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2:戦隊ロボット発展史
(その1・バトルフィーバーからチェンジマンまで)

 戦隊シリーズにおいて、「巨大ロボット」はスポンサーの玩具会社の主要商品群になっています。そこには、毎年、新しい商品を企画・製造する人たちのアイデアと熱意の結晶が込められていると言っても、過言ではありません。
 ここでは、それらのロボットたちの発展について、番組別に語っていきましょう。

1.バトルフィーバーJ(1979年)

ロボット・メカ名 特徴 必殺技
バトルフィーバーロボ 無変形 電光剣唐竹割り
電光剣ロケッター
クロスフィーバー
バトルシャーク 母艦 なし

 この「バトルフィーバーロボ」が最初の戦隊ロボになります。このロボットの特徴は、変形合体などのギミックが全くないこと。つまり、ロボット単体での完成度の高さが全てとなることです。
 日本の鎧武者を基調としたデザインは、力強さにおいて、強烈なインパクトを誇ります。戦隊リーダーの名前も
「バトルジャパン」だし、長官の俳優も時代劇で有名な故・東千代之介だし、後のカクレンジャーと並んで、日本的要素を強く含んだロボと言えましょう。
 武器は
「日本刀の電光剣」! こいつで叩き切る唐竹割りは、豪快の一言。このインパクトが強いため、後の戦隊ロボの基本必殺技は剣が主体となるわけです。
 他には、「電光剣」を敵に投げる最強技「電光剣ロケッター」と、両足に装備された二本の短刀「ソードフィーバー」を投げる「クロスフィーバー」など、とにかく剣技に長ける。
 さらに、斧(フィーバーアックス)、槍(スティックランサー)、三叉槍(アタックランサー)、鎖分銅(チェーンクラッシャー)と、豊富な武器群を誇ります。

 そして、これらの武器を運搬する空海両用母艦・バトルシャーク
 ロボと母艦の組み合わせもまた、
ライブマンまで受け継がれます。が、フィーバーロボは、後の作品よりも母艦の重要性は高いです。何しろ、フィーバーロボ単体では、機動性に欠けますから。
 空中戦担当の母艦と、陸戦担当のロボというように、役割分担がきちんとできていると言えます。
 なお、ロボ発進は、母艦の前後が分割するという、これまたインパクト大なもの。

2.電子戦隊デンジマン(1980年)

ロボット・メカ名 特徴 必殺技
ダイデンジン
⇔デンジファイター
戦闘機から変形 デンジ剣・
電子満月切り
デンジタイガー 母艦 なし

 戦隊初の変形ロボです。
 変形によって、ロボ単体での機動性は上がりました。よって、母艦は不要とも考えられますが、まあ、戦闘前に無駄な移動エネルギーを消費しないための母艦といえましょう。
 で、変形するようになると、デザイン的にはどうしても「箱型」の組み合わせとなります。このデザイン上の制約が消えるのは、はるか先のジュウレンジャーを待たなければなりません。
 武器は、フィーバーロボと違って電送されます。やっぱり、母艦は不要かも。でも、電送前は、母艦デンジタイガーに積まれているのかもしれませんね。ダイデンジンブーメランや、鉄球デンジボールなど、中距離専用の武器が見られます。
 接近戦は、「デンジ剣」1本で十分ということでしょう。「電子満月切り」は、時間をかけて満月を描くタメがグッドな演出です。

 母艦デンジタイガーのデザインは、船型の前作とちがって、箱型。キャタピラがついていて、陸海空全ての戦場で使用可能。タイガーの名前は、やはりドイツの戦車から来ているのかもしれません。

3.太陽戦隊サンバルカン(1981年)

ロボット・メカ名 特徴 必殺技 合体コード
サンバルカンロボ 空陸2機合体ロボ 太陽剣・
オーロラプラズマ返し
合体
グランドクロス
  分離メカ名 特徴 搭乗者  
  コスモバルカン 空中戦闘機
ロボの上半身に変形
バルイーグル  
  ブルバルカン 救助・戦闘用地上車両
ロボの下半身に変形
バルシャーク  
  バルパンサー  
ジャガーバルカン 母艦    

 戦隊初の合体ロボです。
 今回は、機動性の低い陸戦メカがありますから、母艦にも運搬用の必然性があります。
 空中メカに、空中戦の得意なバルイーグルが乗るのは必然でしょう。
 ただし、下半身の陸戦メカは、おまけと言われてもやむを得ないかも。特に、バルシャークの能力は、メカの特性にあまり関係していません。なお、このブルバルカンは、両足に分離しますから、その限りでは、3機合体にもできたかもしれません。
 この、サンバルカンロボの特徴は、「バルカン砲」や破壊光線「バルカンサン」など、これまでのロボに比べ、遠距離武器が充実していること。
 ただし、とどめ技はもちろん、「太陽剣」を使います。「オーロラプラズマ返し」は、毎回、イーグルシャークパンサーの3人で技名をポーズとともに連呼し、その後、丁寧にロボ自身の音声回路(?)がもう1度、技名を言った後で、発動! 非常にタメ時間が長く、気合が入った技です。

 母艦ジャガーバルカンのデザインは、牙付きの強烈なもの。サンバルカンが動物戦隊ということを、アピールしているかのようです。

4.大戦隊ゴーグルV(1982年)

ロボット・メカ名 特徴 必殺技 合体コード
ゴーグルロボ 空陸陸3機合体ロボ 地球剣・
電子銀河斬り
ゴーゴーチェンジ
  分離メカ名 特徴 搭乗者  
  ゴーグルジェット 空中戦闘機。
ロボの頭部と
上半身前部に変形
ゴーグルレッド  
  ゴーグルタンク 戦闘用地上車両。
ロボの腕部と
上半身背部に変形
ゴーグルブルー  
  ゴーグルダンプ 救助用地上車両。
ロボの脚部に変形。
ゴーグルイエロー  
ゴーグルシーザー 母艦 ゴーグルブラック  
ゴーグルピンク

 戦隊初の3機合体ロボです。
 空中メカと、陸戦メカ2機。分離メカが3色に分かれて、非常に派手です。合体後も、赤を基調とした上半身と、黄色い下半身が派手派手しいです。一方、青は背中に隠れているので、目立ちませんが。
 基本的に、戦隊ロボのボディーカラーは、これまでバトルフィーバーロボを除いて、赤青黄の原色主体ですが、これほどはっきりと部位によって色分けされたパターンは、ゴーグルロボが元祖です。
 あと、頭部が飛行機の機首の変形であるため、はっきりとがっているのも特徴。
 武器の特徴は、初のロケットパンチの「ハンドミサイル」と、巨大ゴマの「ゴーグルスピン」。アニメロボの影響が大ですね。
 とどめ技は、名前のとおり、地球や銀河の映像がインサートされて、そこから剣にエネルギーが送り込まれるという、すごい物となっております。

 母艦ゴーグルシーザーは、3大マシンのコンテナが分割するのが特徴。
 さらに、ロボで戦うのは5人中3人で、ブラックピンクは、母艦でお留守番になっています。これは、子供心に寂しいものを感じました。
 あと、やっぱり試合中の後楽園球場の地下から発進するのも、特徴かな。

5.科学戦隊ダイナマン(1983年)

ロボット・メカ名 特徴 必殺技 合体コード
ダイナロボ 空陸陸3機合体ロボ 科学剣・
稲妻重力落とし
合体
グランドスラム
  分離メカ名 特徴 搭乗者  
  ダイナマッハ 空戦用小型機。
ロボの頭部に変形
ダイナレッド  
  ダイナモビル 戦闘用地上車両。
ロボの上半身に変形
ダイナブラック  
  ダイナブルー
  ダイナギャリー 地上用トレーラー。
ロボの脚部に変形。
ダイナイエロー  
  ダイナピンク
ダイジュピター 母艦  

 ゴーグルロボと比べて、大差ないですね。
 空中メカと、陸戦メカ2機。違いは、各機のサイズが小中大とばらばらな点と、5人全員が搭乗するようになった点でしょうか。
 ボディーカラー的にも、頭部を除いて、青主体の地味な色彩です。
 ただし、その顔は特徴と言えます。2つのカメラアイではなく、戦隊ロボ初採用のゴーグルフェイスとなっております。この後、ゴーグルフェイスはライブボクサーターボロボまでお預けですから、やはり珍しいと言えます。
 武器の特徴は、ピコピコハンマーの「ビートハンマー」がユニークですね。
 とどめ技は、空中高く飛び上がるアクションを初披露。でも、NOVAは、この時期、重いはずのロボの軽やかなアクションには、納得いかなかった記憶があります。今、見ると、たぶん違った印象をもつとは思いますが。

 母艦ダイジュピターは、動物名を使わない初の母艦といえましょう。ジュピターは、雷神ゼウスの異名ですから、「稲妻」というキーワードがロボとの共通点かな。

6.超電子バイオマン(1984年)

ロボット・メカ名 特徴 必殺技 合体コード
バイオロボ 空2機合体ロボ スーパーメーザー・
バイオ粒子斬りなど
ハイパークロス
  分離メカ名 特徴 搭乗者  
  バイオジェット1号 空中戦闘機
ロボの上半身に変形
レッドワン  
  ピンクファイブ
  バイオジェット2号 空中爆撃機
ロボの下半身に変形
グリーンツー  
  ブルースリー
  イエローフォー  
バイオドラゴン 母艦    

 戦隊初の2機の飛行機合体ロボです。
 こういう機体構成だと、母艦の必然性はありませんね。おまけに、バイオロボ自身にも飛行能力がありますから、ますます母艦が要らなくなる。
 さらに、バイオマンはドラマも濃かったですから、母艦からの発進シチュエーションがしばしば省略されました。ある意味、戦隊で一番印象薄い母艦が、バイオドラゴンかもしれません。
 合体システム的には、2機合体というのは退化していると思われますが、その赤と黒、白を基調とした(バトルフィーバロボ的な)カラーリングは、当時のNOVAにはリアルで格好よく映りました。
 バイオロボはまた、自分の意志を持った初の戦隊ロボです。
 武器は剣の「スーパーメーザー」1本ですが、とどめ技は非常に多彩です。後半になって、「バイオ粒子斬り」に統一されましたが、それまでは「コメットカッター」とか「ストレートフラッシュ」とか11種類の剣技を使いこなします(最近では、「ギャラクシーメガ」が豊富な技を使っていましたが)。
 終盤での、シルバ操るバルジオンや、最終ボス・キングメガスとの激闘が印象的です。1体のロボットのドラマ面での比重が、一番大きかったのが、このバイオロボだったと思います。

7.電撃戦隊チェンジマン(1985年)

ロボット・メカ名 特徴 必殺技 合体コード
チェンジロボ 空空陸
 3機合体ロボ
電撃剣・スーパー
サンダーボルト
合体
アースコンバージョン
  分離メカ名 特徴 搭乗者  
  ジェット
チェンジャー1
空中戦闘機。
ロボの頭胴部に変形
チェンジドラゴン  
  ヘリ
チェンジャー2
戦闘ヘリ。
ロボの胸腕部に変形
チェンジグリフォン  
  チェンジマーメイド
  ランド
チェンジャー3
戦闘用地上車両。
ロボの脚部に変形。
チェンジペガサス  
  チェンジフェニックス
シャトルベース 母艦  

 これまた、ゴーグルロボダイナロボと比べて、大差ないですね。
 ちがいは、空中メカが2機になったことぐらいですか。
 楯に挿入された「電撃剣」を取り出す場面は好きですけどね。まあ、あまりロボについては、特筆することはないかな。

 一方、母艦のシャトルベースは、初めて、「チェンジ○○」といった戦隊絡みでない名前がついたことで印象的。宇宙絡みの話の多い、チェンジマンらしい、スペースシャトルモチーフの母艦でした。

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