を失うという、悲劇を経験している。
そのため、姪の舞ちゃんを養いながら、奮闘している父親役の凌駕に共感し、発破をかける役どころ。
爆竜合体の頭部と、右腕以外の胴体を形成し、尻尾がドリル型の剣となる。
アバレッド  
  A 爆竜トリケラトプス アバレブルー三条幸人のパートナー爆竜。語尾に「〜ケラ」を付けて喋る。
(声:宮田幸季)
礼儀正しい少年型の性格で、少年ケラトに変身したこともあった。
(演:神木隆之介)
クールだが年少者には優しい面を見せる幸人のキャラを引き立たせる役どころ。
爆竜合体の際は、右腕を形成し、顔面がシールドとなる。
アバレブルー  
  B 爆竜プテラノドン アバレイエロー樹らんるのパートナー爆竜。語尾に「〜プラ」を付けて喋る。
(声:篠原恵美)
元気な姉さんタイプの性格で、らんるとは似たもの同士と言える。
爆竜合体の際は、ヘルメットと胸飾りを形成し、胸飾りとなる翼はブーメランとしても使用可能。
アバレイエロー  
  ロボット・メカ名 特徴 パートナー 変形合体コード
C 爆竜ブラキオサウルス アバレブラック・アスカのパートナー爆竜。語尾に「〜ブラ」を付けて喋る。
(声:銀河万丈)
巨体に爆竜たちを格納する母艦にして、性格はのんびり屋な、爆竜家族のお爺ちゃん的役どころ。
ティラノが前線指揮官なら、ブラキオは後方からバックアップする部隊指令、といえる。
そのため、前線に出しゃばることはないが、声優の力量と、毎回のように出てくる
「特撮主題歌をネタにした一言コメント」のおかげで、際立った存在感を備えていた。

アバレブラック

なし
  爆竜武装用爆竜 特徴 アバレンオーとの合体形態
(必殺技)
 
  D 爆竜バキケロナグルス 爆竜の卵から生まれた武装爆竜。
語尾に「〜バキ」を付けて喋る。
(声:相田さやか)
モデルは、パキケファロサウルス。
性格は素直で無邪気、トリケラの弟分と言える。ただし、戦いでは猪突猛進気味で、固い頭部で頭突きをかます。
成長すると、口調も「あっし」になり、
威勢のいい江戸っ子風の喋り方になった。
アバレンオーの右腕に、
トリケラと入れ替わる形で合体する。
アバレンオー・ナグルス
(爆竜必殺バキバキパンチ)
 
  E 爆竜ディメノコドン 京都に出現した武装爆竜。
語尾に「〜デメ」を付けて喋る。
(声:岸尾大輔)
モデルは、ディメトロドン。
性格はおとなしく、穏やかな関西弁を
話す。しかし、戦闘力は高く、戦いに入ると牙と、背中の巨大ノコギリを駆使して、凶暴性を発揮するようだ。
アバレンオーの左腕に、ティラノの尻尾と入れ替わる形で合体する。
(劇中では、ティラノの尻尾は本体に
収納されていた)
アバレンオー・ノコドン
(爆竜必殺クロスサンダー)
 
  F 爆竜ステゴスライドン 語尾に「〜テゴ」を付けて喋る。
(声:飯田浩志)
モデルは、ステゴサウルス。
性格は田舎風の朴訥さで、一見おとなしそうだが、向上心旺盛で、アバレキラーの誘いに乗って、敵側に回ってしまう。
ただ、人の良さは変わらず、後に
アバレンジャーとキラーの仲をとりもつ
働きを示した。
アバレンオーとの合体では、乗用の
スライダー形態をとり、タフなボディーによる突進力の高さを示す。
さらに、その強さは、キラーオーの中核(頭胴部)として本領を発揮していた。
アバレンオー・スライドン
(爆竜必殺スライダーアタック)
 
  G 爆竜パラサロッキル 語尾に「〜パラサ」を付けて喋る。
(声:塩屋浩三)
モデルは、パラサウロロフス。
性格はラテン系の、陽気な軽妙さを持っている。尻尾がハサミとなっており、
鋭利さと精密さを兼ね備えている。
アバレンオーの左腕に、ティラノの尻尾と入れ替わる形で合体する。
アバレンオー・ロッキル
(爆竜必殺チョキチョキシザーズ)
 
  H 爆竜アンキロベイルス 語尾に「〜キロ」を付けて喋る。
(声:御崎朱美)
モデルは、アンキロサウルス。
性格は、イタズラ好きの子供みたいな、ひねくれ者で皮肉屋。
背中の甲羅が回転シールドとなり、
尻尾のドリルと合わせて、攻防一体の強力な武装が特長。
アバレンオーの右腕に、トリケラと入れ替わる形で合体し、左腕のティラノの尻尾と共に、ダブルドリルを形成する。
アバレンオー・ベイルス
(爆竜必殺ダブルトルネード)
 
  ロボット・メカ名 特徴 必殺技 変形合体コード

(F+I)
キラーオー アバレキラーに誘われたステゴが、トップゲイラーと合体した姿。
頭胴部がステゴで、トップゲイラーは、四肢と武器のゲイルスピアーになっている。
一見、ステゴが中核のようだが、主導権はトップゲイラー。
ステゴのパワーと、ゲイラーの
狡猾さ、精密さを備えた強敵として、たびたびアバレンオーを
苦しめた。
爆竜必殺デススティンガー

爆竜必殺デスコンバッション
爆竜合体
2’
 
キラーオーナグルスノコドン アバレキラーに奪われたバキケロと、ディメノコが、キラーオーに爆竜武装された姿。
仲間の武装爆竜を敵が使うことで、アバレンジャーを精神的に苦しめた。
キラーバキバキパンチ

キラークロスサンダー

爆竜合体
2”
 
キラーオーベイルスロッキル 43話に登場。
この時点で、トップゲイラーたちはアバレンジャーと和解。
アバレキラー仲代壬琴が敵に
捕らわれてしまったため、救出するためにアバレブラック・アスカの操縦で、キラーオーが爆流武装した姿。
爆竜必殺ドリルシザース 爆竜合体
  分離爆竜 特徴 パートナー  
  I 爆竜トップゲイラー アバレキラー仲代壬琴のパートナー爆竜。語尾に「〜ゲラ」を付けて喋り、壬琴のことを固有名詞ではなく、「人間」と呼ぶ。
(声:緑川光)
モデル
は、翼竜トゥプクスアーラ。
クールかつ尊大だが、そのセリフの端々には、壬琴のことを気にかけているような節が見られる。
アバレキラー  
  ロボット・メカ名 特徴 必殺技 変形合体コード
マックスオージャ アバレマックスに進化したアバレッドが、スティラコギャリーを合体変形させた姿。
スティラコが頭胴部となり、
四肢にダイノギャリーを装着。
さらに武綱竜を斧状の武器とすることで、完成する。
爆竜必殺マックスショルダーアタック 爆竜合体
3´ 爆竜スティラコサウルス
 &ダイノギャリー
アバレマックスがスティライザーの力で召喚した伝説の爆竜。
スティラコサウルスが、ダイノギャリーを牽引しており、その姿はスティラコギャリーと呼ばれる。
ダイノギャリーには、小型の武鋼竜ランフォゴールドとスピノゴールドが搭載されている。
他の爆竜と異なり、会話しないため、
その戦闘力にも関わらず、キャラとしての存在感は薄め。
ファイヤーボールクラッシュ  

(3+DEGH)
マックスリュウオー マックスオージャに、4体の武装爆竜が組み合わさって、強化合体した姿。
右腕にバキケロ、左腕にアンキロが装着され、
脚部のダイノギャリーには、
右脚にディメノコ、左脚にパラサが収納される。
さらに、スピノゴールドが兜変形したヘルメットをかぶって完成。
接近戦主体だったマックスオージャと比べると、遠近両方に対応した攻撃技を持つのが特長。
爆竜必殺リュウオーバスター 爆竜超合体
1+FI キラーアバレンオー アバレンオーを中心に、
トップゲイラーが翼に、
ステゴがスライダーになって、
合体した姿。劇場版で披露。
必殺技は、ブラキオの首を滑り台にして勢いをつけながら、
腕を次々に武装爆竜に換装して行うもので、
この時点の全爆竜の力を総結集したもの。
よって、単純な合体数だけなら、5体だけだが、破壊力は10体分の威力と考えられる。
爆竜マルチコンバイン

フライングドリルスピン
爆竜大合体
1+FI
+3´の一部
オオアバレンオー キラーアバレンオーに、さらに
武綱竜を組み合わせた最強合体。
この形態は、何よりも「名称」のインパクトと、アバレンジャーでは珍しい「5人の戦士」の協力体制を体現した姿として、印象深い。
爆竜必殺オオアバレフルスロットル 爆竜最強合体
バクレンオー 劇場版に登場した悪のロボット。その姿は、アバレンオーの色違いマイナーチェンジといえるが、氷の力を宿して、強力な戦闘力を備えている。
TVでも、終盤でデズモゾーリャの変身体の一つとして姿を披露した。
   
  分離爆竜 特徴    
  爆竜カルノリュータス バクレイザーによって封印されていた氷の爆竜。
モデルは、カルノタウルス。
アバレンオーのティラノと同様の変形をするが、尻尾はテールソードとして、
普段からバクレンオーの右手に装備。
ティラノの尻尾を奪って、ダブルドリルを披露した。
   
  爆竜カスモシールドン バクレイザーによって封印されていた氷の爆竜。
モデルは、カスモサウルス。
こちらは、トリケラに相当する個体。
ただし、頭部のシールドはバクレンオーの左手に装備する。
プテラに相当する個体は存在しない他、「しゃべらない」というのが、ティラノたちとの最大の違い。
   


 ガオレンジャーから生まれた「武装パーツによる多彩な換装合体」。
 前年のハリケンジャーは、武装の換装は、天空神との天空武装のみで、それよりもカラクリボールをメインに打ち出しておりました。
 よって、ガオの「百獣武装」の直接的な後継者は、本作の「爆竜武装を生み出す多彩な爆竜たち」と言えるでしょう。さらなる後継者は、2006年のボウケンジャーにおける「轟轟武装」ですが。

 また、本作がハリケンジャーから受け継いだ要素もあります。
 それは、電動アクションの面白さ。
 合体システムだけを考えるなら、前作の「ハリケンレオン」が体のほとんどを締める構成は「美しくない」の一言で切り捨てられるのですが、あれは1号ロボの体内に「電動回転ギミック」を仕込むために必要なパーツ構成です。
 そして、本作の1号ロボ・アバレンオーにも、面白い電動アクションが仕込まれています。基本は、ティラノの尻尾、すなわち左腕のドリルが回転すること。しかし、それだけではありません。本作の武装爆竜たちには、ことごとくアバレンオーとの合体に連動したアクションが仕込まれているのです。
 アバレンオーの右腕に装着されたバキケロナグルスは、電動アクションで頭部が伸縮します。
 同じく、左腕のディメノコドンは、ノコギリが回転します。
 パラサロッキルは、尻尾のハサミが開閉します。
 アンキロベイルスは、背中の甲羅シールドと、尻尾のドリルが回転します。
 ステゴスライドンは、アバレンオーを乗せて走行します。

 ……と言った感じで、合体システムとは違った玩具の面白さに、最近(2007年)になって、たっぷり気付いたNOVAでございます。いや、きっかけは甥っ子のコレクションしている爆竜で遊ばせてもらったことなんですがね(笑)。
 回転だけなら少々、単調だと思っていたんですが、バキちゃんの伸縮ギミックと、パラサのハサミ開閉ギミックを左右同時に発動させると、それぞれの動きが変化があって、楽しいんですな、これが。連動ギミックの視覚的楽しさは、今年の電王の「電ライナー」でも想像できるのですが、異なる動きの組み合わせってのがいい感じです。
 一方、2007年の戦隊のゲキトージャ。合体システムは単純で、電動アクションは……やはり回転だけで単調かな。激獣武装にしても、異なる武装を取り付ければ異なる動きを示す「爆竜武装」の面白さを知ってしまうと、興ざめです。

 ……って、本記事の目的は、激獣批判ではなくて、爆竜たちの合体システムの紹介ですね。電動アクションの話は、これぐらいにしておいて。
 まず、1号ロボのアバレンオー。前作の旋風神を受け継ぐ偏った3体合体ですね。電動アクションを仕込むと、やはり5体合体は無理で、しかもアクションの機動部にバランスの偏った合体になってしまうのは、やむを得ないところでしょうか。将来的には、5体合体かつ電動アクションのできる1号ロボを目指してほしいところ。
 デザイン的には、生物的な爪の生えた足というのが「ガオハンター」から受け継いだ物……という のが面白いと思いました。合体システムにしても、ガオリゲーターを中核にした小型メカ3体合体と、ティラノサウルスを中核にした3体合体は通じるものがありますし。

 爆竜武装は、腕パーツにのみ偏っている点が、胴体パーツや脚部パーツなどのバリエーション豊富だった百獣武装よりも退化している……と放送当時は思っていましたが、これは電動ギミックを仕込む必要からやむなし、と今は認識。

 次に2号ロボのキラーオー。これはこれで、物語的に「ガオハンター」および「轟雷神」の後継者(ライバルロボ)に当たるわけですが、合体システム的にはトップゲイラーの扱いが個性的です。翼が脚部になって、肢が腕になって、胴体が武器になっちゃうトップゲイラー。頭と胴体といった中核部分はステゴスライドンが担当するのですが、体の支配権はトップゲイラーが握っているなど、非常に画期的なパーツ構成ですな。
 その点、キラーアバレンオーでは、ごくごく当たり前に背中の翼になっていますが、その気になれば、アバレンオーの腕の代わりに、トップゲイラーの両肢を装着したり、トップゲイラーの胴体にトリケラティラノの尻尾を付けることも可能。一応は、全ての爆竜と合体できちゃうわけです(それが格好いいかどうかは別にして)。まあ、プテラだけは、単体で合体できそうにないんですがね。

 そして、アバレッドの強化形態アバレマックス用のメカとして登場したマックスオージャ(話が進むと、アバレブラックやブルーも操縦していましたが)。
 元々は、スティラコサウルスと、それが牽引するスティラコギャリーから成ります。サウルスが頭胴部を形成し、ギャリーが腕や脚になるという意味では、「キラーオー」と合体システムは同じと言えますね。 ダイノギャリーをステゴに装着して、マックスキラーオーなんかは作れないのかな? と思ったりも(甥っ子は、ブラキオとスティラコだけ持っていないんですね。残念ながら^^;)。

 マックスリュウオーは、そのマックスオージャと武装爆竜4体の合体形態。
 電動アクションも健在で、バキケロの頭が伸縮し、アンキロの甲羅&ドリルが回転する仕様。
 ただし、脚に収納されたディメノコと、パラサは目立たないのが残念なところ。

 最終決戦では、トップゲイラーが戦線離脱してしまったため、アバレンオーマックスオージャの2体だけ、しかも操縦者はレッドとブルーのみ、ブラックとイエローは別行動……という点で、団体行動こそが魅力の戦隊らしくない戦いになってしまいましたが(ドラマ的には、「踏ん張れ、いや踏ん張るな!」という序盤の名セリフをもう一度、引用することで、うまくまとめてくれたと思う)、
 アバレンジャーの場合、同時期に放送していた「仮面ライダー555」同様、敵味方の関係が最後まで流動的で、安定しなかった点を、魅力とします。
 そのため、ロボの最強形態の露出が非常に少なくなったのは残念ですが、その点は、玩具で堪能すればいいということで。

 ……そう言えば、キラーアバレンオーはまだ作っていなかったなあ。アバレンオーとキラーオーがあれば作れるはずだったのに。今度、遊びに行ったとき、作らせてもらおうっと(笑)。(2007年10月)

【次のページへ】