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バルダーズゲート攻略記
(その2)


●2003年2月13日(木)・第5章を前に

 さて、長かった第4章を終えて、「バルダーズ・ゲート」の街に入れる第5章まで漕ぎ着けました。

 話を進める前に、パーティーの状況を整理しておきたいと思います。以前より、1レベルだけのアップですが、パーティーの戦闘力は新呪文や装備で、格段に上昇してますね。

●主人公NOVA(HP73):人間のレベル6パラディン(聖戦士)・男性。強くなりました。その強さの秘密は、前回、入手した「高速移動のブーツ」。通常の2倍の速さで移動でき、しかも攻撃回数も2倍(つまりは、ヘイスト状態)。「疾きこと風の如く」って感じ。

●カリード(HP68):ハーフエルフのレベル6ファイター(戦士)・男性。彼の武器は、弓矢と、麻痺避けの大剣。地味だけど、貴重な前衛です。

●ジャヘイラ(HP54):ハーフエルフのレベル5ファイター/レベル6ドルイド(自然の神の信仰者)・女性。相変わらず、貴重な回復役です。攻撃呪文の「コール・ライトニング」は、実際には使えないことが判明。準備に1ターン(=10ラウンド)を費やすので、戦闘中に唱えると、10回分の行動を浪費します。野外で、そろそろ敵がいると分かっている付近で、あらかじめ唱えておく必要があります。

●イモエン(HP45):人間のレベル6シーフ(盗賊)・女性。実は成長していない。次のレベルアップ予定は彼女です。それでも、パーティー内での存在価値はアップ。それは、罠が仕掛けられている場所が増えたのと、強敵と戦う際に、相手を誘き出すのに活躍したから。「静かなること林の如し」って感じのキャラクター。

●ミンスク(HP49):人間のレベル5レンジャー(野戦士)・男性。彼も成長していない。成長が遅いだけでなく、戦士系としてはHPの伸びが悪いことも大きな弱点。見かけはバーバリアン(野蛮人)なので、「動かざること山の如し」になって欲しいんだけど。

●ダイナヘール(HP26):人間のレベル5インヴォーカー(物理呪文使い)・女性。最近、ファイヤーボールの快感に取り付かれています。まさに「侵掠すること火の如く」です。今後の活躍にも期待。

 まあ、こんな感じですが、次のプレイまでは、また少し、休眠しようかな、と思ってます。理由は、スパロボやFFの方に手を付けたいから。もっとも、気まぐれに再プレイを早める可能性もあるってことで。

 

●2003年5月19日(月)・バルダーズ・ゲートにて(第5章)

 およそ3ヶ月ぶりにプレイ再開です。
 他にやりたいこともいっぱいある中で、すごく不安定な再開ですが(苦笑)。

 まず、昨日までのプレイで、2人レベルアップしたので、報告をば。

●イモエン(HP53):人間のレベル7シーフ(盗賊)・女性。

●ミンスク(HP57):人間のレベル6レンジャー(野戦士)・男性。

 次にレベルアップするのは、魔法使いのダイナヘールの予定ですが、レベル5が6になっても、あまり変化はありませんね。

 それよりも、ストーリー面がいろいろあって、楽しかったと。

 まず、以前から気にしていた、「バルダーズ・ゲート」手前の橋付近にいる、ノームのクレリック/イルージョニストのクァイルでしたが、結局、大した奴じゃありませんでした。この時点で、レベル2ってことだけで、まず使えません。次に性格は、カオティックニュートラル。自分を「知識と信仰心に満ち溢れた天才」と思っている奴で、その割に能力値はヘタレ。
 そういう奴でも、育てたら役には立ってくれるんでしょうが、今さらねえ(^^;)。

 さて、橋を渡って、いよいよ「バルダーズ・ゲート」に入ります。こりゃまた、でかい街なんですよ。中央区と周辺八方向の「全部で9マップ」もあります。今のところ、「東地区」と「南東地区」「南地区」の3つだけ散策した、と。

●東地区

 ここには、シーフギルドがあります。入るための合言葉は、「ファファード」。ファンタジー小説ファンとしては、有名な蛮人戦士ですね。
 主人公がナシュケル鉱山に巣食う悪を退治したことは有名になっているようで、街を歩いていると、ギルドの人が話をしたい、と言ってきます。まあ、話ぐらいなら聞こうってことで、ギルドの本部に出頭します。

ギルドマスター
 「最近、この街はアイアンスロウンという他所者が大きい顔をして、困っている。奴らが好き放題しているものだから、街の警備も厳重になって、こちとら仕事があがったりだ」

主人公
 
「そいつは大変だな。こちらもアイアンスロウンと戦っているところだ。奴らと戦うと言うなら、手を貸すが」
ギルドマスター
 「ありがてえ。だったら協力してほしいんだが、かくかくしかじかで盗みを計画している。お前さんたちの力量なら、問題ないはずだ。がんばってくれ」
主人公
 
「……。ちょっとまて。自分は正義と法のために戦うパラディンだぞ。協力できるのは、アイアンスロウンとの戦いだけだ。盗みの手伝いまで、手を貸せるか!」
ギルドマスター
 「何だと! ここまで話を聞いて、今さら、それはないだろう。生きて、ここから出られると思うなよ!」
主人公
 
「あのなあ。どこの誰が、パラディンに盗みの依頼を持ちかけるんだ? お前も、もっと相手を見て喋れよ」
ギルドマスター
 「ええい、うるさい! 野郎ども、やっちまえ!」

 
何だか、なしくずしに戦闘になってしまいました(苦笑)。シティアドベンチャーでシーフギルドを敵に回すのは、ものすごく怖いんですが、パラディンのロールプレイに忠実であれば、盗みには手を貸せないってわけで。
 で、シーフギルド関連のイベントを全て蹴ってしまうつもりで、戦闘。
 数ターン後、あっさりギルド壊滅(笑)。
 どうやら、バルダーズゲートのシーフギルドは、アイアンスロウンとの抗争で、とんでもなく弱体化していた模様です。

●南東地区

 ここで、鍵のかかっている家に侵入して、たんすとか開けたりしていると、泥棒になっちゃいます。ちょっと試しにやってみたら、寝ている家人が起きてきて、戦闘になってしまい、殺しちゃいました(苦笑)。こりゃまずい、と思ってリセット。
 とりあえず、鍵のかかっていない家にだけ入って、情報集め。
 そうすると、港の倉庫に潜んでいるバジリスク退治を頼まれてしまいました。バジリスク……というと、最近は某『秘密の部屋』で有名になりました。石化の視線が怖い、強力モンスターですが、それに対抗するための呪文「石化への防御」が魔法使いのレベル2にあります。今のところ、2レベル魔法は3回しか使えませんが、パーティーは6人。残り3回分は、東地区の魔法屋さんで巻き物として購入。こうして、準備を万端整えて、港に向かいます。

●南地区

 ここが港です。何だか、波止場に泊まっている船が新鮮です。これがドラクエとかなら、船に乗ってイザ出航ってなノリですが、バルダーズ・ゲートでは船に乗って旅するシナリオはありません。一応、船の中にカジノがあって、FF6のセッツァーなんかを思い出したりもするのですが、今は寄り道している暇はないってことで。
 さて、問題の港の倉庫に入りました。「うわあ、バジリスクだあ! 助けてくれえ!」なんて飛び出してくる人もいるわけで、現場であることに間違いなさそうです。試しに、何の対策も講じずに奥に侵入してみれば、突然、攻撃されて石化。ゲームオーバーです(;;)。
 そこで、準備していた「石化への防御」をパーティー全員に掛けてから、侵入。今度は、石化の視線は通用しません。そのまま一気に突撃して、バジリスクをボコボコにしました。獲得経験点は7000。このゲームのモンスターの中でも、強敵に分類されますが、対策さえ万全なら簡単に倒せると実感。

 問題はこの後。
 倉庫なもんで、周囲にはいろいろなお荷物が保管されています。「さて、何が入ってるのかな?」と好奇心でいくつか開けてみたら、衛兵が駆けつけてきて、さあ大変。
 「自分はバジリスクを退治しただけで、泥棒に来たんじゃない!」と弁解してもダメで、仕方なく「金で何とかなりませんか?」と持ちかけたら、よけいに怒らせてしまった。どうやら、連中にはアバレブルーみたいに独特のダンディズムがあるらしい(笑)。
 いくら何でも「正義と法を司るパラディン」が倉庫泥棒で捕まってしまうのは情けないので、こうなったら戦うしかない! と開き直って応戦したところ、突然、メッセージが。
 「あなたはパラディンの資格を喪失しました」
 あのう、免停になっても、車上泥棒やっても、開き直って「人を殺しても罪は自分がかぶればいい」と叫んでも、立派に仮面ライダーやってる人もいるのに、たかが衛兵と切り結んだだけで、パラディンの資格喪失ってわけですか(;;)。
 つまり、パラディンを続けるのは、仮面ライダーを続けるよりも難しいってわけですね。

 仕方ないので、リセット。

 もう一度、バジリスク退治から始めて、今度は倉庫の荷物には手を出さずに、こっそり出ることにしました。「邪魔な目撃者の記憶を消してくれる黒子ロボ」がいて欲しいと、心から願いながら。

PS:以前紹介した「PS2」の「バルダーズ・ゲート ダークアライアンス」
 カプリさんのサイトの「ゲームのハナシ」の中で、プレイ日記が公開されていますので、興味のある方は、のぞいて見てください。

 

●2003年5月20日(火)・人に化けたモンスター(第5章)

 昨日のプレイで、1人レベルアップ。

●ダイナヘール(HP30):人間のレベル6インヴォーカー(物理呪文使い)・女性。

 レベルアップで、ファイヤーボールが一発余分に撃てるようになったんですが、ファイヤーボールを必要とする戦闘って、今のところ、あまりないんですね。AI戦闘では使ってくれないし、ファイヤーボールを使おうと思えば、キャラの移動まできちんと考えないといけない。
 それよりも大きいのは、「リングOFウィザードリィ」というマジックアイテムを入手したこと。これは、1レベル魔法の使用回数を倍にしてくれます。通常戦闘の主力呪文は1レベルのマジックミサイルですので、非常に連射性能が上がったことになります。

 さて、今回は「南西地区」と「西地区」を散策しました。
 西地区は小さなイベントだけで、メインとなるのは南西地区。攻略順としては、南西地区が先だったんだけど、記事の都合上、西地区から始めます。

●西地区

 ここには、大きな「カラクリ博物館」があります。何だか、「カラクリアイテムを盗んでくれ」と頼まれました。パラディンは盗みをしない、というはずだったのですが、それでも……。

依頼主
 「頼む! カラクリはオレの夢なんだ。
 あの「望遠鏡」は、あんな博物館に眠らせて置くような代物ではない。もっと、見る目のある技師がきちんと研究して、技術の発展に貢献できるようにすることが、バルダーズ・ゲートの発展にもつながるんだ!」 

 うおっ、カラクリマニアの熱意に、思わず説得されてしまいました(苦笑)。
 そうなんだ、これは技術の発展のためなんだ、と自分を納得させながら、夜間に博物館に侵入。
 どうやら、恐ろしい衛兵にも気づかれず、任務を達成できました。

 やっぱり、「夢のため」という言葉を出されると、弱いなあ、と思いながら(笑)。

●南西地区

 さて、本日のメインイベント。
 ここには「フレイミング・フィスト衛兵の本部」「商人ギルド」があります。
 前回、何だか、衛兵は怖いなあ、と思ったので、とりあえず、友好的にあいさつ回りに行こうと。

 すると、衛兵の副指揮官スカールさんから、「最近、商人ギルドの連中がおかしい。まるで人が変わったみたいになった。調べてくれないか」と仕事をもらいました。
 うむ、これはパラディンらしい「正義と法にかなった仕事」なので、喜んで引き受けます。

 で、パラディンには「悪を見破る外道照身霊破光線」がございます。これを浴びせると、人に化けた怪人は「バレたか〜〜」と叫んで、正体を見せてくれます(笑)。
 多少、脚色が入っていますが、商人ギルドの幹部との会話で、相手はドッペルゲンガーの正体を現しました。そしてバトル開始。

 戦闘そのものはあっさり終結。で、ドッペルゲンガーに捕まっていた人を救出して、任務達成。
 他にも、人に化けた怪人を次々と始末しながら、「この中に人間の心を残したオルフェノクがいたら……」なんて、ついつい考えてしまいました(苦笑)。

 で、ドッペルゲンガーを操って、商人ギルドを乗っ取ろうと考えていたのが、アイアンスロウンらしいと分かるわけですが、まだまだ決定的な証拠不足と判断し、さらに散策を続ける、と。

 

●2003年10月30日(木)・北区画の探索(第5章)

 連載記事にしておくのもおこがましいほど、超久々プレイの「バルダーズゲート」です。
 5ヶ月ぶりのプレイなので、自分の書いた記事を読み返しながら、状況を確認します。こういうときに日記をつけていると、プレイ再開がしやすいです。

 で、今回の課題は、まだ散策をしていないバルダーズゲートの街の北区画(北東とか北西とか中央とか含む)の調査です。
 こういうファンタジー物の大きな街では、中央に広場があって、南は旅人の多い下町(商店も多い)、北は貴族の館の多い高級街になっているのがパターンかな、と。自分がRPGで都市の地図を作る際にも、やはり「北が上」という印象からか、同じような構造にしてしまいがちだし。
 敵国が北に位置する状況だと、逆の配置も考えられるけど、バルダーズゲートの仮想敵国って、南のアムンだからねえ。特に、問題のない構造だと思います。

 バルダーズゲートの北には、王城とも言うべき大公の館もありますが、今はまだ入ることができません。自分の職業は聖騎士だから、きちんと名乗れば入れてもらえそうですが、肩書きよりも実績が物を言う世界なのでしょう。
 ちなみに、他の連れは、ドルイド夫婦(田舎者)に、蛮族の王女と従者(田舎者)に、女盗賊ですから、一人だけ聖騎士でござい、と言っても、貴族連中から見れば、「ふん、田舎の冒険者風情が!」といった印象なんでしょうね。
 でも、北区画に入ったとたん、道で立ち話をしている貴族連中から、「田舎者呼ばわり」されたり、「下水道掃除が良く似合う連中」と言われたりするのは、非常に腹が立ちます。神に仕える聖騎士に対する口のきき方を力ずくで教えたくなります(笑)。しかも、このゲームって、それができそうなんですね、道を歩いている人を攻撃する辻斬りが。たぶん、衛兵が駆けつけてきて、大変なことになると思うので、やってませんが。
 ともかく、俗物の貴族にいちいち本気で腹を立てても仕方ありません。それよりも、散策しながらクエストを処理していきましょう。

 で、貴族の娘(幼女)を覗き見しているロリコン・ストーカーをやっつけたり、吟遊詩人のために詩の題材となる書物を探してきたり、呪いに掛けられた人を助けたりしながら、少しずつ経験値を貯えていきます。
 それにしても、この街って、やたらと「呪いに掛けられた人」ってのが登場します。呪い絡みで3件も、事件を解決しました。何だか、安易に人を呪う輩が充満しているような気がします。何にせよ、呪いで苦しむ人を助けるのは、聖騎士の使命にかなう仕事なので、喜んで解決に走り回るわけです。

 そんな人助けをしている間に、一人の魔術師が接触してきます。
「ああ、君が最近、優秀な仕事をしている傭兵かね」
「傭兵じゃなく、法と正義のために働く聖騎士なんですがね」
「何でもいい。それより、ある男に囚われているニンフの噂を聞いたことはないかね。わしは、そのニンフを助けてやりたい。わしのところに、そのニンフを連れてきたら、報酬ははずむぞ」
「囚われのニンフを助ける仕事ですね。喜んで引き受けましょう」

 ニンフってのは、妊婦ではなくて、妖精の一種です。この世界でニンフに人権があるかどうかは微妙ですが、婦女子の拉致監禁はいけません(男ならいいってわけでもないけれど)。そこで早速、囚われの美女を救うため、目的の館に向かいます。
 ガチャガチャ。チッ、鍵が掛かっているじゃないですか。どうも、このゲームって、鍵が掛かった館が多いです。無理矢理、開けて、中を探索ってこともできるんですが、そうすると衛兵が出てくることも多いわけですね。鍵の掛かっている人様の家に勝手に入って、棚や箱をあさるってのは泥棒ですから、当然といえば当然なんですが。
 しかし、相手が拉致監禁の犯人となれば、話は別です。はい、オープン・ロック! カチッ。盗賊少女イモエンの手に掛かれば、これぐらいの鍵なんて、簡単に解除できました。

 中に入ると、監禁男とニンフが口論しています。
「お願い。私を故郷に返して」
「私は、君を愛しているんだ。君なしでは生きていけない。ここで一緒に暮らすのがどうしていけないんだ!」
「私の故郷はここではないの。自然の中でないと、私の美しさは枯れて行ってしまう。そんな姿を、あなたに見られたくないのよ」
「ああ、しかし! 私の家はここだ。一体、どうしたらいいんだ」

 あのう、もしもし? こちらに気付いてます?

「な、何だ。君たちは?」
「いや、通りすがりの冒険者なんですけど(お約束的ボケ^^;)」
「他人の館の中に通りすがる奴がいるか!(お約束的ツッコミ)」
「いや、まあ、それはともかく!(強引に話題を転換) さっきから話を聞くと、イヤがる婦女子を無理矢理、館に連れ込み、自分の愛を押し付けようとするとは! そんな法と正義に反する行為は、聖騎士として黙って見過ごすわけにはいかない」
「法と正義だと? 愛はそれを凌駕するものだ! 世間の愛を知らない朴訥な聖職者に私の気持ちが分かってたまるか」

 うっ、恋愛感情にうとい、マジメなパラディンに愛情うんぬんの問題を説得することはできません(苦笑)。できることと言えば、「神の愛」を説くことぐらいしか(^^;)。

イモエン「ああ、もう。聞いてられないわ。いつでも一緒に暮らすだけが愛の形じゃないでしょう? 会いたい時に、あなたの方から会いに行けばいいじゃない!」
「いや、しかし。そう、いつも会いに行けるものでは……」
ダイナヘール「男の方が、女に会いに行く。私の部族では、それが当然だ」
ミンスク「その通りだ。ダイナヘールの行くところ、ミンスク、どこまでもついて行く。彼女を助けるために、ミンスク、戦う。これこそ、勇者の誇りだ」
「あなたたちの部族では、そうであっても、都会では男女は一緒に住むものと決まっていて……」
ジャヘイラ「だったら自然の中で、一緒に住めばいいのです。それができない人に、愛を語る資格はありません。元来、愛情とは自然の営みなのですから。法や正義よりも、愛は上なのでしょう? だったら、社会の制度やあなたの立場よりも、愛を優先させなさい」

 何だか、仲間が勝手に説得してますが(苦笑)。もちろん、説得のための選択肢を選んだのは、プレイヤーの自分なんだけどね。
 ってことで、説得された相手は、ニンフを解放することに同意しました。解放されたニンフは感謝しながら、
「ディメンジョンドア(次元の扉)」の呪文で、自分の故郷に帰ります
 ……って、ちょっと待て。そんな便利な魔法があるなら、いつでも会いに来れるじゃないか! 一体、何をもめていたんだ、お前ら! 

 ともかく、ニンフを無事に助けたわけで、依頼主の魔術師の塔に報告に向かいます。すると……

「何、貴様ら! ニンフを逃がしただと? わしは、ここにニンフを連れて来い、と言ったんだぞ。せっかくの貴重な実験材料を!」
「実験材料だって? 私は、そんなつもりで、この依頼を引き受けたわけではない。あなたがそういうつもりだったのなら、ニンフを連れて来なくて正解だった!」
「ええい、裏切り者めが。くらえ!(突然、ライトニング)」
「ぐはっ。いきなり何をする?」
「ハハハハハ、わしは、この塔の最上階にいる。途中の階には、モンスターがいっぱいだ。登って来れるものなら、来るがいい。ハハハハハ!(笑いながら、姿を消す)」
「おのれ。ニンフを実験材料に目論む邪悪な魔術師だったか! そういう輩は、法と正義の名において、成敗してくれる」

 そんなわけで、6階建ての魔術師の塔に挑むイベントが始まってしまいました(つづく)

 

●2003年10月31日(金)・魔術師の塔(第5章)

 バルダーズゲートの街に入ってからは、当然ながらシティアドベンチャーが中心でした。シティアドベンチャーと言うと、聞こえはいいのですが、実際には「誰々に、このアイテムを渡してきて」とか「誰々のところから、このアイテムを取ってきて」などの雑用的なお使い任務中心。
 記事としては盛り上がりに欠けるというもの。

 そんな雑用の果てに持ち上がった、「魔術師の塔」の攻略。こいつは相当、燃えますよ。
 邪悪な魔術師の潜むダンジョンと言えば、「ウィザードリィ」を始め、もうそれだけで一本のゲームを作れるぐらい、ファンタジーRPGの王道中の王道。
 まあ、「バルダーズゲート」はダンジョン中心のゲームじゃないから、6階建ての塔といっても、攻略そのものは薄味でしたけどね。

 とりあえず、1階ごとにモンスターが立ちはだかります。それを撃退しながら、登っていく展開。スライム系モンスターとか、アンデッドとか、ホブゴブリンの番兵(毒矢を撃ちまくる)とか、いかにも邪悪系のモンスターが待ち構えています。それなりに手強い連中だったりするのですが、傷ついたら、塔の近所に宿屋があるので、すぐに回復に戻れます。ダンジョンアドベンチャーとしては、簡単な部類でした。
 ただ、最上階に立ちはだかる魔術師ラマジスは厄介です。倒すのは簡単なんだけど、こいつ、せまい部屋で自爆覚悟のライトニングを発射するんですよ。ライトニングは壁で反射します。せっかく魔術師を倒しても、反射したライトニングが部屋中を駆け巡り、パーティーに死者が出ること必至です。一番、HPの高い主人公ですら、耐えられないダメージなんですから。
 一体、どうすれば無事に攻略できるかな? と考えたあげく、手持ちのアイテムに「電撃吸収のポーション」があることを発見。これを飲めば、電撃のダメージが0になります。ただし、一本だけしかないので、それを飲んだ主人公一人で魔術師に挑みます。こういう融通が利くのが、バルダーズゲートの面白いところです。
 結果、電撃さえくらわなければ、魔術師ラマジスは簡単に倒せました。そもそも、HPの少ない魔術師だし、自分の電撃で傷ついたりもしていましたからね。剣で叩き斬れば、あっさりくたばってくれました。ニンフを人体実験の素材に使おうという奴ですから、良心の呵責もゼロと。
 魔術師の塔だから獲得したマジックアイテムも多く、充実した探索と言えました。

 そして、そろそろシティアドベンチャーにも区切りをつけて、ストーリーを先に進めるべく、「フレイミングフィスト衛兵本部」に顔を出します。顔見知りになった副指揮官スカールさんから、仕事をもらうわけですが、「下水道を探索してくれ」はないですね。
 貴族連中に「下水道掃除が良く似合う連中」と言われた後で、こういう依頼を引き受けるのは、非常にイヤな感じです。大体、下水道探索なんて、聖騎士のすることか! こちらにも、それなりに誇りがあるというもの。
 パーティーの構成メンバーを見ても、誇り高い蛮族の王女と従者に、自然を尊び街の営みに否定的なドルイド夫婦に、盗賊といっても年頃の娘。好き好んで下水道探索なんてしたがるキャラはゼロ。むしろ、こんな仕事を引き受けたら、非難轟々が予想できます(最近、読み返した「魔法戦士リウイ」でも、そういうエピソードがあったよなあ)。
 こちらは金に困っているわけでもなく、また頭の上がらない魔術師のじいさんから依頼された仕事でもないので、このクエストは断ることにしました。

 すると、次の使命をくれました。
 「アイアンスロウンの本部に潜入して、奴らの陰謀の証拠をつかんでくれ!」
 
 おお、これこそ聖騎士のなすべき仕事です。街で陰謀を企む悪の組織を倒すべく、これより潜入作戦(殴りこみとも言う^^;)を開始です。(つづく)

 

●2003年11月1日(土)・死闘! アイアンスロウン(第5章)

 中断が多かったですが、ついに第5章も終了です。
 最後の舞台は、アイアンスロウンの本部。
 なお、殴りこみの前に、非公式ながら「フレイミングフィスト衛兵隊」の指揮官でもあるエルタン大公との対面があります。
 バルダーズゲートの政治は、4人いる大公の会議で執り行われていますので、今回の使命には実質、最高権力者のお墨付きが与えられたことになります。アイアンスロウンの陰謀には、それだけバルダーズゲートの運命が掛かっている、というわけですね。

 これまで得た情報を整理すると、アイアンスロウンのボスはリエルタール。そして、リエルタールの息子のサレヴォクという男が、なかなかやり手だそうです。
 こいつらが、バルダーズゲートと、南のアムンの間に戦争を引き起こそうとしていることは、我々の調査で見当が付いています。ただ、決定的な証拠がない状況ですが。
 それと、どういうわけか、こいつらが主人公の命を奪おうと刺客を送り込んでいる、と。
 つまり、バルダーズゲートの平和を守るためにも、自分の命を守るためにも、アイアンスロウンとの衝突は必然だと。

 向こうも、こちらのことを知っているわけだから、こそこそしても仕方ありません。もう堂々とアイアンスロウンの本部に乗り込みます。
 すると、こちらの行動に呼応して、隠密行動中の衛兵隊のスパイも積極的に協力してくれるみたいです。ザコの陽動は彼らに任せて、こちらは本部の建物の上の階にどんどん向かうと。
 そして、最上階で待ち構えていた強力な幹部たち。

「フハハハハ。お前が来ることは分かっていた。サレヴォクさまの命令だ。ここで死んでもらう」

 どうやら、こちらは飛んで火に入る夏、ならぬ秋の虫だったようです。チンチロ、チンチロ、チンチロリン♪ とでも鳴いてみましょうか。
 秋の夜長にゲーム三昧ってのは楽しいもの……って、そんな冗談を言ってられないほど、相手の幹部連中は強かった。さすが、第5章の最後だけあって、一筋縄では行きません。中には、僧侶魔法5レベルのフレームストライクなんて唱えて来る奴もいます。つまり、敵のレベルは9以上。こちらはまだレベル6〜7で、しかも、相手の方が数が多いでやんの。ここは、きっちり作戦を考えないと、クリアできません。

 まず、主人公を狙ってくる魔法に備えるため、「魔法抵抗のポーション」を飲みます。
 次に、味方の戦闘力のアップ。主人公は最初から、「ヘイスト状態」になっているので問題なし。むしろ、それが災いして、一人だけ突出してしまうのが難点なので、HPの高いカリードにも「高速化のポーション」を飲ませて、ツートップを張ってもらいます。さらに、カリードには「筋力増強のポーション」を飲ませて、ドーピング状態に。
 魔術師のダイナヘールは当然、ファイヤーボールと。

 でも、それだけやっても勝てないんですね。こういう戦闘だと、いかに早く、相手を無力化できるかがポイントですが、自軍の戦士が敵の前衛と切り結んでいる間に、相手がホールド(金縛り)の呪文を掛けてきて、先に無力化されてしまう、と。
 こちらにも、ホールドがあればいいんですが、インヴォーカー(物理呪文使い)のダイナヘールも、ドルイド僧のジャヘイラも、ホールドを覚えることはできません。まあ、ダイナヘールファイヤーボールの連発で十分な戦力になってくれてますから、問題はジャヘイラなんですね。今までは、単に回復だけしていれば良かったんですが、今回みたいなギリギリの戦闘では、ドルイド僧の呪文もきちんと活用しないといけません。
 でも、ドルイドって、ホールドサイレンス(沈黙)も使えず、他のプリーストと比べて使いにくいと。野生動物相手なら強いんですけどね。

ジャヘイラ「一応、哺乳類相手にチャーム(魅了)もできますが」

 哺乳類って人間もOK? なら、それ採用。敵の戦士をどんどん魅了して♪ 

 そんなわけで、敵だった戦士(結構、強力な連中ぞろい♪)は、どんどん目にハートマークを浮かべたまま、相手の魔術師や僧侶に斬りかかって行きます。これで一気に形勢逆転。敵戦士と肩を並べて戦い、束の間の友情ごっこを堪能します。
 で、相手の呪文使いが全滅した後、チャームの効果時間が切れて……
「ごめんよ」 さっきまで仲間だった相手を斬るのは忍びないですが、心を鬼にしてズンバラリン!
 こうして、
「戦術名:毒をもって毒を制す」で、強敵連中を撃破。

 戦いの間、奥の部屋で隠れていた臆病者の敵幹部を尋問して、首領のリエルタールや、主人公の抹殺を命じたサレヴォクは、キャンドルキープの街に向かったことが判明。そこで、アイアンスロウンの幹部会議が行われるそうな。
 何で、バルダーズゲートの本部で会議を行わないんだろう、と思ったんだけど、考えてみれば、この本部には、衛兵隊のスパイが潜り込んでいましたからね。どうやら、敵もそれに気付いていたようです。今度の会議は、スパイに知られたくない重大なものだ、と推測できます。

 エルタン大公に報告したら、「至急、キャンドルキープに向かって、会議の動向を調べてくれ」と頼まれました。
 キャンドルキープ……そこは、主人公の生まれ育った街であり、この物語のスタート地点でもあります。悪を追って、故郷に戻る決意を強く固めたところで第5章・終了。

PS:ここまででレベルアップしたのは、一人だけ。

●ジャヘイラ(HP60):ハーフエルフのレベル6ファイター/レベル6ドルイド(自然の神の信仰者)・女性。
 ファイターレベルが1上がっただけ。能力そのものは、あまり強くなったわけじゃないけど、プレイヤーが
チャーム(魅了)の呪文の使い方をマスターしたおかげで、キャラの有効性がアップ。
 ちなみに、魔術師呪文にもチャームはあるけど、精神系魔法なので、ダイナヘールは覚えないんだよなあ。

 

●2003年11月2日(日)・キャンドルキープの罠(第6章)

 第6章の舞台は、主人公の生まれ故郷キャンドルキープ。
 ここは、膨大な書物を貯える大図書館が名物の「知識の殿堂」。大切な知識を保管するための城砦になっており、外部からは厳重に隔離されています。
 どれだけ隔離されているかというと、「ここで生まれ育った主人公が、顔パスで入れない」ぐらい。ここに入るためには、「図書館に収めるだけの価値ある書物と引き換え」なんですね。この規則には、一切の例外が認められない、とのこと。
 何て、融通の利かない街なんだ、と思ったけど、考えてみれば、こんな街で育ったから、主人公は頭の固いパラディンになったのでしょう(笑)。うむ、見事に設定とかみ合っているよなあ。

 で、この街に入るため、エルタン大公が「貴重な書物」を渡してくれます。これをキャンドルキープの門衛に見せると、無事に中に入れてくれました。
 故郷の街なので、いろいろと懐かしい人たちが話し掛けてきます。話題は、亡くなった養父ゴライオンのことや、主人公のナシュケル鉱山での活躍の噂など。
 「相変わらずだなあ」という人と、「しばらく顔を見ないうちに、忘れちゃった」という人と。忘れちゃったという人をしつこく問い詰めてみると、ドッペルゲンガーだったりするので成敗! うお〜、大切な故郷の人まで偽者にすりかわってるなんて、思い出を踏みにじられた気分です。許すまじ、アイアンスロウン。

 でも、この街では、アイアンスロウンは「まっとうな商人組合」で、裏の顔は知られておりません。さすがに、直接の暴力ざたに及んだりしたら、厳しく処罰されかねません。
 そのことを心に刻み込みつつ、アイアンスロウンの会議が行われるという図書館へGO! 

 すると、話し掛けてくる一人の人物。

「やあ、私はクォヴレサ。ゴライオンの旧友さ。ゴライオンを殺したのは、アイアンスロウンのリエルタールだ。今こそ、仇を討つときじゃないか。私も協力する。さあ、殺してきたまえ」

 あのう、あからさまに怪しいんですけど。おまけに、その名前、逆から読んだら……。

クォヴレサ「何? 私を疑うというのか? 慎重なのはいいが、敵と味方の区別も付かないようでは、生き残れないぞ。君には失望した。私は、これで失礼させてもらう。さらば」

 こいつに、ディテクトイービル(邪悪感知)の呪文をかけようと思ったら、さっさと姿を消しました。

 で、今日は図書館にリエルタールはいないようなので、帰ろうかと思ったけど、その前にいろいろと本棚を探します。フォーゴットンレルムの各地域の建国伝説など、いろいろ設定資料本があるわけですが、そのほとんどはゲームの進行には全く関係ない、単なるフレーバー(雰囲気)作りだけのもの。ただ、たまに本棚に「魔法のスクロール」が入っていたりして、集めていくと、結構な収穫になるんですね。
 呪文の多くは、バルダーズゲートの街で購入済みなわけですが、まだ入手していなかった「ノック(開錠)」の呪文なんかも見つけて、それなりに有意義な探索だったと。ただし、鍵のついた棚は開けたりすると、衛兵がやって来たりするので、やめた方が無難かも。一応、小銭とか宝石とかGETはできるけど、現状では大した稼ぎにはならないッポイ。

 本棚あさりを続けていると、一人の司書が近づいてきて、「養父ゴライオンの部屋」を教えてくれます。そこで、「ゴライオンから主人公に宛てられた手紙」をGET。
 その内容は……「乾巧がオルフェノクだった」というのと同じくらい衝撃的なもの。何と、主人公の父親は「邪神バール」だったのです。この事実は、正義の聖騎士である主人公にはショックですね。どれぐらいショックかというと、「お前の父親はダースベーダーだ!」あるいは「お前の妹は悪のプリンセスだ!」 とにかく、血縁者に悪がいるなんてのは、まさにヒーローとしての苦悩に通じる設定なわけです。
 で、養父ゴライオンは、主人公を「邪神の血の呪縛」に負けない正義の聖騎士に育て上げたわけです。いや、正義の聖騎士をキャラに選んだのは、プレイヤーのNOVAで、望むなら、このゲーム、邪悪なキャラもプレイできるんだけどさ。ここまで、自分の選んだ設定と、ストーリーがぴったりかみ合うと、プレイ意欲も高まるというもの。

 ちなみに、邪神バールの子はたくさんいて、彼らは互いに殺し合って、生き残った一人が「邪神の力」を受け継いで、世界を支配するって伝承があるらしい。
 で、「バールの子」として最も野心的なのが、サレヴォクだそうな。つまり、サレヴォク「母親違いの兄」なわけですね。一輝兄さん! あるいはハイネル兄さん! あるいはキョーーーージィィィ!(ドモン口調の叫び)を思い出します。

 あまりの衝撃にわなわなと身震いしていると、突然、衛兵が駆けつけてきます。

「アイアンスロウンのリエルタールが殺された! 容疑者として、お前を逮捕する!」

 ちょっと待て。どうして、自分がリエルタールを……いや、思い当たる節はいっぱいあるけど(苦笑)、まだ、こっちはリエルタールに会ってもいないのに……。

「賢者クォヴレサが証人だ」

 あ、そういうことですか。邪悪な兄貴は、何としても自分を始末したいんですね。それで、巧妙な罠にはめて、陥れたわけだ。
 ここで暴れても、自分が不利になるだけなので、「自分の無実は裁きの場で証明してみせる」と言って、おとなしく捕まります。

 で、牢獄。キャンドルキープの長ウルラーント爺さんが、じきじきに尋問に来ます。

「お前はアムンと手を結び、全ての悪事をアイアンスロウンになすりつけようとしている。そんな大悪人は、キャンドルキープの恥さらしだ。バルダーズゲートに護送して、そこで厳しい刑罰に処してもらう」

 ちょっと待て。そんな一方的な通告のみで、こちらの言い分は聞かず、かよ。それでも、あんた、叡智で知られるキャンドルキープの長か……って、ハッ? もしかして、この爺さんもドッペルゲンガーにすりかわってるとか? だったら、「公正な裁きの場」なんて望むだけムダだと。バルダーズゲートに護送される途中で、闇から闇に葬られかねません。
 仮に、バルダーズゲートまで運ばれたとしても、
エルタン大公が自分を助けてくれるだろうか? 下手したら、彼までドッペルゲンガーにすりかわられたり……。

 この状況、かなりやばいです。こうなったら、脱獄囚の汚名を着てでも、この牢を抜け出て、邪悪な兄貴サレヴォクの陰謀を止めないと。(つづく)

 

●2003年11月3日(月)・地下墓地からの脱出(第6章)

 故郷のキャンドルキープの街に戻って、ラスボスのサレヴォクとの遭遇や、主人公の出生の秘密が分かるなど、クライマックスに向けて急転直下の第6章でした。
 人殺しの疑いを向けられて捕まってしまった状況で、何とか脱出するのが課題となります。

 敵のサレヴォクは、父親(これも養父なんでしょう)のリエルタールを殺すことで、自らアイアンスロウンの頭目になったことでしょう。その野望から、バルダーズゲートを始めとするソードコースト沿岸地域(このゲームの舞台)の平和を守るのが使命と。

 で、とっとと牢屋を抜け出したいわけですが、操作不能で、時間の経過を待たなければなりません。シーフのオープンロックや、魔術師の「ノック(開錠呪文)」で牢屋の鉄格子が何とかなるとも思えませんし。主人公や、ミンスクなんかは筋力が18もあるんだから、ベンドバー能力で鉄格子を曲げられないかなあ、と思ったりもするんですが、そこはいろいろ試みてダメだった、と脳内補完しておきましょう。
 しばらく待ってやって来るのが、キャンドルキープの副長のテストリルさん。この人は、長のウルラーントさんよりも有能だと、ルールブックのキャラ紹介に書いてありました。ウルラーントさんは、規則ずくめのガチガチ爺さん(性格はローフルニュートラル。レベル9メイジ)。一方のテストリルさんは、ローフルグッドのレベル18プリーストで、キャンドルキープの実務をいろいろ取り仕切っている、と。ただ、野心家ではないので、上司のウルラーントさんの座を奪おうとはしていない。
 ウルラーント爺さんがドッペルゲンガーにすりかわっているかどうかは不明ですが、すりかわってなくても、主人公への処罰は、十分ありえるものだったんですね。前回書いた「叡智で知られる」は撤回して、「事なかれ主義の学者バカ」と呼んでおきます。ああ、有能なテストリルさんが長だったら、良かったのに。

 そのテストリルさん主人公の脱出を手引きしてくれます。牢屋からテレポートの魔法で送り出してくれるそうですが、キャンドルキープの外までは無理。せいぜい、壁一つ隔てた秘密の地下墓地までが限界。そこから後は自力で脱出しろ、と。
 そんなわけで、装備品を取り戻してもらった後、秘密の地下墓地へGO! そこから脱出のためのダンジョン探索タイムとなります。

 地下墓地には罠も多く、盗賊のイモエンちゃんが大活躍。一人だけパーティーから先行して、罠発見と解除に務めます。で、モンスターを発見したら、慌てて戻ってきて、パーティーと合流。戦闘タイムに突入、と。
 一度だけ、テレポート能力を持ったクモと遭遇して、退路を塞がれ、ピンチに陥ったこともありましたが、慌ててパーティーを呼んで、九死に一生を得たり。
 それ以外は順調に探索進行して、マジックアイテムもGET。図書館の地下だけあって、「魔法のスクロール」や「書物」関係が多いです。特に、稀少な「能力値アップの書物」が入手できて、結構な収穫でした。
 墓地だけあって、アンデッドも多く、とりわけ倒しても何度も蘇ってくるスケルトン集団が厄介。さっさと通り過ぎたいんだけど、その周辺に部屋が多くて、探索についつい時間をかけてしまうわけですね。で、再生スケルトンと何度も戦うことになる、と。

 不愉快だったのは、街の人に化けたドッペルゲンガー。宿屋の主人とか、主人公の旧友とか、武器の訓練をしてくれた戦士のおじさんとか、本好きのお姉さんとか、うわあ、こんなにすりかわられていたの? と愕然です。
 以前、ドッペルゲンガーを倒しながら、「人間の心を残したオルフェノク」を話題にしましたが、ドッペルゲンガーに人間の心なんてありません。こいつら、すりかわった人間を食べちゃったりしますから。すりかわられた人たちの仇を討つべく、剣を振りながら、大切な故郷を踏みにじったサレヴォクへの怒りを募らせます。
 そして、進んでいくと、現れるのが養父ゴライオン。「実は生きておったのじゃ。一緒にサレヴォクを倒しに行こう」と、もっともらしいことを言いますが、あからさまに怪しいので疑ってみると、やはりドッペル君の正体を現します。少々強い、グレータードッペルゲンガーだったりするのですが、オートバトルで十分倒せるレベル。

 そんなわけで、ドッペル軍団を倒しているうちに、パーティーの何人かがレベルアップしていきます。

●カリード(HP79):ハーフエルフのレベル7ファイター(戦士)・男性。地味なキャラですが、戦士として地道に活躍。

●ジャヘイラ(HP64):ハーフエルフのレベル6ファイター/レベル7ドルイド(自然の神の信仰者)・女性。ドルイドレベルが上がって、シェイプチェンジ(動物への変身)能力を獲得。でも、それよりもレベル4呪文が嬉しいです。「中位回復呪文」とか「解毒」とか「電撃防御」とか、使える呪文がいっぱい。

●ダイナヘール(HP36):人間のレベル7インヴォーカー(物理呪文使い)・女性。レベル4呪文が使えるようになりました。でも、このレベルって、役立つ呪文は精神系や召喚系が多く、それが使えない彼女には、あまり役立つ呪文が増えてません。「コンフュージョン(混乱)」とか「モンスターサモニング(怪物召喚)」とか便利そうなんだけどなあ。どうして、「バルダーズゲート」には「アイスストーム(氷嵐)」が用意されていないんだ? 

 システムへのちょっとした不満はともかく、人工の地下墓地を抜けて、天然の洞窟に入ってきました。ここを抜けると、日の光を拝むことができます。
 その中で待ち構えているサレヴォク配下の傭兵たち。相手は4人で、それほど強くはないと思ったんですが、戦闘場所が悪いです。こちらは通路がまっすぐなので、相手がライトニングを撃ってくれば、一網打尽に。これでは、前衛はともかく後衛はたまりません。こういう状況で対策をたてるのが、このゲームの面白いところ。
 まず、味方に「ヘイスト(加速)」をかける。これは常識でしょう。第5章の最終戦では、ポーションを使ってましたが、考えてみれば、ダイナヘールがその魔法を使えたのでした。同レベル呪文の「ファイヤーボール」ばかり使っていて、気付いてなかったと。
 次に、「電撃対策」ですが、ジャヘイラが覚えたばかりの「電撃防御」はパーティー用ではなくて、個人用。そこで、主人公に掛けて、まずは単独突撃させます。ライトニング使いに取り付いて、呪文を使えなくさせた後で、他の仲間が遅れて戦場に突入と。

 すると、敵さんは主人公に「ホールド(金縛り)」を掛けてくれました。魔法使いは二人もいたのね。しくしく。
 「ホールド」対策に、「ホールド避けの指輪」を装備。これは、ふだんはジャヘイラに装備させています。何しろ、主人公の「高速移動のブーツ」の効果を無効化する副作用がありますから。でも、「ヘイスト(加速)」が掛かっている状況では、関係ない、と。
 ついでに、「魔法抵抗のポーション」を気休めに飲んで、いざ突撃。

 ……何とか、勝てました。主人公の残りHP1というギリギリの状況で。
 主人公が魔法使いを攻撃している間に、弓使いが連続射撃をしてきて、どんどんHPを削られてしまったんですね。この戦闘では、「弓矢防御」の魔法も掛けておくべきでした。
 戦闘の後半では、主人公は戦線離脱して、必死に自分のHP回復に専念。後から駆けつけてきたカリードミンスクが大活躍して、戦闘終了と。
 もう少し、器用な戦闘ができたかも、と反省しつつ、まあ、勝ったんだからOKと。

 その後、洞窟の出口では、最後の難関として「バジリスク」が2頭、待ち構えています。何も考えずに突撃すると、たちまち石になってしまいますので、事前に魔術師レベル2呪文の「石化防御」を唱えておきましょう。
 この洞窟を脱出すれば、第6章も終了。サレヴォクの手下の話では、アイアンスロウンをまとめるため、奴はバルダーズゲートに戻ったそうです。

 サレヴォクを追うことで、第7章スタート。
 バルダーズゲートに入った主人公が最初に噂話で聞いたのは、大切なパトロンである「フレイミングフィスト衛兵隊」の副指揮官スカールさんが暗殺され、エルタン大公が謎の病気に掛かったとか。おまけに、主人公がアムンのスパイで、全ての罪をアイアンスロウンになすり付けようとしている」といった情報操作もされているし。
 法を司る「フレイミングフィスト衛兵隊」が機能不全に陥った今、ソードコーストの秩序を守るためには、超法規手段に則(のっと)るしかありません。すなわち、再びアイアンスロウン本部への殴りこみ、と。それしかできないのかよ、と自分にツッコミつつ。(つづく)

 

●2003年11月4日(火)・大公暗殺計画(第7章)

 最終章の第7章です。
 舞台はバルダーズゲート。そこで展開されるサレヴォクの陰謀を止めることが目的。

 で、街に入ったばかりだと、サレヴォクの陰謀が何なのか分かりませんので、情報収集と。
 まあ、「アイアンスロウン本部に殴り込みをかける」というのが手っ取り早いのですが、作戦を立てるにも情報は大事と。

 そして、分かったこと。

@4人いる大公の1人であり、バルダーズゲート一の金持ちと噂されているエンタール・シルバーシールド公が暗殺された。

A4人いる大公の1人であり、「フレイミングフィスト衛兵隊」の指揮官であるエルタン大公が謎の病気。副指揮官のスカールさんは暗殺されて、現在はナンバー3のアンジェロが衛兵たちを指揮している。このアンジェロという男は、エルタン大公と異なる方針を示し、衛兵たちの間では評判が悪いが、兵士は上司の命令に逆らえない。

B主人公には、アイアンスロウンの首領リエルタール殺しの嫌疑が掛けられている。衛兵たちは、現在、アンジェロの命令で、主人公を逮捕しようと動いている。

 つまり、それまで味方だと思っていた衛兵たちが、敵対行動を示すわけですね。厄介なことに。
 パラディンである自分にとって、衛兵殺しは一番やってはいけない悪事です。1人殺せば、名声が10失墜。2人殺せば、パラディンの資格喪失と。敵に回して一番、恐ろしいのが衛兵だと。

 誰か味方はいないか、と、衛兵に見つからないよう、こそこそ動き回っていたら、「ハーパーズ」の一員が接触してきました。
 ハーパーズってのは、「フォーゴットンレルムの正義の秘密組織」です。実は養父ゴライオンも、パーティー仲間のジャヘイラカリード夫婦も、そこに所属していて、「主人公が悪の道に転ばないよう監視していた」という経緯があったりします。
 まあ、監視されていた、という点で不審に思ったりもしたのですが、自分が「邪神バールの子」なら、仕方ないな、と。
 でも、バールの子を身ごもってしまったという主人公の母親は、ゴライオンが昔、愛した女性で、ゴライオンは主人公を実の子供のように思っていたらしいです。つまり、ゴライオンはアスカ、主人公の母はマホロ、バールはデズモゾ−リャで、主人公がもしも女の子ならリジェの立場だと解釈できたりも。今さら、「実は女の子だったの」なんて言うわけにもいきませんが(苦笑)。
 ともかく、出生はどうあれ、現在は「完全無欠の正義の体現者(パラディンって、そういうキャラなの)」である主人公。ハーパーズのバックアップは心強いです。

 で、ハーパーズの使者の助言は、「アイアンスロウンに侵入するか、エルタン大公の病気の原因を調べるか」だそうな。エルタン大公の病気を看ている医者が怪しい、とのことだけど、エルタン大公は「衛兵隊本部」に隔離されていて、接触困難だそうな。
 とりあえず、様子を見に行きましょうか、と、のこのこ「衛兵隊本部」に出向いたら、あっさり逮捕されてしまいました。で、アンジェロはやはりサレヴォクとつるんでいるらしく、主人公にあっさり「極刑」を言い渡します。囚人の協力で脱獄できたわけですが、これでもう「衛兵隊本部」の調査という選択肢は無謀という結論に。

 結局、アイアンスロウンに行くしかないってことで、最初の作戦が正解だったと。余計な回り道をした気分です。
 もう、「殺人者の容疑をかけられ、脱獄まで犯した」わけですから、これ以上、立場が悪くなることはありません(衛兵殺しを除く)。ためらうことなく、アイアンスロウン本部に乗り込む、と。
 すると……あら? 敵さんの激しいお出迎えがあるかと思ったら、夜逃げ同然で本部から逃げて行く人たちばかり。一体、何事? と聞いてみれば、アイアンスロウンのメンバーはサレヴォクの破滅的な計画に付いて行けなくなったのだそうな。
 つまるところ、アイアンスロウンは「悪の組織」といっても、あくまで「商人組合」。鉄の専売と、アムンとの戦争の空気を煽ることで、金儲けを目論んではいたけれど、本気でアムンとバルダーズゲートを戦争させようとは思ってなかったとのこと。何しろ、戦争になってしまったら、商売にならないですから。「戦争になるかもしれない」という雰囲気だけ作って、専有している鉄を売る、ここまでの計画だったみたいです。
 首領のリエルタールも、キャンドルキープで、アムンの騎士団幹部と平和交渉の密談をする予定だったそうな。それを、サレヴォクが殺しちゃったと。
 サレヴォクの目的は、商売そっちのけで、戦争を勃発させること。彼の目的は、とにかく「バールの子」らしく殺戮に尽きるようです。
 中には、リエルタールと一緒に殺されたアイアンスロウン幹部の息子なんてのもいて、「サレヴォクを倒すつもりなら、協力するぜ!」なんて言ってくれます。う〜ん、昨日の敵は今日の友ってか。味方だった衛兵隊が敵に回り、敵だと思っていたアイアンスロウンが協力してくれる……複雑な展開になってきました。

 ただ、現在、アイアンスロウンを仕切っているのがサレヴォクの愛人で、この女を脅して、サレヴォクの陰謀を聞き出さなければなりません。
 で、バトルの末に聞き出しました。暗殺者に残り2人の大公の暗殺を依頼したそうな。で、暗殺者が失敗した場合は、ドッペルゲンガーに殺らせる、と。二重三重の緻密な計画だこと。大公暗殺を達成した暁には、自らバルダーズゲートの大公となって(貴族への根回しも進んでいる)、アムンとの戦争で多くの殺戮劇を展開するのが現在の構想だとか。
 そうした陰謀の証拠となる「サレヴォクの日記」なんかも入手して、とりあえず暗殺者がいるという「アンダーセラーズ」という場所に向かいます。「アンダーセラーズ」へは下水道を通じて行けるのですが、実は「北西区画にある酒場ブラッシングマーメイド亭の地下」という情報を得ているので、汚らしい下水道探索の手間は省けます。

 アンダーセラーズ(地下の歓楽場らしい)で、暗殺者の2人組を倒して、「サレヴォクからの暗殺依頼書」を入手。これも悪事の証拠となります。で、暗殺者は「大公宮殿で行われるパーティーの招待状」も持っていました。どうやら、パーティー会場で、暗殺計画が実行される予定とのこと。
 大公暗殺計画を未然に防ぐため、入手した「招待状」を使って、パーティー会場の「大公宮殿」に入ることにしましょう。そこで、サレヴォクの悪事を公表することで、主人公の冤罪も晴れたらいいな、と。(つづく)

 

●2003年11月6日(木)・陰謀の末路、そしてウルゴス・ビアードへ(第7章)

 サレヴォクの陰謀、それはバルダーズゲートの大公に就任して、南の帝国アムンとの戦争を開始。邪神バールの子らしく、敵味方双方の殺戮劇を展開することでした。
 そのために、エンタール大公を暗殺、エルタン大公を病気状態で幽閉、「フレイミングフィスト衛兵隊」の指揮権を実質、握るなど、やりたい放題。
 そして、4人いる大公の残り2人、リーアとベルトを暗殺してしまおうという計画。

 それを阻止するべく、主人公たちは、大公宮殿に入るための「パーティー招待状」を入手した、と。

 で、パーティー会場に侵入。「フレイミングフィスト衛兵隊」が厳重に警備していて、ドッキリですが、招待状を見せると、あっさり通してくれました。こちらがお尋ね者一行であることなど、気にかけた様子もありません。街中で出会うと、逮捕しようとするのに……。
 きっと、これは「仮装パーティー」なんですね、と自分を納得させます。
 で、パーティーの目的は、「サレヴォクの新大公就任お披露目式」だった、と。うわあ、そこまで話が進んでいたんだ。

 そして、会場では数人の貴族が、現実の「アムン問題」を訴えます。何だか無粋な奴らですが、そういうお膳立ての整ったところで、サレヴォクが演説をかます、という展開に。
 そこで、「ちょっと待った!」と名乗り出る主人公
 「やいやい、サレヴォク。お前が、エンタール大公を暗殺し、エルタン大公を監禁、あまつさえ、ここにいるリーア大公とベルト大公の両名の暗殺を目論んでいること。すでに証拠は挙がっているんだぜ!」
サレヴォク「ム、貴様は! おい、衛兵ども。ここにお尋ね者がいるぞ。すぐに捕まえるんだ」
ベルト「いや。彼の話を聞こうじゃないか」
リーア「証拠があると言っていたわね。サレヴォクへの告発は、彼の名誉にも関わる重大なもの。よほどの証拠でなければ、罪に問われるのは、あなた方ですよ」
NOVA「もちろんです、両大公閣下。サレヴォクは、野盗を影で操って鉄不足を演出、世情不安を背景に、バルダーズゲートを戦争に導こうとした大悪人。私個人におきましても、養父ゴライオンを殺され、今もまたアイアンスロウンのリエルタール殺害の濡れ衣を着せられている次第。その全ての証拠は、サレヴォク自身が書いた日記、および、恐れながら両大公の暗殺が依頼された手紙にございます。どうぞ、ご覧のほどを」
サレヴォク「そんな戯言に耳を傾けては……」
ベルト「どうした、サレヴォク。戯言かどうかは、証拠とやらを見れば、はっきりするではないか。覚えがないことなら、堂々と構えていればいい。NOVAとやら、証拠をこれに」
NOVA「はい、閣下……あ、危ない!」

 
居合わせた貴族たちがドッペルゲンガーの正体を現して、2人の大公に襲い掛かってきます。大公の命を守るために、戦う主人公たち。

サレヴォク「おのれ、NOVA。貴様さえいなければ!」
NOVA「2月2日、ゴライオンを殺したのはお前だな! 許さん、必殺マックスNOVA!」
サレヴォク「うおー、よくも、よくも〜。今は撤退するが覚えていろ! この恨み、絶対に忘れん!」

 一部、脚色が入ってますが、こういう感じで、サレヴォクは逃走します。ドッペルゲンガーも倒し終わって、一段落。

リーア「NOVA殿。命を助けてもらったこと、お礼を言います」
ベルト「そなたの濡れ衣は晴れた。サレヴォクの悪事は、公の場で発表するとしよう。しかし……奴は、そなたに恨みを抱いているぞ。どうするつもりだ?」
NOVA「どこに逃げたか分かり次第、後を追います。奴は、養父の仇ですから」
ベルト「そうか。バルダーズゲートの大公として、私からも依頼しよう。ゲートの平和を脅かすサレヴォクを倒してくれ、と。奴の行方は……(瞑想してから)我が神の啓示によると、盗賊ギルドの地下だ。すぐに送ってやろう」

 そして、東地区の盗賊ギルドにテレポートされる主人公一行。

「あ、貴様は!」

 
うわあ、盗賊ギルドの残党が襲い掛かってきます。バルダーズゲートに入ったばかりの頃に、盗賊ギルドを壊滅させてしまったからねえ。ずいぶん、前の話でなつかしいですが(笑)。
 
あっさり、撃退して、地下室への扉を開いたところで、思い悩む。

イモエン「どうしたの、NOVA?」

 いや、サレヴォクと決着をつけなければいけないことは分かっているんだ。そして、この奥に向かえば、サレヴォクのアジトがあって、最後の戦いになるだろうってことも。
 でも、正直言って、心の準備ができていないんだ。
 サレヴォクも、そして自分も「邪神バールの子」ということだけど、バールの望みは、ぼくたちが殺し合って、どちらかが生き残ることだ。つまり、このまま先に進めば、それこそバールの思惑どおりに事が運んでしまいそうで、どちらが勝ったとしても、恐ろしい結果になってしまうんじゃないだろうか。

ジャヘイラ「迷いを感じてらっしゃるのですね」

 ああ、少し考える時間がほしい。自分の気持ちを整理するためにね。
 当面、サレヴォクは、このバルダーズゲートで何もできないだろう。奴の陰謀は明らかになったし、大事な駒であったアイアンスロウンも、多くの者が奴を見限った。すぐに大きな行動には出られないはずだ。
 
その間に、こちらも準備を万端、整えてから、最後の戦いに望みたい。

カリード「分かったよ。前に一度、訪れたんだけど、バルダーズゲートの北東に、ウルゴス・ビアードという小さな漁村があるんだ。あそこで、のんびり海でも見ながら、美しい自然の中で考えれば、落ち着くこともできるんじゃないかな」

 ウルゴス・ビアードか。陰謀とは関係ないところで、観光を楽しむのも悪くはないかな。
 よし、「ソードコーストの海」でも見てくるとしよう。

 ……こうして、主人公一行は、 サレヴォクとの決着を前に、漁村ウルゴス・ビアードで静養することになりました。しかし、そこで更なる冒険を経験することになるのです。
(追加シナリオ「テイルズ・オブ・ザ・ソードコースト(TSC)」へつづく)

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