パワーレンジャー・ターボ

 

  目次
あらすじ
解説
レンジャー
脇役&助っ人キャラ
ゾード
敵役
パワレン・ホームへ
←ZEOナイズ
 (ZEOへ)
チェイス・イントゥ・スペース
 (イン・スペースへ)

 

 

1.あらすじ

 マシン帝国の侵略を食い止めたトミーたちパワーレンジャーの新たな敵は、宇宙海賊ディバトックス一味だった。
 ディバトックスは、異次元の強力な魔物であるマリゴアを復活させるため、魔法使いレリゴットを狙う。トミーたちはこれまでのZEOパワーに代わり、より強力なターボパワーとターボゾードをゾードンから授かる。また、ブルーレンジャー・ロッキーはマーシャルアーツの練習中に怪我をしたため、その力を知り合いの天才少年ジャスティンに託す。
 新生ターボレンジャーは、戦いに巻き込まれた旧レンジャー、ジェイソンキンバリーを救出、彼らの助力もあって、マリゴアを倒しディバトックスの野望を食い止めるのだった(劇場版ターボより)。

 TV版ターボの物語は、トミーたちの卒業式から始まる。社会人としての新たな生活を送ることになったのだ。
 また、12才ながら抜群の知能と運動神経を持つジャスティンは、エンジェルグローブ高校の編入試験に合格する。
 さらに、卒業したといっても、キャサリンは高校の新任教師、アダムはサッカー部のコーチをしており、ユースセンターを主な活動の舞台にしていることは以前と同様である。

 変わったことは、日常生活だけではない。
 彼らに指示を下していた指導者ゾードン(とサポートロボットのアルファ5)が、故郷の惑星エルターに戻ることになり、代わって新たな女性指導者ディミトリア(とアルファ6)が派遣されてきたのだ。トミーたちは、「質問口調」でしか話さないディミトリアの指揮にとまどいながらも、地球にやってきたディバトックス一味との戦いを続けるのだった。

 戦いの最中で、パワーレンジャーの戦いを助けるために、ロボット警官ブルーコマンダーも派遣される。さらにトミーたちの戦いをサポートしてくれる高校生カルロスアシュレー、そして転校生のT.Jキャシーの登場により、戦いは新たな局面を迎える。
 ディミトリアは、トミーたちの社会人としての生活と、パワーレンジャーとしての活動が、両立困難だと判断したのだ。トミーたちは、そのパワーを新世代のT.Jたちに託し、ジャスティンを除いて、メンバーは一新される。

 新生レンジャーは、意志を持つ伝説の車ライトニング・クルーザーストーム・ブラスターと友好を深めた後、謎の戦士ファントムレンジャーとも知り合う。

 しかし、ディバトックスの弟ハヴォック将軍の登場により、窮地を迎えることとなる。ターボメガゾードを敵に奪われてしまったのだ。
 その状況を打開したのが、ファントムレンジャーの託したレスキューメガゾードだった。
 レッドレンジャーT.Jの奮闘もあって、ターボメガゾードをも奪い返したレンジャーたちは、2体のメガゾードを駆使して、ディバトックスとの戦いを続けていく。

 戦いの果てに、ディバトックスの操る3体の強敵メカ、イーグルゾードシャークゾードキャットゾードをも粉砕したレンジャーたち。
 しかし最強の敵ゴールドゴイルの前に、ターボメガゾードレスキューメガゾードは完全に破壊されてしまう。
 悪いことはさらに続く。惑星エルターが宇宙の悪の連合軍の襲撃を受けているというのだ。ディミトリアブルーコマンダーは、ゾードンを助けにエルターへ旅立つ。

 その隙を狙って、ディバトックスが大軍勢を率いて、レンジャー基地(パワーチャンバー)へ襲撃を仕掛けてきた。レンジャーたちは必死の防衛線を繰り広げるものの、敵の大軍に圧倒されて、敗色濃厚となる。基地を完全に破壊され、変身能力までも失ったレンジャーたち。かろうじて隠れることで、命だけは奪われずに済んだものの、正義の完敗であった。

 ディバトックスに宇宙の悪の支配者ダークスペクターからの召集が掛かる。ついにエルター星のゾードンが捕らえられた、というのだ。喜び勇んで、宇宙に戻るディバトックス。パワーレンジャーを倒し、ゾードンを捕らえた今、地球などいつでも征服できるということなのだろう。

 残されたレンジャーたちは、変身能力を失いはしたものの、戦う気力まで失ったわけではなかった。ディバトックスを追って、宇宙に向かう決意をするT.Jたち。その中で、ジャスティンだけが複雑な気持ちだった。宇宙で戦う、ということは地球での家族との生活を捨てることである。
 T.Jたちはまだ年少のジャスティンの気持ちを理解した。彼一人を残して、宇宙開発局NASADAのシャトルで宇宙へ飛び立つ4人のレンジャーたち。その先には、新たな戦いが彼らを待っているのだった。【ページの頭へ】

 

2.解説

 「TV版ターボ」は、「劇場版ターボ」の続きから始まります。ターボパワーの獲得や、ディバドックスとの初対決、ロッキーからジャスティンへのパワー委譲は、劇場版での出来事です。
 もっとも、TV版第1話で、ジャスティンの回想を通じて、劇場版のストーリーは大まかに語られますので、とっつきは問題ないと思います(劇場版ターボは、2002年4月現在、NOVAも未視聴)。

 「ターボ」の物語は、全45話。「パワレン」からの続きだと、206〜250話までとなります。

 一連のパワレンサーガでは、このターボこそが大転換期にある、と言えましょう。まあ、原作の『激走戦隊カーレンジャー』も非常にコミカルな作品世界が特徴の異色作ですが、「パワレン・ターボ」はそれ以上に、怒涛の展開を示します。
 まず、トミーたちがエンジェルグローブ高校を卒業した、ということが大トピック。これまでの、「パワーレンジャーは高校生戦士」という前提が崩れたわけです。まあ、原作のカーレンジャーも社会人戦士だったし、「高校生が車を乗り回す」って設定も行いにくかったのかも知れません(ただし、日本ではカーレンジャー以前の作品の『ターボレンジャー』で「車を乗り回す高校生」を見せてますが^^;)。
 次に、彼らにパワーを与えた指導者のゾードンがいなくなったこと。一応、代わりの指導者として、ディミトリアが登場しているわけですが、彼女はどちらかと言えば、助言者のような役割であり、ゾードンみたいに具体的な指示・命令を下すことはありませんでした。それだけレンジャーたちが成長して、自分たちの判断で行動できるようになったということでしょう。
 最後に、第1シーズンから登場してきたトミーや、第2シーズンからのアダム、第3シーズンのキャサリン、ZEOのターニャと、前作からの引継ぎメンバーが完全に入れ替わったことです。ターボのメンバーは、これで旧作のメンバーが一人も残らない構成になったということです。次作「イン・スペース」はジャスティンを除いて、ターボからの引継ぎメンバーで構成されますが、その後の「ロスト・ギャラクシー」以降は、毎年、メンバー総入れ替えとなります。そうなるきっかけを作ったのが、この「ターボ」と言えます。これによって、新しい雰囲気が生まれた反面、結局、レンジャーたちの設定が高校生に戻ってしまい、最初の変化がリセットされることになりました。
 ここから考えられる結論は、いろいろ設定を変えては見てみたものの、うまく行ったものと、うまく行かなかったものがあって、試行錯誤を繰り返して混乱した作品といえます。が、その試行錯誤の結果が、次作「イン・スペース」で昇華され、パワーレンジャーシリーズを次の段階に発展させた、とNOVAは考えてます。

 NOVAにとっては、この「ターボ」は、「イン・スペース」を視聴中に、再放送で見た作品です。第1シーズンや第2シーズンは視聴済みですが、第3シーズンやZEOは日本未放送。それだけに、よく知らないキャサリンターニャよりは、すでに知っているアシュレーキャシーの出てくる後半の方が、見ていて馴染めたと思います。
 「イン・スペース」では宇宙が主な舞台だったため、あまり語られなかったレンジャーの日常が、原作カーレンジャーテイストを交えてコミカルに描かれたのが、楽しめましたね。
 それでも、最終エピソードの悲壮な負けっぷりは、知っていても衝撃的でした。ここまで正義側が完全に負けたラストは、日本の番組ではまず見られないと思います。最終回で主人公側がボロボロになるラストはあっても、悪が健在ってことはないでしょうから。強いて言えば、第3勢力のアクシズが健在なまま終わった「Zガンダム」? あれで、ティターンズまで健在だったら、「パワレン・ターボ」の最終回に匹敵する、と思います。

 最後に、ターボの主役として注目に値するのが、子役のジャスティンです(知っている人には改めて言うまでもないでしょうが)。最初から最後まで出演し続けている、という事実もさることながら、子役の中でも存在感抜群なんですよね。戦闘能力の面でも、知性の面でも、そして性格の面でも。
 ふつう、年長集団の中に子供が混ざると、ストーリーを妙に引っ掻き回すか、生意気な発言を繰り返すことが多い。あるいは、天才少年ってキャラクターだと、周囲の同年齢の子を見下したりしがち。
 ジャスティンの場合、すごく素直で、自分の能力を誇らしく思う面を持つと同時に、何事も真剣に前向きに取り組む。それでいて、自分が同年代の子たちに疎外されているのを真剣に悩み、自分を仲間外れにした相手とも友情を育もうとする、言ってしまえば「非常にできた子」なのに、ちっとも嫌味さがないんですね。
 それだけに、最終回で、「父親との別れ」か「T.Jたち仲間との別れ」のどちらかを選ばなければいけない場面、そして宇宙に飛び立つシャトルを地上から見送る場面は、レンジャーたちの悲痛な敗北以上に印象的でした。

 それでは、主なエピソードの話数を確認していきましょう。

 ・第1〜3話:シフト・イントゥ・ターボ(ターボへの切り替え)

   3話かけて、劇場版のおさらいと、設定の変更を見せていく。

 ・第13話:ブルーコマンダー登場。

 ・第14話:カルロスアシュレー登場(以後、セミレギュラー化)

 ・第18〜19話:T.Jキャシーの登場(ラストにメンバー交替)

 ・第21話:ライトニング・クルーザーストーム・ブラスター登場。

 ・第23話:ファントムレンジャー登場。

 ・第26〜29話:レスキューメガゾード登場エピソード。

 ・第41〜43話:悪の3ゾード関連エピソード。

 ・第44〜45話:チェイス・イントゥ・スペース(スペースへの追跡)

 1クールめは、個人エピソード中心ですが、中でもジャスティン絡みの話が多いです。まあ、新登場キャラをじっくり見せるのは当然の展開ですねえ。
 2クールめ付近(13話〜29話)は、イベント回盛り沢山です。ある意味、怒涛の展開すぎる気もしますねえ。
 30話代は、一通りのイベントも見せたので、多彩な個人エピソードを見せてくれます。T.Jが野球モンスターと対決したり、カルロスが吸血鬼になったり、メカ音痴のアシュレーがメカマニアに変わったり、キャシーがゾクレンジャーとバンドを結成したり、非常に楽しいエピソード続出。
 そして、衝撃の最終回にいたる41話以降。

 ターボの物語をさらに知りたい人は、こちらの日記も参照してください。【ページの頭へ】

 

3.レンジャー
変身後 変身前の名 日本版キャラクター
レッドレンジャー トミー
Tommy
 ↓
T.J.
レッドレーサー・
 陣内恭介
ブルーレンジャー ジャスティン
Justin
ブルーレーサー・
 土門直樹
グリーンレンジャー アダム
Adam
 ↓
カルロス
Carlos
グリーンレーサー・
 上杉実
イエローレンジャー ターニャ
Tanya
 ↓
アシュレー
Ashley
イエローレーサー・
 志乃原菜摘
ピンクレンジャー キャサリン
Katherine
 ↓
キャシー
Cassie
ピンクレーサー・
 八神洋子
ファントムレンジャー 正体不明 VRVマスター
レッドターボレンジャー・トミー

 フルネームはトミー・オリバー(Tommy Oliver)。
 俳優は、ジェイソン・デビッド・フランク(Jason David Frank)。
 吹き替え版声優は、荻原秀樹。

 ZEOから引き続き、レッドレンジャーを務めています。
 レッドレンジャーのターボパワーは、ターボゾード
「レッド・ライトニング」に基づくものです。パワレンターボのマシンには、原作「カーレンジャー」のRVマシン(色名ビークル)と違って、格好いい固有の名前が付いているのが特徴。
 固有武器は剣。原作「カーレンジャー」では、「フェンダーソード」という名前でしたが、パワレンでは「ライトニングソード」。武器名にも、マシンの名と共通する言葉が付けられています。

 ターボのトミーは、プロレーサーをしています。この辺、いかにも「車のパワーを持った戦隊」をイメージしているようですが、仕事のほうが結構忙しいみたいで、たいていは遅れて戦場に現れます。で、先に戦ってピンチの仲間を、救出するヒーローの役割が与えられていました。でも、個人としてのドラマはあまりなかったと思います。
 一応、
ジャスティンとの交流劇は描かれていましたが、それ以外のメンバーとはほとんど接触はなく(役者のスケジュールの都合?)、第3シーズンやZEOを見ていないNOVAとしては、トミー=孤高のリーダーにしか見えないんですね。

 で、パワーをT.Jに託して、引退する、と。

レッドターボレンジャー・T.J.

 フルネームはセオドア・J・ジャービス・ジョンソン(Theodore J. Jarvis Johnson)。
 俳優は、セルウィン・ウォード(Selwyn Ward)。
 吹き替え版声優は、
レッドレーサー・陣内恭介を演じた岸祐二

 まさかの黒人リーダーの登場です。スキンヘッドで、どう見ても高校生には見えませんが、エンジェルグローブ高校に転校してきた、野球部の4番バッター。
 この野球部って設定は、原作「カーレンジャー」に、星飛雄馬パロディのピッチャー怪人が登場して、レッドレーサーと野球対決するんですが、そのたった1話のためだけに、作られた設定ッポイです。それ以外の話では、有効に使われていませんし……。

 T.J登場後は、レッドレンジャーの活躍も増え、コミカルな描写も増えました。とりわけ、爆笑なのは、敵のエルガーとの会話。
 エルガー
「この坊主頭め」
 T.J
「お前も坊主頭だろうが!」

 それ以来、エルガーとレッドレンジャーのライバル関係が盛り上がったりします。このノリが実にカーレンジャーっぽくていいんですね。
 おまけに、日本版の声優も、もう、これ以上ないぐらいのナイスキャスティングです。このキャスティングもあって、ターボはT.Jたちが登場してからが本番だと、NOVAは考えています。

 T.Jは「レッドライトニング」の他、伝説のマシン「ライトニング・クルーザー」とレスキューゾード「ライトニング・ファイヤーテイマー」に乗ります。レッドのマシンは、名称が「ライトニング」に統一されているのがグッドだと思います。

 なお、原作の恭介は、お調子者で暴走するレッドでした。敵女幹部のゾンネットとのラブラブ話がメインでしたが、そういう設定はパワレンでは全て削除されています。
 T.Jは恭介以上に、頼れるリーダーとして描かれていますが、やはり声優のせいか、どこかコミカルなイメージが……。

 T.Jは、次回作「イン・スペース」にも続投、ブルースペースレンジャーになります。

ブルーターボレンジャー・ジャスティン

 フルネームは、ジャスティン・スチュワート(Justin Stewart)。
 俳優は、ブレイク・フォスター(Blake Foster)。
 吹き替え版声優は、久保田恵。

 ロッキーの後を継いだ最年少レンジャー。

 12歳(資料によっては11歳という記述も)という年齢で、高校に入った天才少年です。
 メカについても詳しく、マーシャルアーツによる戦闘能力も持ち合わせた文武両道のキャラクター。ドラマも充実していて、しかも性格も悪くない、ターボの真の主役です。
 ターボは、ジャスティンの初登場した劇場版で始まり、ジャスティンとの別れを描いた最終回で、次の「イン・スペース」に受け継がれるわけですね。

 ターボゾードは「マウンテン・ブラスター」。レスキューゾードは「サイレン・ブラスター」。それから伝説のマシンとして「ストーム・ブラスター」が登場します。ブルーのマシンは、「ブラスター」に統一されていますね。
 あと、固有武器は二挺の大型レーザー銃。原作では「マフラーガン」、パワレンでは「ハンド・ブラスター」です。

 ジャスティンは、父親のディーン・スチュワートが仕事に忙しくて、別居中。でも、最終回付近で、父親が仕事よりも息子との絆を優先して、エンジェルグローブ市で仕事を見つけて、晴れて一緒に暮らせることになるわけです。
 で、その父親との絆を優先して、パワーレンジャーを辞めることになるわけですが、最終回で
T.J.たちを宇宙に送るために奔走する姿は感動物です。
 そして、「イン・スペース」で再登場する話も描かれたりして、スタッフにも非常に愛されたキャラクターだったのだなあ、と感じました。
ブルースペースレンジャーとなったT.Jとのダブルブルーは、後の「ギャラクシーレンジャー&スペースレンジャーの共演」を先取りした名イベント回と言えますね。

 なお、原作の直樹は、「ですます口調」のお坊ちゃまキャラクターで、若さを強調していましたが、ジャスティンの原型とは言い難いですね。
 蛇足ですが、ジャスティンは変身すると、モーフィングによって大人体型になりますが、その原型は「ダイレンジャーのキバレンジャー・コウ」にあります。あと、海外では、子供がビーファイターに変身する「ビートルボーグ」って作品がすでに放映され、「子供→大人のヒーロー」って作品は認知されていたと思われます。
 日本では、バロム1とか、ガンバロンとか、が、子供の変身する特撮ヒーローですね。

グリーンターボレンジャー・アダム

 フルネームは、アダム・パーク(Adam Park)。
 俳優は、ジョニー・ヨン・ボッシュ(Johnny Yong Bosch)。
 吹き替え版声優は、川中子雅人……って、スカルの声と二役ですか。

 ZEOから引き続き、グリーンレンジャーのアダムです。
 ターボゾード
「デザート・サンダー」のパワーを持っています。代変わりしてから登場するレスキューゾードは「サンダー・ローダー」。サンダーつながりですね。
 固有武器はバズーカ砲。原作では「エンジンキャノン」、パワレンでは「サンダーキャノン」です。

 ターボのアダムは、アクション劇の着ぐるみスタントマンのバイトをしています。あと、エンジェルグローブ高校で、サッカー部のコーチをしています。一番暇そうで、いろいろなドラマに顔を出します。ジャスティンとの絡みも多くて、良きお兄さんというか、面倒見の良い先輩となっています。
 で、敵が出てきたら、大体、最初に戦って、ピンチに陥ります(笑)。出番は多いけど、どうしても
トミーの引き立て役の立場なんですね。

 そんな彼ですが、サッカー部の教え子のカルロスという、良き後輩に恵まれました。
 カルロスにターボパワーを託した後も、「イン・スペース」でスランプに陥った彼を救うために登場。何と、壊れたパワーコインで昔懐かしい「マンモスレンジャー」に変身。ボロボロのスーツで、ブラックスペースレンジャーとなったカルロスと、ダブルブラック師弟コンビを実現するわけですね。これは、ジャスティン再登場に次ぐ大イベント回として、強く記憶に残っています。

グリーンターボレンジャー・カルロス

 フルネームは、カルロス・ヴァラーテス(Carlos Valertes)。
 俳優は、ロジャー・ヴェラスコ(Roger Velasco)。
 吹き替え版声優は、滝下毅。

 2枚目のサッカー選手。チームワークを軽視したり、サボり癖があったり、と問題児的な面を抱えていますが、運動神経は抜群で、試練の中で成長していくキャラクターです。
 でも、
ジャスティンのおかげで、あまり目立たなかったような……。彼の最大の不幸は、毎回、似たような役柄でもっと重要なキャラクターが、メンバーの中に存在することですね。成長する若者という点ではジャスティンが、次作の「イン・スペース」では孤高の2枚目という点でアンドロスがいる、と。とにかく、集団の中で埋没してしまいがちな存在だ、と。

 そんな彼の印象的なエピソード。それは、ホラー絡みの話に縁があって、モンスター化してしまうという点。「ターボ40話」では、吸血鬼モンスターにかまれて自分も吸血鬼になって、アシュレーを狙います。「イン・スペース14話」では、虫モンスターに刺されて自分も虫化して、キャシーまで同化、二人がかりでアシュレーを狙います。アシュレーをギリギリまで追いつめたところで未遂に終わるのが毎度のパターン。で、治療薬で元に戻る、と。
 そんなに
アシュレーばかり狙って、彼女に気でもあるのかと思いますね、じっさい。ターボでの登場直後は、アシュレーとの絡みが多かったわけですが、「イン・スペース」では彼女はアンドロスに惹かれちゃった。とても可哀想なカルロスだと、NOVAは思うのでした。

 なお、原作の実は、お調子者の関西人。コミカル風味のカーレンジャーの中でも、とりわけ笑えるキャラクターだったわけですが、アダムにも、カルロスにも、そんな要素は皆無です。ギャグ担当は、レンジャー側には基本的におらず、敵側とバルク&スカルコンビに任されているわけですね。
 そんな点でも、本来の役割が消え去って、ますます存在感が薄くなるグリーンなのでした。

 カルロスは、次回作「イン・スペース」にも続投、ブラックスペースレンジャーになります。

イエローターボレンジャー・ターニャ

 フルネームはターニャ・スローン(Tanya Sloan)。
 俳優は、ナキア・バーライズ(Nakia Burrise)。
 吹き替え版声優は、大塚海月(旧名・大塚
瑞恵)。

 ZEOから引き続き、イエローレンジャーのターニャです。
 ターボゾード
「デューン・スター」のパワーを持っています。代変わりしてから登場するレスキューゾードは「スター・レーサー」。スターつながりです。
 固有武器はナックルパッド。原作では「サイドナックル」、パワレンでは「スターチャージ」です。

 ターニャは、ラジオのDJをしています。仕事で忙しく、戦いに行けない状況が描かれていました。それでも、トミーよりは時間があるようで、ユースセンターにたむろっている様子もよく描かれていたかな。

 ZEOを見ていないNOVAとしては、あまりキャラクターをつかまないうちに、アシュレーにターボパワーを託していなくなったため、どうも印象薄いです。

イエローターボレンジャー・アシュレー

 フルネームは、アシュレー・ハモンド(Ashley Hammond)。
 俳優は、トレーシー・リン・クルーズ(Tracy Lynn Cruz)。
 吹き替え版声優は、宮島依里。

 カルロスと同時に登場したチアリーダー。登場時は、カルロスに気のあるような言動をしていたが、割と気移りしやすいようです。
 それを示すように、ターボではファッションデザインや、ダンス、機械イジリなど主役回ごとに、いろいろな技能で話に絡んでいる。良く言えば、多芸。悪く言えば、一つのことに集中できないキャラクターなのかも。
 イエローレンジャーとピンクレンジャーのケンカエピソードは、パワーレンジャーでも毎作品、見られるネタですが、彼女とキャシーの衝突は、「ターボ」と「イン・スペース」の都合2回描かれました。そのうち、「ターボ」の方では、アシュレーは実に陰険なキャラクターとして描かれています(笑)。

 それでも、嫌いにはなれないのは、やっぱ可愛いからなんだよなあ。

 なお、原作の菜摘は、レンチ一本で、走り去るバイクを一瞬に解体するほどのメカニックの腕を持っています。アシュレーも当初は、メカニック音痴だったが、修練の末にメカニック技能を磨き上げました。その努力は、後の「イン・スペース」でも活かされる事になったでしょうね。

 アシュレーは、次回作「イン・スペース」にもイエロースペースレンジャーとして続投します。 でも、声優さんは代わっていたのね(2006年まで、気付いてなかった……)。

ピンクターボレンジャー・キャサリン

 フルネームはキャサリン・ヒラード(Katherine Hillard)。
 俳優は、キャサリン・サザーランド(Catherine Sutherland)。
 吹き替え版声優は、
金月真美。『小さなスーパーマン ガンバロン』のロング役で有名……って、プッシュするところが違うでしょう。有名なのは、『ときめきメモリアル』の藤崎詩織ですね。あと、昔のお仕事絡みで『央華封神』ってTRPGの来星晶ってキャラが思い浮かぶ。『リングにかけろ1』の河合武士のお姉さんも演ってます。
 そういうわけで吹き替え版キャサリンの声は、もっと聞きたいんだけど、彼女の登場する『第3シーズン』『ZEO』は吹き替えがないのが残念。

 ZEOから引き続き、ピンクレンジャーのキャサリンです。
 ターボゾード
「ウィンド・チェイサー」のパワーを持っています。代変わりしてから登場するレスキューゾードは「ウィンド・レスキュー」。ウィンドつながりです。
 固有武器は弓。原作では「バンパーボウ」、パワレンでは「ウィンドファイヤー」です。

 キャサリンは、エンジェルグローブ高校の先生をしています。よって、ジャスティン絡みの登場シーンが多いです。アダムと並んで暇に見えるキャラクターです。でも、バレーを続けていて、その関係でイギリス留学の話が持ち上がります。それが、レンジャー交替のきっかけの一つとなります。

 トミーとは恋人同士のはずですが、彼の仕事が忙しいので、ほとんど会えずじまいだったようです。キンバリーとも別れちゃったトミーのこと、キャサリンが留学して後も恋愛が続くとは思えません。

 まあ、そんな心配はさておき、キャサリンはキャシーにパワーを託して、姿を消すのです。

ピンクターボレンジャー・キャシー

 フルネームは、キャシー・チャン(Cassie Chan)。
 俳優は、パトリシア・ヤ・リー(Patricia Ja Lee)。
 吹き替え版声優は、藤原美央子。

 T.Jと同時にエンジェルグローブ高校に転校してきた中国系の女の子。何だか、T.Jの強引さに巻き込まれてトミーを手助けしているうちに、パワーレンジャーになってしまったような感じです。
 飾らず情熱的で、歌手志望。あまり戦いに参加するようなタイプではないんですがね。
 理知的な感じのアシュレーよりは、感受性が強く、エピソードも割と多彩だったように思えます。中でも、一番笑えたのは、敵の怪人と一緒にバンドを組んだことですね。「スクランブル、スクランブル、スクランブル♪」は、エルガーが2週に渡って、鼻歌を歌ったことで、印象深いです。

 恋愛絡みの話も多く、ファントムレンジャーに恋するなどの見せ場も持っています。ターボでは、アシュレーよりも、キャシーのほうがヒロインと考えられるでしょう。

 キャシーは、次回作「イン・スペース」にもピンクスペースレンジャーとして続投します。

ファントムレンジャー

 数多いレンジャーの中でも、正体不明の謎の人。
 吹き替え版声優は、遊佐浩二……ってエルガーの声と二役ですか。

 透明なまま活動できるという特殊能力を持っています。文字どおり、ファントム(幽霊)というか、プレデターというか……。
 レンジャーたちに、
レスキューゾードをプレゼントした他、続く「イン・スペース」では、デルタメガゾードを託してくれる、というサンタクロースみたいな人。

 原作のVRVマスターは、小林清志の声で喋り、謎の言葉でレンジャーを導いてくれる渋い人。その正体は、カーレンジャーを結成した宇宙人の少年ダップの父親。ちなみに、ダップの声のまるたまりさんは、アルファ5の声もやっていたので、パワレンファンには馴染み深いです。

レンジャーの装備

 カーレンジャーの装備は、自動車関係で固められています。それは、そのまま「ターボ」でも登場しています。

 まず、戦隊の基本装備の銃と剣ですが、原作では「オートブラスター」と振動する「バイブレード」。パワレンでは「ターボブラスター」「ターボソード」という名。「ターボブラスター」には強化パーツとして後に、「ターボナビゲーター」を装着できます。

 必殺武器は5人の固有武器が合体した車型メカ「ギガフォーミュラー」の変形するバズーカ「フォーミュラーノヴァ」。パワレンでは、「フォーミュラー・モビライザー」と呼ばれ、バズーカとして使用する他、敵に突っ込んで自爆する最強兵器ともなります。何しろ、2体のメガゾードを倒したゴールドゴイルの口の中で爆発、撃退したほどですから。
 2つめの必殺武器は、「ギガブースター」。パワレンでは、あまり強い印象は持ちませんが、
「タービンレーザー」の名で登場します。

 ゾード以外の乗り物では、ゴーカート型の「スピーダーマシン」。パワレンでも原作同様に、「レッドカート」「ブルーカート」……などの名で、5色のマシンが登場しています。
 しかし、印象の強いのは、やはり意志を持った伝説のマシンですね。原作では
「ペガサスサンダー」「ドラゴンクルーザー」。パワレンでは、「ライトニングクルーザー」「ストームブラスター」。この2台は、最終回で敵に捕獲されますが、「イン・スペース」のジャスティン再登場回に、無事解放されます。めでたしめでたし。

変身方法

 原作の「アクセルチェンジャー」と同じ形のブレスレット「ターボモーファー」で変身します。
 「シフト・イントゥ・ターボ!」の掛け声で、モーファーにキーを挿入、回します(ここまでのアクションは同じ)。すると、両腕から光の鎖が広がって、そこからスーツに装着されるという、オリジナル映像が流れて、変身が完了するのです。【ページの頭へ】

 

4.脇役&助っ人キャラ

@ディミトリア

 故郷の惑星エルターに戻ったゾードンに代わり、パワーレンジャーの指導者に赴任した巫女風の外見の女性。
 ゾードン同様のカプセルに収まっており、「質問口調」で話します。
 例:「早くモンスターを倒さないといけないのでは?」「ビューグローブを見てみては?」
 この質問口調は、彼女の故郷の星「インクィリス星(Inquiris)」の標準的な会話スタイルらしいです。ストレートな指示命令口調のゾードンに比べると遠まわしな表現が、最初、
トミーたちを戸惑わせていたが、T.Jたちはあっさりなじんでいましたね。
 なお、劇中序盤で、行方不明の妹がいるらしいが、そうした設定は、メンバー変更などのどさくさで忘れ去られてしまったり。何でも、敵首領の
ディバトックスが妹だった、という裏設定らしいが……。
 ターボ最終エピソードで、ゾードンを救うためにエルター星に向かったが、その後の動向は不明。

Aアルファ6

 ゾードンとともにエルターに帰ったアルファ5の同型機。話口調は、「アイアイアイ」から「ヨーヨーヨー」に変わった(日本語版では、声もまるたまりさんの女声から男声に変わった)が、役割や性格などは変わっていません。

Bゾードン

 パワーレンジャーたちにターボパワーを託した後、アルファ5を連れて、故郷の惑星エルターに帰還しました。もっとも、全くいなくなったわけではなくて、ロボット警察官ブルーコマンダーを派遣したり、T.Jたちへのパワー引き継ぎの場に現れたり、ロボットレンジャー計画を立ち上げたり、遠くからレンジャーを応援していたりします(もしかすると、ファントムレンジャーも彼が派遣したのかも)。
 しかし、ターボの最終エピソードで、惑星エルターを襲撃され、ダークスペクターに囚われの身となります(第1シーズンの詳しい設定はこちら)。

Cバルクとスカル

 おなじみお笑いコンビも、「ターボ」ではこれまでよりも過酷な運命をたどります。
 まず、第1話で、警察官としての勤務中に、敵幹部のエルガーの変身銃で、
チンパンジーにされてしまいます! ハリケンジャーのハムスター館長の元ネタは、バルクとスカルにあった? あと、人間を猿に変える変身銃といえば、「パーマン」のバードマン(2回目のアニメの方ね)を連想します。原作では、猿じゃなくて「クルクルパー(いわゆるキ〇ガイ)」にするんだけど、さすがに2度目のアニメ化の時には、その描写はまずいってことに。
 でも、チンパンジーの時の方が、バルクとスカルは利口だったような気がする……。

 やがて、T.Jたちの登場時に、一度、透明人間を経て、ようやく元に戻ります。でも、長期不在だったために職を失って、フリーター生活に。毎度、新しい仕事に就いては、ドジを繰り返して転職する日々を繰り返しています。何だか、バイトで稼ぐ金よりも、失態の弁償代の方が多そうだけど。
 それでも、第1シーズンの時に比べると、ずいぶん謙虚になって、愛らしいコンビになりました、本当。
T.Jは、歴代リーダー(すなわちジェイソントミー)に比べ、バルクたちに好意的という記述があったけど、確かに「ターボ」のバルクたちは嫌な奴らじゃありませんからねえ。T.Jは昔のバルクたちを知らないからなあ。

Dストーン元警部

 バルクたちの元上司。ZEO時代は、ドジばかりの部下の尻拭いが主な仕事だったらしい。
 でも、「ターボ」では警官を辞めて、アーニーの「ユースセンター・ジュースバー」の店長に転職しました。アーニーは、南米アマゾンの開発事業に参加するために、いなくなったんですね。
 で、ストーン警部はバルクとスカルの変身した二匹のチンパンジーの飼い主になります。が、二匹はいたずらを繰り返し(本人たちはいろいろ考えての行動も多いんだけど)、そのたびに、ストーンにとばっちりが来ます。ジュースまみれになったり、昔はバルクたちの受けた災難を、今度はストーンが受けることになってます。

 でも、バルクたちが人間に戻ると、出番が激減しちゃいましたねえ。一応、ジュースバーの経営は続けているんだろうけど、T.Jたちがあまりジュースバーに顔を出さなくなったからなあ。

Eブルーコマンダー

 英語では、Blue Senturion(青い軍隊長)という。意味は似ているけど、より日本語で分かりやすい名前に改変されたわけですね。
 原作では、「シグナルマン」。ポリス星から単身赴任でやってきた警官です。金属生命体の一族で、同じような姿をした妻と息子がいます。名前は、「シグ江」と「シグ太郎」。自分の正義を強く主張し、しばしば暴走気味の、ある意味、カーレンジャーを体現するキャラクターの一人でした。
 が、「ターボ」では、かなり設定が変わってます。
ゾードンが派遣したロボット警官で、何度か、ディバトックス一味に操られて、暴走した行動をとりましたが、基本的には真面目に任務を遂行します。でも、敵に操られて暴走している方が、いかにも彼らしいと思うのは、NOVAだけでしょうか?(笑)

 「スタンダップ・ロボレーサー!」の合図で、パトカーから変形する巨大ロボットを所有。ターボメガゾードとレスキューメガゾードの最高3体で巨大チーム戦を行います。が、終盤、ディミトリアと一緒にエルター星に帰っちゃったので、最終決戦には参加せず。

 その後、「イン・スペース」の最終決戦で、異星で戦う彼の姿が映されていました。 【ページの頭へ】

 

5.ゾード
  種別・解説 名称 カーレンジャー該当メカ
@ ターボゾード
(レンジャービークル)
レッド・ライトニング レッドビークル
マウンテン・ブラスター ブルービークル
デザート・サンダー グリーンビークル
デューン・スター イエロービークル
ウィンド・チェイサー ピンクビークル
A @の5機合体 ターボ・メガゾード RVロボ
B ブルーコマンダー用
 支援マシン
ロボレーサー サイレンダー
C レスキューゾード
(VRVマシン)
ライトニング・
 ファイヤーテイマー
Vファイヤー
サイレン・ブラスター Vポリス
サンダー・ローダー Vダンプ
スター・レーサー Vドーザー
ウィンド・レスキュー Vレスキュー
D 母艦&武装支援メカ アーティラトロン ビクトレーラー
E Cの5機合体 レスキュー・メガゾード VRVロボ
ゾード解説

 ロボットの数が少ない「カーレンジャー」。「ターボ」のゾードもまとめることは楽でした。

@ターボゾード

 5機合体する車型マシン。これまでゾードといえば、動物型や人型が中心で、純粋な乗り物型ゾードは、「ターボ」が初めてとなります。合体システムは、こちらを参照

Aターボ・メガゾード

 5台の車が合体する1号ロボ。剣が武器で、コマのように回転しながら敵を斬ります。

Bロボレーサー

 巨大パトカーが変形する、ブルーコマンダー専用ロボット。
 手錠や短刀を武器とし、銃器を必殺技とします。

Cレスキューゾード

 ファントムレンジャーから贈られた「ターボ・レンジャー」2代目ゾード。
 働く車をモチーフにしており、5台とも人型形態に変形可能。

 A.ライトニング・ファイヤーテイマー:消防車。放水機能つき。
 B.サイレン・ブラスター:パトカー。高速走行が得意で、相手をかく乱。
 C.サンダー・ローダー:ダンプカー。荷台に爆弾を積んで、攻撃可能。
 D.スター・レーサー:一見レーシングカー仕様だが、
    背部にたたんだアームを展開して、ブルドーザーとなる。
 E.ウィンド・レスキュー:救急車。巨大注射器で攻撃もできる。

Dアーティラトロン

 レスキューゾードを収納する大型トレーラー。
 ファントムレンジャーが操縦したこともあったが、基本的には無人で動く。その大きな役割は、2つの砲門「アーティリィ・パワー」をレスキューメガゾードに射出することである。

Eレスキューメガゾード

 人型になった5台のレスキューゾードが合体したゾード。
 合体パターンはターボメガゾードと同じで、手足を換装することもできる。
 必殺技は、アーティラトロンから受け取った「アーティリィ・パワー」。巨大バズーカとガトリング砲の一斉発射で、敵を殲滅する。

 ターボメガゾードとレスキューメガゾードは、敵の強力ロボット・ゴールドゴイル(原作での敵首領・暴走皇帝エグゾス)との戦いで、完全に大破した。【ページの頭へ】

 

6.敵役
  名前 組織内の役割 日本版該当キャラ
ディバトックス
Divatox
女首領 (オリジナル)
ライゴグ
Rygog
首領の片腕 ガイナモ
エルガー
Elgar
首領の甥
作戦隊長
ゼルモダ
ポルト
Porto
科学者 グラッチ
ハボック将軍
General Havoc
首領の弟 リッチハイカー教授
ゴールドゴイル
Goldgoyle
一怪人 暴走皇帝エグゾス
モンスター 怪人 ボーゾック構成員
ピラナトロン
Piranhatoron
戦闘員 (オリジナル)
敵役解説

 「ターボ」の敵役は、「カーレンジャー」の「宇宙暴走族ボーゾック」の着ぐるみメンバーを踏襲している。唯一、着ぐるみでなかったゾンネットだけが登場していない。代わりに、女首領のディバトックスが登場。彼女は、リタに次ぐ女首領であるが、これ以降のアストロネマやトラキーナに比べて、コミカル描写が目立つのが特徴。悪役のコミカルさは、「ターボ」最大の特徴と言える(原作カーレンジャーは、ヒーロー側も負けず劣らずコミカルだったが、パワレンではヒーロー側のコミカルさは比較的なりを潜めたため、よけいに悪役の個性が目立っている)。
 敵の作戦は、序盤、とにかく、いろいろなところに爆弾を仕掛けるというもの。これは、ボーゾックの目的が
「チーキュを花火にすること」へのオマージュなのか知らないが、とにかく爆弾エピソード連発である。
 その後、連敗を重ねながらも、メタルザウルスやテラーゾード、ディバゾードといった強敵ロボットで、レンジャー側を追いつめる描写も見られる。基本的な戦闘力は高くないが、時おり見せる新兵器が終盤を次第に盛り上げていった、と言える。
 そして、怒涛の最終エピソード。これまでにない圧倒的な大人数のピラナトロンで、レンジャー基地を襲撃、日本の特撮ではまず見られない絶望的なヒーローの負けっぷりが描かれた。そして、ディバトックス一味の背後に、ダークスペクターの大軍団がいることも、悪の強大さを感じさせた。
 コミカルに見えて、実は底知れない潜在力を持ち合わせた集団だったと言えよう。

@ディバトックス

 宇宙海賊の女首領。通称ディバおばさん(笑)。甥のエルガーがそう言うからねえ。

 とにかく勢いのある女首領で、タイムボカンシリーズのマージョ様(ドロンジョ、ムージョ、アターシャ以下略)みたいな感じ。
 舌が伸びたり、目から怪光線を発したり、人間ばなれした描写もありますが、ディミトリアと姉妹関係にあるという噂もあったりして、不思議なキャラクター。その噂の根拠は、彼女を演じた女優Carol Hoytがディミトリアを演じたことによるデマか、それとも本当に公開されなかった裏設定があるのか分からないですが、
主人公側の身内が悪の女首領って設定は、次回作の「イン・スペース」に持ち越されることになります。なお、後半のディバトックスは、Hilary Shepard Turnerに変更されました。これも、ディミトリアとの姉妹関係という設定を削除したことによる変更、と推測することもできますね。

 もっとも、ディミトリアと姉妹関係というのが本当なら、エルガーやハヴォックとの関係も謎。また、劇中では母親も登場しており、パワーレンジャーでは、悪人同士の家族関係がしばしば描かれているなあ、と実感。

 いずれにせよ、彼女は「イン・スペース」でも時おり登場しており、アストロネマとは犬猿の仲のようでしたが、最後には悪の力を浄化されて、リタやゼッド同様、ふつうの人間に戻りました。 

Aライゴグ

 ボーゾック総長は格下げで、女首領の片腕になりました。

 原作のガイナモは、「マジンガーZのボス」で有名な大竹宏の声で、非常に味のあるキャラクターでした。ちなみに、部下のゼルモダ、グラッチは、それぞれボスの子分のムチャ、ヌケのイメージで作られていたそうです。
 男気はあるが、おバカなガイナモは、終盤、エグゾスを裏切って、カーレンジャーの味方になり、地球で暮らすようになったのですが、
 おバカでなくなったライゴグは、「イン・スペース」でもディバトックスの片腕として宇宙を荒らしまわった挙句、最後は浄化されて消滅、という哀れな最期をとげました。合掌。

Bエルガー

 ディバトックスのバカな甥っ子。ボーゾックのおバカな属性は、みんな彼のところに行ったようです。

 原作のゼルモダは、それほどバカではなく(まあ最終回で、小学校の勉強をしていたという事実はあるが)、リッチハイカーに従ってガイナモを裏切るなど、むしろ狡猾なところがあります。顔に似合わず戦闘力は高く、レッドレーサーとも対等以上に戦って見せたことも多いです(まあ、レッドレーサーが未熟だった、という話もあるが)。
 でも、エルガーは馬鹿。で、彼のバカなところが、「ターボ」の雰囲気を作っている感じもするので、劇中なくてはならないキャラと言えましょう。
「髪の毛がないこと」でレッドレンジャーT.Jと妙なライバル関係を築いていたことが、最も印象深いです。
 人気が高かったのか、「イン・スペース」でも続投して、ほぼ唯一のレギュラーギャグメーカーとなってましたが、最後は浄化されて消滅。ディバおばさんは消滅しなかったことを考えると、本当に血のつながりがあったのか、疑問が生じますね。

Cポルト

 科学者です。原作では一番バカに見えたのにね。

 原作では、「芋長の芋ヨーカン」でボーゾックが巨大化することを発見しました。が、ターボでは巨大化システムが変更されたことにともない、目立った活躍もなく終わったような気がする。「イン・スペース」での再登場もなかったようだし。
(2007年追記・掲示板で某氏に教えてもらったんだけど、実は「イン・スペース」の第1話でも姿を見せていたそうだ。もっとも、NOVAは未確認。機会を見て、確認したい)

Dハボック将軍

 宇宙の悪のコンサルタント……は原作の話で、こちらはディバトックスの弟。

 メタルザウルス(原作のブレーキング)を操り、ターボメガゾードを撃退、奪い取ります。
 彼の率いる戦闘員は特別製のロボット兵で、カラフルです(実は、カーレンジャーの戦闘員ワンパー)。また、彼の宇宙基地は、原作のボーゾック基地(バリバリアン)だったりします。
 で、死に方も、原作同様、レスキューゾードに倒されるなど、一番、原作に基づいたキャラクターと言えます。さすがに、ライゴグを追い出したりはしませんでしたが。

(2007年追記・掲示板の某氏によれば、実はレスキューゾードに倒されていなかったそうな。「イン・スペースのダーコンダ」並みにしぶとい奴! 彼も「イン・スペース」の第1話でも姿を見せていたそうだけど、NOVAは未確認)

Eゴールドゴイル

 その名も高き暴走皇帝……のはずが、物言わぬ只の巨大怪人となってしまいました。

 戦闘力は圧倒的で、ターボメガゾードとレスキューメガゾードを倒したものの、腐った芋ヨーカン フォーミュラーモビライザーを口の中に入れられ、爆死しました。
 

Fモンスター

 原作と違って、巨大化魚雷で巨大化します。巨大化魚雷は何だか、ハリケンジャーのコピージャイアントに似ています。
 なお、ここで付け加えると、ディバトックス一味は
原作の宇宙暴走族から宇宙海賊に設定変更されています。それにともなって、基地も海中の潜水艦になっているわけですね。

 あと、通常のモンスターと違って、ディバトックスが特別に使用したゾードについても、ここで紹介しておきましょう。
 ・テラーゾード:原作のノリシロン。ボツになった名称がバリンガーZというのは有名。
 ・ディバゾード:
イーグルシャークキャット(英語ではライオン)の空海陸3ゾード。
         原作では
スカイギギューンマリンザブーンランドズズーンという名でした。
         某太陽戦隊(超獣戦隊)または妖怪退治の超神のパロディですね。

Gピラナトロン

 カーレンジャーの戦闘員ワンパーは、カラフルすぎてヒーローと区別が付かないからか、ボツになりました。
 で、代わりに登場した、魚みたいな仮面の戦闘員です。
 最終エピソードで大量出現して、レンジャー基地を破壊。その功績を認められてか、後の作品でも姿を見かけることがあります。

 なお、ワンパーはハヴォック将軍のロボット兵士として登場するほか、シャドウ・レンジャーを呼び出す怪人クロマイトとしても登場しております。【ページの頭へ】